JP2526678Y2 - 亜鉛メッキ設備用搬送ロール - Google Patents

亜鉛メッキ設備用搬送ロール

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JP2526678Y2
JP2526678Y2 JP1992051017U JP5101792U JP2526678Y2 JP 2526678 Y2 JP2526678 Y2 JP 2526678Y2 JP 1992051017 U JP1992051017 U JP 1992051017U JP 5101792 U JP5101792 U JP 5101792U JP 2526678 Y2 JP2526678 Y2 JP 2526678Y2
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zinc
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クリストファー ウッド ジョン
彰一 加藤
英郎 新田
謙一 津島
恵三 高瀬
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プラクスエア工学株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、連続亜鉛メッキ設備に
おけるメッキ後の被メッキ材の搬送目的で設けられる各
種ロ−ルに関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板の連続亜鉛メッキ設備ラインは大別
して前処理工程、メッキ処理工程および仕上げ工程から
構成されているが、メッキ装置前後の通板工程の例を示
した図5に見られるように、焼鈍炉8を出た鋼板12は
メッキ浴装置9を経て冷却装置10を通った後、通板方
向を示す矢印方向に進み、化成処理装置以下の仕上げ工
程に移される。
【0003】この間、メッキ浴中に浸漬されているポッ
トロ−ルのほかに、メッキ浴を出た鋼板が通過する冷却
装置等に設けられているトップロ−ル11などの鋼板を
支持またはガイドする各種ロ−ル類が配置されている。
中でも上記トップロ−ル11はメッキされた直後の鋼板
と接触するロ−ルであり、高温の亜鉛と接するなどきび
しい条件下にあるため、特に耐摩耗性や金属付着に対す
る対策が必要なロ−ルである。そこで、これらのロール
は、従来、ロ−ル母材の摩耗防止、並びに搬送面への亜
鉛付着防止の目的でWC−Co系のいわゆる超硬合金を
溶射して用いられてきた。
【0004】上記WC−Co系合金について、例えば特
開平1-225761号には、Coを5 〜28%混合してなるWC
−Co系サ−メット材料をロ−ル母材表面に溶射してそ
の気孔率を1.8 %以下にした部材が開示されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記W
C−Co系の溶射膜は、亜鉛メッキ浴への浸漬後の高温
状態における被メッキ材への接触あるいは被メッキ材と
のスリップ時にその表面に亜鉛が凝着し,しばしば被メ
ッキ材にきずをつける。これは近年多用されている自動
車用外板に用いられるメッキ鋼板など特に製品に高い表
面健全性が要求される用途において問題とされ、改善が
求められている。
【0006】したがって本考案の目的は、すでにメッキ
されたメッキ浴後の鋼板と接触する搬送用ロ−ルであっ
て、耐摩耗性にすぐれるとともに、スリップ時に亜鉛が
表面に凝着し、いわゆるピックアップと呼ばれる現象を
起すことのない亜鉛メッキ設備用搬送ロ−ルを提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案者らは上記目的を
達成すべく研究を進め、前記WC−Co系サ−メットが
耐摩耗性の高いWCに比較的多量のCoが混合されてい
るために亜鉛との親和性が生じて前記のようなピックア
ップ現象が起りやすいことに鑑み,ロ−ル表面に溶射す
べき材料を調査、実験の結果、表面に爆発溶射法によっ
て形成した厚さ0.02〜0.3mm 、気孔率2 %未満のモリブ
デン硼化物の溶射層を有する鉄鋼製部材とすれば前記課
題が解決されることを見出し本考案に到達した。
【0008】なお、モリブデン硼化物の緻密な溶射層は
アセチレンと酸素のデトネ−ションを利用した爆発溶射
法に依る必要があり、残留気孔率1 %以下が比較的容易
に達成可能であることも判明した。
【0009】 したがって本考案は、表面に爆発溶射法
によって形成した厚さ0.02〜0.3mm 、気孔率2 %未満の
モリブデン硼化物単味の溶射層を有することを特徴とす
る亜鉛メッキ設備用搬送ロールを提供するものである。
【0010】
【作用】本考案において、溶射法により形成される溶射
