JP2524947B2 - 目地シ―ル構造およびその施工法 - Google Patents

目地シ―ル構造およびその施工法

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JP2524947B2
JP2524947B2 JP4297909A JP29790992A JP2524947B2 JP 2524947 B2 JP2524947 B2 JP 2524947B2 JP 4297909 A JP4297909 A JP 4297909A JP 29790992 A JP29790992 A JP 29790992A JP 2524947 B2 JP2524947 B2 JP 2524947B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケーソン等の構築物を
海中等に設置する際に構築物間の目地をシールする目地
シール構造およびその施工法に関し、特に目地幅が40
cm以上の比較的大きな目地に適用する場合に好適な目
地シール構造およびその施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】海岸等の埋立工事を行う場合、防潮堤の
基礎となるケーソンを並べて設置するが、これらのケー
ソンの間隔から内側の土砂が流出することを防止するた
めにケーソン間の目地部をシールする必要がある。
【0003】従来この種の目地シール構造として、たと
えば実公昭49−44259号公報に開示されるよう
に、相隣り合うブロックの対向面に入口部が狹く中広が
り状に形成された嵌合溝を設けるとともに、両側にこれ
ら嵌合溝にはまり込む大きさでその入口部の幅より広い
幅を有する挿入部を備え、中間部がゴム等の可撓性材料
で作られた帯状の目地材を準備し、該目地材の挿入部を
ケーソンの嵌合溝に挿入してなる目地シール構造が知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種の目地シール構
造は、目地幅が40cm以上の比較的大きな目地に適用
することができ、また目地材がゴム等の可撓性材料で作
られているため、地盤の不等沈下等の原因で隣接するケ
ーソン間の目地が開いた場合に目地材が目地の拡開に追
随して伸長する利点があるが、反面土圧または波浪等に
より目地材の下端部が押圧されてめくれ、目地材の下縁
部とマウンドとの間に隙間が開いて内側の土砂が流出す
るおそれがある。またこのような目地材のめくれが生じ
なくても、目地材の下のマウンドは決して平坦ではなく
不陸が存在するのが普通であるので、直線状に形成され
た目地材の下縁部とマウンドの不陸との間に隙間が生
じ、この隙間から土砂が流出し易いという問題がある。
特にこのような土砂の流出は、ケーソン間の目地が大き
くなるほど大きな問題となる。
【0005】本発明は上記従来の目地シール構造の問題
点にかんがみなされたもので、ケーソン間の目地が比較
的に大きい場合においても、目地材の下縁部とマウンド
との間に隙間が生じることなく、土砂の流出のおそれが
ない改良された目地シール構造を提供しようとするもの
である。
【0006】また本発明は、このような改良された目地
シール構造の施工法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】上記本発明の
目的を達成する目地シール構造は、相隣り合うケーソン
等の構築物の対向面に、入口部とこの入口部に連続し入
口部よりも幅の広い拡大部を有する目地材脱出防止用嵌
合溝を対向して設けるとともに、該嵌合溝入口部の幅よ
りも大きい径を有し該拡大部に嵌合する断面形状の膨出
部を両側に有し、構築物間の目地の拡大に追随して伸長
することができる形状の可撓性材料からなる目地材であ
って、該目地材の下縁部に沿って設けられ該目地材の上
下方向の撓みを制限し幅方向の撓みを許容するめくれ防
止手段と、該目地材の下縁部に沿って設けられた柔軟な
材料からなる下縁部シール材とを備える目地材の前記膨
出部を前記目地材脱出防止用嵌合溝の拡大部に嵌合して
なるものである。
【0008】本発明によれば、目地材の下縁部に沿っ
て、目地材の上下方向の撓みを制限し幅方向の撓みを許
容するめくれ防止手段が設けられているので、目地材の
