JP3974227B2 - トラクタの動力伝達機構 - Google Patents

トラクタの動力伝達機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタ等の農作業機における、エンジンからの動力を後輪や動力取出し軸へ伝達する動力伝達機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トラクタ等の農作業機において、エンジンの動力を後輪や動力取出し軸へ伝達する動力伝達機構は知られており、クラッチ切方向へ付勢されたクラッチピストンを油圧駆動してクラッチ入状態へ操作するPTO油圧クラッチを、エンジンと動力取出し軸との間に介装し、該クラッチには、該クラッチ切時に従動側の回転を防止するブレーキ機構が備えられていた。
【0003】
このようなブレーキ機構を備えたPTO油圧クラッチの該ブレーキ機構は、クラッチ切時に、該クラッチ従動側の部材を伝動ケース側固定部材に圧接させて従動側を制動していたので、該ブレーキ機構の作動中は、受動側軸が固定されて回転不能状態になっていた。或いは、回転したとしても、回転可能な角度は僅かであった。
【0004】
また、従動側クラッチ部材の外周部に、固定側制動部材を遊転外嵌するとともに、制動作用部としての摩擦部材を該従動側クラッチ部材と一体的に回転可能に外嵌装着し、クラッチ切時には、該摩擦部材と固定側制動部材とが圧接するように構成して、摩擦部材と一体的に回転する固定側制動部材に形成した突起部が、ミッションケースに形成した固定部に係止して、該固定側制動部材の回転を阻止するようにしていた。この場合は、クラッチを作動させる油圧ピストンの圧力部分と摩擦部材とをピンで連結し、また、動力取出し軸が約136度回転可能に構成されていた。これらの動力伝達機構は、例えば、実開昭62−32230号公報、実開昭62−34227号公報、及び特開平6−297971号公報に記載の如くである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、PTO油圧クラッチを切状態にしてブレーキを作動させた場合に、動力取出し軸が固定されて回転不能になったり、回転したとしても僅かな角度であったので、ロータリー爪などの作業機の交換が行いづらかったり、また、爪軸に巻き付いた稲、藁等を除去しにくいことがあったりして、作業機のメンテナンスが煩雑になっていた。また、動力取出し軸を回転可能に構成したブレーキ機構においては、クラッチを作動させる油圧ピストンの圧力部分と摩擦部材とをピンで連結していたので、構造が複雑になったり、油漏れの恐れがあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
エンジン(E)の動力を動力取出し軸(P)へ伝達するトラクタの動力伝達機構において、クラッチ切方向へ付勢されたクラッチピストン(54)を圧油により、クラッチシリンダ(53)内でクラッチ入状態へ操作するPTO油圧クラッチ(14)を、エンジン(E)と動力取出し軸(P)との間に介装し、該クラッチシリンダ(53)の後方において、ブレーキホルダー(58)を回転自在に嵌装し、該クラッチシリンダ(53)にはスチールプレート(57・57)を内嵌し、該ブレーキホルダー(58)には制動板(59)を外嵌し、該制動板(59)を前記スチールプレート(57・57)間に配置しエナーシャブレーキ機構(17)を構成し、前記PTO油圧クラッチ(14)が切状態になると、前記クラッチピストン(54)がリターンスプリング(56)によりクラッチ切側へ付勢される力により、押されて摺動するピン(55)を設け、該ピン(55)は、クラッチシリンダ(53)の圧力部分であるクラッチピストン(54)嵌入部よりも外周側で、シリンダ筒の圧力部に影響を及ぼさない位置に穿設した孔に、摺動可能に嵌装し、該PTO油圧クラッチ(14)が切状態になると、該PTO油圧クラッチ(14)によりピン(55)が押されて、該クラッチシリンダ(53)とスチールプレート(57・57)と制動板(59)とブレーキホルダー(58)を一体的に回転させ、前記ブレーキホルダー