JP2527732B2 - 輻射線感応性素子 - Google Patents

輻射線感応性素子

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JP2527732B2
JP2527732B2 JP62091820A JP9182087A JP2527732B2 JP 2527732 B2 JP2527732 B2 JP 2527732B2 JP 62091820 A JP62091820 A JP 62091820A JP 9182087 A JP9182087 A JP 9182087A JP 2527732 B2 JP2527732 B2 JP 2527732B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔本発明の技術分野〕 本発明は輻射線感応性素子に関し、特にカラー校正刷
り(proof)に適した輻射線感応性素子に関する。更に
一つの態様として、本発明はカラー校正刷りに適した網
版(half−tone)カラー像を形成する方法に関する。
〔従来の技術〕
写真平版法によってカラー印刷する方法には、像の色
を多数の成分(通常4)に分離し、それらを対応する色
(通常黄,マゼンタ,シアン及び黒)の印刷インクで再
生することが含まれている。
各々分離された色は網版点模様の形に変換され、それ
によって写真平版印刷で色調表現が達成される。最終印
刷物の特定の色について認められる濃度は、その領域中
の網版点の相対的大きさに依存する。最近、色の分離と
網版点の形成の両方を電子工学的点形成(EDG)型の色
分離走査を用いて自動的に行うようになってきている。
四つの網版分離像は電子工学的に処理され、別々に黒白
ハロゲン化銀フイルムの上に走査レーザー装置を用いて
像形成されている。これら四つの銀像又はそれらの接触
露光による複写から印刷板が製造されている。この分野
での一層の発展として、ページ組み版の目的でデジタル
的に保存された像データーを扱うことができる電子工学
的ページ構成装置が益々使われるようになってきてい
る。
電子工学的走査機及びページ構成装置に不随する非常
に望ましい方法は、ハロゲン化銀フイルム上に中間的黒
白像を形成する必要なく、電子工学的に保存されたデー
ターから直接カラー校正刷りを作る方法である。
電子工学的に保存された像から直接カラー校正刷りを
製造する幾つかの方法は既に知られている。カラー陰極
線管上に、市販のカラー写真材料のいずれかを用いて写
真にとることができる像を現すことができる。別法とし
て黒白陰極線管の像を異なったスペクトルフイルターを
用いて順次写真にとっても良い。入手できるようになっ
ているもっと複雑な装置は、アルゴンイオンレーザー及
びヘリウム−ネオンレーザーからの青,緑,赤,の光を
用いて、像を連続的色調の形で従来のカラー写真紙上に
走査することができるようにしている。付加的方法は、
カラーTVモニターへの信号を用い、拡散転写材料を露光
するため青,緑,赤,のフイルターを通した白色光源を
用いた連続的色調走査装置を駆動する方法である。
既知の直接的カラー校正刷り法の有用性には基本的な
限界がある。特にそれは最終的に見られる正確な形、即
ち網版構造の重ねられた黄,マゼンタ,シアン及び黒色
像として、像を記録することができない。
この限界は一つには入手できるカラー写真材料の選択
によって課せられている。減色法によって処理される現
在入手できるハロゲン化銀カラー記録材料は全て三つの
色、黄,マゼンタ及びシアンの染料から形成される像を
生ずる。
印刷工業では、カラー校正刷りは黄,マゼンタ,シア
ン及び黒色インクで四つの重ねられた網版像から形成さ
れる最終的印刷像を正確に表現したものであるべきであ
ることが認識されている。これは既知のカラー写真材料
を用いたのでは容易に実現できない。何故なら黄,マゼ
ンタ及びシアン像は黒色層がない点を補償するため修正
しなければならないからである。従って真の校正刷りか
ら一つの段階が除かれる結果になる。
従来のカラー写真材料を用いた既知の方法の別の欠点
は、最終像が最終的印刷像の網版形態よりも連続的色調
の形態からなると言う限界である。校正刷りを作る基本
的な理由の一つは、黄、マゼンタ,シアン及び黒網版点
の大きさが、希望の色合及び色調を生ずるのに適してい
るかどうかを検査することにあるので、校正刷りは同じ
視覚効果を生ずるように計算された連続的に変化する濃
度よりは網版点からなるのが良い。現在の連続的色調露
光を用いることは、恐らく、1)使用される像形成装置
の解像力、2)黄,マゼンタ,シアン及び黒網版に等し
い黄,マゼンタ及びシアン網版を計算するための余分な
装置のコスト、3)市販のカラー写真材料の、それらを
網版露光に対して理想的でないものにする低〜中程度の
コントラス、及び4)従来の発色カラー紙の解像力がよ
くないこと等の点が指摘されるであろう。
この理由から、現在入手できる直接カラー校正刷り法
は、ページ割り付け及び組み立てについての検査の場合
を除き、広く許容されるには至ってはいない。特別な印
刷機で実際に印刷するか、又は黒白フイルム上に網版分
離を通して直接露光することにより種々のやり方で形成
された個々の黄,マゼンタ,シアン及び黒色像を一緒に
重ねることにより高品質のカラー校正刷りを製造するこ
とがまだ一般に行なわれている。これらの方法は一般に
時間のかかるものであり、屡々操作する人の側に高度の
技巧を必要とする。
本出願人による同時出願の英国特許出願GB2172118Aに
は、基材とその上に被覆された少なくとも四つの別々の
像形成媒体とからなるカラー校正刷りに適した輻射線感
応性素子において、前記像形成媒体が: 1)像状露光及び処理によって黄色像を形成することが
できる像形成媒体、 2)像状露光及び処理によってマゼンタ像を形成するこ
とができる像形成媒体、 3)像状露光及び処理によってシアン像を形成すること
ができる像形成媒体、及び 4)像状露光及び処理によって黒色像を形成することが
できる像形成媒体、 を含み、しかも前記像形成媒体の各々が、他の像形成媒
体の最大感光度に対応する波長とは異なった波長の所で
最大スペクトル感光度を有する輻射線感応性素子が記載
されている。
その四層素子は特に高度に正確な網版カラー校正刷り
を形成するのに適している。その素子は、異なった波長
の四つの独立した輻射線源によって露光され、各層の像
形成は一つの輻射線源にのみ起因する。従って、各層は
印刷工程で対応するインクを適用するのに用いられる印
刷板を正に代表するものになる。
これらの素子は従来のカラー写真ハロゲン化銀素子と
