JP2522436B2 - トルクコンバ―タ車におけるインチング装置 - Google Patents

トルクコンバ―タ車におけるインチング装置

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JP2522436B2
JP2522436B2 JP2092931A JP9293190A JP2522436B2 JP 2522436 B2 JP2522436 B2 JP 2522436B2 JP 2092931 A JP2092931 A JP 2092931A JP 9293190 A JP9293190 A JP 9293190A JP 2522436 B2 JP2522436 B2 JP 2522436B2
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inching
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hydraulic oil
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伊藤  誠
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Toyota Industries Corp
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Toyoda Jidoshokki Seisakusho KK
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は湿式クラッチを備えたトルクコンバータ車
におけるインチング装置に関するものである。
[従来の技術] 従来、この種のインチング装置としては、トルクコン
バータ(トルコン)車に搭載され、前後進切換え用及び
インチング用を共に兼ねた湿式多板クラッチディスクか
らなるクラッチパックを備えたものが知られている。
例えば、第3図に示すように、オイルポンプ21により
タンク22から吸い上げられた作動油は、レギュレータ
(油圧調整器)23にて規定の圧力に調整された後、トル
コンを作動させるためのコンバータ回路24と、前後進切
換え用及びインチング用を共に兼ねた湿式多板のクラッ
チパック25を作動させるためのクラッチ回路26とに供給
される。
そして、インチング操作を行わない通常操作の場合、
即ちインチングペダル27が操作されていない場合には、
クラッチ回路26のインチングバルブ28へ送られた作動油
の全てがセレクタバルブ29を通ってクラッチパック25に
供給される。セレクタバルブ29は前後進切換え用のセレ
クタレバー30の操作に応じて制御されるものである。
第4図に示すように、クラッチパック25の内部では、
ピストン31が作動油によって作動し、複数のクラッチデ
ィスク32と複数のドリブンプレート33とが滑りのない状
態で一体的に接続され、クラッチギヤ34から動力が取り
出される。
一方、前記インチングペダル27が操作されるインチン
グ操作の場合には、その操作量に応じて、インチングバ
ルブ28へ送られた作動油の一部がセレクタバルブ29を通
ってクラッチパック25に送られる。クラッチパック25の
内部では、その一部の作動油によってピストン31が僅か
に作動するものの、クラッチディスク32とドリブンプレ
ート33との間で滑りが発生することになり、動力の一部
だけがクラッチギヤ34から出力される。
[発明が解決しようとする課題] ところが、前記従来技術では、前後進切換え用及びイ
ンチング用を共に兼ねさせるためにクラッチパック25を
湿式多板にしていた。このため、そのクラッチパック25
の構造上、インチング操作の際にインチングペダル27が
僅かに操作変更されてクラッチパック25への油圧や油量
が僅かに変動するだけで、クラッチディスク32とドリブ
ンプレート33との接続状態が急変する傾向にあった。こ
の結果、インチングペダル27の操作量に応じた任意のイ
ンチング走行を安定して行うことが難しくなり、インチ
ング操作性が悪くなるという問題があった。
この発明は前述した事情に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は、インチング操作手段の操作量に応じた
任意のインチング走行を安定して行うことが可能で、イ
ンチング操作性を向上することが可能なトルクコンバー
タ車におけるインチング装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、この発明においては、
エンジンの出力を変速して伝達するトルクコンバータ
と、そのトルクコンバータから駆動系への出力伝達を入
り切りする前後進切換え及びインチング兼用の湿式クラ
ッチと、その湿式クラッチへ作動油を供給する作動油供
給手段とを備えたトルクコンバータ車におけるインチン
グ装置において、湿式クラッチを前後進切換え専用の湿
式多板クラッチとして、それとは別にトルクコンバータ
からの出力伝達を入り切りするために設けられたインチ
ング専用の湿式単板クラッチと、その湿式単板クラッチ
の接続状態を任意に調節するために操作されるインチン
グ操作手段と、そのインチング操作手段の操作量に対応
して湿式単板クラッチへの作動油供給量を制御する作動
油制御手段とを備えている。
[作用] 上記の構成によれば、前後進切換え用の湿式多板クラ
ッチを接続した状態において、インチング操作手段を任
意に操作することにより、その操作量に対応して作動油
制御手段により湿式単板クラッチへの作動油供給量が制
御され、湿式単板クラッチの接続状態が任意に調節さ
れ、インチング走行が行われる。そして、インチング専
用のクラッチが湿式単板クラッチであるため、インチン
グ操作の際にその湿式単板クラッチへ供給される油圧や
油量が変動しても、接続状態が急激に変動することはな
く、適度な半クラッチ状態が保持されて安定したインチ
ング走行が行われる。
[実施例] 以下、この発明を具体化した一実施例を図面に基づい
て詳細に説明する。
第1図はこの実施例のトルクコンバータ(トルコン)
車におけるインチング装置の油圧回路を示す概略図であ
る。作動油供給手段としてのオイルポンプ1によりタン
ク2から吸い上げられた作動油は、レギュレータ(油圧
調整器)3にて規定の圧力に調整された後、トルコンを
作動させるためのコンバータ回路4と、前後進切換え用
のセレクタ回路5と、インチング用のインチング回路6
とにそれぞれ供給される。
レギュレータ3からセレクタ回路5に供給された作動
