JP2524899B2 - 積層体の端末部仕上方法及びその装置 - Google Patents

積層体の端末部仕上方法及びその装置

Info

Publication number
JP2524899B2
JP2524899B2 JP3053658A JP5365891A JP2524899B2 JP 2524899 B2 JP2524899 B2 JP 2524899B2 JP 3053658 A JP3053658 A JP 3053658A JP 5365891 A JP5365891 A JP 5365891A JP 2524899 B2 JP2524899 B2 JP 2524899B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base material
skin material
protruding portion
bar
skin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3053658A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04272828A (ja
Inventor
富之 山本
仁一 吉田
十司 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiwa Corp
Original Assignee
Meiwa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiwa Corp filed Critical Meiwa Corp
Priority to JP3053658A priority Critical patent/JP2524899B2/ja
Publication of JPH04272828A publication Critical patent/JPH04272828A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2524899B2 publication Critical patent/JP2524899B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車内装製品等にお
ける熱可塑性合成樹脂製の基材と表皮材とからなる積層
体において、その外周等の端末部の表皮材部分を基材裏
面に巻き込み融着係止する端末仕上方法及びその装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば図1に示したような積層体1の外
周等の端末における表皮材のはみ出し部21を基材3の
裏面に巻込み係止して、図2に示したような積層製品4
に仕上げる方法としては、例えば、図4に示すようなタ
ッカ−針28又は図5に示したように接着剤29を用い
る方法が一般的である。
【0003】タッカ−針28による係止方法は、図3に
示した積層体1の表皮材2のはみ出し部21を基材3の
裏面側に折り曲げ、次に圧縮空気式ガンからタッカ−針
28を発射して表皮材2のはみ出し部21端縁を基材3
の裏面に係止する端末部仕上方法である。
【0004】また接着剤による係止方法としては、表皮
材2のはみ出し部21端縁裏面及び基材3裏面のいずれ
か一方又は双方の所定位置に接着剤を塗布し、はみ出し
部21を基材3の裏面側に折り曲げ圧着する端末部仕上
方法である。そのほか、接着剤を使用する代りに、接合
面をあらかじめ溶融状態に加熱したのち、加圧して接着
する方法もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法におけるタッカ−針28を利用する場合は、ま
ずその係止するための針の進入深さのバラツキが作業上
問題となる。即ち、表皮材2が発泡層を含む軟質材料で
構成されていると、タッカー針28の進入深さを一定す
ることが難しく、図6に示したように、その深さが深過
ぎてタッカー針28の尖端が基材3を貫通して表皮材側
に突出した場合、乗員がその尖端に接触して乗員に不快
感を与える恐れがあるほか製品の外観を損うことがあ
る。逆にその深さが浅過ぎれば、係止力が弱くなって表
皮材2の反発力により基材3からの表皮材2の浮き現象
が発生する等の品質上の問題があり、その対応に検査、
補修の人員を必要とした。そのほか表皮材2のはみ出し
部21を、基材3の端末の三次元形状に正確に沿わせ、