は全く異なった原理に基づいている。従来の素子は黄,
マゼンタ及びシアン染料の組み合わせによりカラー像を
生じ、露光輻射線の波長はその主たる吸収帯内の同じ波
長を有する染料で像形成を起こす。このようにして、黒
色像は異なった波長の露光により発生した三つの染料全
ての組み合わせによって形成され、一つの波長に露光す
ることにより黒又は調和(balancing)黒を発生するた
めの手段は講じられていないない。四層素子は黄,マゼ
ンタ,シアン及び黒を分離するためにフォールス(fals
e)−カラー・アドレス(address)を用いる。従って特
定の感光性層を示すのに用いる露光輻射線源の波長はそ
の層中に発生する色とは全く無関係である。例えば、マ
ゼンタ分離はデジタル化され、しかる後赤外線発光源を
用いて赤外線に感光する像形成層を露光するようにして
もよい。この材料は、処理すると、マゼンタ像を生ず
る。これまで、フォールス−カラー・アドレスは特別な
像記録、例えば赤外線航空写真及びX線写真のためにの
み用いられてきており、使用される素子は本発明の素子
の四層をもってはいない。
素子の像形成媒体は、各媒体が、他の像形成媒体の最
大スペクトル感光度に対応する波長とは異なった波長の
所で最大スペクトル感光度を有するのみならず、各像形
成媒体が、他の像形成媒体の最大スペクトル感光度に対
応する波長の所では、取るに足りない感光度しかもた
ず、その結果、素子を前記像形成媒体の一つの最大スペ
クトル感光度に対応する波長の輻射線に、その媒体中に
像形成を起こすのに充分な強度で像状に露光すると、像
がその一つの像形成媒体の中にしか形成されないよう
に、選択されている。このようにして、層の最大スペク
トル感光度に対応する波長を有する四つの独立な輻射線
源による照射及び後の処理を行なうと、本発明の素子は
重ねられた黄,マゼンタ,シアン及び黒又は調和黒色像
を形成し、然も各像はそれぞれの輻射線源に像状に露光
したことに起因している。
それらの素子は、電子工学的に処理された網版分離像
データーから直接極めて正確な四つのカラー網版校正刷
りを生ずることができるカラー校正刷り系として用いる
ことができる。デジタル的に処理された像は独立の化学
線源、例えば発光ダイオード(LED)、レーザーダイオ
ード或は赤外線発光ダイオード(IRED)を変調するのに
用いられ、それらはデジタル的に処理された像に対応す
る媒体の最大スペクトル感光度に対応する波長で発光す
るように選択される。四つの独立した露光は、同時また
は順次に行なうことができる。何故なら像形成媒体のス
ペクトル感光度は、一つの輻射線源による露光が、一つ
の媒体に、他の像形成媒体に余り影響を与えることなく
潜像形成を起こさせるように選択されているからであ
る。
黄,マゼンタ及びシアン着色剤が印刷インクに飽和し
た色合及び濃度を与えるように合わせられているカラー
校正刷り用途に対しては、四番目の黒色層は適切な黒色
濃度を与えるのに必要である。と言うことが起きる。何
故ならこれは黄,マゼンタ及びシアンだけを合わせるこ
とによっては達成出来ないからである。しかし、四つの
層全てを異なったスペクトル領域に対し増感すること
は、可能ではあるが、四つの色形成層の各々スペクトル
感光度特性及び光源のスペクトル発光特性に厳しい条件
を課することになる。これらの条件は、もしも四つの層
を丁度三つの波長に感応させる方法があればかなり緩和
されるであろう。
今度、カラー校正刷り系に用いるのに適した高品質の
網版天然色像を得るのに、唯三つの異なった波長に対し
感光する四層(黄,マゼンタ,シアン及び黒又は調和
黒)素子を用いることができることが判明した。
〔本発明についての記述〕 本発明によれば、基材とその上に被覆された少なくと
も四つの別々のポジ型(positive acting)像形成媒体
とからなる網版カラー校正刷りの製造に適した輻射線感
応性素子において、前記ポジ型像形成媒体が: 1)像状露光及び処理によって黄色像を形成することが
できる像形成媒体、 2)像状露光及び処理によってマゼンタ像を形成するこ
とができる像形成媒体、 3)像状露光及び処理によってシアン像を形成すること
ができる像形成媒体、及び 4)像状露光及び処理によって黒色像又は調和黒色像を
形成することができる像形成媒体、 を含み、しかも前記像形成媒体1)、2)及び3)の各
々が、1)〜3)の他の像形成媒体の最大感光度に対応
する波長とは異なった波長の所で最大スペクトル感光度
を有し、像形成媒体4)が他の像形成媒体の最大感光度
に対応する波長の各々の所でスペクトル感光度を有する
輻射線感応性素子が与えられる。
黄色像を形成することができる像形成媒体は、マゼン
タ像形成媒体及びシアン像形成媒体の最大スペクトル感
光度に対応する波長の所では、前記素子をマゼンタ又は
シアン像形成媒体の最大スペクトル感光度に対応する波
長の輻射線に、それらマゼンタ又はシアン媒体に像形成
を起こさせるのに充分な強度で像状に露光しても像形成
は黄色像形成媒体中では起きないような、重要でない感
光度しかもたない。
マゼンタ及びシアン像形成媒体の感光度は同様に、素
子がシアン又は黄色像形成媒体に像形成を起こすように
輻射線に露光された時、マゼンタ像形成媒体に像形成が
起きず、素子がマゼンタ又は黄色像形成媒体に像形成を
起こさせるように輻射線に露光された時、シアン像形成
媒体には像形成が起きないように選択される。
処理した後に得られる黄色像は媒体の非露光領域中に
形成され、その露光領域が脱色される。黄色像が処理さ
れた写真素子中に見えるようにするためには、素子を黄
色像領域中のマゼンタ及びシアン像形成媒体の最大スペ
クトル感度に対応する波長に露光し、その領域中のマゼ
ンタ,シアン及び黒又は調和黒像形成媒体中に脱色を起
こさせ、その結果処理した後の写真素子のその領域中に
黄色着色剤のみが残っているようにしなければならな
い。
本発明の素子は四つの色形成層を有する。黄色層
(Y)は第1の波長に対し増感され、マゼンタ層(M)
は第2の波長に対し増感され、シアン層(C)は第3の
波長に対し増感され、黒(又は調和黒)色層(K)は三
つの波長の全てに増感されている。四つの層全部が基材
に被覆されている一番上の被覆から基材までの層の順序
は、Y、M、C、次にK(基材に最も近い)でも良い
が、他の順序も可能である。しかしどの場合でも三つの
波長全てに感光しなければならないのは、黒色層又は調
和黒色層である。
一般に黒又は調和黒色層の感光度は、他の層の各々の
最大スペクトル感光度に対応する波長の領域で、各層の
感光度より下、0.30logEより小さくなく、好ましくは0.