(58)に係止穴(58a)を形成し、該係止穴(58a)はラチェット状に形成し、ミッションケース(M)の壁面に摺動可能に埋入されたアンカーピン(60)の先端部を、前記係止穴(58a)に嵌入し、前記アンカーピン(60)はスプリング(62)によってブレーキホルダー(58)側に付勢し、前記PTO油圧クラッチ(14)が切状態で、該エナーシャブレーキ機構(17)が制動状態では、該アンカーピン(60)が係止穴(58a)に嵌入していることにより、動力取出し軸(P)の回転方向に対してブレーキホルダー(58)を制動し、前記ラチェット状の係止穴(58a)の形状により、該エナーシャブレーキ機構(17)が制動状態でも、該動力取出し軸(P)の回転方向とは逆方向には、回転可能としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は本発明の動力伝達装置を有したトラクタを示す全体側面図、図2は同じく動力伝達装置の前部を示す側面図、図3は同じく動力伝達装置の中部を示す側面図、図4は同じく動力伝達装置の後部を示す側面図、図5はPTO油圧クラッチ部を示す側面図、図6はアンカーピンのミッションケースへの保持機構を示す断面図、図7は同じく保持機構の別実施例を示す断面図、図8は第一クラッチ11及び第二クラッチ12を作動させる油圧回路を示す図、図9は副変速装置を示す側面図、図10は同じく後面図である。
【0010】
まず、本発明のトラクタの全体構成について、図1により説明する。前後に前輪FW、後輪RWを懸架する本機の前部にボンネット21を配設し、該ボンネット21にはエンジンEを内蔵している。ボンネット21の後方にはステアリングハンドル23を設けて、該ステアリングハンドル23の後方にはシートSを配設している。エンジンEの後方にはクラッチハウジングCHを、該クラッチハウジングCHの後方にはミッションケースMを連結し、エンジンEからの動力を後輪RWに伝達して駆動している。また、エンジンEの駆動力は、ミッションケースM後端から突出した動力取出し軸Pに伝達されて該動力取出し軸(以降PTO軸と記載する)Pを駆動し、機体後端に接続した作業機を駆動するように構成している。
【0011】
前記クラッチハウジングCH、及びミッションケースMには、エンジンEからの動力を駆動輪や動力取出し軸Pに伝動する動力伝達装置を内蔵している。図2乃至図4において、エンジンEのフライホイールFWと入力軸31とは、一体的に回転可能に連結されており、該入力軸31の前端部には、エンジンEから入力軸31への動力の伝達を入切する主クラッチ機能と、駆動輪の回転方向を前進と後進とに切り換える前後進クラッチ機能とを兼ね備えた第一クラッチ11を配設している。
【0012】
入力軸31の第一クラッチ11配設部下方には切換軸32を配置し、該切換軸32は、第一クラッチ11により回転方向を前進方向、又は、後進方向に切換えられて、駆動される。また、該切換軸32後部には第二クラッチ12を配設し、該第二クラッチ12と、切換軸32後方に配設した伝動軸33の前部に配置したクラッチ機構とで、主変速装置13を構成している。例えば、第二クラッチ12は低速と高速との2段、伝動軸33のクラッチ機構は3段に切換が可能で、主変速装置13は6段の変速を可能としている。
【0013】
切換軸32の回転は、主変速装置13によって変速されて伝動軸33へ伝達され、該伝動軸33の回転は副変速装置18によってさらに変速されて、駆動軸34へ伝達される。そして、駆動軸34により、後輪が駆動されるのである。また、駆動軸34の回転駆動力は、前輪駆動装置及び前輪増速装置16に伝達されて、該前輪駆動装置及び前輪増速装置16を作動可能としている。
【0014】
前記入力軸31の主変速装置13より後方部には、PTO油圧クラッチ14を配置し、該PTO油圧クラッチ14により、入力軸31からPTO中間軸35への回転の伝達を入切するよう構成している。そして、PTO油圧クラッチ14には、該PTO油圧クラッチ14の切状態への切換に伴って、PTO中間軸35の回転を制動するエナーシャブレーキ機構17が備えられている。また、PTO中間軸35の回転は、PTO変速装置15により変速されてPTO軸Pへ伝達され、該PTO軸Pが駆動される。