かつ係止強度を維持するためには、タッカ−針は約70
〜100本/m必要とし、その作業を機械的行なったと
しても繁雑であり、一つの積層製品を仕上げるのに数分
間を要するなど工数は多大であり、製造コストを跳ね上
げるので改善が求められている。
【0006】また、接着剤による係止方法の場合は、自
動車の車内温度が上昇した場合、とくにその接着力のバ
ラツキにより、表皮材2のはみ出し部21の基材3から
の浮き、剥がれ等が発生することが指摘されている。さ
らに接着面は通常三次元的な曲面となっているから、極
めて工数がかかり数分間の加圧保持時間を要するなど、
係止作業の高速化が図れないという問題点がある。
【0007】さらに、表皮材2はみ出し部21と基材3
との接合面を、あらかじめ溶融状態に加熱したのち、加
圧して接着する方法として、高周波や超音波を用いる方
法があるが、特別のエネルギー源を必要とし、溶着面積
が広いから装置が高価なものとなる。また熱刃を用いて
表皮材2の上から基材3の接合面を加熱する方法で、熱
刃を単に表皮材2に押しつけただけでは、熱刃を取り去
ったときに溶着部分が溶融状態のまま加圧が除かれるこ
とになるので、溶着部が剥がれたり、熱刃にくっついた
表皮材料が煙を出して燃焼したり、焦げたり、炭化した
りするトラブルが発生していた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の積層体の端末部
仕上方法及びその装置は、熱可塑性合成樹脂製の基材
と、その基材表面側に接する裏面側はその基材と融着可
能な材料からなり、かつその基材の外周形状より一回り
大きなはみ出し部を設けた表皮材とからなる積層体を、
表皮材はみ出し部で基材端末を巻き込み、はみ出し部端
縁を基材の裏面側に融着係止するにあたり、下記の方法
及びその装置としたから、とくに係止強度の優れた点及
び経済的に有利な点において課題を解決することができ
るのである。
【0009】すなわちその方法は、積層体の表皮材はみ
出し部を除く表皮材外形と略合致する形状のキャビィテ
ィを設けた受け型に積層体を押え板で固定する工程、基
材裏面の表皮材係止位置を、基材材料の融点より150
℃以上高い温度に設定された加熱バーで、基材厚さの1
5〜25%の深さまで溶融する工程、表皮材はみ出し部
を、横押しバーで基材端末面に沿わせる工程、及び基材
端末面に沿わされた表皮材はみ出し部端縁を、加圧バー
で基材裏面の表皮材係止位置に圧着する工程が、この順
に実施されるものである。
【0010】またその装置は、積層体の表皮材はみ出し
部を除く表皮材外形と略合致する形状のキャビティを設
けた受け型及び受け型に積層体を押え板で固定する手
段、基材裏面の表皮材係止位置を、基材材料の融点より
150℃以上高い温度に設定された加熱バーで、基材厚
さの15〜25%の深さまで溶融する手段、加熱バーを
元の位置に復帰させる手段、表皮材はみ出し部を、横押
しバーで基材端末面に沿わせる手段、基材端末面に沿わ
された表皮材はみ出し部端縁を、加圧バーで基材裏面の
表皮材係止位置に圧着する手段、加圧バーを元の位置に
復帰させる手段、横押しバーを元の位置に復帰させる手
段、及び押え板を元の位置に復帰させる手段を有し、こ
の順に各手段が実質的に作動するものである。
【0011】本願発明の積層体の端末部仕上方法及びそ
の装置の特に主要な構成は、熱可塑性合成樹脂製の基材
の裏面に、その端末を巻き込んだ表皮材はみ出し部を融
着係止するにあたり、基材裏面の表皮材係止位置を、基
材材料の融点より150℃以上高い温度に設定された加
熱バーで、基材厚さの15〜25%の深さまで溶融する
こと及びそのための手段を有することである。
【0012】すなわち基材に表皮材を融着係止すると
き、基材側のみを基材材料の融点より150℃以上高い
温度に設定された加熱バーで加圧して、基材厚さの15
〜25%の深さまで短時間に溶融することである。この
とき、加熱バーの温度を基材材料の融点より150℃以
上高い温度に設定することにより、融解した基材材料が
加熱バーに粘着することなく、したがって加熱バーに付
着した基材材料が発煙したり、燃え出したり、炭化固化
することはない。加熱バーを上記温度に設定することに
より、基材の15〜25%の深さまでの溶融は通常10
秒以内で可能となる。
【0013】なお加熱バーが前記温度より低く設定され
ている場合は、雰囲気や表皮材の温度等の影響を受けや
すく、基材と表皮材との接着力にばらつきを生じ、表皮
