JP2011234968A - シートカバー及びそれを用いたシート - Google Patents

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誠▲厳▼ 大塚
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Abstract

【課題】シートカバーの軽量化と、パッド材への装着の容易化と、装飾性の向上を図る。
【解決手段】車両用シートの背もたれ部20は、背もたれ用のパッド材30と、このパッド材30の表面を被覆し、パッド材30の変形に応じて柔軟に変形するシートカバー40とにより構成されている。パッド材30は、背もたれ部20に対応した形状をしている。シートカバー40は、背もたれ部20に対応した形状の表皮材50を有している。表皮材50は、加熱及び加圧成形により所定の形状に保持され、裏面側がパッド材30の表面に着脱自在に係合してそのパッド材30の表面を被覆する部材であり、パッド材30の凹凸部(例えば、凸部31a)に嵌合するための嵌合部(例えば、凹部51a)が形成された背部51と、両側部52,53と、頂部54と、パッド材30の裏部36における上部及び両側部に回り込んで係止される係止部56とが一体成形されて構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用等におけるシートのパッド材の表面を被覆するシートカバーと、それを用いたシートに関するものである。
図7(a)、(b)は、例えば、特許文献1に記載された従来の車両用シートを示す構成図であり、同図(a)は全体の斜視図、及び同図(b)は同図(a)中のI1−I2線拡大断面図である。
この車両用シート10は、背もたれ部11と、座部12と、ヘッドレスト13とにより構成されている。背もたれ部11は、使用者の背中側の背部11aと、この背部11aの左右から前方の使用者に向かって張り出すことで使用者を左右から保持する両側部11b,11cと、背部11aの上端の頂部11dとを有している。背もたれ部11は、発泡ウレタン製のパッド材14が、表皮材15を有するシートカバーで覆われた構造をしている。シートカバーを構成する表皮材15は、例えば、第1の表皮材15−1、第2の表皮材15−2のように複数に分割され、端部の縫い目16で継ぎ合わされて、パッド材14の引き込み溝14aに取り付けられている。縫い目16の部分には、図示しないワイヤや面ファスナー等が取り付けられ、これらのワイヤや面ファスナー等を用いて縫い目16の部分を引き込み溝14a内に固定する構造になっている。
又、特許文献2には、車両用シートに用いられるシートカバーの製造方法が記載されている。このシートカバーの製造では、荒裁ちされた不織布シートを型に固定し、この不織布シートの表面を保護カバーで覆い、不織布シートを加熱して型の外形に沿った立体的な形状のシートカバーに加工した後、カバー材を外し、シートカバーを型から取り外す。このようにして成型されたシートカバーを用い、ウレタン樹脂等を注入してパッド材の成形を行い、シートを製造するようになっている。
特開2010−5183号公報 特開2009−220445号公報
しかしながら、従来のシートカバー及びそれを用いたシートでは、次の(a)、(b)のような課題があった。
(a) 特許文献1のシートカバーでは、縫い目16の部分が多いことと、この縫い目16の部分にワイヤや面ファスナー等が取り付けられるため、重量が大きくなり、しかも、シートカバーをパッド材14へ装着する際に手数を要するという課題があった。
(b) 特許文献2のシートカバーでは、荒裁ちされた不織布シートを型に固定し、この不織布シートの表面を保護カバーで覆い、不織布シートを加熱して型の外形に沿った立体的な形状のシートカバーに加工しているので、シートカバーの製造工程に手数を要す。しかも、製造されたシートカバーを用い、ウレタン樹脂等を注入してパッド材の成形を行い、シートを製造するようになっているので、パッド材の表面形状や構造等における設計上の制約を受けて自由度が小さく、しかも、シート製造工程においても手数を要するという課題があった。
本発明のうちの請求項1に係る発明のシートカバーは、シートのパッド材の表面を被覆し、前記パッド材の変形に応じて柔軟に変形する表皮材を有するシートカバーであって、前記表皮材は、加熱及び加圧成形により所定の形状に保持され、裏面側が前記パッド材の表面に着脱自在に係合して前記パッド材の表面を被覆する構造になっている。
請求項2に係る発明のシートカバーは、請求項1記載のシートカバーにおいて、前記表皮材は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性繊維を含む単一又は複数の層により形成されている。
