JP4111561B2 - 地下耐震壁の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、鋼板を一体に埋設した地下耐震壁の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地下連続壁は多くは山止め壁として設けられるが、希には単なる杭基礎の代用とされることがある。このような杭基礎にあっては、それ自体の耐震性を要求されることがあり、この場合、芯材として鋼材が用いられることが多い(例えば、特公昭52−32164号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、その鋼材は壁面に平行な平板状鋼材として設置されるため、コンクリート打設の際に問題があった。即ち、平板状鋼材の片面にコンクリートが打設されると、その側圧により平板状鋼材が移動し、正しい施工ができない惧れがあった。なお、前述の特公昭52−32164号公報に記載された発明では、例えば図4に示されるように、平板状鋼材101の中空部にトレミー管103を挿入してコンクリート105を打設しているが、トレミー管103の周囲は、平面的には閉鎖空間であって、コンクリートは中空部内しか打設できない欠点があった。
【0004】
この発明は、上記欠点を一挙に解決するものであって、その目的は、コンクリート打設時の側圧により平板状鋼材が移動することなく、コンクリートを効率的に打設することができる地下耐震壁の施工方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、地下掘削溝内に構築される地下耐震壁の施工方法であって、前記地下掘削溝の中央部に、鋼板又はウエブを有する型鋼である平板状鋼材を、前記地下掘削溝に構築されるべき地下耐震壁の壁面の面内方向に沿って間隔をあけて、かつ各鋼板の平板面又は各型鋼のウエブ面が前記面内方向に沿うように並列配置し、前記平板状鋼材の周囲に、鉄筋籠を前記平板状鋼材との間に隙間が形成されるように建て込み、隣接する平板状鋼材間の隙間にトレミー管を挿入し、トレミー管からのコンクリートの打設とそれに伴うトレミー管の引上げとを繰り返しながら、前記地下掘削溝内にコンクリートを打設することを特徴とする。
【0006】
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の地下耐震壁の施工方法であって、前記平板状鋼材は、H型鋼からなることを特徴とする。
【0007】
さらに、本発明の請求項3に係る発明は、請求項2に記載の地下耐震壁の施工方法であって、前記複数のH型鋼のうちの両端に配置されるH型鋼は、そのウエブ面が前記面内方向と直交する方向となるように、かつそのフランジ部が前記面内方向に沿うように、前記地下掘削溝内に配置されていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この発明の第一の実施例を示している。図における地下耐震壁は、所定の隙間をおいて、直線状に不連続に並列配置された複数の帯状プレート鋼板10(平板状鋼材)と、各鋼板10の周囲にプレート状をなして建て込まれ、かつ縦筋(主筋)と横筋(剪断補強筋)とを格子状に組合わせた鉄筋籠12と、前記プレート鋼板10間の隙間にあって鉄筋籠12の前後を連結する一または複数の巾止め筋14と、これら鋼板10,鉄筋籠12,巾止め筋14を一体に埋設した状態に打設されたコンクリート16とからなっている。なお、巾止め筋14は、本発明において必須ではないが、これを設ける場合には、後述するトレミー管の挿入を可能および容易にするため、鋼板10の一方の側へ寄せて設けることが望ましい。
【0009】
なお、鋼板10としては、いわゆる定尺ものの汎用の帯状プレート鋼板を用いることができ、好ましくは、その両面にコンクリート16との付着力を高めるための図示しないスタッドを植設する。また、隙間の間隔は当該地下耐震壁に要求される強度に応じて任意に設定することができる。
【0010】
コンクリート16は、前記プレート鋼板10間の隙間にトレミー管18を挿入し、トレミー管18から打設されるとともに、これに伴って該トレミー管18を引き上げることを繰り返すことによって、打設作業が行われる。
【0011】
また、鋼板10および各鉄筋籠12の建て込み順序としては、鉄筋籠12および巾止め筋14を一体に組込み鉄筋籠状にしてから鋼板10を建て込んでもよいし、鋼板10を建て込んだ後に鉄筋籠12を建て込み、巾止め筋14で両鉄筋籠12同士を接合することもできる。
【0012】
従って、この実施例においては、各鋼板10間の隙間を通じてコンクリートが流動し、各鋼板を包囲した状態に一体化するため、鋼板10が側圧により移動することが抑えられる。
【0013】
図2は、この発明の第二の実施例を示している。なお、前記第一の実施例と同一箇所には同一符号を付し、異なる部材にのみ異なる符号を用いて説明する。
