JP3089425B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JP3089425B2 JP01260629A JP26062989A JP3089425B2 JP 3089425 B2 JP3089425 B2 JP 3089425B2 JP 01260629 A JP01260629 A JP 01260629A JP 26062989 A JP26062989 A JP 26062989A JP 3089425 B2 JP3089425 B2 JP 3089425B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ハロゲン化銀カラー写真感光材料に関し、
詳しくは色再現性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光
材料に関する。
〔発明の背景〕
校正用画像形成方法としては、発色現像による色素画
像形成を用いた方法の他に、銀色素漂白法を用いた方法
が知られているが、銀色素漂白法には処理が不安定であ
るという欠点があり、常に安定した高画質を校正用画像
形成法としては好ましくない。その点芳香族一級アミン
現像主薬とカプラーのカップリング反応による発色画像
形成法を用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料は安定
した画質が得られるという点で優れている。
その場合、これらの発色特性が色再現性上重要であ
る。
一方、イエロー、マゼンタ、シアンの各網点画像の発
色を印刷インキの色に近似させる方法が特願昭63−1460
96号、同63−60734号、同63−167073号、同63−153110
号に記載されている。
上記明細書に記載されているように、マゼンタ用カプ
ラーとしてはピラゾロアゾール型カプラーを使うことに
より、マゼンタ発色像の色調が向上することができる。
しかしマゼンタカプラーとして上記カプラーを使い、
イエロー、マゼンタ、シアンの発色を重ねることにより
墨を作成した場合、蛍光灯で観察すると、純黒色ではな
く、緑色がかってみえることが大きな問題となった。
このような方法で作成されるカラー画像が、校正用画
像(カラープルーフ)として用いられる場合は、カプラ
ーから生成するカラー画像の色相の近似していることが
求められている。
従来のカラープルーフ用印画紙には、イエローカプラ
ーとして2−クロル−ビバロイルアセトアニリド系マゼ
ンタカプラーが使われていた。そしてイエロー、マゼン
タ、シアンの3つの発色層で画像を形成していたが、印
刷物との色調の近似性が不充分だった。
その理由の1つとして上記カラープルーフではイエロ
ー、マゼンタ、シアンの各発色像の重なりで墨色を作っ
て、墨濃度を適正な濃度に仕上げようとすると、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの単色像の濃度を最適な濃度に合
わせられなかったことが挙げられる。
これを解決する手段として、イエロー、マゼンタ、シ
アン及び墨の4つの画像形成方法が特開昭61−233732
号、同63−2048号、同63−2049号に記載されている。し
かしこの新たに墨色を設けることにより充分な濃度の墨
画像を発色させ、イエロー、マゼンタ、シアンの単色像
の濃度を適正な水準に調整しても不充分な色調の改良し
か得られず、特にマゼンタの色調は印刷物と尚かけはな
れたものであった。
〔発明の目的〕
上記のような問題に対し、本発明の目的は、下記のよ
うな色画像特性を有する校正用に適したハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料を提供することである。
印刷インキに近く、優れた色再現性を有すること。
印刷インキと同等の墨濃度を有すること。
特にマゼンタ色調が印刷インキの色調に近似してい
ること。
網画像において、墨及びマゼンタ色画像が印刷イン
キの色調に近似していること。
〔発明の構成〕
本発明の上記目的は、イエロー、マゼンタ、シアン及
び墨の4種の画像形成層を有し、該形成層の分光感度が
各々異なった波長に最大スペクトル感度を有するハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料において、前記4種の画像形
成層はコア/シェル型ハロゲン化銀乳剤を含有し、且つ
マゼンタ層を形成する層が下記一般式〔M−1〕で示さ
れる化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料により達成される。
〔式中、Zは含窒素複素環を形成するに必要な非金属原
子群を表し、該Zにより形成される環は置換基を有して
も良い。Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体との
反応により脱離しうる基を表す。またRは水素原子また
は置換基を表す。〕 以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る前記一般式〔M−I〕において Zは含窒素複素環を形成するに必要な非金属原子群を表
し、該Zにより形成される環は置換基を有してもよい。
Xは水素原子又は発色現像主薬の酸化体との反応によ
り脱離しうる基を表す。
またRは水素原子又は置換基を表す。
Rの表す置換基としては特に制限はないが、代表的に
は、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、ス
ルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニ
ル、シクロアルキル等の各基が挙げられるが、この他に
ハロゲン原子及びシクロアルケニル、アルキニル、複素
環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、
カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、
アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキ
シ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イ
ミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカ
ルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、ア
ルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素
環チオの各基、ならびにスピロ化合物残基、有機炭化水
素化合物残基等も挙げられる。
Rで表されるアルキル基としては、炭素数1〜32のも
のが好ましく、直鎖でも分岐でもよい。
Rで表されるアリール基としては、フェニル基が好ま
しい。
Rで表されるアシルアミノ基としては、アルキルカル
ボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基等が挙げ
られる。
Rで表されるスルホンアミド基としては、アルキルス
ルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基等が挙
げられる。
Rで表されるアルキルチオ基、アリールチオ基におけ
るアルキル成分、アリール成分は上記Rで表されるアル
キル基、アリール基が挙げられる。
Rで表されるアルケニル基としては、炭素数2〜32の
もの、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、特に5
〜7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐で
もよい。
Rで表されるシクロアルケニル基としては、炭素数3
〜12、特に5〜7のものが好ましい。
Rで表されるスルホニル基としてはアルキルスルホニ
ル基、アリールスルホニル基等; スルフィニル基としてはアルキルスルフィニル基、ア
リールスルフィニル基等; ホスホニル基としてはアルキルホスホニル基、アルコ
キシホスホニル基、アリールオキシホスホニル基、アリ
ールホスホニル基等; アシル基としてはアルキルカルボニル基、アリールカ
ルボニル基等; カルバモイル基としてはアルキルカルバモイル基、ア
リールカルバモイル基等; スルファモイル基としてはアルキルスルファモイル
基、アリールスルファモイル基等; アシルオキシ基としてはアルキルカルボニルオキシ
基、アリールカルボニルオキシ基等; カルバモイルオキシ基としてはアルキルカルバモイル
オキシ基、アリールカルバモイルオキシ基等; ウレイド基としてはアルキルウレイド基、アリールウ
レイド基等; スルファモイルアミノ基としてはアルキルスルファモ
イルアミノ基、アリールスルファモイルアミノ基等; 複素環基としては5〜7員のものが好ましく、具体的
には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル
基、2−ベンゾチアゾリル基等; 複素環オキシ基としては5〜7員の複素環を有するも
のが好ましく、例えば3,4,5,6−テトラヒドロピラニル
−2−オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ基等; 複素環チオ基としては、5〜7員の複素環チオ基が好
ましく、例えば2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチアゾ
リルチオ基、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾール
−6−チオ基等; シロキシ基としてはトリメチルシロキシ基、トリエチ
ルシロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等; イミド基としてはコハク酸イミド基、3−ヘプタデシ
ルコハク酸イミド基、フタルイミド基、グルタルイミド
基等; スピロ化合物残基としてはスピロ[3.3]ヘプタン−
1−イル等; 有橋炭化水素化合物残基としてはビシクロ[2.2.1]
ヘプタン−1−イル、トリシクロ[3.3.1.13'7]デカン
−1−イル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−1−イル等が挙げられる。
Xの表す発色現像主薬の酸化体との反応により離脱し
うる基としては、例えばハロゲン原子(塩素原子、臭素
原子、弗素原子等)及びアルコキシ、アリールオキシ、
複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、アル
コキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、
アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオキザリルオキ
シ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環チオ、アルキ
ルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミノ、スルホン
アミド、N原子で結合した含窒素複素環、アルキルオキ
シカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミ
ノ、カルボキシル、 (R1′は前記Rと同義であり、Z′は前記Zと同義であ
り、R2′及びR3′は水素原子、アリール基、アルキル基
又は複素環基を表す。)等の各基が挙げられるが、好ま
しくはハロゲン原子、特に塩素原子である。
またZ又はZ′により形成される含窒素複素環として
は、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環又
はテトラゾール環等が挙げられ、前記環が有してもよい
置換基としては前記Rについて述べたものが挙げられ
る。
一般式〔M−I〕で表されるものは更に具体的には例
えば下記一般式〔M−II〕〜〔M−VII〕により表され
る。
前記一般式〔M−II〕〜〔M−VII〕においてR1〜R8
及びXは前記R及びXと同義である。
又、一般式〔M−I〕の中でも好ましいのは、下記一
般式〔M−VIII〕で表されるものである。
式中R1,X及びZ1は一般式〔M−I〕におけるR,X及び
Zと同義である。
前記一般式〔M−II〕〜〔M−VII〕で表されるマゼ
ンタカプラーの中で特に好ましいものは一般式〔M−I
I〕で表されるマゼンタカプラーである。
一般式〔M−I〕におけるZにより形成される環及び
一般式〔M−VIII〕におけるZ1により形成される環が有
していてもよい置換基、並びに一般式〔M−II〕〜〔M
−VI〕におけるR2〜R8としては下記一般式〔M−IX〕で
表されるものが好ましい。
一般式〔M−IX〕 −R1−SO2−R2 式中R1はアルキレン基を、R2はアルキル基、シクロア
ルキル基又はアリール基を表す。
R1で示されるアルキレン基は好ましくは直鎖部分の炭
素数が2以上、より好ましくは3ないし6であり、直
鎖,分岐を問わない。
R2で示されるシクロアルキル基としては5〜6員のも
のが好ましい。
又、陽画像形成に用いる場合、前記複素環上の置換基
R及びR1として最も好ましいのは、下記一般式〔M−
X〕により表されるものである。
式中R9,R10及びR11はそれぞれ前記Rと同義である。
又、前記R9,R10及びR11の中の2つ例えばR9とR10は結
合して飽和又は不飽和の環(例えばシクロアルカン、シ
クロアルケン、複素環)を形成してもよく、更に該環に
R11が結合して有橋炭化水素化合物残基を構成してもよ
い。
一般式〔M−X〕の中でも好ましいのは、(i)R9
R11の中の少なくとも2つがアルキル基の場合、(ii)R
9〜R11の中の1つ例えばR11が水素原子であって、他の
2つR9とR10が結合して根元炭素原子と共にシクロアル
キルを形成する場合、である。
更に(i)の中でも好ましいのは、R9〜R11の中の2