油は、セレクタバルブ7を介して前後進切換え専用の湿
式多板クラッチ8へ送られる。セレクタバルブ7は前後
進切換え用のセレクタレバー9の操作に応じて制御され
る。又、湿式多板クラッチ8は複数のクラッチディスク
及び複数のドリブンプレートを備え、それらが互いに接
続されることにより動力伝達が行われる。
一方、レギュレータ3からインチング回路6に供給さ
れた作動油は、作動油制御手段としてのインチングバル
ブ10を介してインチング専用の湿式単板クラッチ11へ送
られる。インチングバルブ10は、湿式単板クラッチ11の
接続状態を任意に調節するために操作されるインチング
操作手段としてのインチングペダル12の操作量に対応し
て、湿式単板クラッチ11への作動油供給量が制御され
る。又、湿式単板クラッチ11は相対向する2枚のクラッ
チディスクを備え、それらが互いに接続されることによ
り動力伝達が行われる。
第2図はこの実施例のトルコン車の動力伝達機構を示
す概略図である。エンジン16の出力はトルコン17、イン
チング専用の湿式単板クラッチ11及び前後進切換え専用
の湿式多板クラッチ8を介して駆動輪18に伝達される。
又、オイルポンプ1はエンジン16によって駆動されるよ
うになっている。そして、第1図にも示したように、オ
イルポンプ1からの作動油がレギュレータ3を介してト
ルコン17、インチングバルブ10及びセレクタバルブ7に
供給される。更に、インチングバルブ10に供給された作
動油は湿式単板クラッチ11へ、セレクタバルブ7に供給
された作動油は湿式多板クラッチ8へそれぞれ送られ
る。
次に、上記のように構成したトルコン車におけるイン
チング装置の作用について説明する。
今、セレクタレバー9がニュートラル位置に切換えら
れている時には、セレクタバルブ7に供給された作動油
は前後進切換え専用の湿式多板クラッチ8へ送られるこ
となく全てドレンされ、同クラッチ8の各ディスクが非
接続状態となる。これによって、駆動輪18への動力伝達
が完全に遮断される。
一方、セレクタレバー9が前進又は後進へ切換えられ
ている時には、セレクタバルブ7に供給された作動油は
全て湿式多板クラッチ8へ送られ、同クラッチ8の各デ
ィスクが完全な接続状態となる。これによって、駆動輪
18への動力伝達が行われる。
そして、この湿式多板クラッチ8の接続状態におい
て、インチングペダル12が踏み込まれていない時には、
インチングバルブ10に供給された作動油はインチング専
用の湿式単板クラッチ11へ全て送られ、同クラッチ11の
両ディスクが完全な接続状態となっている。これによっ
て、湿式多板クラッチ8への動力伝達が可能である。
又、インチングペダル12が完全に踏み込まれた時に
は、インチングバルブ10に供給された作動油は湿式単板
クラッチ11へ送られることなく全てドレンされ、同クラ
ッチ11の両ディスクが非接続状態となる。これによっ
て、湿式多板クラッチ8への動力伝達が完全に遮断され
る。
一方、インチングペダル12が全踏込量の一部だけ踏み
込まれた時には、インチングバルブ10に供給された作動
油はその一部だけが湿式単板クラッチ11へ送られ、同ク
ラッチ11の両ディスクが半接続状態(半クラッチ状態)
となる。これによって、湿式多板クラッチ8へ動力の一
部だけが伝達される。
上記のようにこの実施例のクラッチ装置では、前後進
切換え専用の湿式多板クラッチ8と、それとは別にトル
コン17からの出力伝達を入り切りするためのインチング
専用の湿式単板クラッチ11とを設けたので、インチング
操作の際にその湿式単板クラッチ11に供給される油圧や
油量が多少変動しても、接続状態が急激に変動すること
はなく、同クラッチ11を適度な半クラッチ状態に保持す
ることができ、安定したインチング走行が行われる。つ
まり、インチングペダル12の操作量に応じた任意のイン
チング走行を安定して行うことができ、インチング操作
性を向上することができる。
尚、この発明は前記実施例に限定されるものではな
く、例えば、前記実施例では油圧回路の基本的な概略構
成について説明しただけであるが、回路の細部構成につ
いて適宜に変更する等、発明の趣旨を逸脱しない範囲に
おいて構成の一部を適宜に変更して実施してもよい。
[発明の効果] 以上詳述したように、この発明によれば、インチング
操作手段の操作量に応じた任意のインチング走行を安定
して行うことができ、インチング操作性を向上すること
ができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明を具体化した一実施例のトルコン車に
おけるインチング装置の油圧回路を示す概略図、第2図
はそのトルコン車の動力伝達機構を示す概略図である。
第3図は従来例のインチング装置の油圧回路を示す概略
図、第4図はそのクラッチパックの一部を示す断面図で
ある。 図中、1は作動油供給手段としてのオイルポンプ、8は
湿式多板クラッチ、10は作動油制御手段としてのインチ
ングバルブ、11は湿式単板クラッチ、12はインチング操
作手段としてのインチングペダルである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの出力を変速して伝達するトルク
    コンバータと、 前記トルクコンバータから駆動系への出力伝達を入り切
    りする前後進切換え及びインチング兼用の湿式クラッチ
    と、 前記湿式クラッチへ作動油を供給する作動油供給手段と を備えたトルクコンバータ車におけるインチング装置に
    おいて、 前記湿式クラッチを前後進切換え専用の湿式多板クラッ
    チとして、それとは別に前記トルクコンバータからの出
    力伝達を入り切りするために設けられたインチング専用
    の湿式単板クラッチと、 前記湿式単板クラッチの接続状態を任意に調節するため
    に操作されるインチング操作手段と、 前記インチング操作手段の操作量に対応して前記湿式単
    板クラッチへの作動油供給量を制御する作動油制御手段
    と を備えたトルクコンバータ車におけるインチング装置。
JP2092931A 1990-04-06 1990-04-06 トルクコンバ―タ車におけるインチング装置 Expired - Lifetime JP2522436B2 (ja)

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JP4605686B2 (ja) * 2001-03-29 2011-01-05 株式会社小松製作所 インチング用油圧クラッチの制御装置
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