JP2530127B2 - 直接ポジカラ−画像の形成方法 - Google Patents

直接ポジカラ−画像の形成方法

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JP2530127B2
JP2530127B2 JP61149085A JP14908586A JP2530127B2 JP 2530127 B2 JP2530127 B2 JP 2530127B2 JP 61149085 A JP61149085 A JP 61149085A JP 14908586 A JP14908586 A JP 14908586A JP 2530127 B2 JP2530127 B2 JP 2530127B2
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    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
    • G03C7/30Colour processes using colour-coupling substances; Materials therefor; Preparing or processing such materials
    • G03C7/3022Materials with specific emulsion characteristics, e.g. thickness of the layers, silver content, shape of AgX grains

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は直接ポジハロゲン化銀写真感光材料を像様露
光の後、造核剤の存在下にカラー現像処理する事により
直接ポジカラー画像を得る画像形成方法に関する。
(従来の技術) 反転処理工程又はネガフィルムを必要とせずに、直接
ポジ像を得る写真法はよく知られている。
従来知られている直接ポジハロゲン化銀写真感光材料
を用いてポジ画像を作成するために用いられる方法は、
特殊なものを除き、実用的有用さを考慮すると、主とし
て2つのタイプに分けることができる。
1つのタイプは、あらかじめかぶらされたハロゲン化
銀乳剤を用い、ソーラリゼーションあるいはハーシェル
効果等を利用して露光部のかぶり核(潜像)を破壊する
ことによって現像後直接ポジ画像を得るものである。
もう1つのタイプは、かぶらされていない内部潜像型
ハロゲン化銀乳剤を用い、画像露光後かぶり処理を施し
た後か、またはかぶり処理を施しながら表面現像を行い
直接ポジ画像を得るものである。
ここで上記の内部潜像型ハロゲン化銀写真乳剤とは、
ハロゲン化銀粒子の主として内部に感光核を有し、露光
によって粒子内部に主として潜像が形成されるようなタ
イプのハロゲン化銀写真乳剤をいう。
この後者のタイプの方法は、前者のタイプの方法に比
較して、一般的に感度が高く、高感度を要求される用途
に適しており、本発明はこの後者のタイプに関するもの
である。
この技術分野においては種々の技術がこれまでに知ら
れている。例えば、米国特許第2,592,250号、同第2,46
6,957号、同第2,497,875号、同第2,588,982号、同第3,3
17,322号、同第3,761,266号、同第3,761,276号、同第3,
796,577号及び英国特許第1,151,363号、同第1,150,553
号、同第1,011,062号の各明細書等に記載されているも
のがその主なものである。
これら公知の方法を用いると直接ポジ型としては比較
的高感度の写真感光材料を作ることができる。
また、直接ポジ像の形成機構の詳細については例え
ば、T.H.ジェームス著「ザ・セオリ・オブ・ザ・フォト
グラフィック・プロセス」(The Theory of The Photog
raphic Process)第4版第7章182頁〜193頁や米国特許
第3,761,276号等に記載されている。それによると、最
初の像様露光によってハロゲン化銀内部に生じた、いわ
ゆる内部潜像に起因する表面減感作用により、未露光部
のハロゲン化銀粒子の表面のみに選択的にかぶり核を生
成させ、次いで通常の、いわゆる表面現像処理を施す事
によって未露光部に写真像(直接ポジ像)が形成される
と信じられている。
上記の如く、選択的にかぶり核を生成させる手段とし
ては、一般に「光かぶり法」と呼ばれる感光層の全面に
第二の露光を与える方法(例えば英国特許第1,151,363
号)と「化学的かぶり法」と呼ばれる造核剤(nucleati
ng agent)を用いる方法とが知られている。この後者の
方法については、例えば「リサーチ・ディスクロージャ
ー(Research Disclosure)誌第151巻No.15162(1976年
11月発行)の76〜78頁に記載されている。
直接ポジカラー画像を形成するには、内部潜像型ハロ
ゲン化銀感材をかぶり処理を施した後、又はかぶり処理
を施しながら表面発色現像処理を行い、その後漂白、定
着(又は漂白定着)処理して達成できる。漂白・定着処
理の後は通常水洗および/又は安定化処理が施される。
(本発明が解決しようとする問題点) カラー現像液の現像速度・発色速度を速くするために
従来から種々の方法がとられてきた。その中でもカラー
現像主薬が最終的にカプラーとカップリングして色素を
形成する上で、カラー現像主薬そのものがカプラー分散
油滴中へ取込まれていることが必要であるが、その浸透
を速めて発色を促進する添加剤として各種の添加剤が知
られている。特にこのような発色促進効果が大きいもの
としてベンジルアルコールが知られており、従来各種の
カラー写真感光材料の処理に使われてきた。そして現在
でも広く用いられている。
ベンジルアルコールは水にある程度溶解するものの溶
解性が悪く、溶解性を上げるためにジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコールあるいはアルカノールアミ
ンを用いることも広く行なわれている。
しかしながらこれらの化合物およびベンジルアルコー
ルそのものも、排水として処理する上での公害負荷が大
きくてBOD値やCOD値が高く、上述のように発色性の向
上、あるいは溶解性の向上等の利点にもかかわらず、排
水処理の点からはベンジルアルコールを減少、ないし除
去することが望まれていた。
更には、前述のジエチレングリコール等の溶剤を用い
てもなおベンジルアルコールの溶解性は十分ではなく、
現像液を調製する手間と時間に負担をかける原因となっ
ていた。
また、ベンジルアルコールが、それに引続く浴である
漂白浴もしくは漂白定着浴中に現像液とともに持ち込ま
れて蓄積するとシアン色素の種類によってはロイコ体が
形成され、発色濃度を低下させる原因となっていた。そ
してまたその蓄積は水洗工程における現像液成分、特に
カラー現像主薬の洗い出しを不十分にさせるため、それ
らの残存に起因する画像保存性の劣化をひき起こすこと
も見られた。
これら諸々の観点から、ベンジルアルコールをカラー
現像液から削減または除去することが望まれている。
現在カラーラボ業界ではこれらの問題をかかえている
一方で、プリントの仕上げ納期の短縮化の要求が強く、
処理時間を短縮する必要性にも迫られている。
しかしながら、カラー現像液からベンジルアルコール
を除去した上で現像時間を短縮すれば、発色濃度が著し
く低下することは明らかであり、これらの要求は従来の
技術では同時に満たし得るものではない。
従って本発明の目的は、ベンジルアルコールを実質的
に含まないカラー現像液で短時間の処理を行なっても発
色濃度の低下が少い直接ポジカラー画像形成法を提供す
ることにあり、特にそのような条件下でも効率的な発色
を示すカラー写真感光材料とそれを用いたカラー画像の
形成法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の目的は、予めかぶらされていない内部潜像型
ハロゲン化銀粒子とカラー画像形成カプラーを含有する
写真乳剤層を少なくとも一層支持体上に有する感光材料
を像様露光の後、造核剤および/又はかぶり露光の存在
下で、p−フェニレンジアミン系発色現像薬を含む表面
現像液で現像、漂白、定着処理して直接ポジカラー画像
を形成する方法に於て、前記現像処理をpH11.5以下で実
質的にベンジルアルコールを含まない現像液を用いて行
ないかつ前記のカラーカプラーは、それ自身実質的に非
拡散性であって、しかもp−フェニレンジアミン系発色
現像薬との酸化カップリングによって実質的に非拡散性
の色素を生成または放出する化合物であり、前記の内部
潜像型ハロゲン化銀粒子が、コア/シェル積層構造を有
し、コアが臭化銀90モル%以上、沃化銀10モル%以下の
臭化銀、沃臭化銀、塩臭化銀または塩沃臭化銀からな
り、シェルが塩化銀20モル%以上の塩臭化銀からなるこ
とを特徴とする直接ポジカラー画像の形成方法によって
達成される。
コア粒子はコンバージョン型で形成してもよく、また
通常の金増感、硫黄増感、還元増感等の化学増感を1種
類以上用いても良く、また化学増感をしなくても良い。