つがアルキル基であって、他の1つが水素原子又はアル
キル基の場合である。
又、陰画像形成に用いる場合、前記複素環上の置換基
R及びR1として最も好ましいのは、下記一般式〔M−X
I〕により表されるものである。
一般式〔M−XI〕 R12−CH2− 式中R12は前記Rと同義である。
R12として好ましいのは、水素原子又はアルキル基で
ある。
以下に本発明に係る化合物の代表的具体例を示す。
以上の本発明に係る化合物の代表的具体例の他に、本
発明に係る化合物の具体例としては特願昭61−9791号明
細書の第66頁〜122頁に記載されている化合物の中で、N
o.1〜4,6,8〜17,9〜24,26〜43,45〜59,61〜104,106〜12
1,123〜162,164〜223で示される化合物を挙げることが
できる。
又、前記カプラーはジャーナル・オブ・ザ・ケミカル
・ソサイアティ(Journal of the Chemical Societ
y),パーキン(Porkin)I(1977),2047〜2052、米国
特許3,725,067号、特開昭59−99437号、同58−42045
号、同59−162548号、同59−171956号、同60−33552
号、同60−43659号、同60−172982号及び同60−190779
号等を参考にして合成することができる。
本発明のカプラーは通常ハロゲン化銀1モル当り1×
10-3モル〜1モル、好ましくは1×10-2モル〜8×10-1
モルの範囲で用いることができる。
又本発明のカプラーは他の種類のマゼンタカプラーと
併用することもできる。
墨の色素画像層中に含有するマゼンタ色素形成用カプ
ラーは、上記にかぎらず他のカプラーを使用することが
できる。例えば5−ピラゾロン系、ピラゾリノベンツイ
ミダゾール系、インダゾロン系あるいはスプリットオフ
基を有する2当量型マゼンタ色素形成カプラーを挙げる
事が出来る。
さらに上記ハロゲン化銀カラー写真感光材料はポジ型
ハロゲン化銀写真感光材料が好ましく、より好ましくは
直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料によって達成され
る。
本発明に係るハロゲン化銀カラー写真感光材料は、そ
の感光層が互いに異なる分光感度を有する少なくとも4
つの層からなり、1つの最大スペクトル感光度に対応す
る波長が他の層の総ての最大スペクトル感光度に対応す
る波長とは少なくとも40nm異なるものである。好ましく
は少なくとも60nm異なるものである。また本発明に係る
ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、上記の4つの層の
1つづつが任意の組み合わせでそれぞれイエロー、マゼ
ンタ、シアン及び墨の各色画像形成層となるものであっ
て、パラフェニレンジアミン系発色現像主薬の酸化体と
カップッリングして発色するカプラーを含有する感光材
料である。
本発明は、本発明に係るハロゲン化銀カラー写真感光
材料が、感光材料中に添加されたカプラーと現像液中の
パラフェニレンジアミン誘導体主薬の酸化体とのカップ
リングによって生成する色素をカラープルーフ画像とし
て用いる感光材料が、本発明の効果がより大きい点から
好ましい。またこれらの感光材料の中でもポジの白黒網
点画像からポジ画像を形成する感光材料、例えば直接ポ
ジハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料、リバーサル感光
材料を用いた感光材料であることが本発明の効果が特に
大きく、好ましく、直接ポジハロゲン化銀乳剤を用いた
感光材料が本発明の効果が最も大きい点から、最も好ま
しい。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の色画像形
成層中に含有させる色素形成用化合物として好ましい化
合物はp−フェニレンジアミン系発色現像主薬の酸化生
成物と反応して色素を生成する化合物(カプラー)であ
る。
このうちイエロー色素形成カプラーとしては、ベンゾ
イルアセトアニリド型、ピバロイルアセトアニリド型、
あるいはカップリング位の炭素原子がカップリング反応
時に離脱することができる置換基(いわゆるスプリット
オフ基)で置換されている2当量型イエロー色素形成カ
プラーであり、シアン色素形成カプラーとしては、フェ
ノール系、ナフトール系、ピラゾロキナゾロン系、ある
いはスプリットオフ基を有する2当量型シアン色素形成
カプラーである。
次に、本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の感
光層に用いられるハロゲン化銀乳剤について述べる。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン化銀
として臭化銀、沃塩化銀、塩臭化銀および塩化銀等の通
常のハロゲン化銀乳剤に使用される任意のものを用いる
ことができる。
ハロゲン化銀粒子の組成は、粒子内部から外部に至る
まで均一なものであってもよいし、粒子内部と外部の組
成が異なってもよい。また粒子内部と外部の組成が異な
る場合、連続的に組成が変化してもよいし、不連続であ
ってもよい。
ハロゲン化銀粒子の粒子径は特に制限はないが、迅速
処理性および感度等、他の写真性能等考慮すると、好ま
しくは0.2乃至1.6μm、更に好ましくは0.25乃至1.2μ
mの範囲である。
ハロゲン化銀粒子の粒子径の分布は、多分散または単
分散であってもよい。特に好ましくは単分散が良い。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は酸性法、中性
法、アンモニア法のいずれで得られたものでもよい。該
粒子は一時に成長させてもよいし、種粒子をつくった
後、成長させてもよい。種粒子をつくる方法と成長させ
る方法は同じであっても、異なってもよい。
また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形
式としては、順混合法、逆混合法、同時混合法それらの
組合せなどいずれでもよい。更に同時混合法の一形式と
して特開昭54−48521号等に記載されているpAg−コント
ロールド−ダブルジェット法を用いることもできる。
更に必要であればチオエーテル等のハロゲン化銀溶剤
を用いてもよい。
ハロゲン化銀粒子の形状は任意のものを用いることが
できる。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化
銀粒子を形成する過程及び/又は成長させる過程で、カ
ドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム
塩、又は錯塩、ロジウム塩又は錯塩、鉄塩又は錯塩を用
いて金属イオンを添加し、粒子内部に及び/又は粒子表
面に包含させる事ができ、また適当な還元的雰囲気にお
くことにより、粒子内部及び/又は粒子表面に還元増感
核を付与できる。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化