材の浮き、剥離等が起る。この点は加熱バーの加圧時間
を延長すれば一応解決可能であるが、仕上時間の延長が
必要となるほか、前記のように、加熱バーに基材材料が
付着することがある。
【0014】さらに加熱バーが前記温度以上に設定され
ているときは、基材の溶融時間を短縮することができる
ので好ましいが、基材の融点より250℃を超える場合
は、たとえば基材材料がプロピレン樹脂の場合その融点
が150〜170℃であるから、設定温度が400〜4
20℃となり、加熱バーとしての切削加工性に富み、耐
久性が大で、熱疲労に強く、熱伝導性が高く、かつ価格
が安い素材を入手することが困難である。したがって本
発明を経済的に実施するには、加熱バーの温度を基材の
融点より150℃から220℃高い範囲に設定するのが
好ましい。
【0015】加熱バーで基材を溶融する深さは、基材厚
さの15〜25%とするのが最適で、その範囲より浅い
場合は融着による接着力が弱くなり、そのバラツキによ
る表皮材の浮き、剥離の発生が増え、逆に深すぎる場合
は基材の変形や、基材の厚さ方向に熱が伝導して表皮材
表面側に痕跡等が現出し、積層製品の外観に品質上の欠
陥を生じる。
【0016】前記の如く基材の溶融深さを所定範囲内に
限定する必要があるから、基材の裏面に接触し、その部
分を溶融する加熱バーの先端面は、基材裏面部分の面形
状に正確に対応した形状としなければならない。また同
様に加熱バーの温度も精度よく維持しなければならない
から、加熱バーは所定の溶融位置範囲を巡る一体のもの
とするのが、位置制御と温度調節の精度を上げるために
特に有利である。なお加熱バー先端面の幅は、通常2〜
20mm程度である。
【0017】この発明に使用される基材としては、オレ
フィン系の硬質樹脂が最も好ましく、その他ABS樹脂
等の熱可塑性合成樹脂があり、それらの樹脂の混合物
や、さらに各種の充填材、補強材、増量材等が混入され
ている場合もある。
【0018】また表皮材としては、例えば基材がプロピ
レン樹脂からなる場合、裏面層にその基材と融着可能な
エチレン・酢酸ビニル共重合体シート、中間層はエチレ
ン樹脂高発泡体シート、そして表皮層としてはオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーシートからそれぞれ構成さ
れ、あらかじめ熱接着等で積層一体化されたシート状材
料が好ましい。
【0019】なお上記の例では表皮材は3層から構成さ
れているが、裏面に基材と融着可能な樹脂または樹脂発
泡体でバッキングされた皮、布、軟質樹脂シ−ト等の2
層の積層シートでもよく、さらに基材と熱融着する材料
であれば単層であってもよい。なお布、皮、不織布等で
もその網目、織目、裏毛羽間に溶融した基材が侵入し
て、それらを基材に保持することができるならば、単層
または表皮材の裏面層材料として実施可能である。
【0020】
【実施例】本発明の積層体の端末部仕上方法及びその装
置を、図面を参照しながらその詳細を説明する。図1
は、積層体1の一例として挙げた車両用シートバックパ
ネルの端末部仕上前の未完成品を裏面側から見た斜視図
であり、基材3の外周形状より一回り大きなはみ出し部
21を設けた表皮材が積層されている。なお表皮材のは
み出し部21には、巻き込み時に重なったり、大きなし
わが発生しないように切込み25が設けられている。
【0021】図2はその表皮材のはみ出し部21を、基
材3の裏面に係止して、基材3の端末部を隠蔽した状態
を示す、前記シートバックパネルの完成した積層製品4
を裏面側から見た斜視図である。
【0022】図3は積層体1の端末部分の一例を示す断
面図である。積層体1は、タルク10重量%を含むプロ
ピレン樹脂(融点170℃)からシートバックのボード
形状に射出成形された厚さ2.5mmの基材3の表面側
に、表皮層22として軟質塩化ビニル樹脂シート、中間
層23としてプロピレン樹脂高発泡体クッションシー
ト、そして裏面層24としてエチレン−酢酸ビニル共重
合体シートを接着積層した厚さ2mmの表皮材2を熱成形
法で貼着し、一体化した成形品から、基材3の端末を巻
き込むためのはみ出し部21を残して余分な表皮材2部
分を切取り除去することにより製造される。また切込み
25もこのときに同時に切り落とされている。
【0023】図7は仕上装置の概略を示す側面図で、理
解を容易にするため一部を省略し、一部を断面で示して
単純化してある。装置は主としてメインテーブル5、そ