またイリジウム、パラジウム、ロジウム等の金属をドー
ピングしても良い。
シェルは化学増感しなくても良いが、上記の化学増感
をした方が好ましい。
本発明に用いる予めかぶらされてない内部潜像型ハロ
ゲン化銀乳剤はハロゲン化銀粒子の表面が予めかぶらさ
れてなく、しかも潜像を主として粒子内部に形成するハ
ロゲン化銀を含有する乳剤であるが、更に具体的には、
ハロゲン化銀乳剤を透明支持体上に一定量塗布し、これ
に0.01ないし10秒の固定された時間で露光を与え下記現
像液A(内部型現像液)中で、18℃で5分間現像したと
き通常の写真濃度測定方法によって測られる最大濃度
が、上記と同量塗布して同様にして露光したハロゲン化
銀乳剤を下記現像液B(表面型現像液)中で20℃で6分
間現像した場合に得られる最大濃度の、少なくとも5倍
大きい濃度を有するものが好ましく、より好ましくは少
なくとも10倍大きい濃度を有するものである。
表面現像液B メトール 2.5g l−アスコルビン酸 10 g NaBO2・4H2O 35 g KBr 1 g 水を加えて 1 内部現像液A メトール 2 g 亜硫酸ソーダ(無水) 90 g ハイドロキノン 8 g 炭酸ソーダ(一水塩) 52.5g KBr 5 g KI 0.5g 水を加えて 1 内潜型乳剤の具体例としては例えば、英国特許第1,01
1,062号、米国特許第2,592,250号および、同第2,456,94
3号明細書に記載されているコンバージョン型ハロゲン
化銀乳剤やコア/シェル型ハロゲン化銀乳剤を挙げる事
ができ、該コア/シェル型ハロゲン化銀乳剤としては、
特開昭47−32813号、同47−32814号、同52−134721号、
同52−156614号、同53−60222号、同53−66218号、同53
−66727号、同55−127549号、同57−136641号、同58−7
0221号同59−208540号、同59−216136号、同60−107641
号、同60−247237号、同61−2148号、同61−3137号、特
公昭56−18939号、58−1412号、同58−1415号、同58−6
935号、同58−108528号、特願昭61−36424号、米国特許
3,206,313号、同第3,317,322号、同第3,761,266号、同
第3,761,276号、同第3,850,637号、同第3,923,513号、
同第4,035,185号、同第4,395,478号、同第4,504,570号
ヨーロッパ特許第0017148号、リサーチ・ディスクロー
ジャー誌RD16345号(1977年11月)などに記載の乳剤が
挙げられる。
ハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ(球状もしくは球
に近い粒子の場合は粒子直径を、立方体粒子の場合は、
稜長をそれぞれ粒子サイズとし投影面積にもとずく平均
であらわす)は、1.5μ以下で0.2μ以上が好ましいが、
特に好ましいのは1.2μ以下0.4μ以上である。粒子サイ
ズ分布は狭くても広くてもいずれでもよいが、粒状性や
鮮鋭度等の改良のために粒子数あるいは重量で平均粒子
サイズの±40%以内(より好ましくは±30%以内、最も
好ましくは±20%以内)に全粒子の90%以上、特に95%
以上が入るような粒子サイズ分布の狭い、いわゆる「単
分散」ハロゲン化銀乳剤を本発明に使用するのが好まし
い。また感光材料が目標とする階調を満足させるため
に、実質的に同一の感色性を有する乳剤層において粒子
サイズの異なる2種以上の単分散ハロゲン化銀乳剤もし
くは同一サイズで感度の異なる複数の粒子を同一層に混
合または別層に重層塗布することができる。さらに2種
類以上の多分散ハロゲン化銀乳剤あるいは単分散乳剤と
多分散乳剤との組合わせを混合あるいは重層して使用す
ることもできる。
本発明に使用するハロゲン化銀粒子の形は立方体、八
面体、十二面体、十四面体の様な規則的(regular)な
結晶体を有するものでもよく、また球状などのような変
則的(irregular)な結晶形をもつものでもよく、また
はこれらの結晶形の複合形をもつものでもよい。また平
板状粒子でもよく、特に長さ/厚みの比の値が5以上と
くに8以上の平板粒子が、粒子の全投影面積の50%以上
を占める乳剤を用いてもよい。これらの種々の結晶形の
混合から成る乳剤であってもよい。
本発明に用いる写真乳剤は、慣用の方法で写真用増感
色素によって分光増感される。特に有用な色素は、シア
ニン色素、メロシアニン色素および複合メロシアニン色
素に属する色素であり、これらの色素は単独又は組合せ
て使用できる。また上記の色素と強色増感剤を併用して
もよい。
詳しい具体例およびその使用法については、例えばリ
サーチ・ディスクロージャー(RD)誌17643(1978年12
月)IVなどに記載されている。
本発明に用いられる写真乳剤には、感光材料の製造工
程、保存中あるいは写真処理中のかぶりを防止し、ある
いは写真性能を安定化させる目的で、ベンゼンチオスル
ホン酸類、ベンゼンスルフィン酸類、チオカルボニル化
合物等を含有させることができる。
かぶり防止剤または安定剤のさらに詳しい具体例およ
びその使用法については、例えば米国特許第3,954,474
号、同第3,982,947号、特公昭52−28660号、リサーチ・
ディスクロージャー(RD)誌17643(1978年12月)IV A
〜VI MおよびE.J.バー(Birr)著「ハロゲン化銀写真乳
剤の安定化」(Stabilization ofPhotographicSilver H
alide Emulsions)フォーカル・プレス(Focal Pres
s)、1974年刊などに記載されている。
本発明に使用する造核剤は感材中または感材の処理液
に含有させる事ができ、好ましくは感材中に含有させる
事ができる。
感材中に含有させる場合は、内潜型ハロゲン化銀乳剤
層に添加することが好ましいが、塗布中、或いは処理中
に拡散して造核剤がハロゲン化銀に吸着する限り、他の
層たとえば、中間層、下塗り層やバック層に添加しても
よい。造核剤を処理液に添加する場合は、現像液または
特開昭58−178350号に記載されているような低pHの前浴
に含有してもよい。
造核剤を感材に含有させる場合、その使用量は、ハロ
ゲン化銀1モル当り10-8〜10-2モルが好ましく、更に好
ましくは10-7〜10-3モルである。
また、造核剤を処理液に添加する場合、その使用量
は、1当り10-5〜10-1モルが好ましく、より好ましく
は10-4〜10-2モルである。
本発明に有用な造核剤は、好ましくは下記の一般式
〔N−I〕や〔N−II〕で表わされる化合物である。
一般式〔N−I〕 (式中、Zは5ないし6員の複素環を形成するに必要な
非金属原子群を表わし、Zは置換基で置換されていても
よい。R1は脂肪族基であり、R2は水素原子、脂肪族基ま
たは芳香族基である。R1及びR2は置換基で置換されてい
てもよい。但し、R1、R2及びZで表わされる基のうち、
少なくとも1つは、アルキニル基、アシル基、ヒドラジ
ン基または、ヒドラゾン基を含むか、またはR1とR2とで
6員環を形成し、ジヒドロピリジニウム骨格を形成す
る。さらにR1、R2及びZの置換基のうち少なくとも一つ
は、X1L1 を有してもよい。ここでX1はハロゲン化
銀への吸着促進基であり、L1は二価の連結基である。Y
は電荷バランスのための対イオンであり、nは0または
1であり、mは0または1である。) 更に詳しく説明すると、Zで完成される複素環は、例
えばキノリニウム、ベンゾチアゾリウム、ベンズイミダ
ゾリウム、ピリジニウム、チアゾリニウム、チアゾリウ
ム、ナフトチアゾリウム、セレナゾリウム、ベンゾセレ
ナゾリウム、イミダゾリウム、テトラゾリウム、インド
レニウム、ピロリニウム、アクリジニウム、フェナンス
リジニウム、イソキノリニウム、オキサゾリウム、ナフ
トオキサゾリウム及びベンズオキサゾリウム環があげら
れる。
Zの置換基としては、アルキル基、アルケニル基、ア
ラルキル基、アリール基、アルキニル基、ヒドロキシ
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、
アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオ
キシ基、アシルアミノ基、スルホニル基、スルホニルオ
キシ基、スルホニルアミノ基、カルボキシル基、アシル
基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、シ
アノ基、ウレイド基、ウレタン基、炭酸エステル基、ヒ
ドラジン基、ヒドラゾン基、またはイミノ基などがあげ
られる。Zの置換基としては、例えば上記置換基の中か
ら少なくとも1個選ばれるが、2個以上の場合は同じで
も異なっていてもよい。また上記置換基はこれらの置換
基でさらに置換されていてもよい。
更にZの置換基として、適当な連結基Lを介してZで
完成される複素環四級アンモニウム基を有してもよい。
この場合はいわゆるダイマーの構造を取る。
Zで完成される複素環として好ましいものは、キノリ