銀粒子の成長の終了後に不要な可溶性塩類を除去しても
よいし、あるいは含有させたままでもよい。該塩類を除
去する場合には、リサーチ・ディスクロージャー17643
号記載の方法に基づいて行うことができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、潜像が主と
して粒子内部に形成される粒子であることが好ましい。
これらの感光性ハロゲン化銀、及び感光性銀塩形成成
分は種々の態様で組み合わせて使用できる。また本発明
に係る墨画像形成層のハロゲン化銀塗布量を銀に換算し
て、全ハロゲン化銀乳剤層の総量の40%以下、より好ま
しくは20%以下にすることにより本発明の効果を1層大
きなものにすることができ、マゼンタの網点画像の色調
と墨画像の色調の改良が共に顕著であった。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、常法により
化学増感される。即ち、銀イオンと反応できる硫黄を含
む化合物や、活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、セレン
化合物を用いるセレン増感法、還元性物質を用いる還元
増感法、金その他の貴金属化合物を用いる貴金属増感法
などを単独又は組合せて用いることができる。
ハロゲン化銀乳剤として直接ポジ画像形成ハロゲン化
銀乳剤を採用する場合、例えば内部潜像型ハロゲン化銀
乳剤を用いることができ、例えば米国特許第3,592,250
号に記載されている変換方法による所謂コンバージョン
型ハロゲン化銀乳剤、または米国特許3,206,316号、同
3,317,322号及び同3,367,778号に記載されている内部化
学増感されたハロゲン化銀粒子を有するハロゲン化銀乳
剤、または米国特許3,271,157号、同3,447,927号及び同
3,531,291号に記載されている多価金属イオンを内蔵し
ているハロゲン化銀粒子を有するハロゲン化銀乳剤、ま
たは米国特許3,761,276号に記載されているドープ剤を
含有するハロゲン化銀粒子の粒子表面を弱く化学増感し
たハロゲン化銀乳剤、または特開昭50−8524号、同50−
38525号及び同53−2408号に記載されている積層方法に
よる所謂コア・シェル型ハロゲン化銀乳剤、その他特開
昭52−156614号、同55−127549号及び同57−79940号に
記載されているハロゲン化銀乳剤などを用いることがで
きる。この場合内部潜像型ハロゲン化銀乳剤は積層型粒
子でつくられたものが特に好ましい。
このようなハロゲン化銀粒子は通常の積層型ハロゲン
化銀粒子と同様にして製造することができる。例えば特
開昭50−8524号、同50−38525号、同53−60222号、同55
−1524号及び米国特許3,206,313号等に記載される如
く、塩化銀粒子を形成後臭化物を加えて臭化銀粒子に変
換し、更にハロゲン化物を硝酸銀を加えて積層する方法
或いは過剰ハロゲンの少ない状態で沃臭化銀粒子を作
り、更には塩化銀、臭化銀を順次積層していく方法等が
挙げられる。
内部潜像型ハロゲン化銀乳剤を用いる場合、該乳剤に
は、裏面感度をできるだけ低く抑え、より低い最小濃度
及びより安定な特性を付与せしめるために通常用いられ
る安定剤、例えばアザインデン環を持つ化合物及びメル
カプト基を有する複素環式化合物等を含有させることが
できる。
アザインデン環をもつ化合物としては、例えば4−ヒ
ドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンが
好ましい。またメルカプト基を有する複素環式化合物の
うち含窒素ヘテロ環化合物としてはピラゾール環、1,2,
4−トリアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,3,4−
チアジアゾール環、1,2,3−チアジアゾール環、1,2,4−
チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、1,2,3,4
−テトラゾール環、ピリタジン環、1,2,3−トリアジン
環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環等、更
にこれらの環が2〜3個縮合した環、例えばトリアゾロ
トリアゾール環、ジアザインデン環、トリアザインデン
環、テトラザインデン環、ペンタザインデン環等、又フ
タラジノン環、イミダゾール環などが挙げられるが、特
に1−フェニル−5メルカプトテトラゾールが好まし
い。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料において、
互いに分光感度を異にする少なくとも3層のハロゲン化
銀乳剤層とするために用いられる増感色素としては次の
ようなものを用いることができる。
有用な青感光性ハロゲン化銀乳剤層に用いられる増感
色素としては、例えば西独特許929,080号、米国特許2,2
31,658号、同2,493,748号、同2,503,776号、同2,519,00
1号、同2,912,329号、同3,656,959号、同3,672,897号、
同3,694,217号、同4,025349号、同4,046,572号、英国特
許1,242,588号、特公昭44−14030号、同52−24844号等
に記載されたものを挙げることができる。また緑感光性
ハロゲン化銀乳剤に用いられる有用な増感色素として
は、例えば米国特許1,939,201号、同2,072,908号、同2,
739,149号、同2,945,763号、英国特許505,979号等に記
載されたものをあげる事が出来る。
さらに、赤感光性ハロゲン化銀乳剤に用いられる有用
な増感色素としては、例えば米国特許2269234号、同227
0378号、同2442710号、同2454629号、同2776280号等に
記載されているごときシアニン色素、メロシアニン色素
または複合シアニン色素をその代表的なものとして挙げ
ることができる。さらにまた米国特許2213995号、同249
3748号、同2519001号、西独特許929080号に記載されて
いるごときシアニン色素、または複合シアニン色素を緑
感光性ハロゲン化銀乳剤または赤感光性ハロゲン化銀乳
剤に有利に用いることができる。
さらに赤外分光増感されたハロゲン化銀乳剤に用いら
れる有用な増感色素としては、赤外分光増感色素が用い
られ、例えば特開昭63−304242号、同63−123454号、特
願昭63−124453号、同63−192332号、米国特許2503776
号、英国特許742112号、仏国特許2065662号、特公昭40
−2346号等に記載されているごときトリカルボシアニン
色素、4−キノリン核含有ジカルボシアニン色素をその
代表的なものとして挙げられる。
青感光性、緑感光性、赤感光性ハロゲン化銀乳剤層に
用いられる増感色素の添加量は、場合に応じて広範囲に
わたるが通常はハロゲン化銀1モル当たり1×10-6〜1
×10-2モルの範囲で使用できる。好ましくは1×10-5