15logEより小さくはない。好ましくは黒又は調和黒色層
の感光度は、他の層の最大スペクトル感光度に対応する
波長の領域で、少なくとも他の層の感光度である。一般
に黒又は調和黒色層の感光度は、他の層の最大スペクト
ル感光度に対応する波長の領域で、それらの層の各々の
感光度より上、1.5logEより大きくなく、好ましくは0.6
logEより大きくはないであろう。
像形成媒体はポジ型でなければならない。換言すれ
ば、関連する波長の輻射線によって露光され現像された
領域中に存在するカラー像形成成分、例えば染料は、化
学線に露光されなかった領域中に存在する量よりも少な
い。又像形成法は網版によるものでなければならない。
従って材料上のどの与えられた点でも、各カラー像形成
成分は実質的に最大濃度又は最小濃度で存在する。この
ため材料上のどの与えられた点でも、真の色は、無色
(例えば白反射性基材上の白)、黄、マゼンタ、シア
ン、青、緑、赤又は黒で、中間的な色調のものはないよ
うにすることができる。巨視的な規模で、中間的な色調
及び色はY、M、C及びKの各々の点の正確な大きさに
よって生成する。
“黄色カラー形成成分、染料又は像と言う言葉は、こ
こでは可視スペクトルの主に400〜500nmの範囲内の吸光
度を指示している。
“マゼンタ”カラー形成成分、染料又は像と言う言葉
は、ここでは主に500〜600nmの範囲内の吸光度を指示し
ている。
“シアン”カラー形成成分、染料又は像と言う言葉
は、ここでは主に600〜700nmの範囲内の吸光度を指示し
ている。
黒色層は、スペクトルの400〜700nmの範囲にわたっ
て、全体的に同じ程度までそれ自身正確に光りを吸収す
ることによって完全黒色にすることができる。しかし、
一般に層は調和黒であり、その機能は黄、マゼンタ及び
シアンを合わせることによって生ずる濃度を増大し、Y
+M+C+調和黒の組み合わせが適切な濃度の、完全黒
色に似た黒を与えるようにすることである。カラー校正
刷り媒体に適した基材には、当分野で知られているもの
が含まれ、二酸化チタン含有又は気胞ポリエステルフイ
ルムの如き写真紙の紙及びプラスチックフイルムが含ま
れる。通常白色反射性基材が選択され、従って四つのカ
ラー形成成分が著しく減少している場合、背景は、無色
にされているカラー形成成分に対応して白に見える。他
の目的から像形成媒体は透明な基材、例えば二軸配向ポ
リエステルフイルム上に被覆してもよい。
この露光法は、“黒”カラー像形成成分(CFC)が、
像自体が黒色である領域中でのみ必要になると言う点で
利点を有する。即ち、黒CFCは、白、黄、マゼンタ、シ
アン、青、緑又は赤を生じさせる時には、明らかに不必
要になる。この条件は、黒CFCが他の三つのCFCの一つ以
上が存在しない場合には存在しないことを確実にするこ
とによって満たすことができる。これは黒色像形成層
を、黄、マゼンタ及びシアン像形成層の最大感光度に対
応する三つの波長全てに増感させることによって達成さ
れる。三つの他の像形成層の最大感光度に対応する三つ
の波長についての黒色像形成層の感光度は、各波長で、
他の層のなかで最も感光性の感光度に本質的に等しいか
又はそれより大きいのが良い。黒である像の領域では、
四つのCFC全てが常に存在するであろう。この理由か
ら、黒色像形成層は調和黒像形成層でありさえすれば良
い。
次の表1は、上で言及した色を生じさせるため存在す
る必要がある各層のCFCを示している。
個々の像形成媒体は一般に写真ハロゲン化銀スペクト
ル増感用染料及び付随するポジ型カラー化学、例えば銀
染料漂白、染料拡散転移、ロイコ染料酸化又はカラー反
転を含む単一の層からなる。しかし像形成媒体の幾つか
又は全てを像形成成分が中に分布された二つの隣接した
層から形成することもできる。更に二つ以上の像形成媒
体を、例えばそれら成分を微小カプセル化することによ
り一つの層に一緒にすることもできる。
像形成媒体は、処理後目で見ることができる安定した
像を生ずる。処理条件は用いられる像形成媒体の特定の
種類に依存し、外部からの化学的適用、例えば現像浴の
形での適用を含んでいるであろう。米国特許第4,460,68
1号に記載されているように乾式銀系の場合には、処理
は単に熱を加えればよい。簡単のために、本明細書では
以下像形成層について単に言及することにする。
上で述べたデジタル的に処理された像から直接カラー
校正刷りをつくるための四色の網版系についての要件は
次のようにして満たすことができる。
黄、マゼンタ、シアン及び黒又は調和黒色像をそれぞ
れ生ずることができる四つの感光性ハロゲン化銀層を基
材の上に被覆する。個々の黄、マゼンタ及びシアン層の
感光度を三つの発光ダイオード及び(又は)レーザーダ
イオード及び(又は)赤外線発光ダイオードの出力に合
わせる。黒(または調和黒)色層は三つの出力の全てに
対し、感光する。光源は感光性被覆を露光するのに用い
られる走査装置上に取り付けられている。四つのカラー
分離像は黄、マゼンタ、シアン及び黒(又は調和黒)生
成層に同時に又は順次に記録される。
三つの露光用装置の個々の発光は、好ましくは400〜9
00nm、更に好ましくは500〜900nm、最も好ましくは550