ニウム、ベンゾチアゾリウム、ベンズイミダゾリウム、
ピリジニウム、アクリジニウム、フェナンスリジニウ
ム、及びイソキノリニウムであり、更に好ましいもの
は、キノリニウム、ベンゾチアゾリウム、ベンズイミダ
ゾリウムであり、更に好ましいものはキノリニウム及び
ベンゾチアゾリウムであり、最も好ましいものはキノリ
ニウムである。
R1及びR2の脂肪族基は、炭素数1〜18個の無置換アル
キル基およびアルキル部分の炭素数が1〜18個の置換ア
ルキル基である。置換基としては、Zの置換基として述
べたものがあげられる。
R2で表わされる芳香族基は炭素数6〜20個のもので、
例えばフェニル基、ナフチル基などがあげられる。置換
基としてはZの置換基として述べたものがあげられる。
R1、R2及びZで表わされる基のうち、少なくとも一つ
はアルキニル基、アシル基、ヒドラジン基、またはヒド
ラゾン基を有するか、またはR1とR2とで6員環を形成
し、ジヒドロピリジニウム骨核を形成するが、これらは
Zで表わされる基への置換基として先に述べた基で置換
されていてもよい。ヒドラジン基としては、置換基とし
てなかでもアシル基やスルホニル基を有するものが好ま
しい。
ヒドラゾン基としては、置換基として脂肪族基や芳香
族基を有するものが好ましい。
アシル基としては、例えばホルミル基や脂肪族もしく
は芳香族ケトンが好ましい。
R1、R2またはZのいずれかが有するアルキニル置換基
としては、これまで、すでに一部に述べられているが、
更に詳しく説明すると、好ましくは炭素数2〜18個のも
ので、例えばエチニル基、プロパルギル基、2−ブチニ
ル基、1−メチルプロパルギル基、1,1−ジメチルプロ
パルギル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基などで
ある。
更にこれらは、Zの置換基として述べた基で置換され
ていてもよい。その例としては、例えば、3−フェニル
プロパルギル基、3−メトキシカルボニルプロパルギル
基、4−メトキシ−2−ブチニル基などがあげられる。
R1、R2及びZで表わされる基または環への置換基の少
なくとも1つが、アルキニル基またはアシル基である場
合、あるいはR1とR2とが連結してジヒドロピリジニウム
骨核を形成する場合が好ましく、更にR1、R2及びZで表
わされる基または環への置換基としてアルキニル基を少
なくとも一つ含む場合が最も好ましい。
X1で表わされるハロゲン化銀への吸着促進基の好まし
い例としては、チオアミド基、メルカプト基または5な
いし6員の含窒素ヘテロ環基があげられる。
X1であらわされるチオアミド吸着促進基は、 アミノ−で表わされる二価の基であり、環構造の一部で
あってもよいし、また非環式チオアミド基であってもよ
い。有用なチオアミド吸着促進基は、例えば米国特許第
4,030,925号、同第4,031,127号、同第4,080,207号、同
第4,245,037号、同第4,255,511号、同第4,266,013号、
及び同第4,276,364号、ならびにリサーチ・ディスクロ
ージャー(Research Disclosure)誌第151巻No.15162
(1976年11月)、及び同第176巻No.17626(1978年12
月)に開示されているものから選ぶことができる。
非環式チオアミド基の具体例としては、例えばチオウ
レイド基、チオウレタン基、ジチオカルバミン酸エステ
ル基など、また環状のチオアミド基の具体例としては、
例えば4−チアゾリン−2−チオン、4−イミダゾリン
−2−チオン、2−チオヒダントイン、ローダニン、チ
オバルビツール酸、テトラゾリン−5−チオン、1,2,4
−トリアゾリン−3−チオン、1,3,4−チオジアゾリン
−2−チオン、1,3,4−オキサジアゾリン−2−チオ
ン、ベンズイミダゾリン−2−チオン、ベンズオキサゾ
リン−2−チオン及びベンゾチアゾリン−2−チオンな
どが挙げられ、これらは更に置換されていてもよい。
X1のメルカプト基は、R1、R2またはZで表わされる基
に−SH基が直接結合した場合と、R1、R2またはZで表わ
される基への置換基に−SH基が結合した場合とがあり、
結局、該メルカプト基は脂肪族メルカプト基、芳香族メ
ルカプト基やヘテロ環メルカプト基(−SH基が結合した
炭素原子の隣りが窒素原子の場合は、これと互変異性体
の関係にある環状チオアミド基と同義であり、この基の
具体例は上に列挙したものと同じである。)が挙げられ
る。
X1で表わされる5ないし6員の含窒素ヘテロ環基とし
ては、窒素、酸素、硫黄及び炭素の組合せからなる5員
ないし6員の含窒素ヘテロ環があげられる。これらのう
ち、好ましいものとしては、ベンゾトリアゾール、トリ
アゾール、テトラゾール、インダゾール、ベンズイミダ
ゾール、イミダゾール、ベンゾチアゾール、チアゾー
ル、ベンゾオキサゾール、オキサゾール、チアジアゾー
ル、オキサジアゾール、トリアジンなどがあげられる。
これらはさらに適当な置換基で置換されていてもよい。
置換基としては、Zの置換基として述べたものがあげら
れる。含窒素ヘテロ環として更に好ましくは、ベンゾト
リアゾール、トリアゾール、テトラゾール、インダゾー
ルであり、最も好ましくはベンゾトリアゾールである。
L1で表わされる二価の連結基としては、C、N、S、
Oのうち少なくとも1種を含む原子又は原子団があげら
れる。具体的には、例えばアルキレン基、アルケニレン
基、アルキニレン基、アリーレン基、−O−、−S−、
−NH−、−N=、−CO−、−SO2−(これらの基は置換
基をもっていてもよい)等の単独またはこれらの組合せ
からなるものである。
電荷バランスのための対イオンYは、複素環中の四級
アンモニウム塩で生じた正電荷を相殺することができる
任意の陰イオンであり、例えば臭素イオン、塩素イオ
ン、沃素イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、エチ
ルスルホン酸イオン、過塩素酸イオン、トリフルオロメ
タンスルホン酸イオン、チオシアンイオンなどである。
この場合nは1である。複素環四級アンモニウム塩がス
ルホアルキル置換基のような陰イオン置換基を含む場合
は、塩はベタインの形をとることができ、その場合には
対イオンは必要なく、nは0である。複素環四級アンモ
ニウム塩が2個の陰イオン置換基、たとえば2個のスル
ホアルキル基を有する場合には、Yは陽イオン性対イオ
ンであり、例えばアルカリ金属イオン(ナトリウムイオ
ン、カリウムイオンなど)やアンモニウム塩(トリエチ
ルアンモニウムなど)などがあげられる。
一般式〔N−I〕で表わされる化合物の具体例を以下
にあげるが、本発明はこれらに限定されるわけではな
い。
以上述べた化合物は、例えばリサーチ・ディスクロー
ジャー(Research Disclosure)誌No.22,534(1983年1
月発行、50〜54頁)に引用された特許及び米国特許第4,
471,044号等に記載された方法及びその類似の方法で合
成できる。
一般式(N−II) 式中、R21は脂肪族基、芳香族基、又はヘテロ環基を
表わし;R22は水素原子、アルキル基、アラルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又はアミ
ノ基を表わし;Gはカルボニル基、スルホニル基、スルホ
キシ基、ホスホリル基、又はイミノメチレン基(HN=C
)を表わし;R23及びR24は共に水素原子が、あるいは
一方が水素原子で他方がアルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基又はアシル基のどれかひとつを表わす。
ただしG、R23、R24およびヒドラジン窒素を含めた形で
ヒドラゾン構造(N−N=C)を形成してもよい。
また以上述べた基は可能な場合は、置換基で置換されて
いてもよい。
一般式(N−II)において、R21で表される脂肪族基
は直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基ま
たはアルキニル基である。
R21で表わされる芳香族基としては、単環又は2環の
アリール基、例えばフェニル、ナフチル基があげられ
る。
R21のヘテロ環としては、N、O、又はS原子のうち
少なくともひとつを含む3〜10員の飽和もしくは不飽和
のヘテロ環であり、これらは単環であってもよいし、さ
らに他の芳香環もしくはヘテロ環と縮合環を形成しても
よい。ヘテロ環として好ましいものは、5ないし6員の
芳香族ヘテロ環基であり、例えばピリジル基、キノリニ
ル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基などがあ
げられる。
R21は置換基で置換されていてもよい。置換基として
は、例えば以下のものがあげられる。これらの基は更に
置換されていてもよい。
例えばアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、ア
ルキルもしくはアリール基、置換アミノ基、アシルアミ
ノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基、
