JP3380400B2 - シートカバーの製造方法 - Google Patents
シートカバーの製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表皮材が起毛を有
するファブリック地などのヒートセット時の熱圧により
影響を受けやすい材料であっても毛倒れなどの悪現象を
受けることなく表皮材を繊維ウェブに接着できて外観品
質に優れた自動車などのシートを容易に量産できるシー
トカバーの製造方法に関するものである。
するファブリック地などのヒートセット時の熱圧により
影響を受けやすい材料であっても毛倒れなどの悪現象を
受けることなく表皮材を繊維ウェブに接着できて外観品
質に優れた自動車などのシートを容易に量産できるシー
トカバーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車などのシートに用いられる
シートカバーとしては、ポリウレタンフォームなどのプ
ラスチックスフォームの表面に表皮材が添着一体化され
た積層表皮材が多く用いられてきたが、プラスチックス
フォームはコスト高となるうえに廃棄公害上或いはリサ
イクリング上の問題があるため、最近では主としてポリ
エステル繊維などの長繊維を絡合させた繊維ウェブ層を
ワディング材としてこれに接着層を介して表皮材を接着
一体化したものが提案されている(例えば、実開平5−
15899号公報や特開平4−332590号公報参
照)。
シートカバーとしては、ポリウレタンフォームなどのプ
ラスチックスフォームの表面に表皮材が添着一体化され
た積層表皮材が多く用いられてきたが、プラスチックス
フォームはコスト高となるうえに廃棄公害上或いはリサ
イクリング上の問題があるため、最近では主としてポリ
エステル繊維などの長繊維を絡合させた繊維ウェブ層を
ワディング材としてこれに接着層を介して表皮材を接着
一体化したものが提案されている(例えば、実開平5−
15899号公報や特開平4−332590号公報参
照)。
【0003】このようなシートカバーを製造する場合、
従来は前記繊維ウェブ層と接着層と表皮材を重ねて通気
性を有する板状の加圧部材で所定厚みまで圧縮した状態
として熱風を通過させて接着とヒートセット加工を行う
のが普通であるが、このようにして接着とヒートセット
加工とを行うと、熱風にって高温化された加圧部材が直
接表皮材を押圧することとなるため、表皮材の表面が熱
影響を受け、特に、表皮材が、起毛を有するファブリッ
ク地であるときは、起毛が毛倒れしたり、白化現象が生
じるなど外観品質が著しく損なわれるという問題点があ
った。
従来は前記繊維ウェブ層と接着層と表皮材を重ねて通気
性を有する板状の加圧部材で所定厚みまで圧縮した状態
として熱風を通過させて接着とヒートセット加工を行う
のが普通であるが、このようにして接着とヒートセット
加工とを行うと、熱風にって高温化された加圧部材が直
接表皮材を押圧することとなるため、表皮材の表面が熱
影響を受け、特に、表皮材が、起毛を有するファブリッ
ク地であるときは、起毛が毛倒れしたり、白化現象が生
じるなど外観品質が著しく損なわれるという問題点があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の問題点を解決して、ヒートセット加工時に表皮材
の表面が熱影響を受けることがなくて毛倒れや白化のな
い外観品質に優れた製品を生産することができ、しか
も、優れた生産性を発揮して効率よく低コストで量産を
行うことができるシートカバーの製造方法を提供するこ
とを目的として完成されたものである。
従来の問題点を解決して、ヒートセット加工時に表皮材
の表面が熱影響を受けることがなくて毛倒れや白化のな
い外観品質に優れた製品を生産することができ、しか
も、優れた生産性を発揮して効率よく低コストで量産を
行うことができるシートカバーの製造方法を提供するこ
とを目的として完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明のシートカバーの製造方法は、繊維
ウェブ層の表面に熱溶融性の接着層を介して表皮材を重
ねたうえ前記接着層を熱風の通過により溶融させて表皮