【0014】
同図における地下耐震壁は、平板状鋼材として帯状プレート鋼板10の代わりにH型鋼20が採用されており、図示されているように、その両側フランジ部20aを壁面に対して直交すべくウエブ20bが一直線上に直列配置される向きにする。
【0015】
この実施例では、地下耐震壁の面内方向に地震力が作用した場合には、各H型鋼20のウエブ20bでせん断力に抵抗し、曲げ力に対しては、フランジ20aによる抵抗力が作用することになる。
【0016】
図3は、この発明の第三の実施例を示している。図における地下耐震壁は、図2のごとくH型鋼20を並列配置しているとともに、地下耐震壁の両側に埋設されるH型鋼22のみ、その両側フランジ部22aが地下耐震壁の前後方向に配置された構成となっている。
【0017】
従って、この実施例では各H型鋼20により地下耐震壁の長手方向に対する地震力に対する抵抗を与えているとともに、地下耐震壁の両端ではフランジ部22aによって曲げ力に対する抵抗を与えている。
【0018】
なお、この実施例においては、両側のH型鋼22以外は第一の実施例と同様の帯状プレート鋼板10を並列配置することもできることは勿論である。
【0019】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の地下耐震壁の施工方法にあっては、トレミー管より放出されたコンクリートは、隣接する平板状鋼材間の隙間を通じて地下掘削溝内に打設され、各平板状鋼材間の隙間及び各平板状鋼材と鉄筋籠との間の隙間を通じて地下掘削溝内の全体に流動し、各平板状鋼材を包囲した状態で各平板状鋼材と一体化することになる。従って、コンクリート打設の際の側圧によって平板状鋼材が移動するようなことはなく、平板状鋼材が中央部に配置された地下耐震壁を構築することができる。
また、地下掘削溝内に配置される、鋼板又はウエブを有する型鋼である平板状鋼材は、各鋼板の平板面又は各型鋼のウエブ面が地下掘削溝の面内方向に沿うように、地下掘削溝内に並列配置されているので、地下掘削溝内に構築される地下耐震壁に面内方向への地震力が作用した場合に、鋼板又はウエブによってせん断力に抵抗することができる。
さらに、平板状鋼材がH型鋼からなる場合、地下掘削溝内に配置される複数のH型鋼のうちの両端のH型鋼は、そのウエブ面が地下掘削溝の面内と直交する方向を向き、そのフランジ部が地下掘削溝の面内方向に沿うように、地下掘削溝内に配置されることで、地下掘削溝内に構築される地下耐震壁の両端部において曲げ力に対する抵抗力を与えることができる。
【0020】
また、各鋼材の隙間を通じて前後の鉄筋同士を巾止め筋を介して連結し、鉄筋籠状に組立てできることから、耐力上の制限も解消できるなどの各種利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例による地下耐震壁を示す平断面図である。
【図2】本発明の第二の実施例による地下耐震壁を示す平断面図である。
【図3】本発明の第三の実施例による地下耐震壁を示す平断面図である。
【図4】従来の地下耐震壁を示す平断面図である。
【符号の説明】
10 帯状プレート鋼板
12 鉄筋籠
14 巾止め筋
16 コンクリート
20 H型鋼
20a フランジ部
22 両側のH型鋼
22a フランジ部
Claims (3)
- 地下掘削溝内に構築される地下耐震壁の施工方法であって、前記地下掘削溝の中央部に、鋼板又はウエブを有する型鋼である平板状鋼材を、前記地下掘削溝に構築されるべき地下耐震壁の壁面の面内方向に沿って間隔をあけて、かつ各鋼板の平板面又は各型鋼のウエブ面が前記面内方向に沿うように並列配置し、前記平板状鋼材の周囲に、鉄筋籠を前記平板状鋼材との間に隙間が形成されるように建て込み、隣接する平板状鋼材間の隙間にトレミー管を挿入し、トレミー管からのコンクリートの打設とそれに伴うトレミー管の引上げとを繰り返しながら、前記地下掘削溝内にコンクリートを打設することを特徴とする地下耐震壁の施工方法。
- 前記平板状鋼材は、H型鋼からなることを特徴とする請求項1に記載の地下耐震壁の施工方法。
- 前記複数のH型鋼のうちの両端に配置されるH型鋼は、そのウエブ面が前記面内方向と直交する方向となるように、かつそのフランジ部が前記面内方向に沿うように、前記地下掘削溝内に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の地下耐震壁の施工方法。
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- 1996-09-27 JP JP25654296A patent/JP4111561B2/ja not_active Expired - Fee Related
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