〜900nmの範囲から選択される。個々の発光ははるかに
広い波長帯内から選択することができるが、500〜900n
m、好ましくは550〜900nmの範囲内の発光を選択するの
が確かに有利である。第一に、この範囲は青/緑の光で
素子を安全光取り扱いすることができる。もし必要なら
ば、素子には更に安全光性を改良するため漂白可能な黄
色フイルターをつけても良い。緑、黄、赤及び赤外線発
光源を選択するための別の理由は、この領域で比較的大
きな電力の半導体装置を容易に得ることができることで
ある。適当な市販の露光用輻射線源には次のものが含ま
れる: 555nm 緑発光ダイオード(LED)、スタンレー電気(株)から
入手できる部品番号ESAY3431 580nm 黄発光ダイオード(LED)、スタンレー電気(株)から
入手できる部品番号ESB63401 660nm 発光ダイオード(LED)、スタンレー電気(株)半導体
部門(日本)から市販されている部品番号H2K 735nm 発光ダイオード、日立電子部品(UK)社、(ミドルセッ
クス、ハロー、ステーションロード221−225)から市販
されている部品番号HLP40RA 780nm 赤外線発生ダイオード(IRED)、日立電子部品(UK)社
から市販されている部品番号HLP60RB、及びレーザーダ
イオード、シャープ(株)(大坂)から市販されている
部品番号LT−024MD 830nm 赤外線発生ダイオード(IRED)、日立電子部品(UK)社
から市販されている部品番号HLP60RC、及びレーザーダ
イオード、シャープ(株)(大坂)から市販されている
部品番号LT−015MD それらの層は、固相発光源からの発光に典型的に似て
いる狭い輻射線帯だけを通すように適切にろ過され、カ
ラー形成層の一つ以上の最大感光度に対応する波長に合
うようにした、400〜900nmの輻射線によって露光しても
よい。そのような露光は接触法で行なわれてもよい。
特定の光源により目的とする範囲だけが確実に露光さ
れるようにするためには、感光性層は大きなコントラス
ト又は、もっと正確には、最大濃度から最小濃度まで非
常に短い露光範囲を示すのが非常に望ましい。大きな写
真コントラストも、露光が完全な感応を生ずるか又は全
く感応を起こさないいことが望ましい場合、網版像の正
確な記録のための必要条件である。好ましくは、各像形
成層の感光度計によるコントラストは充分高く、かぶり
より最大濃度が5%大きい濃度を与えるのに必要な露光
と、かぶりより最大濃度が90%大きい濃度を与える露光
との間の差が0.5log露光単位より小さい。
染料によるハロゲン化銀のスペクトル増感は、通常短
い波長よりも長い波長側に対し、はるかに鋭く落ちる感
光度ピークを生ずる。従ってカラー分離の増大は、層の
感光度が(最大スペクトル感光度に対応する波長の所
で)最短波長感光度の層から最長波長感光度の層まで減
少するならば、達成することができる。好ましくは、感
光度は、最短波長感光度の層の感光度の5%より小さ
く、一層好ましくは2%より小さい値に減少する。一般
に二つの層の間の感光度の最小の差は、少なくとも0.2l
ogE単位である。
特別な環境では、典型的には約450nmより長い波長ま
でのびないハロゲン化銀の固有の感光度を用いることに
より、素子中の像形成媒体の一つとして、増感されてい
ないハロゲン化銀層を用いることができる。非増感層を
用いる場合、それは輻射線によって最初に露光される層
として配置しなければならず、輻射線が更に構造体中に
透過するのを妨げ、それによってスペクトル増感された
層が露光するのを妨ぐように、対応するフイルター層を
付随させなければならない。そのようなフイルター層は
紫外線及び可視領域で固有のハロゲン化銀感光度の限界
まで、典型的には450nmまで吸収するであろう。フイル
ター層は処理による漂白即ち脱色を行なわせるように選
択されるであろう。残りの増感された層の最大感光度に
対応する波長は非増感層の固有の感光度を避けるように
選択される。ハロゲン化銀の固有のスペクトル感光度に
対応する輻射線の吸収は、例えばミース(Mees)及びジ
ェームス(James)著、「写真法の理論」(The Theory
of The Photographic Process)第3版、第39頁に記載
されている。
現在約550nmより小さい光を出す適当な固相発光源は
ないが、ろ過された狭い波長帯の光源を用い、通常接触
露光法により、適当な露光条件を達成することができ
る。
通常、素子は各媒体の最大感光度の波長に相当する波
長の輻射線をそれぞれ発する三つの独立に変調された輻
射線源に露光されるであろう。源からの発光は一般に感
光性層の最大吸収に相当する。これは発光と吸収の波長
との正確な一致或はわずかなずれを含んでいる。
源の最大発光の波長と感光性層の最大吸収波長との間
の差は、通常40nmより小さく、好ましくは20nmより小さ
く、最も好ましくは10nmより小さいであろう。輻射線源
は例えばレーザー露光の場合のように単色光でもよく、
或は例えば発光ダイオードの露光の場合のように狭い波
長帯に亘って発光してもよいことは認められるであろ
う。付加的に、増感用染料は比較的鋭い、又は広い吸収
をもっていてもよい。増感用染料が鋭い吸収を示す場合
