JP2525321Y2 - 容器蓋半完成品、及び容器蓋 - Google Patents

容器蓋半完成品、及び容器蓋

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JP2525321Y2
JP2525321Y2 JP1993068727U JP6872793U JP2525321Y2 JP 2525321 Y2 JP2525321 Y2 JP 2525321Y2 JP 1993068727 U JP1993068727 U JP 1993068727U JP 6872793 U JP6872793 U JP 6872793U JP 2525321 Y2 JP2525321 Y2 JP 2525321Y2
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民雄 宮崎
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株式会社織部
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は容器蓋半完成品
び容器蓋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から矩形状の厚紙シートの四隅を切
り欠き、切り欠き部分に臨むフラップを下方に折り曲
げ、容器の蓋を製作することが行なわれる。従来の容器
蓋は、一般には、矩形の厚紙シートの四隅を略90°の
角度で切り欠き、切り欠き部間に、厚紙シートの四周辺
に沿ったフラップを外側に形成し、四周辺のフラップを
下方に折り曲げ、折り曲げたフラップの、当接する縁部
相互を一体化するように接着等して連結し、下方に開放
された薄型の蓋を作成する。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】以上のような従来一般
的に製作される容器蓋は、切り欠いた縁部同士が接着等
されているので、厚紙の裁断誤差、接着等の誤差等で、
容器と蓋との間の嵌合部が密着しなかったりする虞があ
る。 この結果、閉蓋した容器の転倒等で、蓋が外れる等
の虞がある。特に側面視で底辺が上部に比して短い台形
状の容器の場合には、蓋は外れ易くなる。
【0004】又容器蓋は厚紙で製作されるので、上記し
た厚紙の裁断誤差、接着等の誤差等で、容器に比して蓋
が少しく小さくなる場合も生じ、蓋を容器に無理に嵌合
させる必要があり、蓋、容器ともに無理が生じる。 従っ
て、厚紙の裁断等に際し、高精度に裁断を行なう必要が
あるが、精度を高く維持しても、相手が厚紙であるの
で、吸湿等の影響もあり、容器と良好にフィットする蓋
を得ることは難しい。
【0005】又製作の初期において、容器とフィットす
る蓋を得たとしても、経時的、或いは周囲の湿気等の環
境の変化により、紙は伸縮するので、容器に最適にフィ
ットする蓋は中々得られ難い。 以上の外、従来の容器蓋
は、容器を多段に積み重ねた際、上面が平なので、容器
の底面は単に蓋の上に載置されている状態となり、蓋上
に載せた容器の底は滑り易く、多段に積み重ねた際に、
上のものが滑って落下する、等の不都合を生じる。
に、容器に収納するものが、加工食料品等のように衛生
を重んじるものでは、上記した事態の発生は好ましくな
い。
【0006】ところで容器蓋として、従来実願昭60
−69445号(実開昭61−186530号公報)、
実公平3−39834号公報所載の「段ボール製収納
箱」が提案されており、又特開平2−98594号公
報所載の「履物包装用箱」が開示されている。
【0007】上記した、及びの技術は同様の技術
で、ここで開示されている技術は、平面視矩形の天板の
前後に前後の壁板を連設し、左右には壁板を連設し、左
右の壁板と天板との間に立上がり壁板を介設し、天板の
四辺と各壁板との間には折曲線を、又左右の壁板と立上
がり壁板との間には、幅狭の折曲線を設け、これ等折曲
線を折り曲げて蓋体を形成する。
【0008】得られた蓋体は、平面視が矩形で平板状の
天板の前後に垂下された前壁板、後壁板と、該天板の左
右両側部から立上がり、且つ下方に垂下された左右の側
壁板とを備え、左右の側壁板の前後の端部と、垂下した
前後の壁板の左右両端部とを、左右の側壁板の前後両端