1×10-3モルの範囲である。赤外感光性ハロゲン化銀乳
剤に用いられる赤外増感色素は通常ハロゲン化銀1モル
当たり2.5×10-7〜2.5×10-3モル、好ましくは2.5×10
-6〜2.5×10-4モルの範囲である。
増感色素とともに用いられる、それ自身分光増感作用
を持たない色素、あるいは可視光を実質的に吸収しない
物質であって強色増感を示す物質としては、例えば芳香
族有機酸ホルムアルデヒド縮合物(例えば、米国特許3,
473,510号に記載のもの)、カドミウム塩、アザインデ
ン化合物、含窒素異節環基で置換されたアミノスチル化
合物(例えば、米国特許2,933,390号、同3,635,721号に
記載のもの)などである。米国特許3,615,613号、同3,6
15,641号、同3,617,295号、同3,635,721号に記載の組合
わせは特に有用である。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料には、以上
に述べた外に通常用いられる添加剤を用いることができ
る。
湿潤剤としては、例えば、ジヒドロキシアルカン等が
挙げられ、更に膜物性改良剤としては、例えば、アルキ
ルアクリレートもしくはアルキルメタクリレートとアク
リル酸もしくはメタクリル酸との共重合体、スチレン−
マレイン酸共重合体、スチレン無水マレイン酸ハーフア
ルキルエステル共重合体等の乳化重合によって得られる
水分散性の微粒子状高分子物質等が適当であり、塗布助
剤としては、例えば、サポニン、ポリエチレングリコー
ル、ラウリルエーテル等が挙げられる。その他写真用添
加剤として、ゼラチン可塑剤、界面活性剤、紫外線吸収
剤、pH調整剤、酸化防止剤、帯電防止剤、増粘剤、粒状
性向上剤、染料、モルダント、増白剤、現像速度調節
剤、マット剤、イラジエーション防止染料等を使用する
ことは任意である。
また、色素画像の短波長の活性光線による褪色を防止
するため紫外線吸収剤を用いることができ、例えばチア
ゾリドン、ベンゾトリアゾール、アクリロニトリル、ベ
ンゾフェノン系化合物等が挙げられ、特にチヌピンPS、
同120、同320、同326、同327、同328(いずれもチバガ
イギー社製)の単用もしくは併用が有利である。
本発明における画像形成層には、目的に応じて適当な
ゼラチン(酸化ゼラチンを含む)及びその誘導体を含ま
せることができる。この好ましいゼラチン誘導体として
は、例えば、アシル化ゼラチン、グアニジル化ゼラチ
ン、カルバミル化ゼラチン、シアノエタノール化ゼラチ
ン、エステル化ゼラチン等が挙げられる。
また、本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料にお
いては、その親水性コロイド層に、ゼラチンの他にも、
他の親水性バインダーを含ませることができる。
この親水性バインダーは乳剤層あるいは中間層、保護
層、フィルター層、裏引層等の写真構成層に目的に応じ
て添加することができ、更に上記親水性バインダーには
目的に応じて適当な可塑剤、潤滑剤等を含有せしめるこ
とができる。
また、本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、
支持体上に画像を担持する層をなす乳剤層の他、必要に
応じてフィルター層、中間層、保護層、下引層、裏引
層、ハレーション防止層等の種々の写真構成層を形成し
てもよい。各層の塗布方法としては、ディップ塗布、エ
アドクター塗布、エクストルージョン塗布、スライドホ
ッパー塗布、カーテンフロー塗布等を用いることができ
る。
本発明において、画像形成層を内部潜像型ハロゲン化
銀カラー写真感光材料により構成する場合も、支持体と
しては任意のものが用いられるが、代表的な支持体とし
ては、例えば必要に応じて下引加工したポリエチレンテ
レフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポ
リスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セルロ
ーズアセテートフィルム、バライタ紙、ポリエチレンの
如きポリオレフィンラミルート紙、白色顔料が練り込ま
れたポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられ
る。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料における互
いに分光感度を異にする少なくとも4層の感光層のそれ
ぞれは、1層を青感性ハロゲン化銀乳剤層、他の1層を
増感色素により緑光に対し極大感度を持たせた緑感性ハ
ロゲン化銀乳剤層、他の1層を増感色素により赤光に対
し極大感度を持たせた赤感性ハロゲン化銀乳剤層、残り
の1層を増感色素により赤外に対し極大感度をもたせた
赤外感光性ハロゲン化銀乳剤層とする等、複数の白黒網
点画像から異なるスペクトル分布を有する光で露光する
ときに、混色を生じ難いような分光感度を持たせること
が好ましい。上記4層の分光感度と画像の色相との組合
せを含めて好ましい層構成の例を挙げる。
各発色層の好ましい分光感度の最大波長を下表に挙げ
る。
本発明の感光材料は、本発明の感光材料を構成する乳
剤層が感度を有しているスペクトル領域の電磁波を用い
て露光できる。光源としては、自然光(日光)、タング
ステン電灯、蛍光灯、水銀灯、キセノンアーク灯、炭素
アーク灯、キセノンフラッシュ灯、陰極線管フライング
スポット、各種レーザー光、発光ダイオード光、電子
線、X線、γ線、α線などによって励起された蛍光体か
ら放出する光等、公知の光源のいずれでも用いることが
できる。
例えば本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料を青
感性、緑感性、赤感性及び赤外感性の各感色性層を有す
る構成とし、フィルター(オプチカルフィルター)とし
て分解フィルタ、例えばラッテンNo89B、No.25+東芝製
ガラスフィルターC50D、ラッテンNO26+C50D,ラッテンN
o.58,No.61,No.47Bを用いることができる。
露光時間は通常プリンターで用いられる1ミリ秒から
10秒の露光時間は勿論、1ミリ秒より短い露光、例えば
陰極線管やキセノン閃光灯を用いて100マイクロ秒〜1
ミリ秒の露光を用いることも出来るし、10秒より長い露
光も可能である。
該露光は連続的に行われても、間欠的に行われてもよ
い。
本発明において発色現像液に使用される発色現像主薬
は種々のカラー写真プロセスにおいて広範囲に使用され
ている公知のものが包含される。これらの現像液はアミ
ノフェノール系及びp−フェニレンジアミン系誘導体が
含まれる。これらの化合物は遊離状態により安定のため
一般に塩の形、例えば塩酸塩または硫酸塩の形で使用さ
れる。また、これらの化合物は、一般に発色現像液1
について約0.1〜約30gの濃度、更に好ましくは、発色現
像液1について約1g〜約15gの濃度で使用する。
アミノフェノール系現像剤としては例えば、o−アミ