には、輻射線源とのずれの許容度は小さくなるであろ
う。典型的には580nmで用いられる像感用染料は、800nm
で用いられるものよりも長い波長で一層鋭い落ち込みを
示すであろう。
実際上、対応する輻射線源及び像感用染料は、その源
が増感された層のかなりの露光を起こすが、他の層の露
光は余り起こさないように選択されるであろう。一般に
源は層の最大スペクトル感光度に対応する波長又はそれ
に近い波長の発光をするように選択され、源の最大発光
の波長の所のその層の感光度は、像感された層によって
示される最大スペクトル感光度に対し、0.4logE以下、
好ましくは0.1logE以下、最も好ましくは0.05logE以下
低下するであろう。
四つの感光性層の像が網版点形状に記録されると言う
ことは、カラー校正刷りにとって基本的に重要なことで
ある。網版形状に記録することの他の利点は露光用装置
の露光電力に、連続的色調像を記録するために可能であ
るよりも一層大きな許容密度を与えることである。像を
網版形状に記録することの他の実際的利点は、黒又は調
和黒色像形成層に関係している。一般に同じ層に黄、マ
ゼンタ及びシアン染料の混合物を一緒に用いて黒色像を
形成することが必要である。もし連続的色調像形成法が
用いられるならば、中間的灰色調の範囲全体に亘って中
性の黒色調を維持するために、黒(又は調和黒)色像の
黄、マゼンタ及びシアン成分の形成速度を正確に一致さ
せる必要があるであろう。しかし、もし黒色調の範囲が
網版点を用いることによって達成されるならば、そのよ
うな必要はなくなる。何故なら染料形成の中間的水準は
用いられず、点中の完全な染料濃度だけが存在するか又
は零の染料濃度が点間に存在するだけだからである。本
発明の素子で代表される像形成層は、好ましくはハロゲ
ン化銀乳剤で、それは銀染料漂白型又は染料像が染料拡
散転写法で形成される型のものである。銀染料漂白系
は、そのような系の解像力が高く、固有のコントラスト
が高いので好ましく、それらは網版記録にとって望まし
い特性である。別の利点は、種々の層の濃度及び色調が
フイルム製造中制御できると言うことである。
銀染料漂白、染料拡散転写及びカラー反射系はよく知
られており、例えばミース及びジェームス著「写真法の
理論」第4版、(マクミラン出版会社)第353〜372頁、
バン・デ・サンデ(Van de Sande)「カラー写真の染料
拡散系」Angew.Chem.Int.Ed.Engl.22(1983)、第191〜
209頁、及び「像形成系」“Imaging Systems″、Jacob
son & Jacobson,Focal Prass(1976)第86〜103頁
に記載されている。
像状染料拡散が達成される化学的機構についての理解
できる解説は、例えば「カラー写真の染料拡散系」“Dy
e Diffusion Systems in Colour Photography″Angewan
dte Chemie International Edition(1983)22,191−20
9に与えられている。
従来のカラー写真材料では、三つの感光性層の各々
が、その層が感光する光に対し色が補色になっている染
料像を形成するのが普通である。本発明では、像形成層
は色が露光輻射線源の色とは関係のない像を生じてもよ
い。例えばある条件にかけると、本発明のカラー像形成
層の各々は選択された三つの露光波長のいずれに対して
も感光性でよい。更に、四つの層を基材に被覆する順序
に幾つかの変更を加えることは可能である。四色の銀染
色漂白材料の場合、露光中、像染料の存在によってある
制約が課せられる。この場合、黄、マゼンタ及びシアン
染料が、下の層に対し、ある安全光保護を与えるために
基材から最も遠い層中に存在することが望ましい。約70
0nmより短い波長に対し感光する層は全て、シアン及び
黒色染料を含む層よりも露光輻射線源に近く配置するの
がよいが、これは必須ではない。
シアン染料を含む層は、もし適当に配置されると、70
0nmより短い波長に感光する層と、700nmより長い波長に
感光する層との間のカラー分離を増大するフイルター層
として働く。構造体の安全光取り扱いを改善するため、
感光層の上に付加的な漂白可能なフイルター層を被覆し
てもよい。これらのフイルター層は漂白可能な染料を含
んでいてもよく、或は銀染料漂白構造体の場合には、黄
色コロイド状銀を含んでいてもよく、その銀はアゾ染料
と一緒にしてもよい。
感光層はどんな適当な半透明又は透明の基材の上に被
覆してもよい。その構造体は好ましくはハレーション防
止裏打ちをもち、或は半透明の基材の場合にはハレーシ
ョン防止下層をもっている。ハレーション防止層は漂白
可能な染料を含んでいてもよく、或は黒色コロイド状銀
を用いてもよく、顔料例えばカーボンブラック、染料の
混合物の剥離可能な層を用いてもよい。
極めて多種類の像感用染料を、個々の感光性層を黄、
赤及び近赤外の光に対し像感するように用いてもよい。
これらは文献によく記載されている。本発明で用いられ
るハロゲン化銀乳剤の組成に関しては、特別な制約はな
いが、大きな写真コントラストを生ずる種類の乳剤が好
ましい。高コントラストハロゲン化銀乳剤の製造方法は
よく知られている。