【0015】
次に、前記PTO油圧クラッチ14について説明する。図5において、前記入力軸31の後端部には、駆動側筒部材50が該入力軸31と一体的に回転可能に嵌装され、前記PTO中間軸35の前端部には、クラッチシリンダ53が該PTO中間軸35と一体的に回転可能に嵌装されている。該クラッチシリンダ53は二重筒状に形成された内筒部53aと外筒部53bとを有しており、該内筒部53aと外筒部53bとの間に形成される空間に、前記駆動側筒部材50の後部が挿入されている。
【0016】
該クラッチシリンダ53の外筒部53bと、駆動側筒部材50との間には、複数の駆動側摩擦板52と従動側摩擦板51とが交互に配設されている。また、内筒部53aと外筒部53bとの間の空間にはクラッチピストン54を摺動自在に嵌入し、該クラッチピストン54はリターンスプリング56によって、後方へ、即ちクラッチ切側へ付勢されている。そして、該クラッチピストン54は、油圧駆動によりリターンスプリング56の付勢力に逆らって前方に摺動し、前記摩擦板51・52を押圧してクラッチ入状態になるよう構成している。
【0017】
前記クラッチシリンダ53の後方には、エナーシャブレーキ機構17を構成する2枚のスチールプレート57を配設し、該スチールプレート57はクラッチシリンダ53の複数のピン55(本実施例では3本〜6本)により押されて、クラッチシリンダ53と連動するよう構成され、該スチールプレート57とクラッチシリンダ53とは一体的に回転可能に構成されている。該ピン55は、クラッチシリンダ53の圧力部分であるクラッチピストン54嵌入部よりも外周側に配置されているので、簡単な構造に構成することができ、また、このクラッチピストン54が作動油により摺動する部分に影響を及ぼすことがなく、作動油の漏れの心配もない。また、クラッチシリンダ53の後方において、前記PTO中間軸35には、ブレーキホルダー58が回転自在に嵌装され、該ブレーキホルダー58には制動板59が外嵌されている。該制動板59は前記スチールプレート57・57間に配置されて、クラッチ切状態になるとクラッチシリンダ53と連動するスチールプレート57・57が制動板59と圧接し、該クラッチシリンダ53の回転を制動するように構成している。
【0018】
次に、このように構成したエナーシャブレーキ機構17に設けたラチェット機構について説明する。ブレーキホルダー58には、係止穴58aが形成されており、ミッションケースMの壁面に設したアンカーピン60の先端部が該係止穴58aに嵌入して、ブレーキホルダー58を回転方向に対して固定している。これにより、スチールプレート57・57が制動板59と圧接することで、クラッチシリンダ53の回転が制動されるのである。
【0019】
図6に示すように、前記アンカーピン60はミッションケースMに摺動可能に埋入され、スプリング62によってブレーキホルダー58側に付勢されており、該アンカーピン60は、例えば、ブッシュ61によってミッションケースMに保持されている。また、前記係止穴58aはラチェット状に形成されており、該係止穴58aにアンカーピン60が嵌入することで、ブレーキホルダー58は一方向への回転が可能で、他方向へは固定されるように構成している。本実施例においては、後面視における右回転方向へは固定され、左方向へは回転可能としている。アンカーピン60は、図7に示すように、ミッションケースMに保持してもよい。即ち、ミッションケースMに摺動可能に埋入されたアンカーピン60’は、ミッションケースMのブレーキホルダー58側壁面に取付けられたプレート63により、該ミッションケースMに保持されている。
【0020】