請求項3に係る発明のシートカバーは、請求項2記載のシートカバーにおいて、前記熱可塑性樹脂又は前記熱可塑性繊維を含む前記単一の層は、布地、天然皮革、又は、樹脂フィルムのいずれか1つであって、前記熱可塑性樹脂又は前記熱可塑性繊維を含有している。
請求項4に係る発明のシートカバーは、請求項2記載のシートカバーにおいて、前記熱可塑性樹脂又は前記熱可塑性繊維を含む前記複数の層は、前記裏面側に設けられ、前記熱可塑性樹脂又は前記熱可塑性繊維を含む不織布層と、前記不織布層の表面側に接着され、布地、天然皮革、又は樹脂フィルムのいずれか1つからなる表皮層と、を有している。
請求項5に係る発明のシートカバーは、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシートカバーにおいて、前記シートのパッド材は、使用者の背中側の背部、前記背部の両側部、前記背部の頂部、前記背部の底部、及び裏部を有する背もたれ部のパッド材であり、前記表皮材は、前記背もたれ部の前記パッド材における前記背部、前記両側部、及び前記頂部の表面に着脱自在に係合する構造になっている。
請求項6に係る発明のシートカバーは、請求項5記載のシートカバーにおいて、前記表皮材は、前記背もたれ部の前記パッド材における前記背部の表面に形成された凹凸部に嵌合する嵌合部を有している。
請求項7に係る発明のシートカバーは、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシートカバーにおいて、前記表皮材の裏面と前記パッド材の表面とは、接着剤又は結合手段により接合されている。
請求項8に係る発明のシートは、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシートのパッド材と、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシートカバーとを備えている。
請求項9に係る発明のシートは、請求項8記載のシートにおいて、前記パッド材は、前記表皮材と接合す表面の硬度が、内部の硬度よりも大きくなっている。
本発明のうちの請求項1〜5に係る発明のシートカバーによれば、表皮材が、加熱及び加圧成形により所定の形状に保持されているので、シートカバーの製造工程を簡易化でき、全体を軽量化でき、更に、汚れた場合には洗濯も可能である。表皮材をパッド材に着脱自在に係合させて装着する構造になっているので、シートカバーをパッド材に容易に装着でき、シート製造工程を簡易化できる。
請求項6に係る発明のシートカバーによれば、表皮材側の嵌合部をパッド材側の背部の凹凸部に嵌合させて装着する構造になっているので、表皮材の裏面とパッド材の表面との接合力を大きくすることができる。しかも、凹凸部に嵌合する嵌合部を設けているので、この形状を種々の形態にデザインすることにより、装飾性を向上できる。
請求項7に係る発明のシートカバーによれば、表皮材の裏面とパッド材の表面とを、接着剤又は結合手段により接合しているので、両者の接合力が補強されてその接合力がより大きくなる。
請求項8及び9に係る発明のシートによれば、前記発明のシートのパッド材とシートカバーとを備えているので、シートの軽量化と、製造工程の簡易化と、装飾性の向上を図ることができる。その上、パッド材の種々の表面形状や構造等に対してシートカバーの形状を容易に適合させることができるので、パッド材の表面形状や構造等における設計が容易になる。
図1は本発明の実施例1における車両用シートカバー及びシートの背もたれ部を示す概略の構成図である。 図2は車両用シートカバーが装着されたシートの背もたれ部を示す概略の構成図である。 図3は図1中の表皮材50の拡大断面を示す模式図である。 図4は図1(a)、(b)のシートカバー40の製造例を示す概略の工程図である。 図5は本発明の実施例2のシートの背もたれ部における凹凸部を示す拡大断面図である。 図6は本発明の実施例3における表皮材の拡大断面を示す模式図である。 図7は従来の車両用シートを示す構成図である。
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1の構成)
図1(a)〜(c)は、本発明の実施例1における車両用シートカバー及びシートの背もたれ部を示す概略の構成図であり、同図(a)はシートカバーの表面側から見た斜視図、同図(b)はシートカバーの裏面側から見た斜視図、及び同図(c)は背もたれ部のパッド材へのシートカバーの装着状態を示す斜視図である。図2(a)〜(c)は、車両用シートカバーが装着されたシートの背もたれ部を示す概略の構成図であり、同図(a)はシートの背もたれ部の表面側から見た斜視図、同図(b)は同図(a)中のI11−I12線拡大断面図、及び同図(c)は同図(b)中のI13部分の拡大図である。