材を繊維ウェブ層に接着するとともに繊維ウェブ層をヒ
ートセットするようにしたシートカバーの製造方法にお
いて、前記した繊維ウェブ層と表皮材とを積極的に加圧
することなく表皮材の表側から繊維ウェブ層の裏側に向
け熱風を供給し、次いで、これらを冷却して前記接着層
が溶融して接着能が維持される軟化点程度に達したの
ち、積極的に加圧しながら冷却を続けて繊維ウェブ層を
所定厚みに圧縮することを特徴とするものである。
めになされた本発明のシートカバーの製造方法は、繊維
ウェブ層の表面に熱溶融性の接着層を介して表皮材を重
ねたうえ前記接着層を熱風の通過により溶融させて表皮
材を繊維ウェブ層に接着するとともに繊維ウェブ層をヒ
ートセットするようにしたシートカバーの製造方法にお
いて、前記した繊維ウェブ層と表皮材とを積極的に加圧
することなく表皮材の表側から繊維ウェブ層の裏側に向
け熱風を供給し、次いで、これらを冷却して前記接着層
が溶融して接着能が維持される軟化点程度に達したの
ち、積極的に加圧しながら冷却を続けて繊維ウェブ層を
所定厚みに圧縮することを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明をの好ましい実施の
形態を図1に示した製造工程説明図と、図2に示した本
発明により得られたシートカバーの断面図を参考にしな
がら詳細に説明する。図中1は高融点繊維のフィラメン
ト1aと低融点繊維のフィラメント1bとの混合繊維よ
りなる繊維ウェブ層、2は耐熱性に優れた表皮材、3は
低融点繊維の肉薄ウェブ若しくはホットメルトウェブな
どの前記低融点繊維の融点程度に加熱されると溶融して
接着能が付与される接着層、4は必要に応じて繊維ウェ
ブ層1の裏面に重ねられた裏基布である。なお、前記し
た混合繊維よりなる繊維ウェブ層1における高融点繊維
のフィラメント1aと低融点繊維のフィラメント1bと
の混合割合は、通常では7:3〜9:1程度であり、ま
た、目付け量は100〜500g/m2程度を普通とする。
形態を図1に示した製造工程説明図と、図2に示した本
発明により得られたシートカバーの断面図を参考にしな
がら詳細に説明する。図中1は高融点繊維のフィラメン
ト1aと低融点繊維のフィラメント1bとの混合繊維よ
りなる繊維ウェブ層、2は耐熱性に優れた表皮材、3は
低融点繊維の肉薄ウェブ若しくはホットメルトウェブな
どの前記低融点繊維の融点程度に加熱されると溶融して
接着能が付与される接着層、4は必要に応じて繊維ウェ
ブ層1の裏面に重ねられた裏基布である。なお、前記し
た混合繊維よりなる繊維ウェブ層1における高融点繊維
のフィラメント1aと低融点繊維のフィラメント1bと
の混合割合は、通常では7:3〜9:1程度であり、ま
た、目付け量は100〜500g/m2程度を普通とする。
【0007】前記した混合繊維よりなる繊維ウェブ層1
の高融点繊維のフィラメント1aとしては、例えば、ポ
リプロピレン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド
系繊維などの融点が160〜240℃で、2〜13デニ
ール程度のものが用いられ、一方、低融点繊維のフィラ
メント1bとしては、例えば、ポリエステル系繊維やポ
リプロピレン系繊維などの融点が100〜160℃で、
2〜6デニール程度のものが用いられる。なお、低融点
繊維のフィラメント1bは全体が低融点のものではな
く、ポリエステル系その他比較的高融点の樹脂からなる
芯材の表面に融点が100〜160℃のポリエステル樹
脂やポリプロピレン樹脂等の低融点の樹脂で被覆した芯
鞘繊維を使用することもできる。
の高融点繊維のフィラメント1aとしては、例えば、ポ
リプロピレン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド
系繊維などの融点が160〜240℃で、2〜13デニ
ール程度のものが用いられ、一方、低融点繊維のフィラ
メント1bとしては、例えば、ポリエステル系繊維やポ
リプロピレン系繊維などの融点が100〜160℃で、
2〜6デニール程度のものが用いられる。なお、低融点
繊維のフィラメント1bは全体が低融点のものではな