エナーシャブレーキ機構17を備えたPTO油圧クラッチ14は以上のように構成され、クラッチピストン54が油圧駆動によりリターンスプリング56の付勢力に逆らって前方に摺動して、摩擦板51・52を押圧してクラッチ入状態である場合には、エナーシャブレーキ機構17は作動せずに、入力軸31の回転に伴ってPTO中間軸35が回転することとなる。そして、クラッチピストン54がリターンスプリング56の付勢力によって後方へ付勢されてクラッチ切状態になると、クラッチピストン54に連動してスチールプレート57・57が摺動するとともに制動板59と圧接して、クラッチシリンダ53の回転が制動されて、通常後面視における右方向へ回転しているPTO中間軸35の回転が、すぐさま停止することとなる。この場合、PTO中間軸35は左方向へは回転可能に構成されているので、該ブレーキ機構17が作動していた場合において、PTO軸Pに作業機を着脱する際に、例えば、該PTO軸Pに形成された係合突起部と、作業機の動力取り入れ部での係合凹部との回動位相がずれていたとしても、PTO軸Pを回転させて位相を合わせることで、容易に両者を着脱することができ、作業機のメンテナンスも容易に行なうことができることとなる。さらに、PTO軸Pは、一方向に何回転でも回転可能で、爪の交換や稲藁の除去などを行なうことができる。
【0021】
次に、前記第一クラッチ11と第二クラッチ12との配置位置、及び、接続機構について説明する。図2において、エンジンEから入力軸31への動力の伝達を入切する主クラッチ機能と、駆動輪の回転方向を前進と後進とに切り換える前後進クラッチ機能とを兼ね備えた第一クラッチ11が、該入力軸31へ配設されており、主変速装置13を構成し、走行速度を低速と高速とに切換可能にする第二クラッチ12が、入力軸31の下方に設けられた切換軸32に配設されている。
【0022】
これにより、大容量が必要な第一クラッチ11の外形を大きく形成することが可能となり、該第一クラッチ11が中立位置にあるときには、クラッチギアとドリブンギアとが回転しないので、オイル攪拌のロスがないこととなる。また、第二クラッチ12が、クラッチハウジングCHの下部にしているので、該クラッチハウジングCHの高さを低く形成することができ、運転席のステップ部分を広く構成することができる。さらに、第一クラッチ11と第二クラッチ12との両方が、歯車減速部の駆動軸側に配置されることとなるので、該第一クラッチ11及び第二クラッチ12の容量を小さく構成することができる。
【0023】
図8には、第一クラッチ11及び第二クラッチ12を作動させる油圧回路を示している。第一クラッチ11及び第二クラッチ12は、ポンプ45から圧送される作動油により作動され、第一クラッチ11は第一クラッチ変速バルブ41によって、前進、後進、及び中立に切換られる。また、第二クラッチ12は、第二クラッチ変速バルブ42によって、低速、及び高速に切換えられる。そして、これらのクラッチ11・12を変速操作する場合には、先ず、第一クラッチ11及び第二クラッチ12を同時に切断し、次に、第二クラッチ12を接続して、第一クラッチ11は、遅延バルブ43により第二クラッチ12が接続された後に、滑らかに接続されるように構成している。
【0024】
このように構成することにより、第二クラッチ12の接続時には、第一クラッチ11が配設された入力軸31の慣性エネルギー分のみを接続することとなって、接続エネルギーが小さくなるので、第二クラッチ12を小さく構成することができる。また、クラッチ接続時における出力側の回転制御が、第一クラッチ11のみで済むため、該制御を容易に行うことができるのである。
【0025】
図2において、エンジンEのフライホイールFWと、入力軸31との連結部分には、該入力軸31の捩じり振動防止用のダンパースプリング25を配設しており、前記第一クラッチ11とは別体構造としている。これにより、該ダンパースプリング25の交換や調整などを、第一クラッチ11の部分を分解することなく行なうことができる。また、第一クラッチ11本体部分にダンパー機構部がないので、クラッチマスを少なくすることができる。
【0026】
次に、前記副変速装置18について説明する。図3、図9、図10において、副変速装置18は、前記主変速装置13の後方に配設され、該主変速装置13にて変速されたエンジンEからの駆動力を、更に変速して駆動軸34に伝達している。副変速装置18は、走行速度を超低速(クリープ)に変速する第一副変速と、その他に変速する第二副変速とで構成され、本構成例においては第二副変速は二段設けられている。そして、第一副変速に変速操作する第一副変速フォーク65と、第二副変速に変速操作する第二副変速フォーク66・66とは、同一の副変速フォークシャフト36に取付けられている。この、同一の副変速フォークシャフト36に取付けられた第一、第二副変速フォーク65・66・66は、一系統の変速リンクにて変速可能に構成している。
