JP2014171801A - 表皮一体発泡成形品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表皮一体発泡成形品(例えば、ヘッドレスト)1は、表皮10と、ステー30と、パッド材40とを有している。表皮10は、裏面側に発泡合成樹脂の含浸が可能な層を有する表皮材11が、加熱及び加圧されて立体的な形状に成形され、開口部18を有し且つその開口部18における開口端の周縁が内側方向に折り曲げられた折り曲げ部12a,16a同士が接触してその開口部18が閉じられたものである。ステー30は、一部が表皮10内に埋設されている。パッド材40は、折り曲げ部12a,16a同士の接触箇所18a,18b,18cを含む表皮10内に充填された発泡合成樹脂が表皮10と一体発泡されて形成されたものである。
【選択図】図1
Description
前記表皮は、裏面側に発泡合成樹脂の含浸が可能な層を有する表皮材が、加熱及び加圧されて立体的な形状に成形され、開口部を有し且つ前記開口部における開口端の周縁が内側方向に折り曲げられた折り曲げ部同士が接触して前記開口部が閉じられるものである。更に、前記パッド材は、前記折り曲げ部同士の接触箇所を含む前記表皮内に充填された前記発泡合成樹脂が前記表皮と一体発泡されて形成されたものである。
図1(a)〜(c)は、本発明における実施例1の表皮一体発泡成形品(例えば、車両用のヘッドレスト)を示す概略の構成図であり、同図(a)はヘッドレストの全体の斜視図、同図(b)は同図(a)中のI1−I1断面拡大図、及び同図(c)は表皮材の拡大断面図である。
図2−1(1)〜(5)、及び図2−2(6)は、図1中の表皮10の表皮形成工程例を示す概略の製造工程図である。
ロール50に巻かれた帯状の図1(c)の表皮材11の繰り出し方向には、ヒータ51とプレス52が設置されている。プレス52は、表皮形成型としての上型52a及び下型52bを備え、上型52aと下型52bとが上下動して離接可能な構造になっている。上型52aは、上部52a−1と、この下方に配置された複数の側部52a−2,52a−3とが、離接可能な構造になっている。
プレス52の下型52bが上昇して表皮材11の裏側に接触する。この間も次のショットの表皮材11が、ヒータ51にて加熱されている。
プレス52において、表皮10の特性により、ブロウ及び真空引きが行われる。
プレス52において、上型52aの上部52a−1と側部52a−2,52a−3とが離間し、上部52a−1が下降して表皮材11が下型52bの上面に圧接されると共に、側部52a−2,52a−3が横方向に移動してその表皮材11が下型52bの側面に圧接される。これにより、表皮材11が上下左右から加圧成形され、図1(a)に示す表皮材11の前部12、上部13、後部14、側部15,16、及び下部17−1,17−2が形成される。
プレス52の上型52aと下型52bとが上下に離間し、所定の形状に一体成形された表皮材11のショットがプレス52から排出されると共に、次の表皮材11が上型52aと下型52bとの間に送られてくる。成形された表皮材11は、プレス52から排出する前に又は排出した後に、強制冷却あるいは自然冷却により冷却されて固化され、所定の形状に保持される。
図示しない裁断工程にて、表皮材11が1ショット毎に裁断され、立体的な表皮10が完成する。
図3−1(1)、(2)、図3−2(3)、(4)、及び図3−3(5)は、図1のヘッドレスト1におけるパッド材40の製造例を示す概略の工程図である。
発泡に使用する発泡成形型60は、図3−3(5)に示すように、2つの上型61,62と2つの下型63,64との4つの分割型から構成され、内部にヘッドレスト形状のキャビティ65が形成されている。各上型61,62において、それらの下面には、分割面61a,62aがそれぞれ形成され、それらの側面にも、分割面61b,62bがそれぞれ形成されている。下型63の上面には、上型61の分割面61aに当接する分割面63aが形成され、下型63の下部にも、分割面63bが形成されている。更に、下型64の上面には、上型62の分割面62aに当接する分割面64aが形成され、下型64の下部にも、下型63の分割面63bに当接する分割面64bが形成されている。上型61と下型63とは、ヒンジ66によって開閉自在に連結され、上型62と下型64とは、ヒンジ67によって開閉自在に連結され、更に、下型63と下型64とは、ヒンジ68によって開閉自在に連結されている。上型61の分割面61bと上型62の分割面62bとの当接箇所には、2つのステー挿通用の孔69,70と、1つの発泡合成樹脂注入用の孔71とが形成されている。
表皮10の下部17−1及び前部12を図3−2(3)の矢印方向へ折り畳み、その下部17−1及び前部12の周縁の折り曲げ部17−1a,12aを、表皮10における開口部18の周縁の折り曲げ部15a,16a,17−2a内に挿入する。これにより、図1(b)に示すように、下部17−1及び前部12の周縁の折り曲げ部17−1a,12aと、開口部18の周縁の折り曲げ部15a,16a,17−2aとが接触し、表皮10が袋状に折り畳まれる。
発泡成形型60において、ヒンジ68を軸にして下型63と下型64とを閉じると共に、ヒンジ66,67を軸にして上型61,62をそれぞれ下型63,64方向へ閉じる。これにより、袋状に折り畳まれた表皮10と、この表皮10内に収容されたステー30の基枠部33とが、発泡成形型60のキャビティ65内に収容される。