く、ポリエステル系その他比較的高融点の樹脂からなる
芯材の表面に融点が100〜160℃のポリエステル樹
脂やポリプロピレン樹脂等の低融点の樹脂で被覆した芯
鞘繊維を使用することもできる。
【0008】一方、表皮材2としては、ポリエステル系
繊維を素材としたファブリック地等の比較的高融点で且
つ通気性を有し表面に起毛を有するものとしたとき、本
発明は極めて有効である。また、接着層3としては、融
点が100〜160℃、目付け量が約10〜50g/m2で
2〜6デニール程度の全融タイプの低融点繊維のフィラ
メントからなる肉薄ウェブや、ある程度の通気性を有す
るシートタイプのホットメルトウェブなどが用いられ、
さらにまた、裏基布4は一般にスパンボンド布と称され
ている高密度不織布構造よりなるもので、必要に応じて
シートカバーの強度を向上させる目的で用いられる。
繊維を素材としたファブリック地等の比較的高融点で且
つ通気性を有し表面に起毛を有するものとしたとき、本
発明は極めて有効である。また、接着層3としては、融
点が100〜160℃、目付け量が約10〜50g/m2で
2〜6デニール程度の全融タイプの低融点繊維のフィラ
メントからなる肉薄ウェブや、ある程度の通気性を有す
るシートタイプのホットメルトウェブなどが用いられ、
さらにまた、裏基布4は一般にスパンボンド布と称され
ている高密度不織布構造よりなるもので、必要に応じて
シートカバーの強度を向上させる目的で用いられる。
【0009】なお、図1において、10は前記した繊維
ウェブ層1に針刺加工を施すためのニードルパンチ機、
11はヒートセット室で、このヒートセット室11は、
加熱ゾーン11aと、第1冷却ゾーン11bと、第2冷
却ゾーン11cとが連続して形成されていてその内部に
前記各ゾーンを通過するようにメッシュ金網などの通気
性帯材をコンベヤベルトとした上下一対のベルトコンベ
ヤ12、13が設置され、上側のベルトコンベヤ12は
加熱ゾーン11aから第1冷却ゾーン11bに向けて徐
々に下降するよう傾斜されているが、第2冷却ゾーン1
1cにおいては並行するようになっていて、その内部に
設けた上下一対の加圧ローラなどの加圧部材14、15
により通過する被処理材料は挟持されて加圧されるよう
に構成してある。
ウェブ層1に針刺加工を施すためのニードルパンチ機、
11はヒートセット室で、このヒートセット室11は、
加熱ゾーン11aと、第1冷却ゾーン11bと、第2冷
却ゾーン11cとが連続して形成されていてその内部に
前記各ゾーンを通過するようにメッシュ金網などの通気
性帯材をコンベヤベルトとした上下一対のベルトコンベ
ヤ12、13が設置され、上側のベルトコンベヤ12は
加熱ゾーン11aから第1冷却ゾーン11bに向けて徐
々に下降するよう傾斜されているが、第2冷却ゾーン1
1cにおいては並行するようになっていて、その内部に
設けた上下一対の加圧ローラなどの加圧部材14、15
により通過する被処理材料は挟持されて加圧されるよう
に構成してある。
【0010】次に、本発明のシートカバーの成形工程を
図1を参照しつつ説明する。先ず、繊維ウェブ層1の表
裏に接着層3と裏基布4とが重ねられた状態でラインに
送られて被処理材料が送られてくると、常法に従いニー
ドルパンチ機10によってペネ数が数十本程度の針刺加
工され、これにより接着層3と繊維ウェブ層1と裏基布
4とは絡合一体化された積層体となり、続いて、この積
層体はその接着層3の上に表皮材2が重ねられてヒート
セット室11に送り込まれ、ここで接着層3が溶融され
て表皮材2が繊維ウェブ層1に接着されるとともにヒー
トセットされて製品となって送り出されるという点は従
来のこの種のシートカバーの製造方法と基本的に同じで
あるが、ヒートセット室11における接着およびヒート
セット工程に本発明は特徴を有する。
図1を参照しつつ説明する。先ず、繊維ウェブ層1の表
裏に接着層3と裏基布4とが重ねられた状態でラインに
送られて被処理材料が送られてくると、常法に従いニー
ドルパンチ機10によってペネ数が数十本程度の針刺加
工され、これにより接着層3と繊維ウェブ層1と裏基布
4とは絡合一体化された積層体となり、続いて、この積
層体はその接着層3の上に表皮材2が重ねられてヒート