下端部は土圧、波浪等により撓んでめくれることがな
く、しかもケーソン間の目地の拡開に対しては充分追随
して伸長することができる。また目地材の下縁部に沿っ
て柔軟な材料からなる下縁部シール材が設けられている
ので、この下縁部シール材が目地材の下縁部と目地材の
下のマウンドの不陸との間の隙間を閉塞し、土砂の流出
を防止する。
【0009】また上記目的を達成する本発明の目地シー
ル構造の施工法は、上記目地シール構造中該目地材脱出
防止用嵌合溝を該構築物の対向面に上下方向に取付けら
れた1対のL型部材によって形成し、このL型部材の下
端部に滑車を取付け、該目地材の下端部に取付けたロー
プを該滑車を介して構築物上に延長し、該目地材の該膨
出部が該嵌合溝の上方に位置するように該目地材を配置
した後該ロープを構築物上において索引することにより
該膨出部を該嵌合溝に嵌合させ該目地材を引下すことを
特徴とするものである。
【0010】この施工法によれば、目地材の下端部に取
付けたロープを索引することにより容易に目地材の両側
の膨出部を嵌合溝に嵌合させ目地材を引下すことができ
る。
【0011】また本発明の目地シール構造の施工法は、
該目地材の膨出部の下端部に一側部が開いた剛性材料か
らなる短管を嵌込み、該膨出部を該目地材脱出防止用嵌
合溝に嵌合させることを特徴とするものである。
【0012】この施工法によれば、目地材の膨出部に剛
性材料からなる短管が嵌込まれるので、膨出部の剛性が
増し、嵌合溝への嵌合を容易に行うことができる。
【0013】また本発明の目地シール構造の他施工法
は、該目地材脱出防止用嵌合溝にゆるく嵌合することの
できる断面形状のブロックを予め該嵌合溝の底部に配置
し、このブロックにはロープを固定してこのロープを構
築物上に延長しておき、目地材施工の際にこのロープを
索引して該ブロックを引上げることにより、該嵌合溝の
壁面に付着した水棲生物をかき落すことを特徴とするも
のである。
【0014】この施工法によれば、1つのケーソンを設
置してから隣接する他のケーソンを設置するまでに日数
がかかる場合、目地材脱出防止用嵌合溝の壁面に水棲生
物が付着しても、目地材施工の際にブロックを引上げる
ことにより水棲生物をかき落すので、目地材の施工を順
調に行うことができる。
【0015】また本発明の目地シール構造の他の施工法
は、該目地材脱出防止用嵌合溝内にあらかじめゴムチュ
ーブを挿入し、このゴムチューブに気体を圧入すること
によって膨張させ、該嵌合溝内を満たすことによって目
地材施工までの間該嵌合溝の壁面に水棲生物が付着する
ことを防止することを特徴とするものである。
【0016】この施工法によれば、1つのケーソンを設
置してから隣接する他のケーソンを設置するまでに日数
がかかる場合、嵌合溝内が膨張したゴムチューブによっ
て満たされているので、嵌合溝の壁面に水棲生物が付着
することを防止することができ、目地材の施工を順調に
行うことができる。
【0017】
【実施例】以下添付図面を参照して本発明の実施例につ
いて説明する。図1〜図5は本発明にかかる目地シール
構造の1実施例を示すもので、図1は目地シール構造全
体を示す斜視図、図2は目地材を示す斜視図、図3は目
地材の横断図面、図4は目地材の下端部の横断面図、図
5は目地材の下端部の縦断面図である。
【0018】目地シール構造1は相隣り合うケーソン
2,2′の各対向面に設けられた1対の目地材脱出防止
用嵌合溝3,3′と目地材4を備える。この実施例にお
いては、嵌合溝3,3′は取付板5,5′に固定された
1対の断面L字形の板6,6、6′,6′によって形成
されており、L形板6,6および6′,6′の間には上
下方向に開口した入口部3a,3′aと、この入口部3
a,3′aに連続して奥の方に入口部よりも幅の広い上
下方向に延長する拡大部3b,3′bが形成されてい
る。各L形板6,6、6′,6′と取付板5,5′との
間には補強板7が設けられている。また取付板5,5′
はボルト8によってケーソン2,2′の対向面に固定さ
れている。
【0019】目地材4はゴム・合成樹脂等の可撓性材料
からなる帯状のシートであって、ケーソン2,2′間の
目地が拡大した場合、これに追随して伸長できるように
アーク状に撓んだ形状に配置されている。目地材4の両