車両用シートの背もたれ部20は、背もたれ用のパッド材30と、このパッド材30の表面を被覆し、パッド材30の変形に応じて柔軟に変形するシートカバー40とにより、構成されている。
背もたれ用のパッド材30は、背もたれ部20に対応した形状をなし、使用者の背中側の背部31と、この背部31の左右から前方の使用者に向かって張り出すことで使用者を左右から保持する両側部32,33と、背部31の上端の頂部34と、背部31の底部35と、裏部36とにより構成されている。背部31には、引き込み溝、キャラクタライン、キャラクタ等の凹凸部(例えば、断面弧状の複数の凸部31a)が形成されている。頂部34には、ヘッドレストを挿着するための挿入穴34a,34bが形成されている。このパッド材30は、例えば、パッド成形型を用い、軟質ウレタン樹脂等を発泡させて形成されている。
パッド材30は、表面にシートカバー20が着脱自在に係合されるので、係合の容易化や機械的強度を大きくするために、このパッド材30のシートカバー裏面との接合箇所における表面30aの硬度が、パッド材内部の硬度よりも大きくなっていることが望ましい。なお、パッド材30の全体の表面30aにおける硬度を、パッド材内部の硬度よりも大きくしてもよい。パッド材30の表面30aの硬度を内部の硬度よりも大きくするには、その表面30aを熱溶融するか、あるいは樹脂等を塗布すればよい。
シートカバー40は、パッド材30に対応した形状の表皮材50と、この表皮材50に対して縫製等により接合された上下2枚の回り込み部材61,62とにより構成されている。
表皮材50は、加熱及び加圧成形により所定の形状に保持され、裏面側がパッド材30の表面30aに着脱自在に係合してそのパッド材30の表面30aを被覆する部材であり、パッド材30の凹凸部(例えば、断面弧状の複数の凸部31a)に嵌合するための嵌合部(例えば、断面弧状の複数の凹部51a)が形成された背部51と、両側部52,53と、ヘッドレスト挿入用の挿入孔54a,54bが形成された頂部54と、パッド材30の裏部36における上部及び両側部に回り込んで係止される係止部56とが一体成形されて構成されている。
表皮材50の裏面とパッド材30の表面30aとは、この両者の接合力を増すために、例えば、接着剤により接着したり、あるいは結合治具等の結合手段を用いて接合してもよい。
上方の回り込み部材61は、係止部56の上部に縫製等により接合され、パッド材30の裏部36に上から回り込んで包み込む布状の部材である。更に、下方の回り込み部材62は、背部51の下部に縫製等により接合され、パッド材30の裏部36に下から回り込んで包み込む布状の部材である。
図3は、図1中の表皮材50の拡大断面を示す模式図である。
表皮材50は、裏面側に設けられた不織布層50aと、この不織布層50aの表面側に接着された表皮層50bとの2層構造をしている。
不織布層50aは、天然繊維、化学繊維等の繊維からなる不織布で構成されている。不織布を構成する繊維として、例えば、天然繊維の場合には、綿、ウール、麻等を用いることができ、化学繊維の場合には、レーヨン等の再生繊維や、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル等の合成繊維を用いることができる。又、不織布層50aを構成する繊維は、短繊維でもよいし、スパンボンド等の長繊維でもよいし、あるいは、短繊維及び長繊維を混合したものでもよい。
表皮層50bは、織物、編物、不織布あるいは合成皮革のいずれか1つの布地、又は、天然皮革や、樹脂フィルム等により構成され、接着剤や熱融着等により不織布層50a上に接着されている。表皮層50bは、不織布層50aの表面を保護し、更に、装飾性を向上させる機能等を有している。
不織布層50aは、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等の熱可塑性樹脂又は熱可塑性繊維を含有することが好ましい。不織布層50aに含有された熱可塑性樹脂又は熱可塑性繊維は、金型や樹脂型等の型を用いたプレス加工により加熱及び加圧成形を行う時に、加熱により溶融して不織布層50aが柔らかくなり、型に対する形状追従性が向上し、複雑な形状を有する型であっても不織布層50aを所望の形状へ成形することができる。更に、冷却後には、溶融していた熱可塑性樹脂又は熱可塑性繊維が固化することで、加熱及び加圧成形後に得られる表皮材50に高い形状保持性を与えることができる。又、不織布層50aに熱可塑性樹脂又は熱可塑性繊維を含有させることで、加熱処理により、不織布層50aと表皮層50bとを融着することもできる。