【0027】
これにより、副変速装置18の変速リンクが一系統で構成できるので、シンプルな構造とすることができ、走行速度の超低速から高速までの変速を、直線シフトとすることができる特に、キャビン仕様のトラクタなどにおいては、キャビン室内までのリンク機構を、シンプルで高剛性に構成することができ、変速の信頼性を向上することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
エンジン(E)の動力を動力取出し軸(P)へ伝達するトラクタの動力伝達機構において、クラッチ切方向へ付勢されたクラッチピストン(54)を圧油により、クラッチシリンダ(53)内でクラッチ入状態へ操作するPTO油圧クラッチ(14)を、エンジン(E)と動力取出し軸(P)との間に介装し、該クラッチシリンダ(53)の後方において、ブレーキホルダー(58)を回転自在に嵌装し、該クラッチシリンダ(53)にはスチールプレート(57・57)を内嵌し、該ブレーキホルダー(58)には制動板(59)を外嵌し、該制動板(59)を前記スチールプレート(57・57)間に配置しエナーシャブレーキ機構(17)を構成し、前記PTO油圧クラッチ(14)が切状態になると、前記クラッチピストン(54)がリターンスプリング(56)によりクラッチ切側へ付勢される力により、押されて摺動するピン(55)を設け、該ピン(55)は、クラッチシリンダ(53)の圧力部分であるクラッチピストン(54)嵌入部よりも外周側で、シリンダ筒の圧力部に影響を及ぼさない位置に穿設した孔に、摺動可能に嵌装し、該PTO油圧クラッチ(14)が切状態になると、該PTO油圧クラッチ(14)によりピン(55)が押されて、該クラッチシリンダ(53)とスチールプレート(57・57)と制動板(59)とブレーキホルダー(58)を一体的に回転させ、前記ブレーキホルダー(58)に係止穴(58a)を形成し、該係止穴(58a)はラチェット状に形成し、ミッションケース(M)の壁面に摺動可能に埋入されたアンカーピン(60)の先端部を、前記係止穴(58a)に嵌入し、前記アンカーピン(60)はスプリング(62)によってブレーキホルダー(58)側に付勢し、前記PTO油圧クラッチ(14)が切状態で、該エナーシャブレーキ機構(17)が制動状態では、該アンカーピン(60)が係止穴(58a)に嵌入していることにより、動力取出し軸(P)の回転方向に対してブレーキホルダー(58)を制動し、前記ラチェット状の係止穴(58a)の形状により、該エナーシャブレーキ機構(17)が制動状態でも、該動力取出し軸(P)の回転方向とは逆方向には、回転可能としたので、該ブレーキ機構が作動していた場合において、PTO軸に作業機を着脱する際に、例えば、該PTO軸に形成された係合突起部と、作業機の動力取り入れ部での係合凹部との回動位相がずれていたとしても、PTO軸を回転させて位相を合わせることで、容易に両者を着脱することができ、作業機のメンテナンスも容易に行なうことができることとなった。
さらに、PTO軸Pは、一方向に何回転でも回転可能で、爪の交換や稲藁の除去などを行なうことができた。
また、PTO軸系のトルクのとじ込みを無くすることができた。
【0029】
さらに、前記PTO油圧クラッチ(14)が切状態になると、前記クラッチピストン(54)がリターンスプリング(56)によりクラッチ切側へ付勢される力により、押されて摺動するピン(55)を設け、該ピン(55)は、クラッチシリンダ(53)の圧力部分であるクラッチピストン(54)嵌入部よりも外周側で、シリンダ筒の圧力部に影響を及ぼさない位置に穿設した孔に、摺動可能に嵌装し、該PTO油圧クラッチ(14)が切状態になると、該PTO油圧クラッチ(14)によりピン(55)が押されて、該クラッチシリンダ(53)とスチールプレート(57・57)と制動板(59)とブレーキホルダー(58)を一体的に回転させるので、PTO油圧クラッチ(14)とエナーシャブレーキ機構(17)を簡単な構造に構成することができ、また、該ピン(55)がクラッチピストン(54)が作動油により摺動する部分に影響を及ぼすことがなく、作動油の漏れを防止することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の動力伝達装置を有したトラクタを示す全体側面図である。