側部は嵌合溝3,3′の入口部3a,3′aの幅よりも
大きい径を有し、嵌合溝3,3′の拡大部3b,3′b
に嵌合する円柱状の膨出部9を有する。
【0020】目地材4は、図3に示すように、目地材4
中に埋設された合成繊維またはスチールコード等の補強
材10で補強されている。また膨出部9には、嵌合溝
3,3′への挿入を容易にするとともに膨出部9の拡大
部3b,3′bからの抜出しを防止するために剛性の材
料からなる芯材11が埋設されている。目地材4は運搬
の際長手方向に巻回する必要があるので、芯材11は剛
性を有しながらも目地材4の巻回を許容する材料である
ことが好ましい。このため芯材11としてはたとえば長
さ10cm程度の鉄棒を20cm程度の間隔で配列した
ものまたはワイヤーロープ、合成繊維ロープを使用する
ことが好ましい。また膨出部9全体に補強材を分散して
一体成形することにより膨出部9に剛性を持たせるよう
にしてもよい。
【0021】目地材4の下縁部に沿って、複数の短ざく
状の鋼板12が目地材4中に埋設されている。これらの
鋼板12は相隣り合うものどうしがヒンジ部12aにお
いてヒンジ結合されている。これら鋼12は目地材4の
上下方向の撓みを制限する一方目地材4の幅方向の撓み
を許容するめくれ防止手段を構成する。
【0022】鋼板12を埋設した目地材4の部分は、鋼
板12のヒンジ部12aにおける回動を確実にするため
に、図4に示すように鋼板12を合成繊維シート等の補
強材10でカバーしゴムがヒンジ部12aに入ることを
防止している。
【0023】図18は鋼板12のヒンジ部の他の構成例
を示す斜視図である。この例において、各ヒンジ部40
は複数の上下方向に配設された円筒形のヒンジ棒挿入部
41を備え、上下の各ヒンジ棒挿入部41の間には隣接
する鋼板12のヒンジ棒挿入部41が挿入されかつ上下
方向に所定の距離だけ移動することができるだけの高さ
を有する空間42が形成されている。また各ヒンジ棒挿
入部41の内部空間41aは挿入されたヒンジ棒43が
水平面内において所定の距離だけ移動できるようにヒン
ジ棒の径に比較して充分大きい径を有している。ヒンジ
部40はヒンジ内にゴムが入り込まないようにゴムシー
トで被覆されている。
【0024】このヒンジ部40を使用した目地材4は、
隣り合う鋼板12どうしが目地材の幅方向に屈曲するこ
とにより目地材の幅方向の撓みを許容する上に隣り合う
鋼板12相互間の上下方向の相対変位(ずれ)および相
互間の回動を許容する。これによって隣り合うケーソン
間に上下方向の相対的変位(ずれ)または回動的変位が
生じた場合にも目地材4はこれに応じて変形することが
できる。
【0025】目地材4の下縁部に沿ってワイヤブラシ1
3が各鋼板12の下端部と固定板14との間に挾み込ま
れ、ボルト15によって固定されている。このワイヤブ
ラシ13は下縁部シール材を構成する。ワイヤブラシ1
3は、目地材4の膨出部9を嵌合溝3,3′内に嵌合し
目地構造の施工を完了したとき、図5に示すように目地
材4の下縁4aとその下のマウンド16との間に生じる
隙間を閉塞し土砂がケーソンの内側から外側に向って流
出することを防止する。
【0026】目地材脱出用嵌合溝は上記のような取付板
5,5′に固定された1対のL形板6,6、6′,6′
からなるものに限らず、入口部と拡大部を有し目地材4
の膨出部9がこの拡大部に嵌合する形状のものであれば
どのようなものでもよい。たとえば、コンクリートケー
ソンの場合は、図6に示すように、入口部16と拡大部
17をケーソン自体に穿孔することにより目地材脱出防
止用嵌合溝18を形成してもよい。
【0027】図7〜9は下縁部シール材の他の例を示
す。図7はその部分斜視図、図8は側断面図、図9は模
式的平面図である。
【0028】この実施例においては、下縁部シール材は
目地材4の下縁部に沿って目地材4と直角方向に配列さ
れた複数の短ざく状のゴムシート19からなる。ゴムシ
ート19は目地材4の下端部を直角に折曲げる形で目地
材4と一体成形されている。またこの実施例においては
目地材4がアーク型に配置されているため、目地材4の
伸縮に円滑に追随できるように、これらゴムシート19
は交互に段違いに形成されている。
【0029】図10は下縁部シール材の他の実施例を示
す斜視図である。この実施例においては、下縁部シール
