JPH0622759Y2 - 床暖房用下地材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、床暖房装置を形成するための床暖房用下地材
に関するものである。

【従来の技術】

床面に温水パイプ１を通して温水で床暖房をおこなった
り、床面に電気ヒータを設けて電熱で床暖房をおこなっ
たりするにあたって、床に温水パイプ１を配管したり電
気ヒータへの給電線２を配線したりする必要があり、温
水パイプ１を収容したりあるいは給電線２を収容したり
するための凹溝４を形成した下地材Ａが用いられる。 そしてこの下地材Ａを取り付けるにあたって、いわゆる
マンションなど集合住宅のように床がコンクリートスラ
ブ８で形成されている場合、従来は第８図に示すように
しておこなわれていた。すなわちコンクリートスラブ８
の面は凹凸（いわゆる不陸）があるため、コンクリート
スラブ８の上にまずころがし根太９をコンクリート釘１
０で固定すると共にころがし根太９の両側に副根太１１
を取り付け、凹溝４を設けると共に下面に断熱材１２を
設けて形成した下地材Ａの両側端を副根太１１上に載置
して釘打ち等で取り付けるようにするものであり、そし
てこの上に床材１３を張って床暖房装置を構成すること
ができる。

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このものではころがし根太９をコンクリートス
ラブ８上に固定しなければならないために施工手間がか
かり、しかもころがし根太９を固定するためにコンクリ
ート釘１０を打ち込む際に衝撃音が発生すると共にコン
クリート釘１０の打入でコンクリートスラブ８が破損し
たり脆くなったりするという問題があり、さらに床材１
３上の歩行音などはころがし根太９からコンクリートス
ラブ８に伝達され、階下に騒音として響くことになると
いう問題があった。 本考案は上記の点に鑑みて為されたものであり、ころが
し根太を用いるような必要なく床面に直貼り式で取り付
けることができ、階下に騒音が伝わるようなおそれもな
い床暖房用下地材を提供することを目的とするものであ
る。

【課題を解決するための手段】

本考案は、基材３の上面に温水を通過させる温水パイプ
１を配管して収容する凹溝４を凹設し、基材３の下面に
クッション材５を設けて成る床暖房用下地材Ａを第一の
考案とし、電気ヒータ６が上側に敷かれる基材３の上面
に電気ヒータ６への給電線２を配線して収容する凹溝４
を凹設し、基材３の下面にクッション材５を設けて成る
床暖房用下地材Ａを第二の考案とするものである。

【作用】

本考案にあっては、温水パイプ１を配管したり電気ヒー
タ６の給電線２を配線したりするための凹溝４を形成し
た基材３の下面にクッション材５を設けることによっ
て、クッション材５でコンクリートスラブ８の不陸を吸
収してコンクリートスラブ８上に直接接着剤で貼り付け
て取り付けることができると共に、床材上の歩行音など
はクッション材５に吸収されて階下に伝わることが防止
される。