アリールオキシ基、スルファモイル基、カルバモイル
基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ス
ルホニル基、スルフィニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン
原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基などであ
る。
これらの基は可能なときは互いに連結して環を形成し
てもよい。
R21として好ましいのは芳香族基、芳香族ヘテロ環又
はアリール置換メチル基であり、更に好ましくはアリー
ル基である。
R22で表わされる基のうち好ましいものは、Gがカル
ボニル基の場合には、水素原子、アルキル基(例えばメ
チル基、トルフルオロメチル基、3−ヒドロキシプロピ
ル基、3−メタンスルホンアミドプロピル基など)、ア
ラルキル基(例えばo−ヒドロキシベンジル基など)、
アリール基(例えばフェニル基、3,5−ジクロロフェニ
ル基、o−メタンスルホンアミドフェニル基、4−メタ
ンスルホニルフェニル基など)などであり、特に水素原
子が好ましい。
またGがスルホニル基の場合には、R22はアルキル基
(例えばメチル基など)、アラルキル基(例えばo−ヒ
ドロキシフェニルメチル基など)、アリール基(例えば
フェニル基など)または置換アミノ基(例えばジメチル
アミノ基など)などが好ましい。
R22の置換基としては、R21に関して列挙した置換基が
適用できる他、例えばアシル基、アシルオキシ基、アル
キルもしくはアリールオキシカルボニル基、アルケニル
基、アルキニル基やニトロ基なども適用できる。
これらの置換基は更にこれらの置換基で置換されてい
てもよい。また可能な場合は、これらの基が互いに連結
して環を形成してもよい。
R21又はR22、なかでもR21は、カプラーなどの耐拡散
性基、いわゆるバラスト基を含むのが好ましい。このバ
ラスト基は炭素原子数8以上で、アルキル基、フェニル
基、エーテル基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、
スルホンアミド基、チオエーテル基などの一つ以上の組
合せからなるものである。
R21又はR22は、一般式(N−II)で表わされる化合物
がハロゲン化銀粒子の表面に吸着するのを促進する基X2
L2 m2を有していてもよい。ここでX2は一般式〔N−
I〕のX1と同じ意味を表わし、好ましくはチオアミド基
(チオセミカルバジド及びその置換体を除く)、メルカ
プト基、または5ないし6員の含窒素ヘテロ環基であ
る。L2は二価の連結基を表わし、一般式〔N−I〕のL1
と同じ意味を表わす。m2は0または1である。
更に好ましいX2は、環状のチオアミド基(すなわちメ
ルカプト置換含窒素ヘテロ環で、例えば2−メルカプト
チアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾ
ール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプ
ト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベン
ズオキサゾール基など)、又は含窒素ヘテロ環基(例え
ば、ベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、イ
ンダゾール基など)の場合である。
R23、R24としては水素原子が最も好ましい。一般式
(N−II)のGとしてはカルボニル基が最も好ましい。
また一般式(N−II)としては、ハロゲン化銀への吸
着基を有するものがより好ましい。特に好ましいハロゲ
ン化銀への吸着基は、先の一般式(N−I)で述べたメ
ルカプト基、環状チオアミド基、ウレイド基や含窒素ヘ
テロ環基である。
一般式(N−II)で示される化合物の具体例を以下に
示す。ただし本発明は以下の化合物に限定されるもので
はない。
(75) (nC12H25NHNHCHO 本発明で用いられる一般式(N−II)で表わされる化
合物の合成法は、例えばリサーチ・ディスクロージャー
(Research Disclosure)誌No.15,162(1976年11月 76
〜77頁)、同誌No.22,534(1983年1月 50〜54頁)及
び同誌No.23,510(1983年11月 346〜352頁)に記載さ
れている特許や米国特許第4,080,207号、同第4,269,924
号、同第4,276,364号、同第4,278,748号、同第4,385,10
8号、同第4,459,347号、同第4,478,928号、同第4,560,6
38号、英国特許第2,011,391B号及び特開昭和60−179734
号などを参照すればよい。
本発明における全面露光すなわちかぶり露光は、像様
露光後、現像処理前および/または現像処理中に行われ
る。像様露光した感光材料を現像液中、あるいは現像液
の前浴中に浸漬し、あるいはこれらの液より取り出して
乾燥しないうちに露光を行うが、現像液中で露光するの
が最も好ましい。
かぶり露光の光源としては、感光材料の感光波長内の
光源を使用すればよく、一般に蛍光灯、タングステンラ
ンプ、キセノンランプ、太陽光等、いずれも使用しうる
が、全波長域に感光性をもつ感光材料、たとえばカラー
感光材料では特開昭56−137350号や同58−70223号に記
載されているような演色性の高い(なるべく白色に近
い)光源がよい。光の照度は0.01〜2000ルックス、好ま
しくは0.05〜30ルックス、より好ましくは0.05〜5ルッ
クスが適当である。高感度乳剤を使用している感光材料
では、低照度露光の方が好ましい。照度の調整は、光源
の光度を変化させてもよいし、各種フィルター類による
減光や、感光材料と光源の距離、感光材料と光源の角度
を変化させてもよい。露光初期に弱い光を使用し、次い
でそれよりも強い光を使用することにより、露光時間を
短縮することもできる。
現像液またはその前浴の液に感光材料を浸漬し、液が
感光材料の乳剤層に十分に浸透してから光照射するのが
よい。液に浸漬してから光かぶり露光をするまでの時間
は、一般に2秒〜2分、好ましくは5秒〜1分、より好
ましくは10秒〜30秒、である。
かぶりのための露光時間は、一般に0.01秒〜2分、好
ましくは0.1秒〜1分、さらに好ましくは1秒〜40秒で
ある。
最大画像濃度を上げる、最小画像濃度を下げる、感光
材料の保存性を良化する、又は現像を速くする、等の目
的で下記の化合物を添加することができる。
ハイドロキノン類(例えば米国特許3,227,552号、4,2
79,987号記載の化合物);クロマン類(たとえば米国特
許4,268,621号、特開昭54−103031号、リサーチ ディ
スクロージャー18264号(1979年)記載の化合物);キ
ノン類(例えばリサーチ ディスクロージャー21206号
(1981年)記載の化合物);アミン類(たとえば、米国
特許4150993号および特開昭58−174757号記載の化合
物);酸化剤類(たきえば特開昭60−260039号およびリ
サーチ ディスクロージャー16936号(1978年)記載の
化合物);カテコール類(たとえば特開昭55−21013号
および同55−65944号記載の化合物);現像時に造核剤
を放出する化合物(たとえば特開昭60−107027号記載の
化合物);チオ尿素類(たとえば特開昭60−95533号記
載の化合物);スピロビスインダン類(たとえば特開昭
55−65944号記載の化合物)である。
造核促進剤として、下記の一般式〔I〕または〔II〕
で表わされる化合物を添加することができる。
一般式〔I〕 一般式〔II〕 一般式〔I〕、〔II〕のZは好ましくは置換もしくは
無置換のアミノ基、四級アンモニウム基、アルコキシ
基、アルキルチオ基、ヘテロ環基である。好ましい造核
促進剤の具体例としては下記のものが挙げられる。ただ
し、これに限定されるものではない。
本発明において、直接ポジカラー画像を形成するのに
使用するカラーカプラーは、p−フェニレンジアミン系
発色現像薬の酸化体とカップリング反応して実質的に非
拡散性の色素を生成または放出する化合物であって、そ
れ自身実質的に非拡散性の化合物である。有用なカラー
カプラーの典型例には、ナフトールもしくはフェノール
系化合物、ピラゾロンもしくはピラゾロアゾール系化合
物および閉鎖もしくは複素環のケトメチレン化合物があ
る。本発明で使用しうるこれらのシアン、マゼンタおよ
びイエローカプラーの具体例は「リサーチ・ディスクロ
ージャー」誌No.17643(1978年12月発行)VII−D項お
よび同No.18717(1979年11月発行)に引用された特許に
記載されている。
なかでも本発明に使用できるイエローカプラーとして
は、酵素原子離脱型や窒素原子離脱型のイエロー二当量
カプラーをその代表として挙げることができる。特にα
−ピバロイルアセトアニリド系カプラーは発色色素の堅
牢性、特に光堅牢性が優れており、一方α−ベンゾイル
アセトアニリド系カプラーは高い発色濃度が得られるの
で好ましい。
また、本発明に好ましく使用できる5−ピラゾロン系