材は目地材4の下縁部に沿ってワイヤブラシの代りに繊
維製のモップ25が鋼板の下端部と固定板との間に挾み
込まれボルトによって固定されている。ワイヤブラシは
毛先に一定の方向性を持たせて目地材4の内側(埋立
側)に毛先が向くように配設することができるが、モッ
プを使用する場合はモップそのものにこのような方向性
を持たせることはできないので、モップを使用する場合
は、施工の際に図示のようにモップ25の先端を束ねて
挾み板26で挾み、この挾み板26にロープ27を固定
しこのロープ27をケーソンの上から操作することによ
りモップを目地材4の内側に配置するようにすることが
好ましい。
【0030】次に上記構成の目地シール構造の施工法に
ついて説明する。目地材脱出防止用嵌合溝3,3′また
は18は、ケーソンを製造する際にあらかじめ形成して
おく。目地材4は高さが数10メートルに及ぶ場合も多
く、嵌合溝3をL形部材6で形成する場合は1本のL形
部材で嵌合溝の全長を形成することは不可能であるので
図12に示すように、L形部材6を複数の部分6a,6
b……に分割してケーソンに取付ける。その際図11に
示すようにL形部材の各部分6aと6b、……を相互間
に直線性を持たせるために固定金具20で固定すること
が好ましい。
【0031】相隣り合うケーソンを海中に設置した後、
目地材4をその膨出部が嵌合溝3,3′(または18)
に嵌合するようにして上方から海底まで降下させること
によって図1に示すような目地シール構造を完成する。
【0032】目地材4を嵌合溝3,3′に嵌合させる場
合数10mに及ぶ長尺の目地材4を上方から嵌合溝3,
3′に円滑に押込むことが困難な場合が生じる。図13
はこのような長尺の目地材を円滑に嵌合溝3,3′に嵌
合させながら目地材を降下させる一方法を示す。
【0033】この方法においてはL型部材6,6の下端
部に滑車21,21を取付け、またL型部材の適宜の位
置にロープガイド22,22を取付け、目地材4の下端
部両側に取付けたロープ23,23を該滑車21,21
を介してケーソン2上に延長し、目地材4の膨出部9,
9が嵌合溝3,3′の上方に位置するように目地材4を
配置した後、ロープ23,23をケーソン2上において
索引することにより膨出部9,9を嵌合溝3,3′に嵌
合させ目地材4を引下すことにより目地シール構造を完
成させる。
【0034】この方法によれば、目地材4の下端部に取
付けたロープ23,23を索引することにより容易に目
地材4の両側の膨出部9,9を嵌合溝3,3′に嵌合さ
せ、長尺の目地材4を円滑に引下すことができる。
【0035】図14、15は目地材4の膨出部9,9を
嵌合溝3,3′に容易に挿入する他の方法を示す。この
方法においては、目地材4の膨出部9,9の下端部に一
側部が開いた金属パイプ24,24を嵌込んでおくこと
により、膨出部9,9の剛性が増し、嵌合溝3,3′へ
の嵌合を容易に行うことができる。
【0036】1つのケーソンを設置してから隣りのケー
ソンを設置するまでに相当の日数がかかる場合がある。
このような場合目地材脱出防止用嵌合溝の壁面に貝、フ
ジツボ等の水棲生物が付着し、目地材を施工する際に目
地材の膨出部がこの水棲生物に引掛って円滑に目地材の
設置を行えなくなるおそれがある。そこでこのような問
題を克服するために、図16に示すように、目地材脱出
防止用嵌合溝3,3′にゆるく嵌合することのできる断
面形状の鉄製ブロック27を予め該嵌合溝の底部に配置
し、このブロック27にはロープ28を固定してこのロ
ープ28をケーソン2上に延長しておき、目地材施工の
際にこのロープ28を索引してブロック27を引上げる
ことにより、嵌合溝3,3′の壁面に付着した水棲生物
をかき落す。
【0037】また上記水棲生物の嵌合溝壁面への付着を
防止する他の方法として、図17に示すように、目地材
脱出防止用嵌合溝3,3′内にあらかじめゴムチューブ
29を挿入しこのゴムチューブ29に気体を圧入するこ
とによって膨張させ、嵌合溝3,3′内を満たすことに
よって目地材施工までの間嵌合溝の壁面に水棲生物が付
着することを防止するようにしてもよい。
【0038】図19および図20は本発明の他の実施例
を示す模式的平面図である。
【0039】図1の実施例の場合は、目地間が大きく開
いた場合目地材4の幅が一定のため、円弧の高さが変化
