JPH0614687U - 分岐管防食用熱収縮性成形体 - Google Patents
分岐管防食用熱収縮性成形体Info
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- JPH0614687U JPH0614687U JP5743392U JP5743392U JPH0614687U JP H0614687 U JPH0614687 U JP H0614687U JP 5743392 U JP5743392 U JP 5743392U JP 5743392 U JP5743392 U JP 5743392U JP H0614687 U JPH0614687 U JP H0614687U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 防食用シートの装着の際に、変形或いはエア
ーポケット等の表面防食上の欠陥の発生しないように、
かつ取り付けし易いように改良された分岐管防食用熱収
縮性成形体を提供する。 【構成】 分岐管防食用熱収縮性成形体(20)は、主
管に枝管が交差接合してなる分岐管の分岐部を表面防食
するために、それぞれ耐食性かつ熱収縮性基材からな
る、枝管の外径より大きい内径を有する管状部(24)
と、分岐部における主管の外形に合致する形状に形成さ
れたシート部(22)とを有する。管状部は、主管に枝
管が交差する交差角度とほぼ同じ角度でシート部に一方
の端部(26)で交差し、かつ交差した管状部は、その
端部の周端縁(28)に沿って一体的にシート部に接合
されている。シート部は、管状部の接合された端部内周
に沿って開口された連通孔(30)を備えている。
ーポケット等の表面防食上の欠陥の発生しないように、
かつ取り付けし易いように改良された分岐管防食用熱収
縮性成形体を提供する。 【構成】 分岐管防食用熱収縮性成形体(20)は、主
管に枝管が交差接合してなる分岐管の分岐部を表面防食
するために、それぞれ耐食性かつ熱収縮性基材からな
る、枝管の外径より大きい内径を有する管状部(24)
と、分岐部における主管の外形に合致する形状に形成さ
れたシート部(22)とを有する。管状部は、主管に枝
管が交差する交差角度とほぼ同じ角度でシート部に一方
の端部(26)で交差し、かつ交差した管状部は、その
端部の周端縁(28)に沿って一体的にシート部に接合
されている。シート部は、管状部の接合された端部内周
に沿って開口された連通孔(30)を備えている。
Description
【0001】
本考案は、主管に枝管が交差接合してなる分岐管の分岐部の防食用に使用され る分岐管防食用熱収縮性成形体に関し、更に詳細には従来のものに較べて作業が 容易であって、かつ防食上の欠陥が発生しないように改良された分岐管防食用熱 収縮性成形体に関するものである。
【0002】 鋼管等の腐食性の管を使用して地中に管路、或いはパイプラインを敷設する場 合、管表面の腐食を防止するために、例えばポリエチレンライニング等の表面防 食処理が施された表面防食加工管が地中埋設用の管として使用されている。 ところで、管の埋設工事において主管から枝管を分岐させて分岐管を形成する 場合、主管に枝管を直接接続して分岐部を形成する方法、又は分岐用管継ぎ手を 使用して分岐部を形成する方法のいずれの方法により分岐部を形成するにしろ、 分岐部の表面は、溶接等による管接続作業の都合上、防食用被覆が剥ぎ取られ露 出しているので、管接続後、この分岐部表面の防食処理が必要となる。 本考案に係る分岐管防食用熱収縮性成形体は、かかる分岐部の表面防食処理に 使用されるものである。
【0003】
以前には、アスファルトで被覆する方法、プラスチック製粘着テープを巻回し て被覆する方法等によって分岐部の防食処理を行っていたが、いずれの方法も防 食上での欠陥が生じ易く、かつ手間を要する大変な作業であった。そこで、例え ば特開昭56−49484号公報、同59−222312号公報、及び特開平3 −96795号公報に開示されているような種々の形態の防食用シートが提案さ れ、試みられている。