セット室11に送り込まれ、ここで接着層3が溶融され
て表皮材2が繊維ウェブ層1に接着されるとともにヒー
トセットされて製品となって送り出されるという点は従
来のこの種のシートカバーの製造方法と基本的に同じで
あるが、ヒートセット室11における接着およびヒート
セット工程に本発明は特徴を有する。
【0011】即ち、ヒートセット室11の加熱ゾーン1
1aに被処理材料が送られてくると、このヒートセット
室11においては、前記高融点繊維のフィラメント1a
の融点以下で低融点繊維のフィラメント1bと接着層3
の融点以上である120〜180℃程度の熱風が表皮材
2の表側から混合繊維ウェブ層1の裏側に向け供給され
るようになっており、この熱風の供給によって低融点繊
維のフィラメント1bと接着層3のみが溶融し、溶融し
た低融点繊維のフィラメント1bが高融点繊維のフィラ
メント1aとの接点において接着可能な表面が溶融され
た状態となるとともに、混合繊維ウェブ層1と表皮材2
とは溶融した接着層3によって接着可能な状態となる。
この場合、表皮材2には、例えば、風速が0.5〜3m/
s 程度の熱風の供給による風圧のみが作用しても、敢え
て加圧部材により加圧されることはないので、起毛が加
圧部材により加圧されて毛倒れするような現象が発生す
ることはない。
1aに被処理材料が送られてくると、このヒートセット
室11においては、前記高融点繊維のフィラメント1a
の融点以下で低融点繊維のフィラメント1bと接着層3
の融点以上である120〜180℃程度の熱風が表皮材
2の表側から混合繊維ウェブ層1の裏側に向け供給され
るようになっており、この熱風の供給によって低融点繊
維のフィラメント1bと接着層3のみが溶融し、溶融し
た低融点繊維のフィラメント1bが高融点繊維のフィラ
メント1aとの接点において接着可能な表面が溶融され
た状態となるとともに、混合繊維ウェブ層1と表皮材2
とは溶融した接着層3によって接着可能な状態となる。
この場合、表皮材2には、例えば、風速が0.5〜3m/
s 程度の熱風の供給による風圧のみが作用しても、敢え
て加圧部材により加圧されることはないので、起毛が加
圧部材により加圧されて毛倒れするような現象が発生す
ることはない。
【0012】次に、前記したように低融点繊維のフィラ
メント1bと接着層3とが溶融された状態でヒートセッ
ト室11の第1冷却ゾーン11bに被処理材料が送られ
てくると、この第1冷却ゾーン11bにおいては、前記
低融点繊維のフィラメント1bと接着層3の軟化点であ
る70〜90℃まで冷却されるように冷風が供給されて
いるので、溶融状態にあった前記低融点繊維のフィラメ
ント1bと接着層3とは一次冷却される。この一次冷却
により先に溶融した低融点繊維のフィラメント1bはこ
れと接触している高融点繊維のフィラメント1aに接着
させるとともに、同じく先に溶融した接着層3も冷却さ
れて表皮材2が繊維ウェブ1の表面に接着されることと
なり、この一次冷却工程によって低融点繊維のフィラメ
ント1bが高融点繊維フィラメント1aに融着し、表面
に表皮材2が接着された繊維ウェブ層1は接合強度に優
れたものとなる。なお、前記低融点繊維フィラメント1
bとして芯鞘繊維フィラメントを用いた場合には、鞘部
のみが融着し芯部は熱影響を全く受けず、このためより
強度に優れた繊維ウェブ層1が得られることとなるので
特に好ましい。
メント1bと接着層3とが溶融された状態でヒートセッ
ト室11の第1冷却ゾーン11bに被処理材料が送られ
てくると、この第1冷却ゾーン11bにおいては、前記
低融点繊維のフィラメント1bと接着層3の軟化点であ
る70〜90℃まで冷却されるように冷風が供給されて
いるので、溶融状態にあった前記低融点繊維のフィラメ
ント1bと接着層3とは一次冷却される。この一次冷却
により先に溶融した低融点繊維のフィラメント1bはこ
れと接触している高融点繊維のフィラメント1aに接着
させるとともに、同じく先に溶融した接着層3も冷却さ
れて表皮材2が繊維ウェブ1の表面に接着されることと
なり、この一次冷却工程によって低融点繊維のフィラメ
ント1bが高融点繊維フィラメント1aに融着し、表面
に表皮材2が接着された繊維ウェブ層1は接合強度に優