【実施例】

以下本考案を実施例によって詳述する。 第１図は第一の考案の一実施例を示すものであり、基材
３は合板やパーチクルボード、インシュレーションボー
ド、樹脂成形板、金属板などで板状に形成され、その上
面には断面半円形の凹溝４が凹設してある。第１図の実
施例では凹溝４は縦横複数本づつ格子状に形成してあ
る。この基材３の下面にクッション材５を貼って床暖房
用の下地材Ａが形成されるものである。クッション材５
としてはグラスウールやロックウールなどの繊維状体や
樹脂発泡体など多孔質体などを用いることができ、クッ
ション性を有すると同時に断熱性を有するものが好まし
い。このクッション材５の下面やあるいは上面には凹凸
形状のエンボスを施しておいてもよい。 上記のように形成される下地材Ａは、基材３の下面に設
けたクッション材５でコンクリートスラブ８の不陸を吸
収させることができるために、コンクリートスラブ８の
床面にクッション材５の下面を接着剤で貼り付けること
によって、直貼りで取り付けることができる。従って、
ころがし根太をコンクリートスラブ８の上にコンクリー
ト釘で固定するような作業は不要になる。ここで、下地
材Ａは複数枚のものを縦横に並べてコンクリートスラブ
８上に取り付けられるものであり、第２図に示すように
基材３の一方と他方の木口端面にそれぞれ実突部１４と
実凹部１５を形成し、隣合う下地材Ａにおいて実突部１
４と実凹部１５とを嵌合させることによって、接合を強
固におこなえるようにするのがよい。またこのように実
突部１４と実凹部１５との嵌合で隣合う下地材Ａを接合
させるようにすれば、下地材Ａの上面を面一に合わせる
ことができるものである。そして基材３の上面に設けた
凹溝４にはめ込んで温水が通される温水パイプ１を各下
地材Ａに渡るように蛇行状等に配管し、さらに基材３の
上面に耐熱タイプの床板など床材１３を接着剤や釘打ち
によって張ることによって、床暖房装置を構成すること
ができるものである。 第３図は第二の考案の一実施例を示すものであり、この
ものでは電気ヒータ６に給電する給電線２を配線するた
めの凹溝４を基材３の上面に設けて下地材Ａを形成して
ある。凹溝４は例えば第３図(b)に示すように給電線２
を導入もしくは導出させる出入口用溝部4aと、電気ヒー
タ６に給電線２を結線させるための結線用溝部4bと、給
電線２を通過させる通過用溝部4cとで形成してある。こ
のように形成される下地材Ａは複数枚を縦横に並べて、
第４図に示すようにコンクリートスラブ８の床面にクッ
ション材５の下面を接着剤で貼り付けることによって直
貼りで取り付けられるものであり、各下地材Ａに渡るよ
うに凹溝４内に給電線２を配線し、そして下地材Ａの上
にフィルムヒータなど面状の電気ヒータ６を張って電気
ヒータ６と給電線２とを結線すると共にさらにその上に
床材１３を張ることによって床暖房装置を構成するもの
である。 第５図は給電線２を通す下地材Ａの他の実施例を示すも
のであり、この下地材Ａは第６図に示すように室内の壁
１６間において並べて取り付けることができる。第６図
において給電線２の配線状態を矢印線で示し、また給電
線２と結線する電気ヒータ６の端子部１７の位置を鎖線
で示す。第６図中１８は壁１６に設けたコントローラボ
ックスである。 尚、第１図や第３図、第５図の実施例では基材３を板材
で形成するようにしたが、第７図に示すように基材３を
ポリエステルシートやテフロンシートのようなシート材
で形成し、クッション材５に成形した溝部１９にシート
材を添わせることによって凹溝４を形成させるようにす
ることもできる。

【考案の効果】

上述のように本考案にあっては、温水パイプを配管した
り給電線を配線したりするための凹溝を凹設した基材の
下面にクッション材を設けて下地材を形成するようにし
たので、クッション材でコンクリートスラブの不陸を吸
収することによって、ころがし根太をコンクリート釘で
固定するような必要なく、コンクリートスラブ上に下地
材を直接接着剤で貼り付けて取り付けることができるも
のであり、しかも歩行音などはクッション材に吸収さ
れ、騒音が階下に伝わることを防止することができるも
のである。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の一実施例の斜視図、第２図は同上の施
工状態の断面図、第３図(a)(b)は本考案の他の実施例の
断面図と平面図、第４図は同上の施工状態の断面図、第
５図は同上のさらに他の実施例の一部切欠斜視図、第６
図は同上の施工状態の平面図、第７図は本考案のさらに
他の実施例の断面図、第８図は従来例の断面図である。 １は温水パイプ、２は給電線、３は基材、４は凹溝、５
はクッション材、６は電気ヒータである。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基材の上面に温水を通過させる温水パイプ
   を配管して収容する凹溝を凹設し、基材の下面にクッシ
   ョン材を設けて成る床暖房用下地材。
2. 【請求項２】電気ヒータが上側に敷かれる基材の上面に
   電気ヒータへの給電線を配線して収容する凹溝を凹設
   し、基材の下面にクッション材を設けて成る床暖房用下
   地材。