層の気孔率を2 %未満とし、厚さを0.02ないし0.3mm の
範囲にそれぞれ限定した理由は下記の通りである。
【0011】一般の溶射法により形成される金属バイン
ダ−を含まない純セラミックコ−ティングは2 %以上の
気孔率を有する。このレベルの気孔率を有するコ−ティ
ングでは表面に露出した気孔を介し亜鉛がコ−ティング
に強固に付着する。
【0012】溶射層の層厚は0.02mm未満では爆発溶射に
よる被膜であっても十分な耐摩耗性が得られずかつ、残
留気孔を通じ亜鉛の浸透を許し、また0.3mm を越えると
溶射時の残留応力により被膜中にクラックを生じ、著し
くは使用中に剥離する。
【0013】
【実施例】図1及び図2はそれぞれ本考案搬送ロ−ルに
用いられる硼化モリブデンコ−ティング部材及び比較例
WC−Coコ−ティング部材の亜鉛との反応試験結果を
示すスケッチ図、図3は上記試験用の供試体を示す斜視
図そして図4は同じく反応試験に用いられた試験炉の模
式断面図である。これらの図を参照して以下説明する。 (1) 硬さ試験 片面に硼化モリブデンを爆発溶射法により溶射してコ−
ティング層2を形成したSUS403を母材とする図3
に示すような供試体(30×30×10mm)1を切断し、その
断面硬さをマイクロビッカ−ス硬さ計により測定したと
ころ、コ−ティング部分のHv硬さは1,100 〜1,300 で
あった。 (2) 亜鉛に対する反応性試験 硬さ試験と同じく図3に示す供試体1上に亜鉛粒3を載
せ、炉体4に設けたN2 ガス導入口6により窒素雰囲気
に保った炉内において亜鉛の融点を越える500℃までヒ
−タ−5で加熱し、そのまま5時間保持した。7はガス
排出口である。
【0014】試験後の亜鉛粒は、図1のスケッチ図に見
られるように、コ−ティング層2とは全く濡れておら
ず、液滴状を保ったままであった。またコ−ティング面
に亜鉛との反応の形跡は認められなかった。
【0015】
【比較例】(1) 硬さ試験 片面にWC−Co合金を実施例と同様な要領で溶射して
コ−ティング層2を形成した供試体1を切断し,実施例
の場合と同様にしてコ−ティング部分の硬さを測定した
ところ、Hv硬さは800 〜1,100 であった。 (2) 亜鉛に対する反応性試験 実施例の場合と同様に炉内に供試した比較材、すなわち
WC−Coコ−ティング供試体では亜鉛粒3とコ−ティ
ング層2との明確な反応が認められ、図2のスケッチ図
に見られるように、亜鉛粒3の形状から濡れ角は約20度
と判定された。
【0016】
【考案の効果】以上説明したように、本考案の搬送ロ−
ルによれば、母材上に気孔率2 %未満で層厚0.02〜0.3m
m のモリブデン硼化物からなる溶射層が爆発溶射法によ
って形成されているので、亜鉛の凝着、移着が防止で
き、また一般の超硬合金の溶射層と比較して硬いため、
よりすぐれた耐摩耗性が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案搬送ロ−ルに用いられるモリブデン硼化
物溶射部材の亜鉛との反応試験結果を示すスケッチ図で
ある。
【図2】比較例WC−Co溶射部材の亜鉛との反応試験
結果を示すスケッチ図である。
【図3】溶射コ−ティング層と亜鉛との反応試験用供試
体を示す斜視図である。
【図4】溶射コ−ティング層と亜鉛との反応試験に用い
られた試験炉の模式断面図である。
【図5】鋼板の連続亜鉛メッキラインのうち、メッキ装
置前後の通板工程例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 供試体 2 溶射コ−ティング層 3 亜鉛粒 4 炉体 5 ヒ−タ− 6 N2 ガス導入口 7 ガス排出口 8 焼鈍炉 9 メッキ浴装置 10 冷却装置 11 トップロ−ル 12 鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−209259(JP,A) 特開 平3−94048(JP,A) 特開 平1−230760(JP,A) 特開 平1−225761(JP,A) 特開 昭56−127766(JP,A) 特開 昭51−65035(JP,A) 特開 昭47−33728(JP,A)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 爆発溶射法によって形成した厚さ0.02〜
    0.3mm 、気孔率2 %未満のモリブデン硼化物単味の溶射
    層を有する鉄鋼製部材からなることを特徴とする亜鉛メ
    ッキ設備用搬送ロール。
JP1992051017U 1992-06-26 1992-06-26 亜鉛メッキ設備用搬送ロール Expired - Lifetime JP2526678Y2 (ja)

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