(実施例1のシートカバーの製造例)
図4(1)〜(5)は、図1(a)、(b)のシートカバー40の製造例を示す概略の工程図である。
本実施例1のシートカバー40は、プレスを用いた加熱及び加圧成形により、例えば、以下の製造工程(1)〜(5)にて製造される。
(1) ロール70に巻かれた帯状の表皮材70aの繰り出し方向には、ヒータ71とプレス72が設置されている。プレス72は、金型又は樹脂型等で構成された上型72a及び下型72bを備え、上型72aと下型72bとが上下動して離接可能な構造になっている。上型72aは、上部72a−1と、この下方に配置された複数の側部72a−1,72a−2とが、離接可能な構造になっている。
帯状の表皮材70aは、ロール70から繰り出されてヒータ71にて表側及び裏側から加熱され、軟化する。軟化した表皮材70aは、プレス72において上下に離間した上型72aと下型72bとの間へ送られる。
(2) プレス72の下型72bが上昇して表皮材70aの裏面に接触する。この間も次のショットの表皮材70aが、ヒータ71にて加熱されている。
(3) プレス72において、シートカバー40の特性により、ブロウ及び真空引きが行われる。
(4) プレス72において、上型72aの上部72a−1と側部72a−2,72a−3とが離間し、上部72a−1が下降して表皮材70aが下型72bの上面に圧接されると共に、側部72a−2,72a−3が横方向に移動してその表皮材70aが下型72bの側面に圧接される。これにより、表皮材70aが上下左右から加圧成形され、図1(a)、(b)に示す表皮材50の背部51、側部52,53、頂部54及び係止部56が形成される。
(5) プレス72の上型72aと下型72bとが上下に離間し、所定の形状に一体成形された表皮材50のショットがプレス72から排出されると共に、次の表皮材70aが上型72aと下型72bとの間に送られてくる。成形された表皮材50は、プレス72から排出する前に又は排出した後に、強制冷却あるいは自然冷却により冷却されて固化され、所定の形状に保持される。
次に、図示しない裁断工程にて、表皮材50が1ショット毎に裁断される。その後、表皮材50における係止部56の上部と背部51の下部に、回り込み部材61,62が縫製等により接合され、図1(a)、(b)に示すシートカバー40が完成する。
(実施例1の車両用シートの製造例)
図2の車両用シートの背もたれ部20を製造する場合、例えば、図1(c)に示すように、予め製造された背もたれ用のパッド材30を用意する。所定の形状に保持されたシートカバー40側の係止部56を、パッド材30側の背部31から被せ、シートカバー40側の背部51の凹部51aを、パッド材30側の背部31の凸部31aに嵌合させると共に、シートカバー40側の側部52,53、頂部54及び係止部56を、パッド材30側の側部32,33、頂部34及び裏部36にそれぞれ係合させる。
その後、シートカバー40側の上下の回り込み部61,62を、パッド材30側の裏部36にあてがい、縫製、ワイヤ、接着剤等により固定すれば、シートカバー40をパッド材30に装着でき、図2の背もたれ部20が完成する。なお、表皮材50の裏面とパッド材30の表面30aとを、例えば、接着剤により接着したり、あるいは結合治具等の結合手段により接合すれば、両者の接合力が補強されるので、シートカバー40とパッド材30とをより強固に接合することができる。
(実施例1の効果)
本実施例1のシートカバー40及び車両用シートの背もたれ部20によれば、次の(a)〜(e)のような効果がある。
(a) シートカバー40の表皮材50は、一体成形して所定の形状に保持されているので、シートカバー40の製造工程を簡易化でき、しかも、従来のような縫い目が無く、ワイヤや面ファスナー等も取り付けられていないので、全体を軽量化でき、その上、汚れた場合には洗濯も可能である。
(b) 表皮材50をパッド材30に着脱自在に係合させて装着する構造になっているので、シートカバー40をパッド材30に容易に装着でき、シート製造工程を簡易化できる。
(c) 表皮材50側の背部51の凹部51aをパッド材30側の背部31の凸部31aに嵌合させて装着する構造になっているので、表皮材50の裏面とパッド材30の表面30aとの接合力を大きくすることができる。しかも、凸部31a及び凹部51aを設けているので、この形状を種々の形態にデザインすることにより、装飾性を向上できる。