本実施例1のヘッドレスト1及びその製造方法によれば、次の(1)〜(5)のような効果がある。
図4は、本発明における実施例2の表皮一体発泡成形品(例えば、車両用のシートバック)を示す概略の斜視図である。更に、図5(1)、(2)は、図4中のI2−I2断面箇所のシートバックの製造例を示す概略の工程図である。
図4及び図5(1)、(2)に示す前側用表皮90−1及び後側用表皮90−2は、実施例1の表皮10と同様に、プレスを用いた加熱及び加圧成形により製造される。
発泡成形型110の上型111と下型112を上下に開く。準備しておいた前側用表皮90−1及び後側用表皮90−2の内、前側用表皮90−1を下型112内に装着し、後側用表皮90−2を上型111内に装着する。この時、前側用表皮90−1の折り曲げ部90−1aと、後側用表皮90−2の折り曲げ部90−2aとは、キャビティ113の内側に折り曲がった状態になっている。又、上部92の後縁側と両側部93,94の後縁側と下部95の後縁側とにより、前側用表皮90−1の開口部97が形成されている。次に、図示しないシートバック用のフレームを前側用表皮90−1及び後側用表皮90−2間に挿入する。
図示しない発泡合成樹脂注入用のノズルから発泡成形型110の下型112へ発泡合成樹脂を注入し、発泡成形型110の上型111と下型112を上下に閉じる。上型111と下型112を閉じると、発泡成形型110のキャビティ113内に収容された前側用表皮90−1の折り曲げ部90−1aと後側用表皮90−2の折り曲げ部90−2aとが、接合箇所96において相互に接合される。
本実施例2のシートバック80及びその製造方法によれば、次の(1)〜(4)のような効果がある。
本発明は、上記実施例1、2に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(c)のようなものがある。
10 表皮
11 表皮材
11a 表皮層
11b 弾性層
11c 不織布層
12a,15a,16a,17−1a,17−2a,90−1a,90−2a 折り曲げ部
18a,18b,18c,96 接合箇所
30 ステー
40,100 パッド材
51 ヒータ
52 プレス
60,110 発泡成形型
80 シートバック
Claims (10)
- 裏面側に発泡合成樹脂の含浸が可能な層を有する表皮材が、加熱及び加圧されて立体的な形状に成形され、開口部を有し且つ前記開口部における開口端の周縁が内側方向に折り曲げられた折り曲げ部同士が接触して前記開口部が閉じられる表皮と、
前記折り曲げ部同士の接触箇所を含む前記表皮内に充填された前記発泡合成樹脂が前記表皮と一体発泡されて形成されたパッド材と、
を有することを特徴とする表皮一体発泡成形品。 - 請求項1記載の表皮一体発泡成形品は、更に、
一部又は全部が前記表皮内の前記パッド材に埋設されたフレームを有することを特徴とする表皮一体発泡成形品。 - 前記表皮材は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性繊維を含む複数の層により形成され、
前記表皮材における前記裏面側の前記層は、不織布層であることを特徴とする請求項1又は2記載の表皮一体発泡成形品。 - 前記表皮材における表面側の層は、布地、天然皮革、又は樹脂フィルムのいずれか1つの表皮層からなることを特徴とする請求項3記載の表皮一体発泡成形品。
- 前記表皮一体発泡成形品は、車両用のヘッドレスト、アームレスト、シートバック又はシートクッションのいずれか1つであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表皮一体発泡成形品。
- 加熱及び加圧成形により所定の形状に保持され、裏面側に発泡合成樹脂の含浸が可能な層を有する表皮材を、加熱及び加圧成形して、開口部を有し且つ前記開口部における開口端の周縁が内側方向に折り曲げられた折り曲げ部を有する立体的な表皮を一体形成する表皮形成工程と、
前記表皮を発泡成形型に装着すると共に、前記表皮における前記折り曲げ部同士を接触させて前記開口部を閉じる発泡成形型装着工程と、
前記折り曲げ部同士の接触箇所を含む前記表皮内に前記発泡合成樹脂を充填し、前記発泡合成樹脂を前記表皮と一体発泡させてパッド材を形成するパッド材形成工程と、
を有することを特徴とする表皮一体発泡成形品の製造方法。 - 前記発泡成形型装着工程では、更に、
フレームの一部又は全部を前記表皮内に配置して前記発泡成形型に装着することを特徴とする請求項6記載の表皮一体発泡成形品の製造方法。 - 前記表皮材は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性繊維を含む複数の層により形成され、
前記表皮材における前記裏面側の前記層は、不織布層であることを特徴とする請求項6又は7記載の表皮一体発泡成形品の製造方法。 - 前記表皮材における表面側の層は、布地、天然皮革、又は樹脂フィルムのいずれか1つの表皮層からなることを特徴とする請求項8記載の表皮一体発泡成形品の製造方法。
- 前記フレームは、ヘッドレスト用フレーム、アームレスト用フレーム、シートバック用フレーム又はシートクッション用フレームのいずれか1つであることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の表皮一体発泡成形品の製造方法。
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