JP2522428Y2 - 防音階段の段板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、低層の集合住宅の通常
の外部階段や、高層建物の非常階段などに使用する防音
階段の段板に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、低層の集合住宅の外部階段や高層
建物の非常階段などは、鋼板製の複数の段板を鋼製の一
対のささら桁間に取付けた構成にしている。また鋼板製
の階段段板では人の上り降りに騒音が生じるので、それ
を防止するために階段の段板の上面にゴム板や樹脂板を
接着したり、鋼板として２枚の鉄板の間にゴム層を設け
た制振鋼板を使用したものなどが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従来の階段段板のうち
防音のために、鋼板からなる段板基材の表面にゴム板等
を加硫接着させたものがある。しかしその場合、ゴム板
等を段板基材に加硫接着した場合、ゴム板の加硫接着側
が収縮するためゴム板に応力が作用する。このため、ゴ
ム板が段板基材から剥離し、また空気中のオゾンにより
劣化して亀裂が生じやすいという問題があった。そこで
本考案は、階段段板の鋼製の段板基材の上下両面にゴム
板を加硫接着して防音効果を高め、しかもゴム板の加硫
接着時の収縮による応力を吸収して、ゴム板表面に亀裂
が発生したり、劣化するのを防止できるようにすること
を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案の防音階段の段板
は、鋼板からなる段板基材の上面及び下面にゴム板を加
硫接着した防音階段の段板であって、上記目的を達成し
たものである。そのため段板基材の少なくとも下面のゴ
ム板は表面の全体に突起リブを有し、加硫接着により生
じるゴム板の表面部の収縮に伴う応力をゴム板の突起リ
ブで吸収できるようにした。ゴム板に設けた突起リブは
直線状に形成され、その複数本を段板基材の短辺方向に
平行に配列させれば、長板状のゴム板の収縮による応力
をより吸収し易くなる。

【０００５】

【作用】上記の防音階段の段板では、段板基材に加硫接
着するゴム板の表面全体に突起リブを設けているので、
ゴム板を段板基材に加硫接着した場合、ゴム板が収縮す
るために応力が作用するが、その応力をゴム板の突起リ
ブで吸収する。このため、ゴム板は応力が作用しない状
態になり、ゴム板表面に亀裂が生じたり、表面が劣化す
るのを防止できる。また段板基材の上下面をゴム板で被
覆するので防音効果が大きく、さらに鋼製の段板基材に
錆が発生するのを防止できる。

【０００６】

【実施例】本考案の防音階段の段板の実施例を図１、２
により説明する。防音階段の段板１は、鋼製長板の両側
の長辺部が上下に直角に折り曲げられた段板基材２の上
下面全体に、ゴム板３ａ、３ｂが加硫接着されている。
なお段板基材２の両側の折り曲げ部の両面及び、段板基
材２の周縁の端面に、前記ゴム板３ａ、３ｂが延長され
て加硫接着されている。このように段板基材２の全周を
ゴム板３ａ、３ｂで被覆することにより錆の発生を防止
でき、また防音効果を向上できる。また段板基材２に加
硫接着された下側のゴム板３ｂは、両横の水平短辺部の
下面が少し厚肉の取付け面４ａに形成されて、段板１の
両横短辺部に取付け用の孔４が設けられる。そして、図
４に示すように一対のささら桁５の間に段板１が適宜間
隔で配置され、段板１の両端の孔４にボルトを通してさ
さら桁５側の支持材に固定させることにより防音階段が
構成される。

【０００７】段板基材２の上側のゴム板３ａの表面全体
には滑り止めの凹凸７が設けられ、段板基材の下側のゴ
ム板３ｂの表面に、直線状の突起リブ６が適宜間隔で段
板基材２の水平短辺部に平行に複数本設けられている。
また下側のゴム板３ｂの表面には、前記突起リブ６と直
交方向に適宜間隔で直線状の突起リブ６ａが設けられ
て、突起リブ６、６ａの全体では格子状になっている。
このように突起リブ６、６ａを設けたのは、ゴム板３ｂ
を段板基材２に加硫接着した場合に、ゴム板３ｂの表面
部が収縮して応力が生じるが、その応力を吸収してゴム
板に３ｂに亀裂などが生じないようにできるからであ
る。なおゴム板３ｂの厚さを３ｍｍとした場合、１つの
突起リブ６、６ａの高さは約５ｍｍ、幅は約１５ｍｍに
し、各突起リブの間隔は約１００ｍｍにするのが望まし
い。段板基材２の上側のゴム板３ａは、下側のゴム板３
ｂより厚肉であって表面に凹凸７が設けられているた
め、ゴム板３ａが加硫接着で収縮する変形は凹凸７であ
る程度吸収され、応力が生じにくい。しかし、段板基材
２の上側のゴム板３ａにおいて、加硫接着による収縮で
生じる応力をより吸収できるようにするため、ゴム板３
ａの上面に、下面のゴム板３ｂと同様に突起リブ６、６
ａを設けるようにしてもよい。

【０００８】

【考案の効果】本考案の防音階段の段板によれば、段板
基材に加硫接着するゴム板の表面に突起リブを設けてい
るので、ゴム板が加硫接着により収縮して応力が生じよ
うとしても、ゴム板表面部の突起リブにより吸収され
て、ゴム板表面が劣化したり、表面に亀裂が入るのを防
止できる。また鋼製の段板基材の全周がゴム板で被覆さ
れるので、防音効果を向上できるとともに、錆の発生を
防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の防音階段の段板の斜視図である。

【図２】本考案の段板の側断面図である。

【図３】本考案の段板の正面断面図である。

【図４】本考案の段板を使用した防音階段の斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 段板 ２ 段板基材 ３ａ ゴム板 ３ｂ ゴム板 ６ 突起リブ

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋼板からなる段板基材の上面及び下面に
   ゴム板を加硫接着した防音階段の段板であって、段板基
   材の少なくとも下面のゴム板は表面の全体に突起リブを
   有し、加硫接着により生じるゴム板の表面部の収縮に伴
   う応力をゴム板の突起リブで吸収させたことを特徴とす
   る防音階段の段板。
2. 【請求項２】 ゴム板に設けられる突起リブは、直線状
   に形成されてその複数本が段板基材の短辺方向に平行に
   なっている請求項１の防音階段の段板。