(d) 表皮材50の裏面とパッド材30の表面30aとを、例えば、接着剤により接着したり、あるいは結合治具等の結合手段により接合して補強すれば、シートカバー40とパッド材30とをより強固に接合することができる。
(e) パッド材30の種々の表面形状や構造等に対してシートカバー40の形状を容易に適合させることができるので、パッド材30の表面形状や構造等における設計(例えば、安全性や通気性等の機能性の向上を図るための設計)が容易になる。
パッド材30において、安全性や通気性の向上を図るための設計としては、例えば、次のようなものがある。
最近の車両用シートにおいて、高級車仕様では、後方からの追突に対してヘッドレストが前方に傾き、使用者の頚椎を保護するようにできている車種もあるが、大衆車仕様では、ヘッドレストを動かす代わりに、使用者の背中から肩部分のパット材の反発力を低くして、衝突時に使用者自身をヘッドレストに密着させて頚椎を守るようになっている。現状の反発力低減対策としては、シートカバーとの適合性の点から、パッド材の表面形状や構造等を自由に設計できないので、パッド材の裏部の形状(例えば、厚さを大きくして反発力を低減する形状)でその効果を発揮させている。これに対し、本実施例1によれば、パッド材30の種々の表面形状や構造等に対してシートカバー40の形状を容易に適合させることができるので、パッド材30の表面形状を自由に設計でき、従来よりも安全性を向上できる。
又、本実施例1によれば、パッド材30の背部31に凹凸部(例えば、凸部31a)を形成することにより、使用者との間に適度な隙間を作ることができる。そのため、最近、空調機能を備えたシートがあるが、その効果を従来よりも拡大できる。
図5(a)、(b)は、本発明の実施例2の背もたれ部20における背部の凹凸部を示す拡大断面図であり、実施例1を示す図2(c)中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
図5(a)に示す背もたれ部20では、パッド材30側の背部31に、断面弧状の複数の凸部31aが形成されると共に、この複数の凸部31a間に深い溝状の凹部31bが形成されている。これらの凸部31a及び凹部31bの表面30aの硬度は、パッド材内部の硬度よりも大きくすることが望ましい。このパッド材30の背部31に対応して、表皮材50側の背部51には、断面弧状の複数の凹部51aが形成されると共に、この複数の凹部51a間に深い溝状の凸部51bが形成されている。
表皮材50をパッド材30に被せる場合、図5(a)に示す実線矢印方向に、表皮材50側の凸部51bをパッド材30側の凹部31bに嵌入すると共に、表皮材50側の凹部51aをパッド材30側の凸部31aに嵌合すれば、表皮材50とパッド材30とを強固に接合できる。
図5(b)に示す背もたれ部20では、パッド材30側の背部31に、断面弧状の複数の凸部31aが形成されると共に、この複数の凸部31a間に略T字形の凹部31cが形成されている。これらの凸部31a及び凹部31cの表面30aの硬度は、パッド材内部の硬度よりも大きくすることが望ましい。このパッド材30の背部31に対応して、表皮材50側の背部51には、断面弧状の複数の凹部51aが形成されると共に、この複数の凹部51a間に略Y字形の凸部51cが形成されている。
表皮材50をパッド材30に被せる場合、図5(b)に示す実線の矢印方向に、表皮材50側の略Y字形の凸部51cをパッド材30側の凹部31cに圧入すると共に、表皮材50側の凹部51aをパッド材30側の凸部31aに嵌合すれば、表皮材50側における略Y字形の凸部51cの先端部分が、図5(b)に示す一点鎖線の矢印方向に、パッド材30側における略T字形の凹部31cの底辺に沿って広がり、その凸部51cの先端部分が凹部31cに嵌入され、表皮材50とパッド材30とを強固に接合できる。なお、略T字形の凹部31cの底辺に、図示しない固定片等を挿入すれば、凸部51cの先端部分と凹部31cの底辺とをより強固に結合することができる。
このように、パッド材30側の背部31における凹凸部の形状や構造と、これに嵌合する表皮材50側の背部51における嵌合部の形状や構造とを、種々工夫することにより、表皮材50とパッド材30との接合強度を向上させることができる。
図6は、本発明の実施例3における表皮材の拡大断面を示す模式図であり、実施例1を示す図3中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例3の表皮材50Aは、熱可塑性樹脂又は熱可塑性繊維を含む単一の層により形成され、例えば、不織布、布地、天然皮革、樹脂フィルム等により構成されている。表皮材50Aに含有される熱可塑性樹脂又は熱可塑性繊維は、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等により形成されている。
