JPH05301291A - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法

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JPH05301291A
JPH05301291A JP4134284A JP13428492A JPH05301291A JP H05301291 A JPH05301291 A JP H05301291A JP 4134284 A JP4134284 A JP 4134284A JP 13428492 A JP13428492 A JP 13428492A JP H05301291 A JPH05301291 A JP H05301291A
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哲夫 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、従来の仮縫い工程の困難
さを克服し、自由な形状の中間製品に対しても容易に対
応でき迅速かつ安価に中間製品である積層体を製造する
方法を提供することである。 【構成】 この発明は、少なくとも一方が熱伝導性を有
する材料から成る基材1と表皮2との間の少なくとも接
着しようとする個所に熱可塑性樹脂3を介在させる工程
と、熱伝導性を有する材料から成る加熱する側の基材1
又は表皮2の上に接着しようとする基材1と表皮2との
個所に応当する個所以外をおおい熱を遮断するとともに
形状加工の容易なウレタンフォームやメラミンフォーム
等の断熱材4を載置する工程と、間に熱可塑性樹脂3を
介在させた基材1と表皮及び断熱材4を熱プレス機5に
セットして断熱材4側から加熱するとともに全体を加圧
する工程と、次いで熱プレス機5から取出して溶融した
熱可塑性樹脂3を冷却固化して基材1と表皮2とを接着
する工程とから成るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両用や家具用のシ
ート、クッション、ソファあるいは衣服等の中間製品と
なる積層体の製造方法、例えば表皮として皮革を使用
し、基材としてウレタンフォームを使用し、表皮と基材
とを部分的に接着した中間製品の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の例えば皮革製シートでは、発泡体
と皮革とを所定の形状の部分品毎に細かく裁断し、各部
分品毎に発泡体と皮革とを重ね合せ、その周縁部をミシ
ンで縫製(仮縫い)して中間製品を作っていた。このよ
うな中間製品をシートパッドの所定の位置に配置し、各
中間製品同士の周縁部を縫い合せ(本縫い)て皮革製シ
ートを製造していた。
【0003】また、中間製品が50〜100mm程度の厚
いものでは、高周波や熱プレスにより構成材料の一部を
溶融させて接着するものも知られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ミシンによる縫製は、
その自由自在に縫っている様を見るとごく簡単そうに見
えるが、ミシン自体の種類も数多くあることより類推で
きるように、その操作には熟練が必要であり、人手不足
或は工数増加の問題があった。また、発泡体と表皮であ
る皮革では、それぞれ伸びや剛軟度等の性状が異なるた
めに仮縫い工程における縫い合せに時間がかかってい
た。特に皮革を使用した場合、一般の織物に比べて硬
く、品質のばらつきも大きく、このような皮革と軟らか
く伸びも大きい発泡体とを縫合するには、大きな困難を
伴っていた。高周波や熱プレスにより中間製品を製造す
る場合、直線等の形状を部分接着するためには、その形
状の金型を必要としていた。金型を作成すれば、同じ形
状のものを正確に多数生産することができるが、ミシン
で縫製する場合のように自由自在な形状をすぐに製造す
ることはできないものであった。また、金型を設計,作
成する時間が必要であり、少数の多種形状のものを作成
するにはコストと時間がかかり過ぎるという不都合があ
った。
【0005】そこで、この発明は、従来の仮縫い工程の
困難さを克服するとともに、少数の多種形状のものを容
易かつ安価に製造することができる方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明は、少なくとも一方が熱伝導性を有する材