ノフェノール、p−アミノフェノール、5−アミノ−2
−オキシトルエン、2−アミノ−3−オキシトルエン、
2−オキシ−3−アミノ−1,4−ジメチルベンゼンなど
が含まれる。
特に有用な第1芳香族アミノ系発色現像剤はN,N−ジ
アルキル−p−フェニレンジアミン系化合物でありアル
キル基及びフェニル基は置換されていてもあるいは置換
されていなくてもよい。その中でも特に有用な化合物例
としては、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン塩
酸塩、N−メチル−p−フェニレンジアミン塩酸塩、N,
N−ジメチル−p−フェニレンジアミン塩酸塩、2−ア
ミノ−5−(N−エチル−N−ドデシルアミノ)トルエ
ン、N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル
−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩、N−エチル
−N−β−ヒドロキシエチル−4−アミノアニリン、4
−アミノ−3−メチル−N,N−ジエチルアニリン、4−
アミノ−N−(2−メトキシエチル)−N−エチル−3
−メチルアニリン−p−トルエンスルホネートなどを挙
げることができる。好ましくはN−エチル−N−β−ヒ
ドロキシエチル−4−アミノアニリンである。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の処理に適用され
る発色現像液には、前記第1芳香族アミノ系発色現像剤
に加えて、既知の現像液成分化合物を添加することがで
きる。例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウムなどのアルカリ剤、アルカリ金属重亜硫酸塩、
アルカリ金属チオシアン酸塩、アルカリ金属ハロゲン化
物、ベンジルアルコール、水軟化剤及び濃厚化剤などを
任意に含有することもできる。
発色現像液のpH値は、通常7以上であり、最も一般的
には約10〜約13である。
発色現像温度は通常15℃以上であり、一般的には20℃
〜50℃の範囲である。迅速処理のためには30℃以上で行
うことが好ましい。また、発色現像時間は一般的には20
秒〜300秒の範囲で行われるのが好ましく、より好まし
くは60秒〜200秒である。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料は、親水性コ
ロイド層中にこれらの発色現像主薬を発色現像主薬その
ものとしてあるいはそのプレカーサーとして含有し、ア
ルカリ性の活性化浴により処理することもできる。発色
現像主薬プレカーサーは、アルカリ性条件下、発色現像
主薬を生成しうる化合物であり、芳香族アルデヒド誘導
体とのシツフベース型プレカーサー、多価金属イオン錯
体プレカーサー、フタル酸イミド誘導体プレカーサー、
リン酸アミド誘導体プレカーサー、シュガーアミン反応
物プレカーサー、ウレタン型プレカーサーが挙げられ
る。これら芳香族第1級アミン発色現像主薬のプレカー
サーは、例えば米国特許3,342,599号、同2,507,114号、
同2,695,234号、同3,719,492号、英国特許803,783号の
各明細書、特開昭53−185628、同54−79035号の各公
報、リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclos
ure)15159号、同12146号、同13924号に記載されてい
る。
これら芳香族第1級アミン発色現像主薬またはそのに
プレカーサーは、活性化処理した場合にその量だけで十
分な発色が得られるだけ添加しておく必要がある。この
量は感光材料の種類によって大分異なるが、おおむねハ
ロゲン化銀1モル当り0.1モルから5モルの間、好まし
くは0.5モルから3モルの範囲で用いられる。これらの
発色現像主薬またはそのプレカーサーは単独でまたは組
合せて用いることもできる。感光材料に内蔵するには
水、メタノール、エタノール、アセトン等の適当な溶媒
に溶解して加えることもでき、またジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォスフェー
ト等の高沸点有機溶媒を用いた乳化分散液としては加え
ることもでき、リサーチ・ディスクロージャー(Resear
ch Disclosure)14850号に記載されているようにラテッ
クスポリマーに含浸させて添加することもできる。
本発明の感光材料の画像形成層を内部潜像型ハロゲン
化銀乳剤層とし、これを用いて直接ポジ画像を形成する
場合、その主要な工程は、予めカプラされていない内部
潜像型ハロゲン化銀写真感光材料を画像露光後カブリ処
理を施した後乃至はカブリ処理を施しながら表面現像を
行うことが一般的である。ここでカブリ処理は、全面均
一露光を与えるか若しくはカブリ剤を用いて行うことが
できる。この場合、全面均一露光は画像露光した内部潜
像型ハロゲン化銀写真感光材料を現像液或いはその他の
水溶液に浸漬するかまたは湿潤させた後、全面的に均一
露光することによって行われることが好ましい。ここで
使用する光源としては内部潜像型ハロゲン化銀写真感光
材料の感光波長域内の光であればいずれでもよく、また
フラッシュ光の如き高照度光を短時間照射することもで
きるし、または弱い光を長時間照射してもよい。全面均
一露光の時間は内部潜像型ハロゲン化銀写真感光材料、
現像処理条件、使用する光源の種類により、最終的に最
良のポジ画像が得られるように広範囲に変えることがで
きる。また、上記カブリ剤としては広範な種類の化合物
を用いることができ、このカブリ剤は現像処理時に存在
すればよく、例えばハロゲン化銀乳剤層等の内部潜像型
ハロゲン化銀写真感光材料中あるいは現像液あるいは現
像処理に先立つ処理液に含有せしめてもよいが、内部潜
像型ハロゲン化銀写真感光材料中に含有せしめるのがよ
い(その中でも、特にハロゲン化銀乳剤層中がよい)。
またその使用量は目的に応じて広範囲に変えることがで
き、好ましい添加量としては、ハロゲン化銀乳剤層中に
添加するときは、ハロゲン化銀1モル当たり1〜1500m
g、特に好ましくは10〜1000mgである。また、現像液等
の処理液に添加するときの好ましい添加量は0.01〜5g/
、特に好ましくは0.08〜0.15g/である。かかるカブ
リ剤としては、例えば米国特許2,563,785号、同2,588,9
82号に記載されているヒドラジン類、あるいは米国特許
3,227,552号に記載されたヒドラジドまたはヒドラゾン
化合物、また米国特許3,615,615号、同3,718,470号、同
3,719,494号、同3,734,738号及び3,759,901号等に記載
された複素環第4級窒素化合物、更に米国特許4,030,92
5号に記載のアシルヒドラジノフェニルチオ尿素類が挙
げられる。また、これらカブリ剤は組合せて用いること
もできる。例えばリサーチ・ディスクロージャー(Rese
arch Disclosure)15162号には非吸着型のカブリ剤を吸