のメインテーブル5上に固着された受け型6、メインテ
ーブル5に固定されたベッド51を介して移動可能なス
ライダー7及び受け型6の上方にあって装置外の枠体
(図示せず)に固定された保持加熱部9より構成されて
いる。
【0024】メインテーブル5は、流体圧シリンダ59
の作用により急速で上下動可能であり、上下の所定位置
で停止するようになっている。メインテーブル5の中央
部に固着されている受け型6は、積層体1における表皮
材2のはみ出し部21を除く表皮材外形と略合致する形
状のキャビティを有するように、エポキシ樹脂で製作さ
れ、側面及び裏面は鋼板で補強されている。
【0025】受け型6の周囲には、複数個のベッド51
が受け型6の中央を中心とする放射状にメインテーブル
5上に配置されている。そしてその各ベッド51上をス
ライダー7が、その後部に連結された流体圧シリンダ7
9の作動により、受け型6の中央方向、またはその逆方
向に摺動移動可能となっている。スライダー7の前部に
は、受け型6に向って突出した横押しバー71が設けら
れている。
【0026】また各スライダー7には支柱72が固定さ
れており、その支柱72の頂部に設けられた旋回軸73
にコの字形の加圧バー81の一つの角部が回動自在に支
持されている。その角部に近い加圧バー81の端部に
は、関節軸83が設けられていて、その関節軸83にサ
ポートピン84の先端が回動自在に連結されている。コ
の字形の加圧バー81の他の角部に延在する端部は加圧
子82となっている。なお図7ではスライダー7が受け
型6側から最も後退した位置に存在している。
【0027】サポートピン84の先端側にばね座87が
設けられ、スライダー7に固定されサポートピン84を
その貫通孔内に受入れているばね受け板74と前記ばね
座87との間には圧縮コイルばね85が挿入されてい
る。またサポートピン84の後端側には二重ナット86
が取り付けられ、サポートピン84の有効長を規定して
いる。図7ではサポートピン84は、圧縮コイルばね8
5の作用で、ばね座87とばね受け板74との間隔が広
げられ、そのサポートピン84の先端がスライダー7の
縦壁78に接触している状態を示している。
【0028】保持加熱部9は、受け型6の上方にあっ
て、上フレーム91と下フレーム92が装置外の枠体に
固定されており、その両フレーム91,92間に流体圧
シリンダ93が保持されている。このシリンダ93のピ
ストンロッド95の先端には、積層体1の基材3の裏面
部分形状に対応する形状の押え板94が取り付けられて
いて、受け型6に載置された積層体1の基材3の裏面部
分を押圧して、積層体1が移動しないように固定する。
また下フレーム92の下面には、加熱バー96が植立さ
れている。
【0029】加熱バー96には、良好な切削加工性、長
期間維持される熱疲労耐久性、優れた熱伝導性及び低価
格が要求されるので、アルミニュウムにマグネシウムや
珪素等を添加したアルミニュウム合金が最適である。こ
の加熱バー96には図示していないが、加熱するための
カートリッジヒータ、温度調節器、センサー、下フレー
ム92との断熱材等が組込まれている。なおこの加熱バ
ー96は、その先端面が基材3裏面の所定溶融範囲にわ
たって正確に接触するように、所定溶融位置範囲を一巡
する一体もので構成されていて、その先端の幅は3mmで
ある。
【0030】この発明の方法をその順をおって、装置と
ともに説明する。図8乃至図11はその順に保持加熱部
9の動作を示す説明図である。まず図8に示すように受
け型6に積層体1を載置し、始動ボタンを押すと、保持
加熱部9の流体圧シリンダ93が作動して、押え板94
が下降して図9に示すように積層体1を受け型6に固定
する。つぎにメインテーブル5が流体圧シリンダ59の
作動により上方に持上げられ、図10に示すように加熱
バー96が積層体1の基材3裏面部分に接触し、さらに
0.4mm基材3側に押込まれた状態で停止する。このと
き加熱バー96の先端は350±10℃に保たれている
ので、接触した基材3の部分は溶融を開始する。3秒後
にメインテーブル5は下降を開始し、図11に示したよ
うに初期位置に復帰する。このとき押え板94は依然と
して基材3の裏面部分を押圧し続けている。なおこのよ
うに、流体圧シリンダ93は、所定期間中、押え板94
の位置が上下しても所定の圧力で積層体1の基材3裏面
を受け型6に押圧する構造となっている。
【0031】図12乃至図14は、その順にスライダー