料から成る基材と表皮との間の少なくとも接着しようと
する個所に熱可塑性樹脂を介在させる工程と、熱伝導性
を有する材料から成る加熱する側の基材又は表皮の上に
接着しようとする基材と表皮との個所に応当する個所以
外をおおい熱を遮断するとともに形状加工の容易なウレ
タンフォームやメラミンフォーム等の断熱材を載置する
工程と、間に熱可塑性樹脂を介在させた基材と表皮及び
断熱材を熱プレス機にセットして断熱材側から加熱する
とともに全体を加圧する工程と、次いで熱プレス機から
取出して溶融した熱可塑性樹脂を冷却固化して基材と表
皮とを接着する工程とから成るものである。
【0007】
【作用】この発明において、中間製品である積層体、例
えば皮革シートの中間製品を製造する場合、皮革と発泡
体とを仮縫いする工程に変えて間に介在させた熱可塑性
樹脂を加熱溶融させるとともに冷却固化することにより
皮革と発泡体を結合させるため容易かつ迅速に中間製品
である積層体を製造することができる。また、加熱時に
はメラミンフォーム等の断熱材を介在させてあるため、
断熱材がおおった個所では熱を遮断し、接着しようとす
る個所のみを確実に接着することが可能となる。さら
に、メラミンフォーム等の断熱材は形状加工が容易であ
り、中間製品の形状に合せて加工することができ、ミシ
ン縫製の場合のように自由自在な形状をすぐに貼合せる
ことが可能となる。特にメラミンフォームを熱圧縮成型
したものでは、薄く、断熱性にも優れ、耐久性も良い。
【0008】
【実施例】以下に、この発明の好適な実施例を図面を参
照にして説明する。図1に示す実施例では、基材1と表
皮2との間の少なくとも接着しようとする個所に熱可塑
性樹脂3を介在させ、表皮2の上に接着しようとする基
材1と表皮2との個所に応当する個所以外をおおい熱を
遮断するとともに形状加工の容易なウレタンフォームや
メラミンフォーム等の断熱材4を載置する。断熱材4を
表皮2上に載置した状態を図2に示す。基材1,熱可塑
性樹脂3,表皮2,断熱材4を熱プレス機5にセットし
て断熱材4側から加熱するとともに全体を加圧する。熱
プレス機5の熱盤6を断熱材4に押圧したとき、熱盤6
からの熱は断熱材4のない部分を通過して熱伝導性を有
する材料から成る表皮2から熱可塑性樹脂3に伝導す
る。加熱された熱可塑性樹脂3は溶融する。熱盤6の圧
着を除去することにより、熱可塑性樹脂3の溶融部が固
化して表皮2を基材1に接着する。
【0009】基材1としては、クッション性のよいウレ
タンフォーム等の合成樹脂発泡体や繊維集合体等が好適
である。表皮2としては、織物,編み物,不織布などの
繊維生地そして皮革等が用いられる。表皮2と基材1と
の間に介在させる熱可塑性合成樹脂3としては、フィル
ム状,不織布状,粉末状のもの等が使用され、作業性等
を考慮して適宜選択する。ただし、加熱しない部分は成
型後に熱可塑性合成樹脂3が残存するので製品として残
存しては都合の悪い場合には、成型前に基材1側等に予
め固着しておく。好ましくは、粉末状ホットメルトを基
材1等にランダムコーティングしたり、ドットコーティ
ングしておく。また、接着部分の範囲の精度を良くする
ためには断熱材4の厚さの薄いものが良い。また、通常
時の厚さが大きくても成型時に圧縮されて断熱性が損な
われない材料が好適である。一方、はさみ等で簡単に種
々の形状に裁断できるものが好ましいので、フェルトや
ウレタンフォーム等の発泡体が良い。さらに、成型を何
回しても性能が変わらないような耐熱性が要求され、こ
の点も含めて最適な断熱材4としてはメラミンフォーム
が特に好ましい。さらに、耐久性を向上させる方法とし
て、メラミンフォームを熱圧縮成型したものの使用が好
適である。メラミンフォームとしては、特公昭63−8
976号公報に記載されたものの使用は、極めて耐熱性
が良く、耐久性にも優れている。この公報記載のメラミ
ンフォーム(厚さ10mm)の物性は、密度が0.010
6g/cm3 ,引っ張り強度が1.66Kg/cm2 ,破断伸
びが40%,引き裂き強度が0.33Kg/cm,熱伝導率
(24℃)が0.0293Kcal /mh℃であった。こ
のような物性を持つメラミンフォームを熱圧縮成型する
ことにより、使用前に薄くしておくと(10mmの厚みを
3mmの厚みに圧縮する)、へたりが減少し、断熱性能も
変わらなかった。この熱圧縮成型されたメラミンフォー
ムの引き裂き強度が0.73Kg/cmとなった。また20