して目地材4の頂点が裏埋土材側に移動しようとして裏
埋土材を押付ける力すなわち受働土圧が目地材4に作用
し過大な耐張力が必要となる。 そこで図19、20の
実施例においては図19のように目地間隔が小の時目地
材がケーソンに形成した嵌合溝内に奥深く挿入されてお
り、図20のように目地間隔が拡大した時嵌合溝から目
地材が抜け出すような構造とし、目地材に作用する張力
を低減するようにしている。
【0040】図19、20において、ケーソン2、2′
には狭い幅の入口部50aと奥行の広い拡大部50bを
有する目地材脱出防止用嵌合溝50が形成されている。
目地材52は両端に抜け止め用の膨出部54を有し、ま
た膨出部54に続く肉厚部56と各肉厚部間の肉薄部5
8からなるものである。肉厚部56の厚さt1と肉薄部
58の厚さt0と嵌合溝50の入口部50aの隙間の大
きさt2はt1>t2>t0の関係が成立するように定
められている。
【0041】図19に示す状態では、目地材52の肉厚
部56が入口部50a内に入るとt1>t2のためt1
−t2=△tだけ肉厚部56が変位し、反力wが生じ
る。肉厚部56と入口部50aとの間の摩擦係数をμと
すると、T′=wμが抜け抵抗T′として作用する。図
20に示すように目地間隔が開き目地材52の弧の高さ
が小さくなる方向(矢印Q方向)に動くと、受働土圧が
作用し目地材の張力Tが増加する。したがって目地間隔
が開いた時張力Tが抜け抵抗T′よりも大きくなるよう
にt1、t2を設定しておけば、目地間隔が開いた時張
力Tが抜け抵抗T′にうちかち、目地材52の肉厚部5
6が入口部50aから抜出して目地材52の弧の高さが
変らず、したがって目地材に作用する張力が過度に増大
することを防止できる。なお嵌合溝としては図19、2
0のようにケーソン内部に形成されるものに限らず、図
1のようにケーソンの外側に取付けられるものでもよ
い。
【0042】
【変更例】上記実施例においては、めくれ防止手段とし
て複数の鋼板を使用したが、鋼板に限らず、合成樹脂製
板でもよい。さらに板に限らず、たとえば、複数の短い
鉄パイプを一定間隔で下縁部に沿って配列する等、目地
材の上下方向の撓みを制限し幅方向の撓みを許容する部
材であればどのような材料を使用してもよい。
【0043】上記実施例の一つにおいては、下縁部シー
ル材として、ワイヤブラシを使用しているが、他のブラ
シでもよい。またブラシ、モップ、ゴムシートに限ら
ず、目地材の下縁部に沿って設けられた柔軟な材料から
なり、目地材の下縁部とマウンドの間の隙間を塞ぎうる
材料であればどのような材料でもよい。
【0044】また嵌合溝をL型部材で形成する場合は、
下縁部シール材は目地材の下縁部のみならず、嵌合溝を
形成するL形部材の下縁部にも設けるようにしてもよ
い。
【0045】また本発明の目地シール構造は、相隣り合
う構築物間に1セット設置する場合に限らず、埋立側と
海側にそれぞれ1セットずつ計2セット設置し、その間
のマウンド上にアスファルトマスチックを敷きつめるよ
うにしてシールを行うようにしてもよい。
【0046】また上記実施例においてはアーク状の目地
板が配置されているが、目地材の形状は、V形、W形、
メガネ形等ケーソン間の目地拡大に追従して伸長できる
形状であれば他の形状でもよい。
【0047】本発明の目地シール構造は鋼製ケーソン、
コンクリートケーソンの他護岸用ブロックその他シール
を必要とする目地を生じる構築物に広く適用することが
できる。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、目
地材の下縁部に沿って、目地材の上下方向の撓みを制限
し幅方向の撓みを許容するめくれ防止手段が設けられて
いるので目地材の下端部は土圧、波浪等により撓んでめ
くれることがなく、しかもケーソン間の目地の拡開に対
しては充分追随して伸長することができる。また目地材
の下縁部に沿って柔軟な材料からなる下縁部シール材が
設けられているので、この下縁部シール材が目地材の下
縁部と目地材の下のマウンドの不陸との間の隙間を閉塞
し、土砂の流出を防止する。
【0049】また本発明の目地シール構造の施工法によ
れば、目地シール構造中目地材脱出防止用嵌合溝を構築
物の対向面に上下方向に取付けられた1対のL型部材に