れたものとなる。なお、前記低融点繊維フィラメント1
bとして芯鞘繊維フィラメントを用いた場合には、鞘部
のみが融着し芯部は熱影響を全く受けず、このためより
強度に優れた繊維ウェブ層1が得られることとなるので
特に好ましい。
【0013】このようにして低融点繊維のフィラメント
1bや接着層3の軟化点程度に冷却されると、表皮材2
は繊維ウェブ層1に接着されることとなるが、積極的な
加圧がないうえに低融点繊維のフィラメント1bや接着
層3は硬化していないので未だ接着強度は充分ではない
が、この状態で最後にヒートセット室11の第2冷却ゾ
ーン11cに送り込まれると、この第2冷却ゾーン11
cにおいては、20〜40℃程度の温度域にあるよう冷
風が送られており、しかも、加圧部材14、15が設け
られているので、ここで軟化状態にあった低融点繊維の
フィラメント1bと接着層3は共に完全冷却されて接着
力が強化されるとともに、加圧部材14、15の作用で
コンベヤベルト間に挟まれて所定の厚さに混合繊維ウェ
ブ1が圧縮され、この圧縮状態でセットされるので混合
繊維ウェブ1は所定の厚さに保持される。すなわち、こ
の第2冷却ゾーン11cでは通気性を有するパンチング
メタルやメッシュベルト等のコンベヤ12、13を加圧
部材14、15で押圧されるので、このコンベヤ12、
13間を通過する間に加圧ローラ14、15で被処理材
料は加圧され所定厚みにセットされるのである。この加
圧時に表皮材2の表面はコンベヤ12、13に接触する
が、20〜40℃程度の低温下における加圧であるた
め、表皮材2の起毛に毛倒れ現象を発生させることや、
表皮材2に白化現象を発生させることはなく、外観品質
に優れた製品を生産できることとなるのである。
1bや接着層3の軟化点程度に冷却されると、表皮材2
は繊維ウェブ層1に接着されることとなるが、積極的な
加圧がないうえに低融点繊維のフィラメント1bや接着
層3は硬化していないので未だ接着強度は充分ではない
が、この状態で最後にヒートセット室11の第2冷却ゾ
ーン11cに送り込まれると、この第2冷却ゾーン11
cにおいては、20〜40℃程度の温度域にあるよう冷
風が送られており、しかも、加圧部材14、15が設け
られているので、ここで軟化状態にあった低融点繊維の
フィラメント1bと接着層3は共に完全冷却されて接着
力が強化されるとともに、加圧部材14、15の作用で
コンベヤベルト間に挟まれて所定の厚さに混合繊維ウェ
ブ1が圧縮され、この圧縮状態でセットされるので混合
繊維ウェブ1は所定の厚さに保持される。すなわち、こ
の第2冷却ゾーン11cでは通気性を有するパンチング
メタルやメッシュベルト等のコンベヤ12、13を加圧
部材14、15で押圧されるので、このコンベヤ12、
13間を通過する間に加圧ローラ14、15で被処理材
料は加圧され所定厚みにセットされるのである。この加
圧時に表皮材2の表面はコンベヤ12、13に接触する
が、20〜40℃程度の低温下における加圧であるた
め、表皮材2の起毛に毛倒れ現象を発生させることや、
表皮材2に白化現象を発生させることはなく、外観品質
に優れた製品を生産できることとなるのである。
【0014】
【発明の効果】本発明は以上の説明からも明らかなよう
に、表皮材がヒートセット時の加圧で熱影響を受けて毛
倒れしたり白化したりすることがないので、外観品質に
優れた製品を生産することができ、しかも、優れた生産
性を発揮して効率よく低コストで量産を行うことができ
るものである。よって本発明は従来の問題点を一掃した
シートカバーの製造方法として、産業の発展に寄与する
ところは極めて大である。
に、表皮材がヒートセット時の加圧で熱影響を受けて毛
倒れしたり白化したりすることがないので、外観品質に
優れた製品を生産することができ、しかも、優れた生産
性を発揮して効率よく低コストで量産を行うことができ
るものである。よって本発明は従来の問題点を一掃した
シートカバーの製造方法として、産業の発展に寄与する
ところは極めて大である。
【図1】本発明の実施の形態におけるシートカバーの成
形工程を示す概略図である。
形工程を示す概略図である。
【図2】本発明により製造されたシートカバーの断面図
である。
である。
1 繊維ウェブ層
1a 高融点繊維のフィラメント
1b 低融点繊維のフィラメント
2 表皮材
3 接着層
4 裏基布
10 ニードルパンチ機
11 ヒートセット室
11a 加熱ゾーン
11b 第1冷却ゾーン
11c 第2冷却ゾーン
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B32B 1/00 - 35/00
B29C 65/00 - 65/24
B29C 43/00 - 43/58
B60N 2/00 - 2/72
Claims (6)
- 【請求項1】 繊維ウェブ層の表面に熱溶融性の接着層
を介して表皮材を重ねたうえ前記接着層を熱風の通過に
より溶融させて表皮材を繊維ウェブ層に接着するととも
に繊維ウェブ層をヒートセットするようにしたシートカ
バーの製造方法において、前記した繊維ウェブ層と表皮
材とを積極的に加圧することなく表皮材の表側から繊維
ウェブ層の裏側に向け熱風を供給し、次いで、これらを
冷却して前記接着層が溶融して接着能が維持される軟化
点程度に達したのち、積極的に加圧しながら冷却を続け
て繊維ウェブ層を所定厚みに圧縮することを特徴とする
シートカバーの製造方法。 - 【請求項2】 表皮材が、起毛を有するファブリック地
である請求項1に記載のシートカバーの製造方法。 - 【請求項3】 繊維ウェブ層の裏面に高密度不織布構造
よりなる裏基布を重ねておく請求項1または2に記載の
シートカバーの製造方法。 - 【請求項4】 熱風を供給する前に重ねられた材料を針
刺加工により積層しておく請求項1または2または3に
記載のシートカバーの製造方法。 - 【請求項5】 繊維ウェブ層を高融点繊維と低融点繊維
との混合繊維ウェブ層とした請求項1または2または3
または4に記載のシートカバーの製造方法。 - 【請求項6】 低融点繊維を高融点の芯材に低融点の鞘
材を被覆した芯鞘繊維とした請求項5に記載のシートカ
バーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20005996A JP3380400B2 (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | シートカバーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20005996A JP3380400B2 (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | シートカバーの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1044278A JPH1044278A (ja) | 1998-02-17 |
JP3380400B2 true JP3380400B2 (ja) | 2003-02-24 |
Family
ID=16418162
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20005996A Expired - Fee Related JP3380400B2 (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | シートカバーの製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3380400B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
CN110027267A (zh) * | 2019-05-24 | 2019-07-19 | 史先锋 | 热塑性复合材料制品及其加工方法 |
-
1996
- 1996-07-30 JP JP20005996A patent/JP3380400B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1044278A (ja) | 1998-02-17 |
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