【図2】 同じく動力伝達装置の前部を示す側面図である。
【図3】 同じく動力伝達装置の中部を示す側面図である。
【図4】 同じく動力伝達装置の後部を示す側面図である。
【図5】 PTO油圧クラッチ部を示す側面図である。
【図6】 アンカーピンのミッションケースへの保持機構を示す断面図である。
【図7】 同じく保持機構の別実施例を示す断面図である。
【図8】 第一クラッチ及び第二クラッチを作動させる油圧回路を示す図である。
【図9】 副変速装置を示す側面図である。
【図10】 同じく後面図である。
【符号の説明】
E エンジン
M ミッションケース
P 動力取出し軸(PTO軸)
S シート
CH クラッチハウジング
FW フライホイール
11 第一クラッチ
12 第二クラッチ
13 主変速クラッチ
14 PTO油圧クラッチ
17 エナーシャブレーキ機構
18 副変速機構
25 ダンパースプリング
31 入力軸
32 切換え軸
33 伝動軸
34 駆動軸
35 PTO中間軸
36 フォークシャフト
53 クラッチシリンダ
54 クラッチピストン
55 ピン
56 シリンダスプリング
57 スチールプレート
58 ブレーキホルダー
59 制動板
60 アンカーピン

Claims (1)

  1. エンジン(E)の動力を動力取出し軸(P)へ伝達するトラクタの動力伝達機構において、クラッチ切方向へ付勢されたクラッチピストン(54)を圧油により、クラッチシリンダ(53)内でクラッチ入状態へ操作するPTO油圧クラッチ(14)を、エンジン(E)と動力取出し軸(P)との間に介装し、該クラッチシリンダ(53)の後方において、ブレーキホルダー(58)を回転自在に嵌装し、該クラッチシリンダ(53)にはスチールプレート(57・57)を内嵌し、該ブレーキホルダー(58)には制動板(59)を外嵌し、該制動板(59)を前記スチールプレート(57・57)間に配置しエナーシャブレーキ機構(17)を構成し、前記PTO油圧クラッチ(14)が切状態になると、前記クラッチピストン(54)がリターンスプリング(56)によりクラッチ切側へ付勢される力により、押されて摺動するピン(55)を設け、該ピン(55)は、クラッチシリンダ(53)の圧力部分であるクラッチピストン(54)嵌入部よりも外周側で、シリンダ筒の圧力部に影響を及ぼさない位置に穿設した孔に、摺動可能に嵌装し、該PTO油圧クラッチ(14)が切状態になると、該PTO油圧クラッチ(14)によりピン(55)が押されて、該クラッチシリンダ(53)とスチールプレート(57・57)と制動板(59)とブレーキホルダー(58)を一体的に回転させ、前記ブレーキホルダー(58)に係止穴(58a)を形成し、該係止穴(58a)はラチェット状に形成し、ミッションケース(M)の壁面に摺動可能に埋入されたアンカーピン(60)の先端部を、前記係止穴(58a)に嵌入し、前記アンカーピン(60)はスプリング(62)によってブレーキホルダー(58)側に付勢し、前記PTO油圧クラッチ(14)が切状態で、該エナーシャブレーキ機構(17)が制動状態では、該アンカーピン(60)が係止穴(58a)に嵌入していることにより、動力取出し軸(P)の回転方向に対してブレーキホルダー(58)を制動し、前記ラチェット状の係止穴(58a)の形状により、該エナーシャブレーキ機構(17)が制動状態でも、該動力取出し軸(P)の回転方向とは逆方向には、回転可能としたことを特徴とするトラクタの動力伝達機構。
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