マゼンタカプラーとしては、3位がアリールアミノ基又
はアシルアミノ基で置換された5−ピラゾロン系カプラ
ー(なかでも硫黄原子離脱型の二当量カプラー)であ
る。
更に好ましいのはピラゾロアゾール系カプラーであっ
て、なかでも米国特許第3,725,067号に記載のピラゾロ
〔5,1−c〕〔1,2,4〕トリアゾール類等が好ましいが、
発色色素のイエロー副吸収の少なさおよび光堅牢性の点
で米国特許第4,500,630号に記載のイミダゾ〔1,2−b〕
ピラゾール類はいっそう好ましく、米国特許第4,540,65
4号に記載のピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾー
ルは特に好ましい。
本発明に好ましく使用できるシアンカプラーとして
は、米国特許第3,772,002号に記載されたフェノール核
のメタ位にエチル基以上のアルキル基を有するフェノー
ル系シアンカプラーであり、その他2,5−ジアシルアミ
ノ置換フェノール系カプラーも色像堅牢性の点で好まし
い。
また、米国特許第2,474,293号、同4,052,212号等に記
載されたナフトール系およびフェノール系のカプラーの
使用も色相やカップリング活性や色像堅牢性などの点で
好ましい。
生成する色素が有する短波長域の不要吸収を補正する
ためのカラードカプラー、発色色素が適度の拡散性を有
するカプラー、無呈色カプラー、カップリング反応に伴
って現像抑制剤を放出するDIRカプラーもしくは現像促
進剤を放出するカプラーやポリマー化されたカプラーも
又使用できる。
カラーカプラーの標準的な使用量は、感光性ハロゲン
化銀の1モルあたり0.001ないし1モルの範囲であり、
好ましくはイエローカプラーでは0.01ないし0.5モル、
マゼンタカプラーでは0.003ないし0.3モル、またシアン
カプラーでは0.002ないし0.3モルである。
本発明を用いて作られる感光材料は、色かぶり防止剤
もしくは混色防止剤として、ハイドロキノン誘導体、ア
ミノフェノール誘導体、アミン類、没食子酸誘導体、カ
テコール誘導体、アスコルビン酸誘導体、無呈色カプラ
ー、スルホンアミドフェノール誘導体などを含有しても
よい。
本発明の感光材料には、種々の退色防止剤を用いるこ
とができる。有機退色防止剤としてはハイドロキノン
類、6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクマラ
ン類、スピロクロマン類、p−アルコキシフェノール
類、ビスフェノール類を中心としたヒンダードフェノー
ル類、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン類、
アミノフェノール類、ヒンダードアミン類およびこれら
各化合物のフェノール性水酸基をシリル化、アルキル化
したエーテルもしくはエステル誘導体が代表例として挙
げられる。また、(ビスサリチルアルドキシマト)ニッ
ケル錯体および(ビス−N,N−ジアルキルジチオカルバ
マト)ニッケル錯体に代表される金属錯体なども使用で
きる。
イエロー色素像の熱、湿度および光による劣化防止
に、米国特許第4,268,593号に記載されたようなヒンダ
ードアミンとヒンダードフェノールの両部分構造を同一
分子中に有する化合物は良い結果を与える。またマゼン
タ色素像の劣化、特に光による劣化を防止するために
は、特開昭56−159644号記載のスピロインダン類、およ
び特開昭55−89835号に記載のハイドロキノンジエーテ
ルもしくはモノエーテルの置換したクロマン類が好まし
い結果を与える。これらの化合物は、それぞれ対応する
カラーカプラーに対し通常5ないし100重量%をカプラ
ーと共乳化して感光層に添加することにより、目的を達
することができる。シアン色素像の熱および特に光によ
る劣化を防止するためには、シアン発色層に隣接する両
側の層に紫外線吸収剤を導入することが有効である。ま
た保護層などの親水性コロイド層中にも紫外線吸収剤を
添加することができる。
本発明の感光材料の乳剤層や中間層に用いることので
きる結合剤または保護コロイドとしては、ゼラチンを用
いるのが有利であるが、それ以外の親水性コロイドも用
いることができる。
本発明の感光材料には、イラジエーションやハレーシ
ョンを防止する染料、紫外線吸収剤、可塑剤、蛍光増白
剤、マット剤、空気かぶり防止剤、塗布助剤、硬膜剤、
帯電防止剤やスベリ性改良剤等を添加する事ができる。
これらの添加剤の代表例は、「リサーチ・ディスクロー
ジャー(Research Disciosure)誌No.17643(1978年12
月発行)および同18716(1976年11月発行)に記載され
ている。
本発明は支持体上に少なくとも2つの異なる分光感度
を有する多層多色写真材料にも適用できる。多層天然色
写真材料は、通常支持体上に赤感性乳剤層、緑感性乳剤
層、および青感性乳剤層を各々少なくとも一つ有する。
これらの層の順序は必要に応じて任意にえらべる。好ま
しい層配列の順序は支持体側から赤感性、緑感性、青感
性または支持体側から緑感性、赤感性、青感性または支
持体側から青感性、赤感性、緑感性である。また前記の
各乳剤層は感度の異なる2つ以上の乳剤層からできてい
てもよく、また同一感色性をもつ2つ以上の乳剤層の間
に非感光性層が存在していてもよい。赤感性乳剤層にシ
アン形成カプラーを、緑感性乳剤層にマゼンタ形成カプ
ラーを、青感性乳剤層にイエロー形成カプラーをそれぞ
れ含むのが通常であるが、場合により異なる組合わせを
とることもできる。
本発明に係る感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層の他
に、保護層、中間層、フィルター層、ハレーション防止
層、バック層、白色反射層などの補助層を適宜設けるこ
とが好ましい。
本発明の写真感光材料において写真乳剤層その他の層
は写真感光材料に通常用いられているプラスチックフィ
ルム、紙、布などの可撓性支持体またはガラス、陶器、
金属などの剛性の支持体に塗布される。可撓性支持体と
して有用なものは、硝酸セルロース、酢酸セルロース、
酢酸酪酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の半
合成または合成高分子から成るフィルム、バライタ層ま
たはα−オレフィンポリマー(例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン/ブテン共重合体)等を塗布ま
たはラミネートした紙等である。支持体は染料や顔料を
用いて着色されていてもよい。遮光の目的で黒色にして
もよい。これらの支持体の表面は一般に、写真乳剤層等
との接着をよくするために、下塗処理される。支持体表
面は下塗処理の前または後に、グロー放電、コロナ放
電、紫外線照射、火焔処理等を施してもよい。
ハロゲン化銀写真乳剤層やその他の親水性コロイド層
の塗布には、例えばデイップ塗布法、ローラー塗布法、
カーテン塗布法、押し出し塗布法などの公知の種々の塗
布法を利用することができる。
本発明は種々のカラー感光材料に適用することができ
る。
例えば、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フ
ィルム、カラー反転ペーパーなどを代表例として挙げる
ことができる。また、フルカラー複写機やCRTの画像を
保存するためのカラーハードコピーなどにも適用するこ
とができる。本発明はまた、「リサーチ・ディスクロー
ジャー」誌No.17123(1978年7月発行)などに記載の三
色カプラー混合を利用した白黒感光材料にも適用でき
る。
本発明の感光材料の現像処理に用いる発色現像液は、
ハロゲン化銀溶剤を実質的に含まない、いわゆる表面現
像液であり、p−フェニレンジアミン系発色現像主薬を
主成分とするpH11.5以下のアルカリ性水溶液である。
「ハロゲン化銀溶剤を実質的に含まない」とは、発明の
目的を阻害しない限りハロゲン化銀溶剤を多少含んでも
よい事を意味する。p−フェニレンジアン系化合物の代
表例としては、3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチ
ルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N
−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−ア
ミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチ
ルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N
−β−メトキシエチルアニリンおよびこれらの硫酸塩、
塩酸塩、リン酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩、
テトラフェニルホウ酸塩、p−(t−オクチル)ベンゼ
ンスルホン酸塩などが挙げられる。これらのジアミン類
は遊離状態よりも塩の方が一般に安定である。
カラー現像主薬は、一般に発色現像液1あたり約0.