7と加圧バー81の動作を示す説明図である。初期位置
では図12に示したように、圧縮コイルばね85の作用
で、サポートピン84はその先端がスライダー7の縦壁
78に接触するまで前方に押し出され、それに伴って関
節軸83も前方に移動するから、加圧バー81は旋回軸
73を中心に斜上方に位置している。
【0032】基材3の裏面部分の溶融が終了し、メイン
テーブル5が元に位置に復帰すると、初期位置にあるス
ライダー7が流体圧シンリンダ79(図7)の作動によ
り受け型6方向に前進する。そのとき図12に示すよう
に、加圧バー81も斜上方に持上げられた状態で前進
し、その先端の加圧子82で受け型6に固定された積層
体1のはみ出し部21を横に倒し、さらにスライダー7
が前進するとスライダー7の先端の横押しバー71が、
基材3の端面に沿って移動するから(図13)、はみ出
し部21は基材3の端面を完全に覆う。この段階で、サ
ポートピン84の後端に取り付けられた二重ナット86
が、メインテーブル5に固定されたストッパ52に接
近、接触し、スライダー7の前進に同調したサポートピ
ン84の移動が止められ、さらにスライダー7が前進す
ると、図14に示したように、加圧バー81はスライダ
ー7に固定されている旋回軸73を中心に逆時計方向に
回転し、その先端の加圧子82ははみ出し部21の端縁
を、すでに溶融されている基材3の裏面の係止位置に圧
着する。
【0033】加圧バー81による圧着後約10秒で融着
部の冷却がほぼ完了するから、スライダー7を後退させ
る。スライダー7が僅か後退すると、このとき最も圧縮
された状態にある圧縮コイルばね85が開放され、サポ
ートピン84の先端をスライダー7の縦壁78に近接さ
せる。この結果加圧バー81は時計方向に旋回して斜上
方に持ち上げられ、その加圧子82は受け型6に接触す
ることなく後退することができる。
【0034】スライダー7の後退と同時に、保持加熱部
の押え板94もシリンダ93の作動により上方に持上げ
られるから、受け型6から端末部仕上げされた積層製品
4を取り出すと、積層体の端末部仕上作業の1サイクル
が終了する。このときのサイクルタイムは約60秒であ
った。
【0035】以上の受け型6に積層体1をセットして始
動ボタンを押してから、積層製品4を取り出すまでの一
連の工程は、タイマー、位置センサーを組込んだシーケ
ンサーの働きで各流体圧シリンダを作動させるので完全
に自動化されている。
【0036】この実施例で仕上げられた積層製品におけ
る、表皮材2と基材3との融着強度は2kg/25mm以
上、その平均は3.5kg/25mmであり、実用上全く支
障のない優れた接着力であった。なお従来のタッカー針
による場合は、最高が2kg/25mmで、試料10点中2
点は修正が必要であった。
【0037】この発明では、前述の如く基材3裏面の表
皮材係止位置を、基材材料の融点より150℃以上高い
温度に設定された加熱バー96で、基材3の厚さの15
〜25%の深さまで溶融することを主な構成とするもの
であるが、さらに図面を参照して溶融された基材3裏面
部分を詳しく説明する。
【0038】図15は、基材3の裏面部分の溶融が終了
し、加熱バー96から離れたときの状態を示すが、加熱
バー96が接触押込まれた基材3部分は、図面で黒く塗
り潰してあるように、両側に盛り上がり部分33を形成
して、加熱バー96と接触した面が溶融されている。図
16は、表皮材2のはみ出し部21の融着が終了し、加
圧バー81が上方に移動したときの状態を示すが、はみ
出し部21の裏面層24は加圧により前記盛り上がり部
分33を圧縮して融着しているとともに、その両盛り上
がり部分33の間でも融着している。
【0039】この盛り上がり部分33では溶融基材が約
0.2mmの厚さを有しているから、表皮材2のはみ出し
部21との圧着前に冷え難い。また基材の溶融深さは前
記のように基材3の厚さの15〜25%の深さまで、好
ましくは20%ととすれば、盛り上がり部分33とその
間の溶融部分とに高低差が少なく、表皮材はその全溶融
部分で確実に融着されるのである。したがって、加圧バ
ー81における加圧子82の幅は加熱バー96の幅より
盛り上がり部分を考慮してその分だけ大きくすることが
好ましい。
【0040】以上の実施例では加熱バー96の位置を固
定し、基材3の部分の溶融時にメインテーブル5を上昇
させる方式を採用しているが、これをメインテーブル5
を固定し加熱バー96を移動させる方式でも実施可能で