部に連設した止着片を折曲してホッチキスの務歯で止着
し、各壁板の接合部を一体的に連結した蓋体を構成す
る。
【0009】この技術は、天板上の前後の縁部が、両端
部のコーナー部を除いて前後に開放され、蓋体が上下に
積層可能に構成されている。 この技術においても、蓋体
の四隅が、要すれば接着されており、上記した従来技術
における四隅を接着した蓋体と同様の課題を包含するも
のである。
【0010】上記したの技術は、平面視矩形の天板部
の四辺に下方へ垂下した嵌合壁部を巡らし、嵌合壁部
は、各コーナー部が直角に形成されて連結、一体化して
おり、天板部の上面の四隅には、平面視L型の止め凸部
が設けられている。 この技術においても、蓋体の四隅
が、要すれば接着されており、上記した従来技術におけ
る四隅を接着した蓋体と同様の課題を包含するものであ
る。
【0011】ところで、従来技術においては、蓋の製作
に際し、蓋を展開したシート状の紙製の基板を得、この
基板を折り線から折曲してコーナー部等を糊付け等した
りして立体的な完成品を得る。 このため、容器を多数段
積みしようとした場合、立体的な完成品を積層等して段
積みする必要があり、この結果、蓋をストックしようと
した場合、大きな容積を必要とし、スペース的に不利で
ある。 従って、可能であれば基板を折曲し、糊付け等
し、平板の状態で半完成品を得、この平板の半完成品の
状態でストックし、必要に応じて折曲する等の作業で、
立体的な完成品を得ることができれば、蓋のストック
上、スペース的に極めて有利であり、又蓋の現場での製
作上極めて有利である。
【0012】本考案は、従来技術の以上の課題を解決
し、又蓋のストックや製作への上記した要望に応えるべ
くなされたものである。 従って、本考案の目的とする処
は、糊付け等の接着工程を完了し、平板の状態で半完成
品を得、半完成品を平板上程でストックし得るように
し、スペース的に有利であり、又現場での蓋組み立ての
容易化が図れ、製作上有利である容器蓋完成品を提供す
る。
【0013】又本考案の目的とする処は、容器と蓋との
密着性に極めて優れ、蓋で閉蓋した容器が転倒した場合
に等においても、蓋が容器から外れにくい容器蓋を提供
し、特に頂辺に対し底辺が短い側面視が台形状の容器に
おいて、蓋の容器への密着性に優れ、又蓋で閉蓋した容
器を多段に積層した場合においても、容器の滑り、これ
に起因する滑り落ち等を確実に防止し得る容器蓋を提供
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの手段は、請求項1においては、矩形の厚紙の四隅を
切り欠いて一廻り小さな矩形の天板2と、該天板2の四
辺の外方に、各天板2と連続する四個のフラップ3…を
形成し、各フラップ3…を、天板2から外方に、該天板
2の各辺と平行する第1帯部c…、該第1の帯部c…の
外側の同幅の第2帯部d…、該第2帯部d…の外側の第
3帯部f…とに区画し、天板2と前記各フラップ3…の
第1帯部c…との境界部に、該各フラップ3…を天板2
に対して上方に折曲可能とした第1折線a…を各形成
し、且つ各フラップ3…の第1帯部c…と第2帯部d…
との境界部に、山折り可能な第2折線b…を各形成し、
フラップ3…の第1帯部c…の裏面に接着剤4を設け、
第1帯部c…と第2帯部d…の境界部の第2折線b…を
天板2の下方、且つ天板2の裏面の内側に折曲して第1
帯部c…裏面と第2帯部d…裏面とを接着し、各フラッ
プ3…を天板2四辺の各裏面内側に重なるように折り込
んで得た容器蓋半完成品である。
【0015】又請求項2においては、矩形の厚紙の四隅
鋭角に切り欠いて一廻り小さな矩 形の天板2と、該天
板2の四辺の外方に、各天板2と連続する四個のフラッ
プ3…を形成し、各フラップ3…を、天板2から外方
に、該天板2の各辺と平行する第1帯部c…、該第1の
帯部c…の外側の同幅の第2帯部d…、該第2帯部d…
の外側の第3帯部f…とに区画し、天板2と前記各フラ
ップ3…の第1帯部c…との境界部に、該各フラップ3
…を天板2に対して上方に折曲可能とした第1折線a…
を各形成し、且つ各フラップ3…の第1帯部c…と第2
帯部d…との境界部に、山折り可能な第2折線b…を各
形成し、フラップ3…の第1帯部c…の裏面に接着剤4
を設け、第1帯部c…と第2帯部d…の境界部の第2折
線b…を天板2の下方、且つ天板2の裏面の内側に折曲
して第1帯部c…裏面と第2帯部d…裏面とを接着し、
各フラップ3…の天板2の四辺と、前記第1帯部c…と
の境界部の第1折線a…を、該各フラップ3…が天板2
の四周辺部において、起立するように折曲して蓋の周壁
部7…を構成し、周壁部7…は、非接着の前記第3帯部
f…を、天板2の四辺の各下方に垂下させた垂下片部6
…と、接着した部分を、天板2の四周辺部に各上方に起
立させて前記垂下片部6…と連続する一体の起立片部5
…とで構成し、周壁部7…の隣接する端縁相互を接着し
ないことにより、垂下片6を容器に弾性的に押圧可能と
した容器蓋である。
【0016】
【作用】請求項1によれば、天板の四辺の各外側に連設
したフラップを山折りして第1帯部裏面と第2帯部の裏
面とを接着し、第3帯部が天板裏面に対向するように折
曲するので、得られた半完成品は、平板状となり、多数
段積みしてストックすることができる。 又半完成品の接
着した第1帯部と天板との境界部の第1折線を上方に折
曲することで、直ちに完成品の容器蓋を得ることができ
る。
【0017】請求項2によれば、天板四辺に第1帯部、
第2帯部の山折り接着部分が起立し、且つ天板下方第3
帯部が垂下され、天板の四辺の各フラップの前記起立
部、及び垂下部は、端縁部が切り離されているので、垂
下部を構成する各第3帯部は、互いに弾性的に内側を向
き、蓋の天板下方に垂下した第3帯部の部分を容器外壁
に弾性的に押圧する。
【0018】
【実施例】以下に本考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図1は本考案にかかる容器蓋半完成品、及び
容器蓋の基板を展開した状態で示す平面図、図2は図1
の2−2線拡大断面図、図3は図2の状態からフラップ
の第1帯部と第2帯部の裏面間に接着剤を設けた状態を
示す断面図、図4は第1帯部、第2帯部との間の第2折
線を天板裏面方向に折曲し、第1帯部と第2帯部の裏面
を接着剤で接着し、第3帯部を天板裏面周辺部に重ね合
わせて容器蓋半完成品を得た状態の図2の部分と同様の
断面図、図5は図4で得られた容器蓋半完成品の裏面を
斜上方から見た斜視図、図6は図4の状態から第3帯部
を含む第1帯部、第2帯部の接着部を第1折線から上方
に屈曲させ、起立させた状態の図2の部分と同様の図、
図7は完成した容器蓋を上方から見た平面斜視図、図8
はフラップ相互の突き合せ部分の折曲、起立状態に移行
する要部の作用説明図、図9は図8の状態から起立させ
た要部の平面図、図10は図9の10−10線拡大断面
図、図11は容器に容器蓋を被冠した状態を示す説明的
縦断側面図である。
【0019】図1は基板1の展開状態の平面図で、基板
1は厚紙を所定形状に裁断して形成し、横長矩形の厚紙
の四隅を切り欠いて得、切り欠きを符号1a…で示し
た。 基板1には、横長矩形の天板2を備え、天板2の四
辺の各外側に、該天板2の各辺と連続するフラップ3…
を一体に連設する。
【0020】各フラップ3…と天板2との境界部には、
天板2上方に各フラップ3…を起立、折曲し得るように
表面に第1折線a…を設け、第1折線a…で囲まれる内
側で天板2を構成する。 第1折線a…の外側の裏面に
は、第1折線a…から外方に離間し、且つ第1折線a…
と平行する第2折線b…を、天板の各辺の長さ方向に設
ける。第2折線b…は、山折り可能な折線とする。
【0021】以上の第1折線a…、第2折線b…との間
に、第1の帯部c…を設ける。各フラップ3…の前記し
た第1帯部c…の外側(第2折線b…の外側)には、第
1帯部c…と同幅の第2帯部d…を、第1帯部c…と平
行し、且つ第1帯部c…と連続するように設け、第2帯
部d…の外側を折線a…,b…と平行する境界線e…と
して破線で示した。
【0022】更に、各フラップ3…の前記した第2帯部
d…の外側で、前記境界線e…の外側に、第3帯部f…
を連続するように連設する。 該第3帯部f…は、外側に
適宜の幅を備える。第3帯部f…は、完成品の状態で容
器開口部周に被冠する嵌合部を構成するので、ある程度
の深さを必要とし、第1帯部c…、第2帯部d…の外方
への幅よりもその幅を大きく設定した。
【0023】実施例においては、平面視横長矩形の基板
を示したが、正方形でも良いことは勿論である。ところ
で、前記した四隅の切り欠き1a…の角度αは90°以
下の鋭角とする。 この理由は、後述するように、蓋を完
成した状態で主壁部7…の起立片部5…の端部相互を当
接した場合、起立片部5…が広がる方向に起立し、起立
片部5…に繋がる下方の垂下片部6…が内側に傾斜し、
蓋周囲の周壁部7…が容器側面へ弾性的に押圧する弾性
押圧力を得ることができるためである。特に、容器の縦
断面形状を底辺が開口上端縁辺に対して短い台形とした
場合に好ましい。
【0024】以上の基板1で容器蓋半完成品、及び容器
蓋を得る。 先ず、容器蓋完成品を得る手順を説明する
と、前記した基板1の四辺のフラップ3…の第1折線a
…と第2折線b…間に設けられた第1帯部cの裏面に接
着剤4を塗布等して設ける。接着剤4を設けた状態を図
2で示した。接着剤4は、各フラップ3…の各第1帯部
c…の裏面の夫々設ける。 接着剤に代え、両面接着剤付
きテープを第1帯部c…の裏面に予め貼付し、半 完成品
を製作する場合に、両面接着剤付きテープ表面の薄紙を
剥離し、接着層を露出させるようにしても良い。
【0025】各フラップ3…を、接着剤4を裏面に設け
た第1帯部c…の外側の境界線を構成する第2折線b…
から、裏面方向に山折りに折曲する。 第2折線b…を山
折りに折曲することで、第1帯部c…と第2帯部d…の
裏面相互が向い合い、接着剤4を介して第1帯部c…と
第2帯部d…の向い合う裏面相互を接着して一体化す
る。この状態を図4で示した。
【0026】第2帯部d…の外側に延びる第3帯部f…
は、天板2の裏面2bの周辺部に重なる。 以上により容
器蓋の半完成品10を得る。得られた半完成品10の全
体を、理解し易いように、裏面からみた斜視図として図
5で示した。 図で明らかなように、天板2の四周外側に
フラップ3…が突出するように連設され、外側に突出す
るのは、フラップ3…の内第1帯部c…、第2帯部d…
の重ね合わされて接着された後述する周壁部7…の起立
片部5…を構成する部分で、第3帯部f…は天板2の裏
面2b周辺部に重なり、相互の端部は上下にラップす
る。第3帯部f…は後述する垂下片部6を構成する。
【0027】以上で得られた容器蓋半完成品10を、多
数積層してストックする。半完成品10は、図4、図5
で示されるように、平板状の厚紙シート状をなし、周辺
部に前記した接着、重合部が有るが、この部分は基板2
枚の重合体なので、然程の厚さとなることが無く、この
厚さは無視できる程度のものであり、厚紙シートと同程
度である。 従って、多数積層することができ、多数枚を
積層しても嵩ばることが無い。又基板1の天板2周辺部
には、蓋の周壁部分を構成する片が起立していないの
で、上記のように嵩ばらないことは勿論、爾後周壁部分
を構成する部分c…,d…,f…の部分がフラットなの
で、積層、ストックしても、この部分を傷めることは
い。
【0028】以上で得られた半完成品をストックしてお
き、必要に応じて容器蓋を折曲作業のみで、直ちに、迅
速に完成品として製作することができる。完成品の製作
について以下に説明する。 前記した半完成品10の状態
において、各フラップ3…を、前記した第1折線a…か
ら天板2の四周辺において上方に折曲し、フラップ3…
を起立させる。この状態を図6で示した。
【0029】図8、図9は、フラップ3…を折曲、起立
させる状態を示す作用説明図で、図8は半完成品の要部
を平面図として示し、切欠1aの部分を理解し易いよう
に単純な鈍角αで示した。フラップ3…の接着した部分
c…,d…を矢印のように第1折線a…から上方に折曲
する。 上記のように折曲した状態を図6で示し、接着し
た部分c…は天板2の四周辺部において上方に起立し、
一方、天板2の裏面と非接着状態の前記した第3帯部f
…は、起立した接着した部分の第2帯部d…とフラット
な状態で連続しているので、この部分d…と一体に連続
して天板2の四周辺部において下方に垂下することとな
る。
【0030】以上により天板2の四周辺に周壁部7…を
形成し、周壁部7…は、天板2の上面2aから上方に起
立する起立辺部5…、該起立辺部5…と連続し、天板2
の下方に垂下する垂下辺部6…とで構成される。 得られ
た完成品状態の容器蓋を、図7として斜上方から見た全
体斜視図として示した。
【0031】完成品の容器蓋を符号20で示し、容器蓋
20は、周囲に天板2の四周辺上下に起立し、又垂下す
る天板2と一体の周壁部7…を備える。周壁部7…の各
両端部g…は、互いに向い合い、接着することなく突き
合せ、当接させる。 図9は図8の状態からフラップ3…
を第1折線a…から上方に折曲した状態の 、突き合せ、
当接部の平面図で、鋭角αに切欠された両端部g…相互
は、図9の矢印で示すように、互いに外側に開くような
状態で突き合わされ、当接されることとなる。
【0032】従って、周壁部7…は、上部の起立片部5
…の相互の端部g…が、外側に開くように当接し、結果
的に、図10に示すように、周壁部7…の下部を構成す
る垂下片部6…が、内側に閉じるように傾斜することと
なる。 従って、周壁部7…は、全体として上部の起立片
部5…が外側に広がるように傾斜し、又これに連続する
下部の垂下片部6…が内側に狭まるように傾斜すること
となり、容器の上縁開口部周壁に外から嵌合する垂下片
部6…には、容器の上縁開口部周壁を外側から押圧する
弾性力が作用することとなる。
【0033】図7においては、手前に突き合せ部g,g
が示されているが、実際には一本の線で表れる。端部
g,gの突き合せ部分の理解を容易化するため、図7の
Aの部分を開き、隙間がある状態で示した。 図11は、
容器蓋20を容器21の上縁開口部周壁21aの外側か
ら嵌合して被せた状態を示し、容器21は底辺が頂辺に
対して小さい台形状をなし、上部が広がった容器21の
頂部周壁21aに、蓋20の周壁部7…の下部の垂下片
6…が弾性的に押圧、当接する。
【0034】従って、容器蓋20は、容器21への被
冠、嵌合を弾性的に行ない、容器21が上広がりの台形
であることと併せ、容器21へ外れ難いように被冠さ
れ、閉蓋状態で容器21が倒れたり、落下したりして
も、蓋20の容器21から外れることが可及的に防止さ
れる。 一方、容器蓋20の天板2上には、四周に周壁部
7…の起立片部5…が外方向に広がって起立することと
なり、図11に示すように、天板2上に容器21の底部
を載せて積層することができ、容器21の底部周は起立
片部5…で規制され、上に載せた容器21を確実に載
置、支持することができ、容器蓋20上の容器21が滑
って、外側に飛出す等の事態を防止することができる。
【0035】
【考案の効果】以上で明らかなように本考案によれば、
請求項1においては、フラップの第2折線を山折りして
第1帯部と第2帯部とを重ね合わせ、相互の裏面を接着
剤を介して重合、接着するようにして容器蓋半完成品を
得、爾後は、天板四周の第1折線を介して天板上方にフ
ラップを起立するように折曲することで完成品を得るこ
とができ、完成品を得る直前の状態では、半完成品は平
板状の厚紙シート状であり、従って、上下に多数枚積層
してストックすることができる。
【0036】従って、簡単な作業で、即座に容器蓋とし
て組み立て得る半完成品を、極めて多数積層、ストック
することができ、積層してストックしても嵩ばることが
無く、スペース上極めて有利である。従って、完成品を
得ることができる直前状態の半完成品を、在庫や納品時
に省スペースを図って効率的にストックすることがで
き、需要者への供給上も極めて有利である。 又、省スペ
ースを図りつつ、爾後の容器蓋完成品を得るに際して
も、第1折線からの折曲作業のみの極めて簡単な作業
で、現場で直ちに、迅速に容器蓋を得ることができる。
【0037】請求項2においては、折曲し、天板四周の
起立片部、垂下片部からなる周壁部を形成するに際し、
フラップの四隅の切欠を鈍角としたので、起立させた
際、周壁部の起立片部は外側に広がる傾向となり、又垂
下片部は狭くなる傾向となり、この結果、容器の周壁部
と嵌合する容器蓋の周壁部は、容器側に弾性的に押圧さ
れることとなり、容器への容器蓋の嵌合、被冠を弾性的
に、強固に行なうことができる。
【0038】従って、容器蓋は容器から外れ難く、閉蓋
状態の容器が転倒したりしても、蓋の外れ等を可及的に
防止することができる。特に容器の底辺が頂辺よりも短
い台 形の容器においては、閉蓋状態を一層強固に保持す
ることができる。 又容器蓋の天板上には、周囲に起立片
部により、天板を囲む周壁が形成されることとなり、容
器蓋上に容器の底を載せても、滑ったりすることなく上
の容器を支持し、従って、閉蓋状態の容器蓋上に、多段
に容器を順次載置しても、容器相互を確実に積層、支持
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案にかかる容器蓋半完成品、及び容器蓋の
基板を展開した状態で示す平面図
【図2】図1の2−2線拡大断面図
【図3】図2の状態からフラップの第1帯部と第2帯部
の裏面間に接着剤を設けた状態を示す断面図
【図4】第1帯部、第2帯部との間の第2折線を天板裏
面方向に折曲し、第1帯部と第2帯部の裏面を接着剤で
接着し、第3帯部を天板裏面周辺部に重ね合わせて容器
蓋半完成品を得た状態の図2の部分と同様の断面図
【図5】図4で得られた容器蓋半完成品の裏面を斜上方
から見た斜視図
【図6】図4の状態から第3帯部を含む第1帯部、第2
帯部の接着部を第1折線から上方に屈曲させ、起立させ
た状態の図2の部分と同様の図
【図7】完成した容器蓋を上方から見た平面斜視図
【図8】フラップ相互の突き合せ部分の折曲、起立状態
に移行する要部の作用説明図
【図9】図8の状態から起立させた要部の平面図
【図10】図9の10−10線拡大断面図
【図11】容器に容器蓋を被冠した状態を示す説明的縦
断側面図
【符号の説明】1…基板、 2…天板、 3…フラップ、 4…接着
剤、 10…半完成品、20…完成品である容器蓋、
21…容器、 a…第1折線、 b…第2折線、c…第
1帯部、 d…第2帯部、 f…第3帯部。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形の厚紙の四隅を切り欠いて一廻り小
    さな矩形の天板2と、該天板2の四辺の外方に、各天板
    2と連続する四個のフラップ3…を形成し、 前記各フラ
    ップ3…を、天板2から外方に、該天板2の各辺と平行
    する第1帯部c…、該第1の帯部c…の外側の同幅の第
    2帯部d…、該第2帯部d…の外側の第3帯部f…とに
    区画し、 前記天板2と前記各フラップ3…の第1帯部c…との境
    界部に、該各フラップ3…を天板2に対して上方に折曲
    可能とした第1折線a…を各形成し、且つ各フラップ3
    …の第1帯部c…と第2帯部d…との境界部に、山折り
    可能な第2折線b…を各形成し、 前記フラップ3…の第1帯部c…の裏面に接着剤4を設
    け、第1帯部c…と第2帯部d…の境界部の第2折線b
    …を天板2の下方、且つ天板2の裏面の内側に折曲して
    第1帯部c…裏面と第2帯部d…裏面とを接着し、 前記各フラップ3…を天板2四辺の各裏面内側に重なる
    ように折り込んだ、 ことを特徴とする容器蓋半完成品。
  2. 【請求項2】 矩形の厚紙の四隅を鋭角に切り欠いて一
    廻り小さな矩形の天板2と、該天板2の四辺の外方に、
    各天板2と連続する四個のフラップ3…を形成し、 前記各フラップ3…を、天板2から外方に、該天板2の
    各辺と平行する第1帯部c…、該第1の帯部c…の外側
    の同幅の第2帯部d…、該第2帯部d…の外側の第3帯
    部f…とに区画し、 前記天板2と前記各フラップ3…の第1帯部c…との境
    界部に、該各フラップ3…を天板2に対して上方に折曲
    可能とした第1折線a…を各形成し、且つ各フラップ3
    …の第1帯部c…と第2帯部d…との境界部に、山折り
    可能な第2折線b…を各形成し、 前記フラップ3…の第1帯部c…の裏面に接着剤4を設
    け、第1帯部c…と第2帯部d…の境界部の第2折線b
    …を天板2の下方、且つ天板2の裏面の内側に 折曲して
    第1帯部c…裏面と第2帯部d…裏面とを接着し、 前記各フラップ3…の天板2の四辺と、前記第1帯部c
    …との境界部の第1折線a…を、該各フラップ3…が天
    板2の四周辺部において、起立するように折曲して蓋の
    周壁部7…を構成し、 該周壁部7…は、非接着の前記第3帯部f…を、天板2
    の四辺の各下方に垂下させた垂下片部6…と、接着した
    部分を、天板2の四周辺部に各上方に起立させて前記垂
    下片部6…と連続する一体の起立片部5…とで構成し、 周壁部7…の隣接する端縁相互を接着しないことによ
    り、垂下片6を容器に弾性的に押圧可能とした、 ことを特徴とする容器蓋。
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