mmの厚みのものを3mmに熱圧縮成型した場合には引き裂
き強度は1.73Kg/cmとなった。
【0010】なお、表皮2が熱に対して弱く、変質した
り変形する場合には、図3に示すように基材1側から加
熱することもできる。この場合基材1としては熱伝導率
が良いものを用いる。
【0011】次にこの発明の種々の実施例を表1に示
す。
【0012】
【表1】
【0013】表1中実施例1で用いる熱可塑性樹脂3は
ポリアミド系不織布を用い、目付20g/m2 ,メルテ
ィングポイント120℃のものであり、実施例2ではポ
リアミド系粉末を用い、目付30g/m2 ,メルティン
グポイント80℃のものである。また、実施例3乃至5
における熱可塑性樹脂3はポリアミド系粉末,目付30
g/m2 ,メルティングポイント120℃のものを用い
た。また、基材1及び断熱材4におけるかっこ内の数字
は厚みを示し、単位はmmであり、実施例5では上述の公
報記載の20mm厚のメラミンフォームを熱圧縮成型して
3mmとしたものである。さらに、表1の非接着部におけ
る評価は、○は良好すなわち非接着部が接着しない状態
を示し、×は不良、すなわち接着してしまう状態を示
す。また、耐久性の欄における断熱材4の評価は、◎は
優れて良好、○は若干厚さ変化するが良好、△はへたっ
て使用不可となる、×は表面がボソボソとなる状態をそ
れぞれ示す。積層条件のAは表皮2側から加熱した場合
を示し、Bは基材1側から加熱した状態を示すものであ
る。
【0014】断熱材4の素材としては、表2に示すよう
に種々のものを試してみた。
【0015】
【表2】
【0016】表2中の数字はそれぞれ厚み、単位mmを示
す。ここでは、表1における積層条件Bの方法を用い、
断熱性における評価において、○は2回行なっても異常
がなかったもの、△は2回目で熱がこもったもの、×は
1回でだめになったものを示す。断熱性については、非
接着部が接着しないことが要求されている。耐久性の評
価において、○は10回以上の使用に耐えたもの、×は
10回以上の使用に耐えなかったものを示す。耐久性に
ついは高温で変質,変形せずに繰り返しの使用に耐える
ことが要求されている。加工性については一定のサイズ
形状に簡単にはさみ等で裁断できることが要求され、は
さみで簡単に裁断できるものを○、できないものを×と
した。また、断熱材4が厚いと断熱材4の端部の接着部
と非接着部の境界が曖昧となり、精度が悪くなる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の製造方
法によれば、断熱材は形状加工が容易であるため、基材
や表皮の形状に合わせて自由に加工することができ、断
熱材でおおった部分は熱が遮断されるため、断熱材でお
おわれていない個所に応当する個所の熱可塑性樹脂が加
熱溶融され、基材と表皮とが容易かつ迅速に接着でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の製造方法を説明する断面図。
【図2】図1のII−II線上から見た断熱材の配置状態を
示す平面図。
【図3】基材側から加熱する場合の製造方法を示す断面
図。
【符号の説明】
1 基材 2 表皮 3 熱可塑性樹脂 4 断熱材 5 加熱プレス機

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が熱伝導性を有する材料
    から成る基材と表皮との間の少なくとも接着しようとす
    る個所に熱可塑性樹脂を介在させる工程と、熱伝導性を
    有する材料から成る加熱する側の基材又は表皮の上に接
    着しようとする基材と表皮との個所に応当する個所以外
    をおおい熱を遮断するとともに形状加工の容易なウレタ
    ンフォームやメラミンフォーム等の断熱材を載置する工
    程と、 間に熱可塑性樹脂を介在させた基材と表皮及び断熱材を
    熱プレス機にセットして断熱材側から加熱するとともに
    全体を加圧する工程と、 次いで熱プレス機から取出して溶融した熱可塑性樹脂を
    冷却固化して基材と表皮とを接着する工程とから成る積
    層体の製造方法。
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Cited By (10)

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