ある。ただ前者は、加熱バー96の加熱機構、温度調節
機構及び下フレーム92との断熱機構に振動を与えない
こと、及び加熱バー96の移動による万一の作業者への
危険性を考慮して採用した方式である。
【0041】また上記の実施例では、理解を容易にする
ためと図面の簡素化を図って、各手段が実質的に作動す
る単位操作毎に、その順に説明しているが、たとえば押
え板94が下降し始める(図8)と同時にメインテーブ
ル5が上昇を開始するように、一つの手段が実質的な作
動をする前に、次の手段の移動を開始させることは一向
に差し支えがなく、またそのように実施することにより
サイクルタイムの短縮が図れるのである。
【0042】さらに以上説明した実施例では、基材3の
外周端末を表皮材2のはみ出し部21で隠蔽処理する方
法及び装置について述べたが、基材3の中央に切り欠き
部が設けられているときも、同様の方法で切り欠き部の
端縁を処理することができる。
【0043】
【発明の効果】この発明は積層体の端末仕上方法におい
て、従来のようにタッカー針や接着剤を使用しないの
で、針の進入深さのバラツキによる外観品質の欠陥や接
着剤の耐久性等に依存する接着力の変動をなくすること
ができるとともに、係止範囲が広くとも一時に処理する
ことができるので、巻込み融着作業が短時間に終了し極
めて経済的である。
【0044】さらにこの発明の方法、及び装置におい
て、基材の溶融にあたり加熱バーの温度を基材材料の融
点より150℃以上高い温度に設定することにより、溶
融した基材材料が加熱バーに粘着し、その付着物が発
煙、燃焼、炭化等することがない。また加熱バーをその
ような高い温度にすることにより、基材の溶融を10秒
以内に実施することができ、サイクルタイム短縮するこ
とができた。さらに加熱バーに弗素樹脂コーティング等
の粘着防止処理を施す必要性は全くなかった。
【0045】加熱バーを上記温度で、かつ基材厚さの1
5〜25%の深さまで溶融する方法及びそのための手段
を採用しているから、加熱バーで溶融された基材部分に
はその幅方向両側に盛り上がり部分が形成されるので、
その部分が冷え難く高い融着強度が得られ、かつその強
度にバラツキのない積層製品が得られた。
【0046】この発明の装置において、各手段は独立し
て作動させることが可能であるから、一つの手段を実施
中に他の手段を準備位置まで移動させることができるの
で、この点からもサイクルタイムを短縮することができ
た。
【0047】
【図面の詳細な説明】
【図1】この発明の端末仕上しようとする積層体の斜視
図である。
【図2】完成した積層製品の斜視図である。
【図3】図1の積層体の端末部の一例を示す断面図であ
る。
【図4】従来のタッカ−針による端末仕上方法による端
末部断面図である。
【図5】従来の接着剤による端末仕上方法による端末部
断面図である。
【図6】従来のタッカー針により欠陥が生じる例を示す
端末部断面図である。
【図7】本発明の仕上装置の一部を省略し、一部を断面
で示した側面図である。
【図8】積層体の固定及び基材部分の溶融工程を示す一
部断面で示した説明図である。
【図9】積層体の固定及び基材部分の溶融工程を示す一
部断面で示した説明図である。
【図10】積層体の固定及び基材部分の溶融工程を示す
一部断面で示した説明図である。
【図11】積層体の固定及び基材部分の溶融工程を示す
一部断面で示した説明図である。
【図12】加圧バー及び横押しバーの移動と表皮材はみ
出し部の基材巻き込み工程を示す一部断面の説明図であ
る。
【図13】加圧バー及び横押しバーの移動と表皮材はみ
出し部の基材巻き込み工程を示す一部断面の説明図であ
る。
【図14】加圧バー及び横押しバーの移動と表皮材はみ
出し部の基材巻き込み工程を示す一部断面の説明図であ
る。
【図15】加熱バーにより基材部分を溶融したときの状
態を示す説明図である。
【図16】基材部分に表皮材を融着したときの状態を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 積層体 2 表皮材 3 基材 6 受け型 21 はみ出し部 71 横押しバー 81 加圧バー 94 押え板 96 加熱バー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:58 B29L 31:58 (56)参考文献 特開 平4−241928(JP,A) 特開 昭61−3730(JP,A) 特開 平2−204123(JP,A) 特開 昭62−257833(JP,A) 特開 平2−89618(JP,A) 特開 昭62−230322(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性合成樹脂製の基材と、その基材