このような熱可塑性樹脂又は熱可塑性繊維が表皮材50Aに含有されていると、実施例1及び2と同様に、プレス加工により加熱及び加圧成形を行う時に、加熱により溶融して柔らかくなり、型に対する形状追従性が向上し、複雑な形状を有する型であっても表皮材50Aを所望の形状へ成形することができる。更に、冷却後には、溶融していた熱可塑性樹脂又は熱可塑性繊維が固化することで、加熱及び加圧成形後に得られる表皮材50Aに高い形状保持性を与えることができる。
(変形例)
本発明は、上記実施例1〜3に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(i)、(ii)のようなものがある。
(i) 実施例1、2のシートカバー40及び背もたれ部20の形状、構造、構成材料、製造方法等は、図示以外のものに変形が可能である。例えば、図3の表皮材50において、不織布50aの両面に表皮層50bを形成して3層構造に変形したり、あるいは、その他の層数や断面構造等に変形してもよい。
(ii) 実施例1〜3では、車両用シートの背もたれ部20とこのシートカバー40について説明したが、車両用シートの座部や、あるいは、車両用以外の家具用シート等に適用すれば、実施例1〜3とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
20 車両用シートの背もたれ部
30 パッド材
30a 表面
31,51 背部
31a,51b,51c 凸部
31b,31c,51a 凹部
32,33,52,53 側部
34,54 頂部
36 裏部
40 シートカバー
50,50A 表皮材
50a 不織布層
50b 表皮層
56 係止部

Claims (9)

  1. シートのパッド材の表面を被覆し、前記パッド材の変形に応じて柔軟に変形する表皮材を有するシートカバーであって、
    前記表皮材は、
    加熱及び加圧成形により所定の形状に保持され、裏面側が前記パッド材の表面に着脱自在に係合して前記パッド材の表面を被覆する構造になっていることを特徴とするシートカバー。
  2. 前記表皮材は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性繊維を含む単一又は複数の層により形成されていることを特徴とする請求項1記載のシートカバー。
  3. 前記熱可塑性樹脂又は前記熱可塑性繊維を含む前記単一の層は、
    布地、天然皮革、又は、樹脂フィルムのいずれか1つであって、前記熱可塑性樹脂又は前記熱可塑性繊維を含有することを特徴とする請求項2記載のシートカバー。
  4. 前記熱可塑性樹脂又は前記熱可塑性繊維を含む前記複数の層は、
    前記裏面側に設けられ、前記熱可塑性樹脂又は前記熱可塑性繊維を含む不織布層と、
    前記不織布層の表面側に接着され、布地、天然皮革、又は樹脂フィルムのいずれか1つからなる表皮層と、
    を有することを特徴とする請求項2記載のシートカバー。
  5. 前記シートのパッド材は、使用者の背中側の背部、前記背部の両側部、前記背部の頂部、前記背部の底部、及び裏部を有する背もたれ部のパッド材であり、
    前記表皮材は、前記背もたれ部の前記パッド材における前記背部、前記両側部、及び前記頂部の表面に着脱自在に係合する構造になっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシートカバー。
  6. 前記表皮材は、前記背もたれ部の前記パッド材における前記背部の表面に形成された凹凸部に嵌合する嵌合部を有することを特徴とする請求項5記載のシートカバー。
  7. 前記表皮材の裏面と前記パッド材の表面とは、接着剤又は結合手段により接合されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシートカバー。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のシートのパッド材と、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のシートカバーと、
    を備えたことを特徴とするシート。
  9. 前記パッド材は、前記表皮材と接合す表面の硬度が、内部の硬度よりも大きいことを特徴とする請求項8記載のシート。
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