1g〜約30gの濃度、更に好ましくは、発色現像液1あ
たり約1g〜約15gの濃度で使用する。
また発色現像液はハロゲン化物、カラー現像主薬等の
濃度を調整した補充液を用いて、補充量を低減すること
もできる。
本発明の配色現像処理時間は通常5分以下であるが処
理の迅速化のために、処理時間は2分30秒以下で発色現
像処理を行なうのが好ましい。更に、好ましくは10秒〜
2分であり、充分な発色濃度が得られるならば、短かい
方が好ましい。
公害の防止や現像液の調液のしやすさ及び保存安定性
改良のために本発明に使用する発色現像液は、実質的に
ベンジルアルコールを含有しない。実質的に含有しない
とは2ml/以下、好ましくは0.5ml/以下のベンジルア
ルコール濃度であり、最も好ましくはベンジルアルコー
ルを全く含有しないことである。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には処理の簡略
化および迅速化の目的でカラー現像主薬またはそれらの
プレカーサーを内蔵しても良い。内蔵するためには、プ
レカーサーの方が感光材料の安定性を高める点で好まし
い。現像薬プレカーサーの具体例としては、例えばイン
ドアニリン系化合物、シッフ塩基型化合物、アルドール
化合物やウレタン系化合物を挙げる事ができる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、カラー現像
を促進するため、各種の1−フェニル−3−ピラゾリド
ン類を内蔵しても良い。
本発明の配色現像液には、特願昭61−23462号明細書
第14頁から第22頁に記載のpH緩衝剤、保恒剤、金属キレ
ート化合物を含有させることができる。また臭化物イオ
ン、沃化物イオンなどのハロゲン化物イオン、及びシト
ラジン酸などの競争カプラーを含有させることができ
る。
発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理される。漂白
処理は定着処理と同時に一浴漂白定着(ブリックス)で
行なってもよいし、個別に行なってもよい。更に処理の
迅速化を計るため、漂白処理後、漂白定着処理する処理
方法でもよいし、定着処理後、漂白定着処理する方法で
もよい。漂白処理または漂白定着処理に用いられる漂白
剤としては、鉄(III)の有機錯塩および過硫酸塩が迅
速処理と環境汚染の観点から好ましい。
鉄(III)の有機錯塩の中では、エチレンジアミン四
酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジ
アミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、メチル
イミノジ酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グリコ
ールエーテルジアミン四酢酸の鉄(III)酢塩が漂白力
が高いことから好ましい。
又過硫酸塩としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリ
ウムの如きアルカリ金属過硫酸塩あるいは過硫酸アンモ
ニウムなどが好ましい。
漂白液1あたりの漂白剤の量は0.1〜2モルが適当
であり、漂白液の好ましいpH範囲は、第2鉄イオン錯塩
の場合、0.5〜8.0、特にアミノポリカルボン酸、アミノ
ポリホスホン酸、ホスホノカルボン酸、有機ホスホン酸
の第2鉄イオン錯塩の場合4.0〜7.0である。過硫酸塩の
場合は、0.1〜2モル/の濃度でpHが1〜5の範囲が
好ましい。
定着または漂白定着に使用される定着剤は、公知の定
着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム
などのチオ硫酸塩;チオシアン酸ナトリウム、チオシア
ン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩;エチレンビス
チオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオー
ルなどのチオエーテル化合物およびチオ尿素類などの水
溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、これらを1種あるい
は2種以上混合して使用することができる。
定着または漂白定着処理の場合、定着剤濃度は0.2〜
4モル/が望ましい。また漂白定着処理においては、
漂白定着液1あたり、第2鉄イオン錯塩は0.1〜2モ
ル、定着剤は0.2〜4モルの範囲が望ましい。また、定
着、漂白定着液のpHは、通常4.0〜9.0が好ましく、特に
好ましくは5.0〜8.0である。
定着液または漂白定着液には、漂白液に添加すること
のできる前述の添加剤以外に保恒剤として亜硫酸塩(例
えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモ
ニウム)、重亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン、ヒドラジ
ン、アルデヒド化合物の重亜硫酸塩付化物(例えばアセ
トアルデヒド重亜硫酸ナトリウム)などを含有させるこ
とができる。更に、各種の蛍光増白剤や消泡剤あるいは
界面活性剤、ポリビニルピロリドン、メタノール等の有
機溶媒を含有させることができる。
漂白液、漂白定着液およびそれらの前浴には、必要に
応じて漂白促進剤を使用することができる。有用な漂白
促進剤の具体例としては、メルカプト基またはジスルフ
ィド基を有する化合物、チアゾリジン誘導体、チオ尿素
誘導体、沃化物、ポリエチレンオキサイド類、ポリアミ
ン類等を挙げる事ができ、更にその他特開昭49−42434
号、同49−59644号、同53−94927号、同54−35727号、
同55−26506号および同58−163940号記載の化合物およ
び沃素、臭素イオンも使用できる。なかでもメルカプト
基またはジスルフイド基を有する化合物が促進効果が大
きい観点から好ましく、特に米国特許第3,893,858号、
西独特許第1,290,812号、特開昭53−95630号に記載の化
合物が好ましい。更に、米国特許第4,552,834号に記載
の化合物も好ましい。これらの漂白促進剤は感材中に添
加しても良い。
定着工程または漂白定着工程の後には、水洗および安
定化などの処理工程を行うことが一般的である。
水洗処理工程及び安定化処理工程には、沈澱防止や水
洗水の安定化目的で、各種の公知化合物を添加しても良
い。例えば、無機リン酸、アミノポリカルボン酸、有機
ホスホン酸等のキレート剤、各種のバクテリアや藻やカ
ビの発生を防止する殺菌剤や防バイ剤(例えば、「ジャ
ーナル・オブ・アンチバクテリアル・アンド・アンチフ
ュンガル・エージェンツ(J.Antibact.Antifung.Agent
s)」vol.11、No.5、p207〜233(1983)に記載の化合物
および堀口博著「防菌防黴の化学」に記載の化合物)、
マグネシウム塩、アルミニウム塩、ビスマス塩などに代
表される金属塩、アルカリ金属およびアンモニウム塩、
あるいは乾燥負荷やムラを防止するための界面活性剤等
を必要に応じて添加することができる。あるいはウェス
ト著「フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エン
ジニアリング誌(Phot.Sci.Eng.)」、第6巻、344〜35
9頁(1965)等に記載の化合物を添加しても良い。特に
キレート剤、殺菌剤や防バイ剤の添加が有効である。
水洗工程は2槽以上の多段向流水洗(たとえば2〜9
槽)にし、水洗水を節減するのが一般的である。更に
は、水洗工程のかわりに特開昭57−8543号記載のような
多段向流安定化処理工程を実施してもよい。本安定化浴
中には前述の添加剤以外に画像を安定化する目的で各種
化合物が添加される。例えば膜pHを調整する(例えばpH