これに関し、狭い粒径分布をもつハロゲン化銀乳剤が
特に有用である。乳剤の写真コントラストは、ロジウム
の如き周期律表第VIII族の元素を配合することにより増
大してもよい。ロジウムの効果はハロゲン化銀乳剤のコ
ントラストを増大するのみならず感光度を減少させる。
乳剤感光度に対する効果は乳剤層間の感光度の差を与
え、それによって上で述べた色分離を改良する点で有利
に用いることができる。
上述の如く本発明の輻射線感応性素子は、希望の像に
必要な特定の色を現すように変調された三つの独立な化
学線源によって露光してもよい。露光は順次行ってもよ
いが、三つの別々な場合について素子を走査する必要性
を除くため、同時に三つの源に素子を露光するのが好ま
しい。素子を一方向に速く動かしながら、露光用ビーム
を直角方向にもっとゆっくり動かすか、或は記録用ビー
ムを一方向に速く動かしながら素子を直角方向にもっと
ゆっくり動かすか、又は記録用ビームを一方向に速く、
直角方向にもっとゆっくりと動かすことにより素子をラ
スター状に走査する。各波長の点配列が形成されるよう
に露光のために同じ波長の輻射線源の組み合わせを用い
るのが好ましい。これによって走査速度を一層速くする
ことができる。
特定な露光装置は550〜900nmの範囲内で実質的に異な
った波長の最大発光をもつ三つの独立な輻射線源を有
し、それぞれの源はそれら源の他の最大波長とは少なく
とも20nm異なる最大波長をもつのが好ましく、各源又は
その発光を変調でき、それら光源から発生した輻射線が
同時に輻射線感応性素子を露光するように構成及び配列
されているのが好ましい。最長波長の源の強度は最短波
長の源の強度より少なくとも10倍大きいように、異なっ
た波長の源間に強度の変動があるのが好ましい。輻射線
源はレーザー、LED、IRED或はそれらの組み合わせから
なっていてもよく、好ましくは半導体輻射線源からな
る。
露光装置は異なった波長の各々について一つより多く
の独立に変調された源を有し、例えば六つ以上のそのよ
うな源を異なった波長の各々について有する露光ヘッド
を与えるようにしてもよい。各波長で独立に変調された
源を数十又は数百もつ配列を用いてもよい。個々の源は
一つの配列の形の中で単一のチップの上に一緒に取り付
けられていても良い。そのような配列は隣接した源の一
本の列からなっていてもよく、或は例えば5×2、10×
2、12×2等の源の2本以上の互い違いの列からなって
いてもよい。異なった波長の源の配列は単一のチップの
上に一緒に取り付けてもよい。この場合一つの波長で発
光する一本以上の源の列があり、これと平行に一つ以上
の他の波長で発光する一本以上の源の列が存在するであ
ろう。異なった波長の源の配列は別々のチップの上に取
り付けてもよい。それら源からの噴射線は光学的ファイ
バーによって露光ヘッドへ送られていてもよく、その装
置は各輻射線ビームの焦点を結ぶようにレンズ系を含ん
でいてもよい。
材料を像上の各点について多重波長カラー分離走査機
で露光すると、四つの信号が最初存在し、それはY、
M、C及びKのインクのどれがその点に印刷されるべき
かを指示する。その材料を正しく露光するためこれら四
つの信号は丁度三つの信号に減少されなければならず、
その三つの信号は次に三つの光源の各々を制御するよう
に用いられる。この減少を行なわせるのに必要な電子工
学的論理は付図の第1図に示されている。必要なこと
は、例えば与えられた点で黄色像層が、もしその点に黄
色の点が存在せず黒の点も存在しない時にのみ露光され
るべきであると言うことである。
素子は、対応する層の感光度に合うように狭い波長帯
のフイルターを通した輻射線源を用いて黒色及び白色分
離を通して接触枠上で露光してもよい。この場合露光は
ラスター状には行なわれない。
本発明を次の実施例により例示する。
実施例 本発明の実施を例示するため、二つの多層構造体を製
造した。第1のものは対照とした用いる従来の三色YMC
材料であった。第2のものはパンクロ調和黒色層を含む
四色YMCK材料であった。
本発明の可能性を証明するため四層材料の二つの性質
を示すことが必要である。第1は、調和黒色層が他の三
つの層の各々と同じ波長に感応する四層YMCK材料を作る
ことができることを示さなければならない。第2に調和
黒層の存在が黄、マゼンタ、シアン及び調和黒色像形成
層を合わせることから形成された黒の全濃度を増大する
ことを示さなければならない。
それら材料の製造及び後のそれらの感光度計による試
験を以下に記述する。
ハロゲン化銀乳剤 調和黒色層が三つの露光波長の各々に対し、それぞれ
単独に増感された層の場合と少なくとも同様な感光性を
確実にもつようにするために、多層構造体に二つの異な
った乳剤(以下乳剤A及びBと呼ぶ)を用いた。
乳剤Aは三つの単独に増感された層の各々に対して用
い、各層は一つの適当なカラー形成アゾ染料と一緒に一
つの適当な増感用染料を含んでいた。
乳剤は、従来の二重ジェット法によって製造された狭
い粒径分布をもつ平均粒径0.4μのAgBr30モル%及びAgC
l70モル%からなる銀クロロブロマイド乳剤であった。
その乳剤は硫黄及び金で増感され、テトラ−アザインデ
ンで安定化された。
乳剤Bは、調和黒色層に対して用いられ、三つの増感