よって形成し、このL型部材の下端部に滑車を取付け、
目地材の下端部に取付けたロープを滑車に介して構築物
上に延長し、目地材の膨出部が嵌合溝の上方に位置する
ように目地材を配置した後ロープを構築物上において索
引することにより膨出部を嵌合溝に嵌合させ目地材を引
下すようにしたので、目地材の下端部に取付けたロープ
を索引することにより容易に目地材の両側の膨出部を嵌
合溝に嵌合させ目地材を引下すことができる。
【0050】また本発明の目地シール構造の他の施工法
によれば、目地材の膨出部の下端部に一側部が開いた剛
性材料からなる短管を嵌込み、膨出部を目地材脱出防止
用嵌合溝に嵌合させるようにしたので、膨出部の剛性が
増し、嵌合溝への嵌合を容易に行うことができる。
【0051】また本発明の目地シール構造の他施工法に
よれば、目地材脱出防止用嵌合溝にゆるく嵌合すること
のできる断面形状のブロックを予め嵌合溝の底部に配置
し、このブロックにはロープを固定してこのロープを構
築物上に延長しておき、目地材施工の際にこのロープを
索引してブロックを引上げることにより、嵌合溝の壁面
に付着した水棲生物をかき落すようにしたので、1つの
ケーソンを設置してから隣接する他のケーソンを設置す
るまでに日数がかかる場合、目地材脱出防止用嵌合溝の
壁面に水棲生物が付着しても、目地材施工の際にブロッ
クを引上げることにより水棲生物をかき落すので、目地
材の施工を順調に行うことができる。
【0052】また本発明の目地シール構造の他の施工法
によれば、目地材脱出防止用嵌合溝内にあらかじめゴム
チューブを挿入しこのゴムチューブに気体を圧入するこ
とによって膨張させ、嵌合溝内を満たすことによって目
地材施工までの間嵌合溝の壁面に水棲生物が付着するこ
とを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の目地シール構造の1実施例を示す斜視
図である。
【図2】同実施例において使用する目地材を示す斜視図
である。
【図3】同目地材の横断面図である。
【図4】同目地材の下端部の横断面図である。
【図5】同目地材の下縁部シール材の1例を示す縦断面
図である。
【図6】目地材脱出防止用嵌合溝の1例を示す斜視図で
ある。
【図7】下縁部シール材の他の例を示す斜視図である。
【図8】同シール材の縦断面図である。
【図9】同シール材の模式的平面図である。
【図10】下縁部シール材の他の例を示す斜視図であ
る。
【図11】L形部材からなる嵌合溝の施工法の1例を示
す斜視図である。
【図12】同嵌合溝のケーソンへの取付け法を示す図で
ある。
【図13】本発明の目地シール構造の施工法の1例を説
明するための斜視図である。
【図14】本発明の目地シール構造の施工法の他の例を
説明するための斜視図である。
【図15】同例を説明するための平面図である。
【図16】目地材脱出防止用嵌合溝に付着した水棲生物
を除去する方法を示す斜視図である。
【図17】目地材脱出防止用嵌合溝に水棲生物が付着す
ることを防止する方法を示す横断面図である。
【図18】鋼板のヒンジ部の他の構成例を示す斜視図で
ある。
【図19】本発明の他の実施例の目地間隔が小さい場合
の状態を模式的に示す平面図である。
【図20】同実施例の目地間隔が開いた場合の状態を模
式滴に示す平面図である。
【符号の説明】
1 目地シール構造 2 構築物 3,3′ 目地材脱出防止用嵌合溝 4 目地材 9 膨出部 12 鋼板(めくれ防止手段) 13 ワイヤブラシ(下縁部シール材)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相隣り合うケーソン等の構築物の対向面
    に、入口部とこの入口部に連続し入口部よりも幅の広い
    拡大部を有する目地材脱出防止用嵌合溝を対向して設け
    るとともに、該嵌合溝入口部の幅よりも大きい径を有し
    該拡大部に嵌合する断面形状の膨出部を両側に有し、構
    築物間の目地の拡大に追随して伸長することができる形
    状の可撓性材料からなる目地材であって、該目地材の下
    縁部に沿って設けられ該目地材の上下方向の撓みを制限
    し幅方向の撓みを許容するめくれ防止手段と、該目地材
    の下縁部に沿って設けられた柔軟な材料からなる下縁部