【0004】 特開昭59−222312号公報に開示されている防食用シートは、図4の斜 視図に示すように、耐食性かつ熱収縮性チューブaの端部にフランジを設け、そ のフランジを熱収縮性かつ耐食性のシートbに接合して形成した防食用シート、 又は絞り加工により筒状の突起部をシートbに形成し、その突起部の外側又は内 側にチューブaの端部を接合して形成した防食用シートである。 この防食用シートは、枝管を上記チューブaに挿入し、シートbを分岐部の主 管部へ被着し、全体を加熱して熱収縮させることにより分岐部表面に密着させて 、分岐部を防食加工するものである。 特開昭56−49484号公報に開示されている防食用シートも上述の防食用 シートとほぼ同様の構成である。
【0005】 一方、特開平3−0000号公報に開示されている防食用シートは、図5(a )、(b)及び(c)にそれぞれ示すように別体として熱収縮性かつ耐食性のシ ートから形成された、付け根部被覆シート3と、枝管部被覆シート4と、主管部 被覆シート5とから構成されていて、図6(a)、(b)及び(c)にそれぞれ 示すように、付け根部被覆シート3は枝管2の付け根部bとその周辺部を被覆し 、枝管部被覆シート4は枝管連結部2aを含む枝管2の端部を被覆し、主管部被 覆シート5は分岐部の主管部1aを含む主管1、1の端部を被覆するようにされ ている。
【0006】 付け根部被覆シート3は、図5(a)のとおり分岐部の主管の管径に合わせた 所定の幅Wと長さLをもち、枝管2の外周長よりやや周長の楕円状の案内孔3a が、幅Wの方向に沿って形成されている。 枝管部被覆シート4は、枝管2の外周長より大きな内周長を有するチューブ状 に成形されており、図5(b)のように下端部が主管部1aの外形に適合し易い ように、下端部の両側に切り欠き部4a、4aが形成されている。 主管部被覆シート5は、図5(c)のように、主管部1aを含む主管1、1の 一部へ充分巻き着け得るような幅Wと、主管部1aと両側の溶接継ぎ目12、1 2(図6(c))をカバーするに必要な長さLをもち、長さL方向中央部に枝管 2を通す案内孔5aが形成されている。 以上のシートを図6(a)、(b)及び(c)に示すように順次分岐部表面に 被着し、加熱して熱収縮させることにより、分岐部表面に密着させ、防食処理を 行うものである。
【0007】
前述の図4に示すような平面状シートbに筒状のチューブaを接合して形成し た防食用シートを分岐部に被覆する際に、シートbを分岐部の主管部の外形に沿 って湾曲させると、その湾曲に伴いチューブaとシートbとの接合部に波状の変 形歪みが生じ、その歪みの内側がエアーポケットとなると共に応力が局部的に発 生し、その結果、防食用シートを加熱して熱収縮させても、かかる変形は、解消 せずに殆ど元の歪み形態に近い状態で残ることが多かった。
【0008】 一方、図5に示す防食用シートでは、付け根部被覆シート3に設けられた案内 孔3aの形状は、必ずしも付け根部に整合するように特定されているわけではな く、しかも案内孔3a周りの部分を付け根より多少上方で枝管2に被着させるの で、付け根部被覆シート3を分岐部に被せたとき、図6(a)に示すように分岐 部の付け根部に整合する保証はなく、付け根部に波状の変形歪みが生じ、その歪 みの内側がエアーポケットになっていた。 また、枝管部被覆シート4の下端部4aに設けられた切り欠きの形状は、必ず しも主管部1aに整合するように特定されてはいないので、図6(b)に示すよ うに、枝管部被覆シート4を付け根部被覆シート3の上に被せたとき、端部4a が主管部1aに整合するかどうかの保証が無く、付け根部に波状の変形歪みが生 じ、付け根部被覆シート3同様に、その歪みの内側がエアーポケットになってい た。
【0009】 これらの変形歪み、或いはエアーポケットは、防食用シートを加熱して熱収縮 させても解消せずに殆ど元の歪み形態に近い状態で残ることが多かった。 また、現場施工時に付け根部被覆シート3上に枝管部被覆シート4を重ねるの で、充分に注意を払った積もりでも重ね部分に隙間が生じていることがしばしば あった。 更に、付け根部被覆シート3と枝管部被覆シート4とを個別にそれぞれ分岐部 に被着させるので、不注意により分岐部表面に、特に枝管2の付け根部b付近に 露出した面が残ることもあった。
【0010】 防食用シートに波状等の変形が生じている場合、時間の経過と共に、材料疲労 による亀裂が変形した部分に発生し、亀裂を通して外部と分岐部表面とが連通す るようになる。エアーポケットが存在する場合には、その中に閉じ込められた空 気が管内流体の温度により膨張収縮を繰り返してエアーポケット付近のシートを 疲労させ亀裂を発生させると共に、エアーポケットを拡大し、遂には分岐部表面 を外部と連通させるようになる。 また、現場施工時に生じた防食用シートの隙間、例えば付け根部被覆シート3 と枝管部被覆シート4との重ね部分に生じた隙間を通して外部と分岐部の表面が 連通する。
【0011】 一旦、分岐部の表面と外部とが連通すると、地中に存在する腐食性物質を溶解 した水分、ガスが分岐部に到達し、分岐部を腐食するようになる。 埋設管の場合、かかる腐食の進行は埋設管を掘り返さない限り検知できないの で、その防食処理には、作業の完璧が要求される。そのため、外観検査で防食用 シートの変形の有無を検査し、更にピンホールディテクターで防食処理の欠陥の 有無を検査するのが、通常である。 しかし、従来の防食用シートを使用して分岐部の表面防食処理を行った場合、 上述のように変形或いはエアーポケット等の欠陥が発生する率が高いので、外観 検査或いはピンホール検査で不合格になることが頻繁にあり、そのため再施工、 手直し等の手戻り作業が多かった。 また、従来の防食用シートを使用して欠陥が発生しないように防食処理を行う には熟練した作業員を必要とするが、人手不足の今日、かかる作業員を確保する ことは非常に難しい。
【0012】 上述の従来の防食用シートの問題に鑑み、本考案の目的は、防食用シートの被 着の際に、変形或いはエアーポケット等の表面防食上の欠陥が発生しないように 、かつ作業が行い易いように改良された分岐管防食用熱収縮性成形体を提供する ことである。
【0013】
本考案者は、実験を重ねた末、従来の防食用シートにおいて変形或いはエアー ポケット等の防食上の欠陥が発生する原因は、従来の防食用シートを分岐部に被 着した際に、分岐部の形状に防食用シートが整合しないこと、或いは現場で個別 的にそれぞれの被覆シートを被着させることにあることを見い出し、本考案を考 案するに到った。 上記目的を達成するために、本考案に係る分岐管防食用熱収縮性成形体は、主 管に枝管が交差接合してなる分岐管の分岐部を表面防食するために、それぞれ耐 食性かつ熱収縮性基材からなる、枝管の外径より大きい内径を有する管状部と、 分岐部における主管の外形にほぼ合致するように形成されたシート部とを有し、 管状部は、主管に枝管が交差する交差角度とほぼ同じ角度でシート部に該管状 部の一方の端部で交差し、かつ該端部の周端縁に沿ってシート部に接合され、 シート部は、接合された管状部の端部内周に沿って開口した連通孔を備えてい ることを特徴としている。
【0014】 本考案に係る分岐管防食用熱収縮性成形体(以下、簡単のために防食用成形体 と略称する)で用いる耐食性かつ熱収縮性基材は、耐食性かつ熱収縮性を有する 従来から既知の基材であって、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル 、エチレン−酢酸ビニル共重合体、フッ素樹脂等の熱可塑性プラスチック、天然 ゴム、シリコンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム等、更に はこれらの混合物である。本考案で熱収縮性基材とは、40%程度の熱収縮性を 有する基材を言い、上記基材はこの程度の熱収縮性を有するものである。 用途に応じて上述のプラスチック及びゴムに老化防止剤、充填剤、着色剤等の 添加剤を配合してもよく、また上述のプラスチック及びゴムを架橋して使用して もよい。
【0015】 基材が、製造時において一軸延伸されたシートである場合には、好ましくは、 シート部の主管周方向及び管状部の周方向をそれぞれシートの延伸方向(収縮方 向)に合わせる。そうすれば、加熱による熱収縮によって、シートが分岐部の主 管部及び枝管部に一層緊密に密着する。 好適には、防食用成形体のシート部と管状部の被着側に接着剤を塗布して接着 剤層を形成し、被着時において防食用成形体と分岐部との密着性を高めるように することもできる。その際、形成した接着剤層を隔離保護するために離型フィル ムを被着しておくことが望ましい。 接着剤の例として、ゴム系の感圧性及び自己融着性接着剤あるいはエチレン− 酢酸ビニル共重合体、ポリアミド等のホットメルト接着剤がある。
【0016】 防食用成形体の管状部は、必ずしも円筒状である必要はなく、楕円筒状、又は 角筒に近い形状でもよいが、枝管が円筒の場合には好適には円筒状にする。 管状部の内径は、枝管に挿入する都合上熱収縮前は枝管の外径より大きく、自 由熱収縮させるとき枝管の外径より小さい内径になるような寸法に、周長で言え ば、管状部の内周長が枝管の外周長より10〜20%程度大きくなるように設定 して、加熱収縮後管状部が枝管に確実に密着するようにする。尚、ここで管状部 の内径とは、枝管の外径に対応した方向の管状部の内法の差し渡し寸法を言う。 シート部の平面的形状は、特に制約はなく、長方形、正方形、又はその他の任 意の形状でよく、その大きさは、連通孔を備えることができる大きさであればよ い。 シート部と接合する管状部の一方の端部の周端縁の輪郭、及び接合された管状 部の端部内周に沿って開口するシート部の連通孔の形状は、既知の数学的手法又 は図学的手法により容易に特定することができる。
【0017】 シート部と管状部との接合は、常用の融着方法により行われる。例えば、所定 位置に所要形状の連通孔を開けたシート部をそれとほぼ同じ外形の支持面を備え た支持架台の上に載せる。次いで、その連通孔の孔縁上に管状部を所要輪郭に裁 断されたその端部の周端縁で当接直立させ、電気ヒータの環状の発熱体を管状部 端部の周端縁に沿って密着するように配置し、局部的に急速加熱してシート部と 管状部の当接した部分をそれぞれ溶融させ、融着させる。 加熱による熱収縮は、局部的な急速加熱を施すことにより、極く接合部直近に 限定され、接合部直近以外の部分への影響は殆ど無い。
【0018】
本考案に係る防食用成形体では、管状部が、主管に枝管が交差する交差角度と ほぼ同じ角度でシート部に該管状部の端部で交差当接し、かつ端部の周端縁に沿 って一体的にシート部に接合されているので、本考案に係る防食用成形体は、分 岐管の分岐管の外形とほぼ同じ輪郭を有するように形成されている。 従って、本考案に係る防食用成形体を分岐部に被着させた際、防食用成形体と 分岐部との形状不整合による変形或いはエアーポケット等が生じないので、従来 の防食用シートに較べて防食上での欠陥の発生率が大幅に減少する。
【0019】
以下に、添付図面を参照して実施例に基づき本考案をより詳細に説明する。 図1(a)は本考案に係る分岐管防食用熱収縮性成形体(以下、簡単のため防 食用成形体と略称する)の一例を分岐管の分岐部に配置した正面図であり、図1 (b)は図1(a)の線X−Xから見た防食用成形体の断面図である。 図1に示すように、本実施例に係る防食用成形体20は、円筒形主管Aに主管 Aの約1/2の径の円筒形枝管Bを直交接続するためにT型継ぎ手を使用して形 成した分岐部Cの表面防食に使用される防食用成形シートであって、それぞれ耐 食性かつ約40%程度の熱収縮性を有する基材から形成された、シート部22と 管状部24とから構成されている。
【0020】 図1において実線D及び点線Eは、それぞれ主管AとT型継ぎ手との溶接継ぎ 目及び枝管BとT型継ぎ手との溶接継ぎ目を示す。図1に示すように、シート部 22は分岐部Cの主管部に被着され、管状部24は分岐部Cの枝管部に被着され る。 シート部22は、分岐部Cの主管部を被覆するために、主管Aの外半径とほぼ 同じ曲率半径を有する円筒体を長手方向に分割したような形状に形成されていて 、図2(a)の展開図に示すように本実施例では主管Aの外周の1/2に等しい 幅Wと、枝管Bの外径よりはかなり長い適当な長さLを有する。防食用成形体2 0を分岐部Cに被着させる際には、シート部22の幅W方向を主管Aの周方向に 配向する。 管状部24は、枝管部を被覆するために、枝管の外径より大きい内径を有する 円管状に成形されている。本実施例では、枝管の外径が115mmの場合に、管状 部24の内径を150mmとした。この場合、その熱収縮量は、約23%となる。
【0021】 管状部24は、主管Aに枝管Bが交差する角度、即ちT型継ぎ手の交差角度9 0°とほぼ同じ角度でシート部22のほぼ中央に該管状部24の下端部26にお いて交差当接し、かつ当接した下端部26の周端縁28に沿って一体的にシート 部22に融着接合されている。 シート部22には、管状部24の接合された下端部26の内周に沿って連通孔 30が開口している。 シート部22の連通孔30の形状は、図2(a)の展開図に示すように楕円形 であって、長軸がシート部22の幅方向に向いている。連通孔30の短軸S1は 、管状部24の内径に等しく、長軸S2は、図1(b)においてシート部22と 管状部24との接合部内側の最外端32、32を挟む中心角α(その中心はシー ト部22の曲率中心である)のシート部22上の弧の長さである。 管状部24の下端部26の周端縁28の輪郭は、シート部22と管状部24と が交差して描く線と同じ輪郭を備えており、それを展開すると、図2(b)の展 開図に示すような輪郭28になる。
【0022】 シート部22と管状部24とを接合するに当たっては、本実施例では図3に示 すように、主管Aと同じ曲率半径の支持面を備えた支持台Fの曲面上に連通孔3 0が設けられたシート部22を載せ、連通孔30の孔縁に沿って管状部24の下 端部26を整合配置する。 次いで下端部26の周端縁28とほぼ同じ閉曲線状の発熱体を有する電気ヒー タ(図示しない)の該発熱体を周縁28に沿って密着して配置し、局部的に急速 加熱してシート部22の連通孔30の孔縁と管状部24の下端部30のそれぞれ を溶融し、相互に融合させて融着する。例えば、基材が架橋ポリエチレンの場合 、その加熱温度は約200°Cである。尚、融着後、ピンホール検査を行って融 着不良品を除外するのが望ましい。 シート部22及び管状部24の被着側には、粘着剤を塗布して粘着剤層を形成 し、形成した粘着剤層を隔離保護するため必要に応じ離型フィルムを被着させて おく。
【0023】 本実施例の防食用成形体20を分岐部Cに被着するには、先ず分岐部Cの表面 から錆その他の異物を排除して地肌を露出させ、次いで管状部24を枝管Bに挿 入し、続いて分岐部Cの主管部にシート部22を粘着剤層を介して被着させ、次 いでガスバーナ等の加熱手段(図示しない)でシ─ト部22を徐々に加熱し、続 いて管状部24を加熱して防食用成形体20全体を120〜160°Cの範囲の 温度にする。 これにより、管状部24及びシート部22は、それぞれ収縮して、波状の変形 、隙間、エアーポケット等の欠陥を生じることなく、図1(a)に示すように分 岐部Cの表面に緊密に密着する。
【0024】 最終的には、本考案に係る防食用成形体を分岐部に被着した後、分岐部の残存 露出円筒面を被覆するために、本考案に係る防食用成形体とは別に用意した防食 用シートを所要の大きさに切断して、常用の方法で被覆する。 例えば、幅が主管Aの外周より大きく、長さが主管A及び分岐部Cの露出面の 長さより長くなるように用意した防食用シートを切断し、かつ枝管Bの位置に枝 管Bの外径と同じ径の孔又はシート部22の連通孔30と同じ輪郭の孔を開け、 この防食用シートの孔を介して枝管Bを通して被着させる。これにより、分岐部 Cの残存露出面が全て被覆され、分岐部の防食処理が完了する。
【0025】 上述した実施例では、T型分岐部を防食する場合を例に挙げて本考案に係る防 食用成形体を説明したが、本考案は、主管と枝管との交差角度が90°の分岐部 に限られることなく任意の交差角度の分岐部に適用できる。 また、上述した実施例では、主管と枝管が円筒管の場合を例に挙げて本考案に 係る防食用成形体を説明したが、本考案は、主管及び枝管が円筒管である必要は なく、任意の形状、例えば角筒状の管の分岐部にも適用できる。
【0026】
本考案に係る防食用成形体は、主管に枝管が交差する交差角度とほぼ同じ角度 で、管状部の下端部がシート部に交差し、かつ交差した下端部の周端縁に沿って 一体的にシート部に接合されているので、防食用成形体を分岐部に被着させた際 、防食用成形体と分岐部との形状不整合が生じない。 従って、分岐部における防食用成形体の変形或いはエアーポケット等の防食上 での欠陥の発生率が、従来の防食用シートに較べて大幅に減少し、その結果再施 工、手直し等の手戻り作業が大幅に少なくなり、分岐部の防食作業の作業能率が 向上する。 また、本考案に係る防食用成形体は、管状部とシート部との一体的な成形体で あり、かつ必要に応じ予め製品検査を施すことができるので、現場で個別に被覆 シートを分岐部表面に被着させる従来の防食用シートに較べて、それだけ、欠陥 の発生率が低く、かつ現場での熟練を要する作業が少なくなる。
【図1】図1(a)は本考案に係る防食用成形体の一例
を分岐管の分岐部に配置した正面図であり、図1(b)
は図1(a)の線X−Xから見た防食用成形体の断面図
である。
を分岐管の分岐部に配置した正面図であり、図1(b)
は図1(a)の線X−Xから見た防食用成形体の断面図
である。
【図2】図2(a)はシート部の展開図であり、図2
(b)は管状部の展開図である。
(b)は管状部の展開図である。
【図3】管状部をシート部に融着させる方法の一例の説
明図である。
明図である。
【図4】従来の防食用シートの一例を示す斜視図であ
る。
る。
【図5】図5(a)、(b)及び(c)は、従来の防食
用シートの別の例の各被覆シートのそれぞれの平面図で
ある。
用シートの別の例の各被覆シートのそれぞれの平面図で
ある。
【図6】図6(a)、(b)及び(c)は、図5に示す
従来の防食用シートの各被覆シートをそれぞれ分岐部に
被着した状態を示す説明図である。
従来の防食用シートの各被覆シートをそれぞれ分岐部に
被着した状態を示す説明図である。
20 本考案に係る分岐管防食用熱収縮性成形体の一実
施例 22 シート部 24 管状部 26 管状部の下端部 28 下端部の周端縁 30 連通孔 32 シート部と管状部との接合部内側の最外端
施例 22 シート部 24 管状部 26 管状部の下端部 28 下端部の周端縁 30 連通孔 32 シート部と管状部との接合部内側の最外端
Claims (1)
- 【請求項1】 主管に枝管が交差接合してなる分岐管の
分岐部を表面防食するために、それぞれ耐食性かつ熱収
縮性基材からなる、前記枝管の外径より大きい内径を有
する管状部(24)と、前記分岐部における前記主管の
外形にほぼ合致するように形成されたシート部(22)
とを有し、 前記管状部は、前記主管に前記枝管が交差する交差角度
とほぼ同じ角度で前記シート部に該管状部の一方の端部
(26)で交差し、かつ該端部の周端縁(28)に沿っ
て前記シート部に接合され、 前記シート部は、前記接合された管状部の端部内周に沿
って開口した連通孔(30)を備えていることを特徴と
する分岐管防食用熱収縮性成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5743392U JP2522104Y2 (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | 分岐管防食用熱収縮性成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5743392U JP2522104Y2 (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | 分岐管防食用熱収縮性成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0614687U true JPH0614687U (ja) | 1994-02-25 |
JP2522104Y2 JP2522104Y2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=13055524
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5743392U Expired - Lifetime JP2522104Y2 (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | 分岐管防食用熱収縮性成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2522104Y2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS495748A (ja) * | 1972-05-06 | 1974-01-18 | ||
JPH1047577A (ja) * | 1996-08-06 | 1998-02-20 | Cosmo Koki Co Ltd | 流体の分岐方法 |
-
1992
- 1992-07-24 JP JP5743392U patent/JP2522104Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
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JPS513665B2 (ja) * | 1972-05-06 | 1976-02-05 | ||
JPH1047577A (ja) * | 1996-08-06 | 1998-02-20 | Cosmo Koki Co Ltd | 流体の分岐方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2522104Y2 (ja) | 1997-01-08 |
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