用染料を添加することによって、三つの波長全てに対し
て増感された。この乳剤は平均粒径0.7μで、広い粒径
分布をもつAgBr97モル%及びAgI3モル%からなる銀アイ
オドブロマイド乳剤であった。その乳剤は、それぞれの
乳化工程で単一ジェット法を用いてアンモニア性条件で
二段階乳化法により製造された。その乳剤は硫黄及び金
で増感された。
被覆方法 100μ(4ミル)Bexford白色気胞ポリエステル基材に
ハレーション防止下層(AHU)(ゼラチン中の黒色コロ
イド状銀分散物からなる)及び無添加ゼラチン層表面被
覆を二重スロットにより被覆した。得られた材料を次に
染料増感された乳剤下層(これもアゾ染料を含む)及び
無添加ゼラチン表面被覆を二重スロットにより被覆し
た。次にこの工程を他の色形成層の各々に対して繰り返
した。最後のゼラチン表面被覆、即ち多層構造体の一番
上の被覆にはコロイド状シリカ分散物を添加した。二つ
の多層構造体を、一つは調和黒色層をもたせず(対
照)、一つは調和黒色層をもたせて(本発明)被覆した
が、三つの露光用波長全てに対して増感されていた。こ
れらの二つの多層構造体を付図の第2図に概略的に示
す。
乳剤層配合 乳剤層の配合を表2に要約する。
表3に詳細を示した増感用染料は45℃で乳剤に攪拌し
ながら添加した。次に0.5%のロイコホール(Leucopho
r)BCF水溶液(サンドズ、Sandoz、から市販されてい
る)を添加した。
30分後、10%のオセイン(ossein)ゼラチン95gを添
加し、次に適当なアゾ染料溶液を添加した。最後に、2
%のトリトン(Triton)X−200表面活性剤(ローム・
アンド・ハース社から市販されている)4.5ml及び2%
のホルムアルデヒド溶液9mlを、溶液のpHを6.0に調節す
る前に添加し、そして重量を300gにした。
それらの乳剤層を被覆し、層I、II、III及びIVに対
しそれぞれ0.2、0.4、0.2及び0.25g/m2の銀被覆を与え
た。ゼラチン中間層を乾燥厚さ2μを与えるまで被覆
し、保護上部被覆を乾燥厚さ0.6μを与えるように被覆
した。
この例では、調和黒色像形成層はシアンアゾ染料だけ
を含んでいた。実際には、調和黒色像形成層は黄及びマ
ゼンタ染料をある量含んでいてもよい。しかし印刷イン
クの性質により、調和黒の主たる目的はスペクトルの赤
の部分の濃度を増大することである。従って調和黒とし
てのシアンの選択は適当である。
アゾ染料 用いられたアゾ染料は表4に示した構造を有する。そ
れらの吸収曲線は付図の第3図に示されている。
感光度測定 試料を580、660及び800nmの波長の所にほぼ中心をも
つ狭い波長帯のフイルターを通した輻射線に露光した。
露光用輻射線源は、Braun Flash Gun Type F910、色温
度5600゜K、12500ビームキヤンデル電力秒、露光時間
0.004秒からなっていた。個々の試料を露光するのに、
次の範囲の輻射線を透過する広い波長帯のフイルターを
用いた: 560〜610nm(580nm) 635〜680nm(660nm) 770〜820nm(800nm) 各波長についてのフイルム面での強度は次の通りであっ
た: 580nm 0.12×10-4ワットcm-2 660nm 0.12×10-4ワットcm-2 800nm 0.73×10-4ワットcm-2 このようにして、これら波長の一つ、二つ、又は三つ
全部の所で、又はこれら波長を使わずに、適当な露光の
組み合わせにより、白、黄、マゼンタ、シアン、赤、
緑、青、及び黒の色全てを発生させることができる。露
光後、各試料を3MRDC速効現像剤で40℃で30秒間現像
し、Ilford Crdachrome P22染料漂白及び定着溶液で、
それぞれ40℃で60秒間処理し、しかる後、洗浄して乾燥
した。
そのような露光の結果の例を、本発明の素子と対照素
子とについて、それぞれ付図の第4図及び第5図に示
す。
両方のグラフで、線(1)は、染料の各々がまだ存在
している未露光の材料の吸収スペクトルを示す。(この
結果は各目上黒であるが、実際的被覆では、シアン濃度
はもっと大きいであろう)。線(2)は、波長580nmの
光に露光した後の吸収スペクトルを示す。第4図と第5
図を比較すると580nmの露光は、三層材料(第4図)中
で漂白されるべき丁度黄色染料を生ずるが、四層材料
(第5図)では、黄色と調和黒の染料の両方が除かれて
いることが明らかにわかる。従って要求されるように、
調和黒色層は、波長580nmの光に対し、黄色層と少なく
とも同じ感光性を有するものとして示されている。次の
一つの段階へいくと、第4図及び第5図中の線(3)
は、波長580及び800nmの光に露光した後の吸収スペクト
ルを示している。この場合には、丁度マゼンタ染料が残
っている。
他の二つの波長(660及び800nm)の各々で、単独で露
光した同様な試験は、同じく、調和黒色層が充分感光性
であることを示している。このことは、各層の各波長に
対する感光度が列挙されている表6で確かめられる。表
6に与えた結果は、試料を0−4D灰色濃度の光学的くさ
びを通して波長580、660及び800nmの光りに露光するこ
とによって得られた。各染料を最低光学濃度より上、0.