    表面側に接する裏面側はその基材と融着可能な材料から
    なり、かつその基材の外周形状より一回り大きなはみ出
    し部を設けた表皮材とからなる積層体を、表皮材はみ出
    し部で基材端末を巻き込み、はみ出し部端縁を基材の裏
    面側に融着係止する方法において、次の各工程をその順
    に実施することを特徴とする積層体の端末部仕上方法。 (イ)積層体の表皮材はみ出し部を除く表皮材外形と略
    合致する形状のキャビィティを設けた受け型に積層体を
    押え板で固定する工程 (ロ)基材裏面の表皮材係止位置を、基材材料の融点よ
    り150℃以上高い温度に設定された加熱バーで、基材
    厚さの15〜25%の深さまで溶融する工程 (ハ)表皮材はみ出し部を、横押しバーで基材端末面に
    沿わせる工程 (ニ)基材端末面に沿わされた表皮材はみ出し部端縁
    を、加圧バーで基材裏面の表皮材係止位置に圧着する工
  2. 【請求項2】 熱可塑性合成樹脂製の基材と、その基材
    表面側に接する裏面側はその基材と融着可能な材料から
    なり、かつその基材の外周形状より一回り大きなはみ出
    し部を設けた表皮材とからなる積層体を、表皮材はみ出
    し部で基材端末を巻き込み、はみ出し部端縁を基材の裏
    面側に融着係止する装置において、次の各手段を有しか
    つその順で各手段が実質的に作動することを特徴とする
    積層体の端末部仕上装置。 (イ)積層体の表皮材はみ出し部を除く表皮材外形と略
    合致する形状のキャビティを設けた受け型及び受け型に
    積層体を押え板で固定する手段 (ロ)基材裏面の表皮材係止位置を、基材材料の融点よ
    り150℃以上高い温度に設定された加熱バーで、基材
    厚さの15〜25%の深さまで溶融する手段 (ハ)(ロ)の加熱バーを元の位置に復帰させる手段 (ニ)表皮材はみ出し部を、横押しバーで基材端末面に
    沿わせる手段 (ホ)基材端末面に沿わされた表皮材はみ出し部端縁
    を、加圧バーで基材裏面の表皮材係止位置に圧着する手
    段 (ヘ)(ホ)の加圧バーを元の位置に復帰させる手段 (ト)(ハ)の横押しバーを元の位置に復帰させる手段 (チ)(イ)の押え板を元の位置に復帰させる手段
JP3053658A 1991-02-27 1991-02-27 積層体の端末部仕上方法及びその装置 Expired - Fee Related JP2524899B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3053658A JP2524899B2 (ja) 1991-02-27 1991-02-27 積層体の端末部仕上方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3053658A JP2524899B2 (ja) 1991-02-27 1991-02-27 積層体の端末部仕上方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04272828A JPH04272828A (ja) 1992-09-29
JP2524899B2 true JP2524899B2 (ja) 1996-08-14

Family

ID=12948961

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3053658A Expired - Fee Related JP2524899B2 (ja) 1991-02-27 1991-02-27 積層体の端末部仕上方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2524899B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4688306B2 (ja) * 2001-02-13 2011-05-25 株式会社タケヒロ 表皮材巻き込み装置
JP4683838B2 (ja) * 2003-12-25 2011-05-18 テイ・エス テック株式会社 車両用座席の製造装置