    シール材とを備える目地材の前記膨出部を前記目地材脱
    出防止用嵌合溝の拡大部に嵌合してなる目地シール構
    造。
  2. 【請求項2】 該めくれ防止手段は、さらに該目地材の
    幅方向の各部分の間に上下方向のずれを許容することを
    特徴とする請求項1記載の目地シール構造。
  3. 【請求項3】 該めくれ防止手段は該目地材の下縁部に
    沿って配列された複数の剛性の板からなり、これらの剛
    性の板は相隣り合う板がヒンジ結合されていることを特
    徴とする請求項1または2記載の目地シール構造。
  4. 【請求項4】 該目地材は両端の抜止め用膨出部と、こ
    れら膨出部に続く肉厚部と、各肉厚部間に形成された肉
    薄部からなり、該肉厚部の厚さは該嵌合溝入口部の幅よ
    りも大きく、かつ該入口部の幅は該肉薄部の厚さよりも
    大きくなるように設定されていることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の目地シール構造。
  5. 【請求項5】 相隣り合うケーソン等の構築物の対向面
    に設けられ、入口部とこの入口部に連続し入口部よりも
    幅の広い拡大部を有する目地材脱出防止用嵌合溝の該入
    口部の幅よりも大きい径を有し該拡大部に嵌合する断面
    形状の膨出部を両側に有し、構築物間の目地の拡大に追
    随して伸長することができる形状の可撓性材料からなる
    目地材であって、該目地材の下縁部に沿って設けられ該
    目地材の上下方向の撓みを制限し幅方向の撓みを許容す
    るめくれ防止手段と、該目地材の下縁部に沿って設けら
    れた柔軟な材料からなる下縁部シール材とを備えること
    を特徴とする目地材。
  6. 【請求項6】 該目地材脱出防止用嵌合溝を該構築物の
    対向面に上下方向に取付けられた1対のL型部材によっ
    て形成し、このL型部材の下端部に滑車を取付け、該目
    地材の下端部に取付けたロープを該滑車を介して構築物
    上に延長し、該目地材の該膨出部が該嵌合溝の上方に位
    置するように該目地材を配置した後該ロープを構築物上
    において索引することにより該膨出部を該嵌合溝に嵌合
    させ該目地材を引下すことを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の目地シール構造の施工法。
  7. 【請求項7】 該目地材の膨出部の下端部に一側部が開
    いた剛性材料からなる短管を嵌込み、該膨出部を該目地
    材脱出防止用嵌合溝に嵌合させることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の目地材シール構造の施工
    法。
  8. 【請求項8】 該目地材脱出防止用嵌合溝にゆるく嵌合
    することのできる断面形状のブロックを予め該嵌合溝の
    底部に配置し、このブロックにはロープを固定してこの
    ロープを構築物上に延長しておき、目地材施工の際にこ
    のロープを索引して該ブロックを引上げることにより、
    該嵌合溝の壁面に付着した水棲生物をかき落すことを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の目地シール構
    造の施工法。
  9. 【請求項9】 該目地材脱出防止用嵌合溝内にあらかじ
    めゴムチューブを挿入しこのゴムチューブに気体を圧入
    することによって膨張させ、該嵌合溝内を満たすことに
    よって目地材施工までの間該嵌合溝の壁面に水棲生物が
    付着することを防止することを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の目地シール構造の施工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101964408B1 (ko) * 2018-07-06 2019-04-01 주식회사 항도엔지니어링 채움재 유출방지 케이슨 및 그 시공 방법

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