1単位、即ちDmim+0.1まで漂白した試料に沿った位置
は、走査反射濃度計を用いて決められた。この位置で光
学的くさびの濃度、くさびに入射する光りの強度及び露
光時間についての知識から、各染料を漂白するのに必要
な全露光をergs/cm2の単位で計算した。
調和黒色層の適切な感光度、即ち例示しなければなら
ない第2の性質は、YMCK黒の濃度がYMC黒に比較して改
良されていることによって示されている。この効果は第
4図及び第5図を再び見ることによって知ることができ
る。本発明の素子内の調和黒色層中のシアンによつても
たらされる600nm以上の波長の光りに対する濃度の増大
は明らかに証明されている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、四つの信号を三つの信号に減少させるために
必要な電子工学的論理を示す。 第2図は、本発明及び従来の多層構造を概略的に示す図
である。 第3図はアゾ染料の吸収曲線を示す図である。 第4図は三層素子の露光後の吸収曲線を示す図である。 第5図は四層素子の露光後の吸収曲線を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−22049(JP,A) 特公 昭54−9493(JP,B2) 特公 平6−93100(JP,B2) 米国特許4619892(US,A) 日本印刷学会編「印刷工学便覧」技報 堂出版(1983年7月20日発行)P.456 〜465

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材とその上に被覆された少なくとも四つ
    のポジ型像形成媒体とからなる網版カラー校正刷りの製
    造に適した輻射線感応性素子において、前記像形成媒体
    が: 1)像状露光及び処理によって黄色像を形成することが
    できる像形成媒体、 2)像状露光及び処理によってマゼンタ像を形成するこ
    とができる像形成媒体、 3)像状露光及び処理によってシアン像を形成すること
    ができる像形成媒体、及び 4)像状露光及び処理によって黒又は調和黒色像を形成
    することができる像形成媒体、 を含み、しかも前記像形成媒体1)、2)、及び3)の
    各々が、1)〜3)の他の像形成媒体の最大感光度に対
    応する波長とは異なった波長の所で最大スペクトル感光
    度を有し、像形成媒体4)が他の像形成媒体の最大感光
    度に対応する波長の各々の所でスペクトル感光度を有す
    る輻射線感応性素子。
  2. 【請求項2】媒体1)、2)、及び3)の像形成媒体の
    各々が、1)、2)、及び3)の他の像形成媒体の最大
    スペクトル感光度に対応する波長の所では、取るに足り
    ない感光度しかもたず、像形成媒体4)が媒体1)、
    2)、及び3)の各々の最大感光度に対応する波長の所
    で感光度を有し、その結果前記素子を像形成媒体1)、
    2)、及び3)の一つの最大スペクトル感光度に対応す
    る波長の輻射線に、その媒体に像形成を起こさせるのに
    充分な強度で像状に露光すると、像形成が媒体1)、
    2)、及び3)の前記一つの像形成媒体に極限され、像
    形成が媒体4)でも起きるようになっている前記第1項
    に記載の素子。
  3. 【請求項3】感光性媒体1)、2)、及び3)がそれぞ
    れ400〜900nmの範囲から選択される異なった波長の所で
    最大スペクトル感光度を有するハロゲン化銀乳剤を含む
    前記第1項〜第2項のいずれか1項に記載の素子。
  4. 【請求項4】像形成媒体1)、2)及び3)の一つの最
    大スペクトル感光度に対応する波長が、1)、2)、及
    び3)の他の像形成媒体の全ての最大スペクトル感光度
    に対応する波長とは少なくとも20nm異なっている前記第
    1項〜第3項のいずれか1項に記載の素子。
  5. 【請求項5】媒体1)、2)及び3)の感光度(最大ス
    ペクトル感光度の波長の所で)が最短波長感光度をもつ
    媒体から最長波長感光度をもつ媒体まで少なくとも1/10
    減少する前記第1項〜第4項のいずれか1項に記載の素
    子。
  6. 【請求項6】各像形成媒体の感光度計によるコントラス
    トが充分大きく、かぶりより最大濃度が5%大きい濃度
    を与えるのに必要な露光と、かぶりより最大濃度が90%
    大きい濃度を与えるのに必要な露光との間の差が1.5log
    露出単位より小さい前記第1項〜第5項のいずれか1項
    に記載の素子。
  7. 【請求項7】染料像が銀染料漂白法又は銀拡散転写法に
    より形成される前記第1項〜第6項のいずれか1項に記
    載の素子。
  8. 【請求項8】紫外線及び(又は)青及び(又は)緑の光
    を吸収する漂白可能なフィルター媒体で表面被覆されて
    いる前記第1項〜第7項のいずれか1項に記載の素子。
  9. 【請求項9】染料漂白型で、黄色コロイド状銀及び黄又
    はマゼンタアゾ染料を含むフィルター媒体で表面被覆さ
    れている前記第1項〜第8項のいずれか1項に記載の素
    子。
  10. 【請求項10】像形成媒体が次の順序 1)黒又は調和黒像形成媒体 2)黄又はシアン像形成媒体 3)シアン又は黄像形成媒体 4)マゼンタ像形成媒体 で基材上に被覆されている前記第1項〜第9項のいずれ
    か1項に記載の素子。
  11. 【請求項11】基材とその上に被覆された少なくとも四
    つのポシ型像形成媒体とからなる網版カラー校正刷りの
    製造に適した輻射線感応性素子において、前記像形成媒
    体が: 1)像状露光及び処理によって黄色像を形成することが
    できる像形成媒体、 2)像状露光及び処理によってマゼンタ像を形成するこ
    とができる像形成媒体、 3)像状露光及び処理によってシアン像を形成すること
    ができる像形成媒体、及び 4)像状露光及び処理によって黒又は調和黒色像を形成
    することができる像形成媒体、 を含み、しかも前記像形成媒体1)、2)及び3)の各
    々が、1)〜3)の他の像形成媒体の最大感光度に対応
    する波長とは異なった波長の所で最大スペクトル感光度
    を有し、像形成媒体4)が他の像形成媒体の最大感光度
    に対応する波長の各々の所でスペクトル感光度を有する
    輻射線感応性素子を、3つの独立に変調された輻射線源
    に露光することからなり、しかもそれら輻射線源が、そ
    れぞれ像形成媒体1)、2)及び3)の各媒体の最大感
    光度に対応する波長の範囲内の波長の輻射線を発光する
    ように選択されている網版カラー像の形成方法。
  12. 【請求項12】輻射線源が発光ダイオード、赤外線発光
    ダイオード、半導体レーザー及びそれらの組合せから選
    択され、それら輻射線源の各々が500〜900nmの範囲の輻
    射線を発生する前記第11項に記載の方法。
  13. 【請求項13】素子を輻射線源によってラスター状に走
    査する前記第11項〜第12項のいずれか1項に記載の方
    法。
  14. 【請求項14】どの二つの異なった輻射線源の間でも、
    その最大波長の間隔が少なくとも20nmである前記第11項
    〜第13項のいずれか1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】フィルム面での輻射線源の強度が、最短
    波長の輻射線源から最長波長の輻射線源まで増大し、そ
    の増大が少なくとも10倍である前記第11項〜第14項のい
    ずれか1項に記載の方法。
  16. 【請求項16】各媒体の最大感度の波長に対応する3つ
    の波長の各々について同じ波長の輻射線を発生する輻射
    線源の配列が存在する前記第11項〜第15項のいずれか1
    項に記載の方法。
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