JP4521817B2 (ja) * 2005-02-16 2010-08-11 河西工業株式会社 自動車用内装部品の製造方法
JP5847739B2 (ja) * 2013-02-12 2016-01-27 河西工業株式会社 自動車用内装部品の表皮材貼付構造
FR3064564B1 (fr) * 2017-04-03 2019-06-14 Treves Products, Services & Innovation Panneau de garnissage interieur de vehicule automobile
CN107364149A (zh) * 2017-09-11 2017-11-21 长春富维安道拓汽车饰件系统有限公司 一种复杂汽车内饰产品的翻边滑块装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04272828A (ja) 1992-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5573617A (en) Method of making a two-tone interior vehicle trim panel skin
US5076880A (en) Apparatus for manufacturing trim panels including several trim components
US4923539A (en) Method and apparatus for manufacturing trim panels including several trim components
US4718153A (en) Cushion manufacturing process
JP4576024B2 (ja) 表皮一体成形品の製造方法および装置
US5919324A (en) Method of securing decorative insert to underlying plastic skin for trim panel
JP5692236B2 (ja) 自動車のトリムパネル
JP2524899B2 (ja) 積層体の端末部仕上方法及びその装置
JP3896018B2 (ja) 二三輪車用シートの製造装置並びに製造方法
JPS5914348B2 (ja) 自動車用内装部品の製造方法
JPH0615069A (ja) クッションパッドに対するシート表皮の接着固定方法
US6821367B1 (en) Ultrasonic tool and method for securing a covering to a frame
EP2065153A2 (en) A method for manufacturing leather or delicate upholstery paneling, specifically for automotive interiors
JP2533341B2 (ja) 自動車用内装材の製造方法
JP3494705B2 (ja) 発泡成形品の製造方法
JPS61257672A (ja) 座席体
JPH11179733A (ja) 多層成形品の表皮材端末部巻込み装置および巻込み方法
JPH0513053B2 (ja)
JPH0156660B2 (ja)
JPH0788040B2 (ja) 自動車用ドアトリムの製造方法
JPH0866571A (ja) 部分接着積層材の製造方法及び装置
EP0323530A1 (en) Cushion manufacturing process
JPH09254174A (ja) 発泡性基材の成形方法
JPH07266424A (ja) 合成樹脂基材への加飾方法
JPH05200873A (ja) オーナメント付き成形品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080531

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090531

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090531

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100531

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees