JP2522104Y2 - 分岐管防食用熱収縮性成形体 - Google Patents

分岐管防食用熱収縮性成形体

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JP2522104Y2
JP2522104Y2 JP5743392U JP5743392U JP2522104Y2 JP 2522104 Y2 JP2522104 Y2 JP 2522104Y2 JP 5743392 U JP5743392 U JP 5743392U JP 5743392 U JP5743392 U JP 5743392U JP 2522104 Y2 JP2522104 Y2 JP 2522104Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、主管に枝管が交差接合
してなる分岐管の分岐部の防食用に使用される分岐管防
食用熱収縮性成形体に関し、更に詳細には従来のものに
較べて作業が容易であって、かつ防食上の欠陥が発生し
ないように改良された分岐管防食用熱収縮性成形体に関
するものである。
【0002】鋼管等の腐食性の管を使用して地中に管
路、或いはパイプラインを敷設する場合、管表面の腐食
を防止するために、例えばポリエチレンライニング等の
表面防食処理が施された表面防食加工管が地中埋設用の
管として使用されている。ところで、管の埋設工事にお
いて主管から枝管を分岐させて分岐管を形成する場合、
主管に枝管を直接接続して分岐部を形成する方法、又は
分岐用管継ぎ手を使用して分岐部を形成する方法のいず
れの方法により分岐部を形成するにしろ、分岐部の表面
は、溶接等による管接続作業の都合上、防食用被覆が剥
ぎ取られ露出しているので、管接続後、この分岐部表面
の防食処理が必要となる。本考案に係る分岐管防食用熱
収縮性成形体は、かかる分岐部の表面防食処理に使用さ
れるものである。
【0003】
【従来の技術】以前には、アスファルトで被覆する方
法、プラスチック製粘着テープを巻回して被覆する方法
等によって分岐部の防食処理を行っていたが、いずれの
方法も防食上での欠陥が生じ易く、かつ手間を要する大
変な作業であった。そこで、例えば特開昭56−494
84号公報、同59−222312号公報、及び特開平
3−96795号公報に開示されているような種々の形
態の防食用シートが提案され、試みられている。
【0004】特開昭59−222312号公報に開示さ
れている防食用シートは、図4の斜視図に示すように、
耐食性かつ熱収縮性チューブaの端部にフランジを設
け、そのフランジを熱収縮性かつ耐食性のシートbに接
合して形成した防食用シート、又は絞り加工により筒状
の突起部をシートbに形成し、その突起部の外側又は内
側にチューブaの端部を接合して形成した防食用シート
である。この防食用シートは、枝管を上記チューブaに
挿入し、シートbを分岐部の主管部へ被着し、全体を加
熱して熱収縮させることにより分岐部表面に密着させ
て、分岐部を防食加工するものである。特開昭56−4
9484号公報に開示されている防食用シートも上述の
防食用シートとほぼ同様の構成である。
【0005】一方、特開平3−96795号公報に開示
されている防食用シートは、図5(a)、(b)及び
(c)にそれぞれ示すように別体として熱収縮性かつ耐
食性のシートから形成された、付け根部被覆シート3
と、枝管部被覆シート4と、主管部被覆シート5とから
構成されていて、図6(a)、(b)及び(c)にそれ
ぞれ示すように、付け根部被覆シート3は枝管2の付け
根部bとその周辺部を被覆し、枝管部被覆シート4は枝
管連結部2aを含む枝管2の端部を被覆し、主管部被覆
シート5は分岐部の主管部1aを含む主管1、1の端部
を被覆するようにされている。
【0006】付け根部被覆シート3は、図5(a)のと
おり分岐部の主管の管径に合わせた所定の幅Wと長さL
をもち、枝管2の外周長よりやや周長の楕円状の案内孔
3aが、幅Wの方向に沿って形成されている。枝管部被
覆シート4は、枝管2の外周長より大きな内周長を有す
るチューブ状に成形されており、図5(b)のように下
端部が主管部1aの外形に適合し易いように、下端部の
両側に切り欠き部4a、4aが形成されている。主管部
被覆シート5は、図5(c)のように、主管部1aを含
む主管1、1の一部へ充分巻き着け得るような幅Wと、
主管部1aと両側の溶接継ぎ目12、12(図6
(c))をカバーするに必要な長さLをもち、長さL方
向中央部に枝管2を通す案内孔5aが形成されている。
以上のシートを図6(a)、(b)及び(c)に示すよ
うに順次分岐部表面に被着し、加熱して熱収縮させるこ
とにより、分岐部表面に密着させ、防食処理を行うもの
である。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】前述の図4に示すよう
な平面状シートbに筒状のチューブaを接合して形成し
た防食用シートを分岐部に被覆する際に、シートbを分
岐部の主管部の外形に沿って湾曲させると、その湾曲に
伴いチューブaとシートbとの接合部に波状の変形歪み
が生じ、その歪みの内側がエアーポケットとなると共に
応力が局部的に発生し、その結果、防食用シートを加熱
して熱収縮させても、かかる変形は、解消せずに殆ど元
の歪み形態に近い状態で残ることが多かった。
【0008】一方、図5に示す防食用シートでは、付け
根部被覆シート3に設けられた案内孔3aの形状は、必
ずしも付け根部に整合するように特定されているわけで
はなく、しかも案内孔3a周りの部分を付け根より多少
上方で枝管2に被着させるので、付け根部被覆シート3
を分岐部に被せたとき、図6(a)に示すように分岐部
の付け根部に整合する保証はなく、付け根部に波状の変
形歪みが生じ、その歪みの内側がエアーポケットになっ
ていた。また、枝管部被覆シート4の下端部4aに設け
られた切り欠きの形状は、必ずしも主管部1aに整合す
るように特定されてはいないので、図6(b)に示すよ
うに、枝管部被覆シート4を付け根部被覆シート3の上
に被せたとき、端部4aが主管部1aに整合するかどう
かの保証が無く、付け根部に波状の変形歪みが生じ、付
け根部被覆シート3同様に、その歪みの内側がエアーポ
ケットになっていた。
【0009】これらの変形歪み、或いはエアーポケット
は、防食用シートを加熱して熱収縮させても解消せずに
殆ど元の歪み形態に近い状態で残ることが多かった。ま
た、現場施工時に付け根部被覆シート3上に枝管部被覆
シート4を重ねるので、充分に注意を払った積もりでも
重ね部分に隙間が生じていることがしばしばあった。更
に、付け根部被覆シート3と枝管部被覆シート4とを個
別にそれぞれ分岐部に被着させるので、不注意により分
岐部表面に、特に枝管2の付け根部b付近に露出した面
が残ることもあった。
【0010】防食用シートに波状等の変形が生じている
場合、時間の経過と共に、材料疲労による亀裂が変形し
た部分に発生し、亀裂を通して外部と分岐部表面とが連
通するようになる。エアーポケットが存在する場合に
は、その中に閉じ込められた空気が管内流体の温度によ
り膨張収縮を繰り返してエアーポケット付近のシートを
疲労させ亀裂を発生させると共に、エアーポケットを拡
大し、遂には分岐部表面を外部と連通させるようにな
る。また、現場施工時に生じた防食用シートの隙間、例
えば付け根部被覆シート3と枝管部被覆シート4との重
ね部分に生じた隙間を通して外部と分岐部の表面が連通
する。
【0011】一旦、分岐部の表面と外部とが連通する
と、地中に存在する腐食性物質を溶解した水分、ガスが
分岐部に到達し、分岐部を腐食するようになる。埋設管
の場合、かかる腐食の進行は埋設管を掘り返さない限り
検知できないので、その防食処理には、作業の完璧が要
求される。そのため、外観検査で防食用シートの変形の
有無を検査し、更にピンホールディテクターで防食処理
の欠陥の有無を検査するのが、通常である。しかし、従
来の防食用シートを使用して分岐部の表面防食処理を行
った場合、上述のように変形或いはエアーポケット等の
欠陥が発生する率が高いので、外観検査或いはピンホー
ル検査で不合格になることが頻繁にあり、そのため再施
工、手直し等の手戻り作業が多かった。また、従来の防
食用シートを使用して欠陥が発生しないように防食処理
を行うには熟練した作業員を必要とするが、人手不足の
今日、かかる作業員を確保することは非常に難しい。
【0012】上述の従来の防食用シートの問題に鑑み、
本考案の目的は、防食用シートの被着の際に、変形或い
はエアーポケット等の表面防食上の欠陥が発生しないよ
うに、かつ作業が行い易いように改良された分岐管防食
用熱収縮性成形体を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本考案者は、実験を重ね
た末、従来の防食用シートにおいて変形或いはエアーポ
ケット等の防食上の欠陥が発生する原因は、従来の防食
用シートを分岐部に被着した際に、分岐部の形状に防食
用シートが整合しないこと、或いは現場で個別的にそれ
ぞれの被覆シートを被着させることにあることを見い出
し、本考案を考案するに到った。上記目的を達成するた
めに、本考案に係る分岐管防食用熱収縮性成形体は、主
管に枝管が交差接合してなる分岐管の分岐部を表面防食
するために、それぞれ耐食性かつ熱収縮性基材からな
る、枝管の外径より大きい内径を有する管状部と、分岐
部における主管の外形にほぼ合致するように形成された
シート部とを有し、管状部は、主管に枝管が交差する交
差角度とほぼ同じ角度でシート部に該管状部の一方の端
部で交差し、かつ該端部の周端縁に沿ってシート部に接
合され、シート部は、接合された管状部の端部内周に沿
って開口した連通孔を備えていることを特徴としてい
る。
【0014】本考案に係る分岐管防食用熱収縮性成形体
(以下、簡単のために防食用成形体と略称する)で用い
る耐食性かつ熱収縮性基材は、耐食性かつ熱収縮性を有
する従来から既知の基材であって、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、フッ素樹脂等の熱可塑性プラスチック、天然ゴ
ム、シリコンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン
共重合体ゴム等、更にはこれらの混合物である。本考案
で熱収縮性基材とは、40%程度の熱収縮性を有する基
材を言い、上記基材はこの程度の熱収縮性を有するもの
である。用途に応じて上述のプラスチック及びゴムに老
化防止剤、充填剤、着色剤等の添加剤を配合してもよ
く、また上述のプラスチック及びゴムを架橋して使用し
てもよい。
【0015】基材が、製造時において一軸延伸されたシ
ートである場合には、好ましくは、シート部の主管周方
向及び管状部の周方向をそれぞれシートの延伸方向(収
縮方向)に合わせる。そうすれば、加熱による熱収縮に
よって、シートが分岐部の主管部及び枝管部に一層緊密
に密着する。好適には、防食用成形体のシート部と管状
部の被着側に接着剤を塗布して接着剤層を形成し、被着
時において防食用成形体と分岐部との密着性を高めるよ
うにすることもできる。その際、形成した接着剤層を隔
離保護するために離型フィルムを被着しておくことが望
ましい。接着剤の例として、ゴム系の感圧性及び自己融
着性接着剤あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リアミド等のホットメルト接着剤がある。
【0016】防食用成形体の管状部は、必ずしも円筒状
である必要はなく、楕円筒状、又は角筒に近い形状でも
よいが、枝管が円筒の場合には好適には円筒状にする。
管状部の内径は、枝管に挿入する都合上熱収縮前は枝管
の外径より大きく、自由熱収縮させるとき枝管の外径よ
り小さい内径になるような寸法に、周長で言えば、管状
部の内周長が枝管の外周長より10〜20%程度大きく
なるように設定して、加熱収縮後管状部が枝管に確実に
密着するようにする。尚、ここで管状部の内径とは、枝
管の外径に対応した方向の管状部の内法の差し渡し寸法
を言う。シート部の平面的形状は、特に制約はなく、長
方形、正方形、又はその他の任意の形状でよく、その大
きさは、連通孔を備えることができる大きさであればよ
い。シート部と接合する管状部の一方の端部の周端縁の
輪郭、及び接合された管状部の端部内周に沿って開口す
るシート部の連通孔の形状は、既知の数学的手法又は図
学的手法により容易に特定することができる。
【0017】シート部と管状部との接合は、常用の融着
方法により行われる。例えば、所定位置に所要形状の連
通孔を開けたシート部をそれとほぼ同じ外形の支持面を
備えた支持架台の上に載せる。次いで、その連通孔の孔
縁上に管状部を所要輪郭に裁断されたその端部の周端縁
で当接直立させ、電気ヒータの環状の発熱体を管状部端
部の周端縁に沿って密着するように配置し、局部的に急
速加熱してシート部と管状部の当接した部分をそれぞれ
溶融させ、融着させる。加熱による熱収縮は、局部的な
急速加熱を施すことにより、極く接合部直近に限定さ
れ、接合部直近以外の部分への影響は殆ど無い。
【0018】
【作用】本考案に係る防食用成形体では、管状部が、主
管に枝管が交差する交差角度とほぼ同じ角度でシート部
に該管状部の端部で交差当接し、かつ端部の周端縁に沿
って一体的にシート部に接合されているので、本考案に
係る防食用成形体は、分岐管の分岐管の外形とほぼ同じ
輪郭を有するように形成されている。従って、本考案に
係る防食用成形体を分岐部に被着させた際、防食用成形
体と分岐部との形状不整合による変形或いはエアーポケ
ット等が生じないので、従来の防食用シートに較べて防
食上での欠陥の発生率が大幅に減少する。
【0019】
【実施例】以下に、添付図面を参照して実施例に基づき
本考案をより詳細に説明する。図1(a)は本考案に係
る分岐管防食用熱収縮性成形体(以下、簡単のため防食
用成形体と略称する)の一例を分岐管の分岐部に配置し
た正面図であり、図1(b)は図1(a)の線X−Xか
ら見た防食用成形体の断面図である。図1に示すよう
に、本実施例に係る防食用成形体20は、円筒形主管A
に主管Aの約1/2の径の円筒形枝管Bを直交接続する
ためにT型継ぎ手を使用して形成した分岐部Cの表面防
食に使用される防食用成形シートであって、それぞれ耐
食性かつ約40%程度の熱収縮性を有する基材から形成
された、シート部22と管状部24とから構成されてい
る。
【0020】図1において実線D及び点線Eは、それぞ
れ主管AとT型継ぎ手との溶接継ぎ目及び枝管BとT型
継ぎ手との溶接継ぎ目を示す。図1に示すように、シー
ト部22は分岐部Cの主管部に被着され、管状部24は
分岐部Cの枝管部に被着される。シート部22は、分岐
部Cの主管部を被覆するために、主管Aの外半径とほぼ
同じ曲率半径を有する円筒体を長手方向に分割したよう
な形状に形成されていて、図2(a)の展開図に示すよ
うに本実施例では主管Aの外周の1/2に等しい幅W
と、枝管Bの外径よりはかなり長い適当な長さLを有す
る。防食用成形体20を分岐部Cに被着させる際には、
シート部22の幅W方向を主管Aの周方向に配向する。
管状部24は、枝管部を被覆するために、枝管の外径よ
り大きい内径を有する円管状に成形されている。本実施
例では、枝管の外径が115mmの場合に、管状部24の
内径を150mmとした。この場合、その熱収縮量は、約
23%となる。
【0021】管状部24は、主管Aに枝管Bが交差する
角度、即ちT型継ぎ手の交差角度90°とほぼ同じ角度
でシート部22のほぼ中央に該管状部24の下端部26
において交差当接し、かつ当接した下端部26の周端縁
28に沿って一体的にシート部22に融着接合されてい
る。シート部22には、管状部24の接合された下端部
26の内周に沿って連通孔30が開口している。シート
部22の連通孔30の形状は、図2(a)の展開図に示
すように楕円形であって、長軸がシート部22の幅方向
に向いている。連通孔30の短軸S1は、管状部24の
内径に等しく、長軸S2は、図1(b)においてシート
部22と管状部24との接合部内側の最外端32、32
を挟む中心角α(その中心はシート部22の曲率中心で
ある)のシート部22上の弧の長さである。管状部24
の下端部26の周端縁28の輪郭は、シート部22と管
状部24とが交差して描く線と同じ輪郭を備えており、
それを展開すると、図2(b)の展開図に示すような輪
郭28になる。
【0022】シート部22と管状部24とを接合するに
当たっては、本実施例では図3に示すように、主管Aと
同じ曲率半径の支持面を備えた支持台Fの曲面上に連通
孔30が設けられたシート部22を載せ、連通孔30の
孔縁に沿って管状部24の下端部26を整合配置する。
次いで下端部26の周端縁28とほぼ同じ閉曲線状の発
熱体を有する電気ヒータ(図示しない)の該発熱体を周
縁28に沿って密着して配置し、局部的に急速加熱して
シート部22の連通孔30の孔縁と管状部24の下端部
30のそれぞれを溶融し、相互に融合させて融着する。
例えば、基材が架橋ポリエチレンの場合、その加熱温度
は約200°Cである。尚、融着後、ピンホール検査を
行って融着不良品を除外するのが望ましい。シート部2
2及び管状部24の被着側には、粘着剤を塗布して粘着
剤層を形成し、形成した粘着剤層を隔離保護するため必
要に応じ離型フィルムを被着させておく。
【0023】本実施例の防食用成形体20を分岐部Cに
被着するには、先ず分岐部Cの表面から錆その他の異物
を排除して地肌を露出させ、次いで管状部24を枝管B
に挿入し、続いて分岐部Cの主管部にシート部22を粘
着剤層を介して被着させ、次いでガスバーナ等の加熱手
段(図示しない)でシ─ト部22を徐々に加熱し、続い
て管状部24を加熱して防食用成形体20全体を120
〜160°Cの範囲の温度にする。これにより、管状部
24及びシート部22は、それぞれ収縮して、波状の変
形、隙間、エアーポケット等の欠陥を生じることなく、
図1(a)に示すように分岐部Cの表面に緊密に密着す
る。
【0024】最終的には、本考案に係る防食用成形体を
分岐部に被着した後、分岐部の残存露出円筒面を被覆す
るために、本考案に係る防食用成形体とは別に用意した
防食用シートを所要の大きさに切断して、常用の方法で
被覆する。例えば、幅が主管Aの外周より大きく、長さ
が主管A及び分岐部Cの露出面の長さより長くなるよう
に用意した防食用シートを切断し、かつ枝管Bの位置に
枝管Bの外径と同じ径の孔又はシート部22の連通孔3
0と同じ輪郭の孔を開け、この防食用シートの孔を介し
て枝管Bを通して被着させる。これにより、分岐部Cの
残存露出面が全て被覆され、分岐部の防食処理が完了す
る。
【0025】上述した実施例では、T型分岐部を防食す
る場合を例に挙げて本考案に係る防食用成形体を説明し
たが、本考案は、主管と枝管との交差角度が90°の分
岐部に限られることなく任意の交差角度の分岐部に適用
できる。また、上述した実施例では、主管と枝管が円筒
管の場合を例に挙げて本考案に係る防食用成形体を説明
したが、本考案は、主管及び枝管が円筒管である必要は
なく、任意の形状、例えば角筒状の管の分岐部にも適用
できる。
【0026】
【考案の効果】本考案に係る防食用成形体は、主管に枝
管が交差する交差角度とほぼ同じ角度で、管状部の下端
部がシート部に交差し、かつ交差した下端部の周端縁に
沿って一体的にシート部に接合されているので、防食用
成形体を分岐部に被着させた際、防食用成形体と分岐部
との形状不整合が生じない。従って、分岐部における防
食用成形体の変形或いはエアーポケット等の防食上での
欠陥の発生率が、従来の防食用シートに較べて大幅に減
少し、その結果再施工、手直し等の手戻り作業が大幅に
少なくなり、分岐部の防食作業の作業能率が向上する。
また、本考案に係る防食用成形体は、管状部とシート部
との一体的な成形体であり、かつ必要に応じ予め製品検
査を施すことができるので、現場で個別に被覆シートを
分岐部表面に被着させる従来の防食用シートに較べて、
それだけ、欠陥の発生率が低く、かつ現場での熟練を要
する作業が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本考案に係る防食用成形体の一例
を分岐管の分岐部に配置した正面図であり、図1(b)
は図1(a)の線X−Xから見た防食用成形体の断面図
である。
【図2】図2(a)はシート部の展開図であり、図2
(b)は管状部の展開図である。
【図3】管状部をシート部に融着させる方法の一例の説
明図である。
【図4】従来の防食用シートの一例を示す斜視図であ
る。
【図5】図5(a)、(b)及び(c)は、従来の防食
用シートの別の例の各被覆シートのそれぞれの平面図で
ある。
【図6】図6(a)、(b)及び(c)は、図5に示す
従来の防食用シートの各被覆シートをそれぞれ分岐部に
被着した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
20 本考案に係る分岐管防食用熱収縮性成形体の一実
施例 22 シート部 24 管状部 26 管状部の下端部 28 下端部の周端縁 30 連通孔 32 シート部と管状部との接合部内側の最外端

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主管に枝管が交差接合してなる分岐管の
    分岐部を表面防食するために、それぞれ耐食性かつ熱収
    縮性基材からなる、前記枝管の外径より大きい内径を有
    する管状部(24)と、前記分岐部における前記主管の
    外形にほぼ合致するように形成されたシート部(22)
    とを有し、 前記管状部は、前記主管に前記枝管が交差する交差角度
    とほぼ同じ角度で前記シート部に該管状部の一方の端部
    (26)で交差し、かつ該端部の周端縁(28)に沿っ
    て前記シート部に接合され、 前記シート部は、前記接合された管状部の端部内周に沿
    って開口した連通孔(30)を備えていることを特徴と
    する分岐管防食用熱収縮性成形体。
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