着型のカブリ剤と併用することが記載されており、本発
明にも適用できる。
有用なカブリ剤の具体例を示せば、ヒドラジン塩酸
塩、フェニルヒドラジン塩酸塩、4−メチルフェニルヒ
ドラジン塩酸塩、1−ホルミル−2−(4−メチルフェ
ニル)ヒドラジン、1−アセチル−2−フェニルヒドラ
ジン、1−アセチル−2−(4−アセトアミドフェニ
ル)ヒドラジン、1−メチルスルホニル−2−フェニル
ヒドラジン、1−ベンゾイル−2−フェニルヒドラジ
ン、1−メチルスルホニル−2−(3−フェニルスルフ
ォンアミドフェニル)ヒドラジン、ホルムアルデヒドフ
ェニルヒドラジン等のヒドラジン化合物が挙げられる。
またその他のカブリ剤として窒素の4級塩を含有する化
合物が知られている。例えば特開昭63−301942号、特公
昭58−14665号、同52−19452号、同52−47326号、同49
−38164号等に記載されているものが挙げられる。
本発明の感光材料を内部潜像型ハロゲン化銀写真感光
材料として具体化した場合、これを画像露光後、全面露
光するか若しくはカブリ剤の存在下に現像処理すること
によって直接ポジ画像を形成するが、該感光材料の現像
処理方法は任意の現像処理方法が採用され、好ましくは
表面現像処理方法である。この表面現像処理方法とはハ
ロゲン化銀溶剤を実質的に含まない現像液で処理するこ
とを意味する。
本発明においては、露光済みのハロゲン化銀カラー写
真感光材料に現像処理及び定着能を有する処理液による
処理を施すことによって原画に対応するポジ画像(顕
像)を形成するようにして、具体化できる。
上記現像処理には発色現像処理の他、反転カラー処理
における如き黒白現像と発色現像の組合せをも包含す
る。また内部潜像型ハロゲン化銀写真感光材料の処理に
おける如き全面露光もしくはカブリ剤の存在下での現像
処理も含まれる。
現像処理に使用される黒白現像液は通常知られている
カラー写真感光材料の処理に用いられる黒白第1現像液
と呼ばれるもの、もしくは黒白写真感光材料の処理に用
いられるものであり、一般に黒白現像液に添加されるよ
く知られた各種の添加剤を含有せしめることができる。
代表的な添加剤としては1−フェニル−3−ピラゾリ
ドン、メトール及びハイドロキノンのような現像主薬、
亜硫酸塩のような保恒剤、水酸化ナトリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム等のアルカリから成る促進剤、臭
化カリウムや、2−メチルベンツイミダゾール、メチル
ベンツチアゾール等の無機性、若しくは有機性の抑制
剤、ボリリン酸塩のような硬水軟化剤、微量のヨウ化物
やメルカプト化合物から成る表面過現像防止剤等を挙げ
ることができる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、発色現像後、
漂白処理、定着処理を施される。漂白処理は定着処理と
同時に行ってもよい。漂白剤としては多くの化合物が用
いられるが中でも鉄(III)、コバルト(III)、銅(I
I)など多価金属化合物、とりわけこれらの多価金属カ
チオンと有機酸の錯塩、例えばエチレンジアミン四酢
酸、ニトリロ三酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジ
アミン二酢酸のようなアミノポリカルボン酸、マロン
酸、酒石酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、ジチオグリコ
ール酸などの金属錯塩あるいはフェリシアン酸塩類、重
クロム酸塩などの単独または適当な組合せが用いられ
る。
定着剤としては、ハロゲン化銀を錯塩として可溶化す
る可溶性錯化剤が用いられる。この可溶性錯化剤として
は、例えばチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウ
ム、チオシアン酸カリウム、チオ尿素、チオエーテル等
が挙げられる。
定着処理の後は、通常は水洗処理が行われる。また水
洗処理の代替として、安定化処理を行ってもよいし、両
者を併用してもよい。安定化処理に用いられる安定化液
には、pH調整剤、キレート剤、防バイ剤等を含有させる
ことができる。これらの具体的条件は特開昭58−134636
号公報等を参考にすることができる。
〔実施例〕
以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の実
施の態様はこれらに限定されない。
実施例−1 乳剤Sの調製 等モルの硝酸銀水溶液と臭化カリウム水溶液をゼラチ
ン水溶液に、50℃で50分間に亘ってダブルジェット法に
より同時添加して、平均粒径0.18μmの立方体臭化銀粒
子からなる乳剤を得た。この乳剤に、更に硝酸銀水溶液
と塩化ナトリウム・臭化カリウム混合水溶液(モル比1:
1)を同時に添加して、平均粒径0.27μmの臭化銀コア
と塩臭化銀シェルからなる立方体コア/シェル型乳剤
(EM−1)を調製した。
乳剤Mの調製 S乳剤同様、0.3μmの臭化銀コアと塩臭化銀シェル
(モル比1:1)からなる0.45μmのコア/シェル型M乳
剤(EM−2)を調製した。
上記乳剤のそれぞれの感光層に適したID−1、RD−
1、RD−2、GD−1及びBD−1の増感色素を添加して分
光増感した後、表2に示す処方にてハロゲン化銀カラー
写真感光材料試料No.1を調製した。試料No.2〜No.16
は、表2の第5層のマゼンタカプラーと第1層のハロゲ
ン化銀塗布量を表3の如く変更した以外は試料No.1と同
様にして調製した。試料No3についてはイェロー、マゼ
ンタ、シアン発色層の各カプラーとハロゲン化銀塗布付
量を×1.5とした。また3層構成試料は表2の処方より
第1層、第2層を抜いて塗布を行った。結果を表3に示
した。
両面にポリエチレンでラミネートした支持体の表面に
第1層から第10層を表2の構成で塗布してカラー印画紙
を製造した。尚、塗布助剤としてSA−1及びSA−2を用
い、又、硬膜剤としてはHA−1及びHA−2を用いた。
以上のように作成した内部潜像型直接ポジハロゲン化
銀カラー写真感光材料に対し、赤フィルター(ラッテン
No26と赤カットフィルター東芝製ガラスフィルターC50
D)を通して、タングステン光をシアン画像の最低濃度
が得られる最少限の露光量(0.5秒)で露光した。次ぎ
に赤外フィルター(ラッテンNo89B)を通して、タング
ステン光を墨画像の最低濃度を得ることができる最低限
の露光量(0.5秒)を露光した。イエロー画像において
は、青フィルター(ラッテンNo47B)を通して、タング
ステン光でイエロー画像の青色濃度が0.6になるように
光量を調節し、全面露光した。さらに上記露光済みの試
料に網点面積0〜100%まで変化させた175線の透明白黒
網点画像を密着し、その上から青色光で露光する時に、
網点面積55.5%においてイエロー画像の後記定義による
Sが65〜72%になり、かつ白地濃度がほぼ一定となり、
実用上の最低濃度値を示す時の露光条件を決定した。
マゼンタ画像においては、上記試料に前記の透明白黒
網点画像を密着したままの上記試料の上から緑色光で露