3〜9)のための各種の緩衝剤(例えばホウ酸塩、メタ
ホウ酸塩、ホウ砂、リン酸塩、炭酸塩、水酸化カリ、水
酸化ナトリウム、アンモニア水、モノカルボン酸、ジカ
ルボン酸、ポリカルボン酸などを組み合わせて使用)や
ホルマリンなどのアルデヒドを代表例として挙げること
ができる。その他、キレート剤(無機リン酸、アミノポ
リカルボン酸、有機ホスホン酸、アミノポリホスホン
酸、ホスホノカルボン酸など)、殺菌剤、防バイ剤(チ
アゾール系、イソチアゾール系、ハロゲン化フェノー
ル、スルファニルアミド、ベンゾトリアゾールなど)界
面活性剤、蛍光増白剤、硬膜剤、金属塩などの各種添加
剤を使用してもよく、同一もしくは異種の目的の化合物
を二種以上併用しても良い。
また、処理後の膜pH調整剤として塩化アンモニウム、
硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニ
ウム、亜硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム等の
各種アンモニウム塩を添加するのが画像保存性を良化す
るために好ましい。
本発明の水洗及び安定化処理時間は、感材の種類、処
理条件によって相違するが通常20秒〜10分であり、好ま
しくは20秒〜5分である。
本発明における各種処理液は10℃〜50℃において使用
される。33℃ないし38℃の温度が標準的であるが、より
高温にして処理を促進し処理時間を短縮したり、逆によ
り低温にして画質の向上や処理液の安定性の改良を達成
することができる。
また各処理時間は、迅速化を計るため必要に応じて支
障のない範囲内で標準時間より短くすることができる。
また、連続処理に際しては、各処理液の補充液を用い
て、液組成の変動を防止することによって一定の仕上が
りが得られる。
各処理浴内には、必要に応じて、ヒーター、温度セン
サー、液面センサー、循環ポンプ、フィルター、各種浮
きブタ、各種スクイジー等を設けても良い。
実施例 本発明の実施に当り下記の乳剤A、B、C、D、E、
F、1、2、3を調製した。
乳剤1 臭化カリウムの水溶液と硝酸銀の水溶液をAg1モルあ
たり0.3gの3,4−ジメチル−1,3−チアゾリジン−2−チ
オンを添加したゼラチン水溶液に激しく撹拌しながら、
75℃で約20分を要して同時に添加し、平均粒子径が0.4
μmの八面体単分散の臭化銀乳剤を得た。この乳剤に銀
1モル当りそれぞれ6mgのチオ硫酸ナトリウムと塩化金
酸(4水塩)を加え75℃で80分間加熱することにより化
学増感処理を行なった。こうして得た臭化銀粒子をコア
として、第1回目と同じ沈澱環境でさらに40分間処理す
ることによりさらに成長させ、最終的に平均粒子径0.7
μmの八面体単分散コア/シェル臭化銀乳剤を得た。水
洗・脱塩後この乳剤に銀1モル当りそれぞれ1.5mg量の
チオ硫酸ナトリウムおよび塩化金酸(4水塩)を加え60
℃で60分加熱して化学増感処理を行い、内部潜像型ハロ
ゲン化銀乳剤1を得た。
乳剤A、B、C、D、2 臭化カリウムの水溶液と硝酸銀の水溶液をAg1モルあ
たり50mgの3,4−ジメチル−1,3−チアゾリジン−2−チ
オンを添加したゼラチン水溶液に激しく撹拌しながら、
75℃で約30分を要して同時に添加し、平均粒子径が0.5
μmの八面体単分散の臭化銀乳剤を得た。この乳剤に銀
1モル当りそれぞれ3mgのチオ硫酸ナトリウム及び1mgの
塩化金酸(4水塩)を加え75℃で80分間加熱することに
より化学増感処理を行なった。こうして得た臭化銀粒子
をコアとして、これに臭化カリウム、塩化ナトリウムの
水溶液と硝酸銀の水溶液を激しく撹拌しながら、75℃で
約30分を要して同時に添加し、平均粒子径が0.7μmの
単分散の塩臭化銀乳剤を得た。コアのハロゲン化銀量と
シェルのハロゲン化銀量の比率は、コア/シェル=38/6
2であった。シェルの塩化銀の含有の異なるサンプル
を、臭化カリウム、塩化ナトリウムの量の比を変えるこ
とにより調製した。
乳剤E 1当りKBr 0.5モル、NaCl 0.2モル及びKI 0.0015モ
ルの濃度の混合液1にゼラチンを30g加えて、溶かし
たのち、60℃にて硝酸銀1モル/の液700ccを前記の
混合液に20分かけて添加し、さらに20分間の物理熟成を
行った。次いで水洗を行って水溶性のハライドを除去し
た後、ゼラチン20.0gを加えて、さらに水で全量を1200c
cに調整した。平均粒子径0.4μmのハロゲン化銀乳剤
(乳剤−3)を得た。
この乳剤300ccに、60℃にて1モル/の硝酸銀水溶
液500ccおよび2モル/の塩化ナトリウム水溶液500cc
を同時に添加して塩化銀シェルを沈澱させた後、水洗し
た。平均粒子径0.7μmのハロゲン化銀コア/シェル乳
剤Eを得た。
コア乳剤−3 300ccに、66℃にて1モル/の硝酸
銀水溶液500ccおよび1.1モル/の臭化カリウム水溶液
500ccを同時に添加して、臭化銀シェルを沈澱させた
後、水洗した。
平均粒子径0.7μmのハロゲン化銀コア/シェル乳剤
−4を得た。
乳剤F、5 ゼラチン10gを含む溶液中に、温度60℃に制御しなが
ら硝酸銀の2モル水溶液175mlと、塩化ナトリウム2.1モ
ル水溶液175mlを同時に10分間で添加し、15分間の物理
熟成を行った後、臭化カリウム2モル水溶液200mlを添
加し、更に15分間の物理熟成を行った。次いで水洗を行
って水溶性ハライドを除去した後、ゼラチン10gを添加
し水を加えて全量を300mlとした。
平均粒径0.3μmの塩臭化銀乳剤が得られた。(組成
分析により臭化銀含量94モル%であった。)(乳剤−
5) この乳剤をコアとしてコア/シェル乳剤を下記のよう
にして調製した。コア乳剤(乳剤−5)500mlに60℃で
硝酸銀の2モル水溶液100mlと塩化カリウムの2.1モル水
溶液100mlを同時に5分間で添加することにより、塩化
銀シェルを沈澱させた後水洗した。平均粒径が0.35μm
で、塩化銀シェル含有率が全ハロゲン化銀量を基準にし
て41モル%であるコア/シェル乳剤を得た(乳剤F)。
実施例1 下記のようにして調製した塗布液をポリエチレンで両
面ラミネートした紙支持体上に塗布してカラー印画紙N
o.1〜6を作成した。
〔塗布液の調製〕
マゼンタカプター(a)と色像安定剤(b)を含む容
器に酢酸エチルと溶媒(c)を加えて溶解し、この溶液
を10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む10
%ゼラチン水溶液に乳化分散させた。この乳化分散物と
前記のコア/シェル型内部潜像ハロゲン化銀乳剤A、
B、C、D、1、2(緑感性色素とイラジエーション染
料を含む)を混合溶解し、第1表に示す組成となる様に
ゼラチンで濃度を調節し、更に造核剤(前記の例示化合
物4)を銀1モル当り3.9×10-5モルと造核促進剤(前
記の例示化合物22)を銀1モル当り4.2×10-4モル加え
て塗布液を調製した。
この塗布液をポリエチレンラミネート紙の上に塗布し
た。その時同時にこの層の上に下記組成の紫外線吸収層
と、さらにその上に下記組成の保護層を塗布した。
紫外線吸収層 ゼラチン 1.60g/m2 コロイド銀 0.10g/m2 保護層 ゼラチン 1.33g/m2 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度
17%) 0.17g/m2 第1表 緑感層の組成 主な成分 使用量 乳剤A,B,C,D,1,2 銀量0.39g/m2 ゼラチン 1.56g/m2 マゼンタカプラー(e) 4.6×10-4mol/m2 色像安定剤(f) 0.14g/m2 溶媒(g) 0.42g/m2 造核剤(例示化合物4) 造核促進剤(例示化合物22) このようにして作成されたカラー印画紙に緑フィルタ
ー(富士写真フィルム(株)製のSP−2)を通してウエ
ッジ露光(1/10秒、10CMS)を与えた後に下記の処理工
程A(発色現像液のpH10.2)、B(発色現像液のpH11.