光する時に、網点面積55.5%においてSが65〜72%にな
り、かつ白地濃度がほぼ一定となり実用上の最低濃度値
を示す露光を行った。
ただし、上記D,E,Fの露光条件決定の際に、白地の最
低濃度とドットゲイン量とが両立しない時には白地を優
先する。又、各感光層の分光吸収がブロードで重なりが
ある場合には、その補正が必要である。その際には、D,
E,Fを組み合わせて再度条件設定を行う必要がある。
これらの露光済み試料を下記の処理工程で処理した。
処理後、得られたマゼンタ画像の色調と印刷物との近
似性を測定した。評価は次の記号で表した。
○:印刷物により近い色調 △:印刷物に近い色調 ×:印刷物とやや近い色調 一方、未露光のハロゲン化銀カラー写真感光材料を下
記の処理工程で処理して墨画像を得た。得られた墨画像
を蛍光灯下で目視で観察し、墨色の印刷物との近似性を
判定した。評価はマゼンタ画像の判定と同様である。結
果を表3に示した。
処理工程(処理温度と処理時間) (1) 浸漬(発色現像液) 38℃ 8秒 (2) カブリ露光 − 1ルックスで10秒 (3) 発色現像 38℃ 2分 (4) 漂白定着 35℃ 60秒 (5) 安定化処理 25〜30℃ 1分30秒 (6) 乾燥 78〜80℃ 1分 処理液組成 (発色現像液) ベンジルアルコール 15 ml 硫酸セリウム 0.015g エチレングリコール 8 ml 亜硫酸カリウム 2.5g 臭化カリウム 0.8g 塩化ナトリウム 0.2g 炭酸カリウム 25.0g ST−4 0.1g ヒドロキシルアミン硫酸塩 5.0g ジエチレントリアミン五酢酸 2 g 現像主薬(表3,5に記載) 5.5g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸
誘導体) 1.0g 水酸化カリウム 2.0g ジエチレングリコール 15 ml 水を加えて全量を1とし、pH10.20に調整する。
(漂白定着液) エチレンジアミン四酢酸第2鉄アンモニウム2水塩 60 g エチレンジアミン四酢酸 3 g チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 100 ml 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1とし、炭酸カリウム又は氷酢酸
でpH7.1に調整する。
(安定化液) 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン 1.0g エチレングリコール 10 g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.5g 塩化ビスマス 0.2g 塩化マグネシウム 0.1g 水酸化アンモニウム(28%水溶液) 2.0g ニトリロ三酢酸ナトリウム 1.0g 水を加えて全量を1とし、水酸化アンモニウム又は
硫酸でpH7.0に調整する。
尚、安定化処理は2槽構成の向流方式にした。
上記により作製したマゼンタ、の網点画像をコニカデ
ンシトメーターPDA−65により、それに対応する緑色光
で測定した反射濃度より Dr:網点画像反射濃度 Ds:網点100%部の反射濃度 DO:白地の反射濃度 を求め、マレイデービスの式 より作成したM画像それぞれの網点再現曲線の55.5%及
び25%におけるSを求めた。
表3より明らかなように、比較試料No1,2では墨濃度
が低く、緑がかった色になり、マゼンタ画像の色調が悪
い。比較試料No3では墨濃度を上げたが網点画像でのマ
ゼンタの色調が印刷物との近似性を低下させてしまう。
本発明に係る試料No5〜16を用いた場合には、網画像の
マゼンタ画像の色調、墨濃度と墨画像の色調が印刷物と
近似していることがわかる。
実施例−2 乳剤Sの調製 等モルの硝酸銀水溶液と臭化カリウム水溶液をゼラチ
ン水溶液に50℃で50分間に亘ってダブルジェット法によ
り同時添加して、平均粒径0.12μmの立方体臭化銀粒子
からなる乳剤を得た。この乳剤に、更に硝酸銀水溶液と
塩化ナトリウム溶液を同時に添加して、平均粒径0.27μ
mの臭化銀コアと塩化銀シェルからなる立方体コア/シ
ェル型乳剤(EM−3)を調製した。
乳剤Mの調製 S乳剤同様、0.23μmの臭化銀コアと塩化銀シェルか
らなる0.45μmのコア/シェル型M乳剤(EM−4)を調
製した。
上記乳剤を用い表4に示す処方にて試料用のハロゲン
化銀カラー写真感光材料No.21を調製した。試料No.22〜
No.36は、表4の第5層のマゼンタカプラーと第7層の
ハロゲン化銀塗布量を表5の如く変更した以外は試料N
o.21と同様にして調製した。試料No.21〜No.36を実施例
1と同様にして現像処理を行った。
試料No.23についてはイエロー、マゼンタ、シアン層
の各カプラーとハロゲン化銀塗布量を付量×1.5とし
た。また3層構成試料は表4の処方より第6,7層を抜い
て塗布を行った。結果を表5に示す。
表5から明らかなように実施例1と同様に本発明に係
る試料No.25〜No.36はハロゲン組成の異なる高塩化銀乳
剤を用いても網画像でのマゼンタ画像の色調、墨濃度と
墨画像の色調がより印刷物に近似していることが分か
る。
〔発明の効果〕 本発明により、カラープルーフ用の墨画像の最大濃度
が充分に大きく、色調も印刷物の墨版に近似し、かつ単
層での網画像のイエロー、マゼンタ、シアン画像も印刷
物との色調の近似性が大きく向上したハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料を提供する事が出来た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−233732(JP,A) 特開 昭63−2049(JP,A) 特開 昭55−59462(JP,A) 特開 昭53−133432(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イエロー、マゼンタ、シアン及び墨の4種
    の画像形成層を有し、該形成層の分光感度が各々異なっ
    た波長に最大スペクトル感度を有するハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料において、前記4種の画像形成層はコア
    /シェル型ハロゲン化銀乳剤を含有し、且つマゼンタ層
    を形成する層が下記一般式〔M−1〕で示される化合物
    を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感
    光材料。 〔式中、Zは含窒素複素環を形成するに必要な非金属原
    子群を表し、該Zにより形成される環は置換基を有して
    も良い。Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体との
    反応により脱離しうる基を表す。またRは水素原子また
    は置換基を表す。〕
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