2)及びC(発色現像液のpH12.0)をそれぞれ施してマ
ゼンタ発色画像濃度を測定した。
得られた結果を第2表に示した。
処理工程A 時 間 温 度 発色現像 2分30秒 33℃ 漂白定着 40秒 33℃ 安定 20秒 33℃ 安定 20秒 33℃ 安定 20秒 33℃ 安定浴の補充方式は、安定浴に補充し、安定浴の
オーバーフロー液を安定浴に導き、安定浴のオーバ
ーフロー液を安定浴に導く、いわゆる向流補充方式と
した。
〔発色現像液〕 母液 ジエチレントリアミン 2.0 g ベンジルアルコール 12.8 g ジエチレングリコール 3.4 g 亜硫酸ナトリウム 2.0 g 臭化ナトリウム 0.26g 硫酸ヒドロキシルアミン 2.60g 塩化ナトリウム 3.20g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタ
ンスルホンアミドエチル)−アニリン 4.25g 炭酸カリウム 30.0 g蛍光増白剤(スチルベン系) 1.0 g 水を加えて 1000 ml pH 10.20 pHは水酸化カリウム又は塩酸で調整した。
(漂白定着液処方) 水 700 cc チオ硫酸アンモニウム(54wt%) 150 cc 亜硫酸ナトリウム 15 g NH4〔Fe(III)(EDTA)〕 55 g EDTA・2Na(2水塩) 4 g 氷酢酸 8.61g 水を加えて全量で 1000 cc (pH5.4) pHはアンモニア水又は塩酸で調整した。
〔安定液〕 母液 1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン酸(60
%) 1.6 ml 塩化ビスマス 0.35g ポリビニルピロリドン 0.25g アンモニア水 2.5 ml ニトリロ三酢酸・3Na 1.0 g 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン 50 mg 2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン 50 mg蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベン系) 1.0 g 水を加えて 1000 ml pH 7.5 pHは、水酸化カリウム又は塩酸で調整した。
処理工程Bは、発色現像時間を1分30秒に、その処理
液のpHを11.2に調節した以外は処理工程Aと同じであ
る。
また、処理工程Cは発色現像液のpHを12.0に調節した
以外は処理工程Bと同じである。
処理工程D、E、Fは下記の発色現像液を用いた。
(発色現像液処方−D) 水 800 cc ジエチレントリアミン5酢酸・5Na塩 1.0 g 亜硫酸ナトリウム 0.2 g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 4.2 g 臭化カリウム 0.01g 塩化ナトリウム 1.5 g トリエタノールアミン 8.0g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)
−3−メチル−4−アミノアニリン・硫酸塩 4.5 g 炭酸カリウム 30.0 g 4,4′−ジアミノスチルベン系蛍光増白剤(住友化学
(株)Whitex 4) 2.0 g 水を加えて全量で 1000 cc (pH10.2) 本発明の乳剤A〜Dを用いたサンプルNo.1〜4は、ベ
ンジルアルコールを含む処理Aと比較して、ベンジルア
ルコールを含まない処理DにおいてもDmaxの低下が小さ
いが、比較例のNo.5、6はDmaxの低下が大きかった。同
様にベンジルアルコールを含む処理Bと比較して、ベン
ジルアルコールを含まない処理Eでも同様の効果が得ら
れた。しかし現像液のpHを12.0にした処理CとFでは、
本発明のNo.1〜4、比較例のNo.5、6との間にそれほど
大きな差は認められず、共にDmaxの低下は小さかった。
実施例2 コア/シェル型内部潜像乳剤A、D、2、E、F、5
を用いてポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体の
上に第3表に示す層構成の全重層カラー印画紙を作成し
た。塗布液は下記の様にして調製した。
第1層塗布液調製:シアンカプラー(a)10g及び色
像安定剤(b)2.3gに酢酸エチル10ml及び溶媒(c)4m
lを加え溶解しこの溶液を10%ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム5mlを含む10%ゼラチン水溶液90mlに乳
化分散させた。一方、前記のハロゲン化銀乳剤A、D、
2、E、F、5(Ag 70g/kg含有)に下記に示す赤感性
色素をハロゲン化銀1モル当り2.0×10-4モル加え赤感
性乳剤としたもの90gをつくった。乳化分散物と乳剤と
を混合溶解し第3表に示す組成となる様にゼラチンで濃
度を調節し、さらに造核剤(前記の例示化合物50)をAg
1モル当り4.0×10-5モルと造核促進剤(前記の例示化
合物32)をAg 1モル当り3.0×10-4モル加えて第1層用
塗布液を調製した。
第2層〜第7層用塗布液も第1層塗布液と同様の方法
で調製した。各層のゼラチン硬化剤として1−オキシ−
3,5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩を用い
た。
各乳剤の分光増感剤としては次のものを用いた。
前記の第3層に使用したマゼンタカプラー(e)、色
像安定剤(f)、溶媒(g)及び緑感性増感色素、更に
イラジエーション防止染料は実施例1に記載したものと
同一である。その他の添加剤は下記の通り。
赤感性乳剤層のイラジエーション防止染料としては次
の染料を用いた。
カプラーなど本実施例に用いた化合物の構造式は下記
の通りである。
(m)溶媒 (iso C9H19O3P=O (j)溶媒 (iso C9H19O3P=O 第1層〜第7層の塗布液を表面張力、粘度のバランス
を調節した後同時に塗布し全重層カラー印画紙を作成し
た。
このようにして得られたカラー印画紙No.1〜6を実施
例1と同じ条件で露光、現像処理した。マゼンタ発色画
像に関して得られた結果を第4表に示す。
第4表の結果から明らかなように、赤感性乳剤層、緑
感性乳剤層および青感性乳剤層を塗布した全重層カラー
印画紙の系に於ても実施例1で得られたのと同様の効果
が得られる事がわかる。
実施例3 乳剤を第5表の様に使用し、造核剤と造核促進剤を除
いた以外は実施例2と同様にしてカラー印画紙を作製し
た。
このカラー印画紙を露光後,処理工程AおよびD(た
だし、温度38℃、発色現像時間1分40秒)で処理した。
この際感材膜上で0.5ルックス(色温度5400K)の光を現
像開始後15秒より10秒間あてた。処理したサンプルのシ
アン濃度を測定した。結果を第5表に示す。
実施例1と同様の結果を得た。
乳剤A〜Dを用いた本発明の実施例では、ベンジルア
ルコールを含まない処理でもDmaxはそれほど低下しない
のに対し、乳剤2を用いた比較例では、ベンジルアルコ
ールを含まない処理ではDmaxが著しく低下することがわ
かる。
(発明の効果) 本発明では、ベンジルアルコールを実質的に含まない
カラー現像液での短時間の処理を行っても、発色濃度の
低下が少ない。またベンジルアルコールを実質的に含ま
ないカラー現像液を使用するので、排水の公害負荷が小
さい。さらに、現像液の洗い出しが容易に行われ、ベン
ジルアルコールが感材中に残存することがないので、そ
れらの残存に起因する画像保存性の劣化もなく、処理時
間も短縮される。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−127549(JP,A) 特開 昭61−98349(JP,A) 特開 昭61−70552(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予めかぶらされていない内部潜像型ハロゲ
    ン化銀粒子とカラー画像形成カプラーを含有する写真乳
    剤層を少なくとも一層支持体上に有する感光材料を像様
    露光の後、造核剤および/又はかぶり露光の存在下で、
    p−フェニレンジアミン系発色現像薬を含む表面現像液
    で現像、漂白、定着処理して直接ポジカラー画像を形成
    する方法に於て、前記現像処理をpH11.5以下で実質的に
    ベンジルアルコールを含まない現像液を用いて行ないか
    つ前記のカラーカプラーは、それ自身実質的に非拡散性
    であって、しかもp−フェニレンジアミン系発色現像薬
    との酸化カップリングによって実質的に非拡散性の色素
    を生成または放出する化合物であり、前記の内部潜像型
    ハロゲン化銀粒子が、コア/シェル積層構造を有し、コ
    アが臭化銀90モル%以上、沃化銀10モル%以下の臭化
    銀、沃臭化銀、塩臭化銀または塩沃臭化銀からなり、シ
    ェルが塩化銀20モル%以上の塩臭化銀からなることを特
    徴とする直接ポジカラー画像の形成方法。
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