JP2521757Y2 - 溶着リブ構造 - Google Patents

溶着リブ構造

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JP2521757Y2 JP12095890U JP12095890U JP2521757Y2 JP 2521757 Y2 JP2521757 Y2 JP 2521757Y2 JP 12095890 U JP12095890 U JP 12095890U JP 12095890 U JP12095890 U JP 12095890U JP 2521757 Y2 JP2521757 Y2 JP 2521757Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案はインナ部材とアウタ部材とをバイブレーシ
ョン溶着によって結合するための溶着リブ構造に関する
ものである。
[従来の技術] この種の溶着リブ構造には、例えば、車両用グラブボ
ックスに採用されている。
従来、第8図〜第10図に示すように、グラブボックス
を構成するインナ部材(インナボックス)1′とアウタ
部材(アウタカバー)11′とのうち、インナ部材1′の
左右の両接合フランジ3′はその上下部にそれぞれ形成
された凹部5′,6′においてアウタ部材11′背面の接合
面13′に向けて突出されている。さらに、第9図に示す
ように、前記接合フランジ3′には、その各凹部5′,
6′に対応する位置において、所定数の溶着リブ7′が
上下方向に所定間隔で突設されている。そしてインナ部
材1′がアウタ部材11′に嵌め込まれ、インナ部材1′
の接合フランジ3′の各凹部5′,6′にバイブレーショ
ン溶着機の振動治具が挿入された状態のもとで、インナ
部材1′が振動される。これによって、各溶着リブ7′
の先端部が溶融固化され、インナ部材1′とアウタ部材
11′とが結合される。
第9図に示すように、前記接合フランジ3′の上側の
凹部6′上端から同接合フランジ3′の上縁までの距離
Lが長い場合、インナ部材1′とアウタ部材11′との結
合強度を確保するために、上側の凹部6′の上方に位置
する接合フランジ3′の上部寄り部分に対しても溶着リ
ブ9′を設ける必要性が生じる。この場合、アウタ部材
11′に対するインナ部材1′の接合フランジ3′の対向
面からの溶着リブ9′の突出量が大きくなり、バイブレ
ーション溶着の振動に耐え得るように、その溶着リブ
9′の断面積を大きくしなければならない。
例えば、第8図に示すように、インナ部材1′の接合
フランジ3′の上部から上部フランジ4′にわたるコー
ナ部がアール面8′に形成される場合などにおいて、接
合フランジ3′の上側の凹部6′を上方へ延長すること
が困難となり、その凹部6′の上端と接合フランジ3′
上縁との間の距離Lが長くなるため、その間に断面積の
大きい長大な溶着リブ9′を突設しなければならない。
また、インナ部材とアウタ部材とをバイブレーション
溶着によって結合する構造においては、例えば実開平1
−162842号公報に開示されたものが知られている。
[考案が解決しようとする課題] ところで、射出成形品であるインナ部材1′(又はア
ウタ部材11′)に断面積の大きい長大な溶着リブ9′を
設けると、その溶着リブ9′の周辺においてインナ部材
1′(又はアウタ部材11′)に「ヒケ」が生じ、凹凸の
歪みとなって見栄えを悪化させるという問題点が生じ
る。
この考案の目的は、上記した問題点に鑑み、溶着リブ
が原因となってインナ部材(又はアウタ部材)に発生す
る「ヒケ」を防止することができるとともに、バイブレ
ーション溶着の振動に充分耐え得る溶着リブ構造を提供
することである。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、この考案は、アウタ部材
とインナ部材との対向面のうち、一方の部材の対向面に
直角状に突設された溶着リブがバイブレーション溶着に
よって溶融固化されることで、前記インナ部材とアウタ
部材とが結合される溶着リブ構造であって、前記溶着リ
ブは、その突出方向に除肉部が設けられて薄肉状に形成
され、前記溶着リブの壁面には、前記バイブレーション
溶着の振動方向に張り出す補強リブが形成されている構
成にしたものである。
[作用] 上記したように構成される溶着リブ構造において、ア
ウタ部材とインナ部材との対向面のうち、一方の部材の
対向面に直角状に突設される溶着リブは、その突出方向
に設けられる除肉部によって薄肉状に形成されるため、
「ヒケ」の発生が防止される。
また、溶着リブの壁面に形成される補強リブは、バイ
ブレーション溶着の振動方向に張り出すため、バイブレ
ーション溶着の振動に前記溶着リブが充分耐え得る構造
となり、同溶着リブの折損が防止される。
[実施例] 以下、この考案の一実施例を図面に従って説明する。
車両用グラブボックスを分解して表した第1図におい
て、グラブボックスを構成するインナ部材(インナボッ
クス)1とアウタ部材(アウタカバー)11とは、相溶性
を有する熱可塑性合成樹脂の射出成形によってそれぞれ
別体に形成されている。
インナ部材1には、そのボックス部の両側壁2から外
方へ所定量だけ張り出す左右の結合フランジ3と、これ
ら結合フランジ3の上縁部並びに両側壁2の上部に連続
して掛け渡された上部フランジ4とが、アウタ部材11の
背面側に突出される周壁部12に嵌め込まれるようにして
形成されている。
第3図に示すように、左右の両接合フランジ3の上下
部には図示しないバイブレーション溶着機の振動治具が
嵌挿される凹部5,6がそれぞれ形成されている。これに
よってアウタ部材11に対する接合フランジ3の対向面が
その各凹部において、第4図に示すように、アウタ部材
11背面の左右両側部に位置する接合面13に向けて突出さ
れている。
さらに、第1図と第4図に示すように、アウタ部材11
に対する前記接合フランジ3の対向面にはその各凹部5,
6に対応する位置において、所定数の溶着リブ7が上下
方向に所定間隔をおいてそれぞれ直角に突設されてい
る。
前記インナ部材1の接合フランジ3の上部から上部フ
ランジ4にわたるコーナ部はアール面8に形成され、第
4図に示すように、インナ部材1の接合フランジ3の上
側の凹部6上端から同接合フランジ3の上縁までの距離
Lが比較的長く形成されている。そして、アウタ部材11
の接合面13に対する接合フランジ3の対向面には前記上
側の凹部6上端と接合フランジ3の上縁との間の略中間
位置において、長大な溶着リブ9が突設されている。
第1図と第2図に示すように、前記長大な溶着リブ9
は、その周辺部において「ヒケ」が発生することがない
ように、その突出方向に除肉部9aが設けられて断面コの
字状をなすとともに薄肉状に形成されている。さらに溶
着リブ9の壁面には、バイブレーション溶着の振動方
向、第2図及び第5図において矢印P,Q方向に張り出す
補強リブ10が形成されている。この補強リブ10の張出端
は接合フランジ3の内側面に沿って突設された内側壁3a
まで張り出されて該内側壁3aと一体に結合されている。
これによって長大な溶着リブ9の強度が一層高められて
いる。
前記したように構成されるインナ部材1はアウタ部材
11の背面側からその周壁部12に対して嵌め込まれる。そ
して、インナ部材1の接合フランジ3の各凹部5,6にバ
イブレーション溶着機の振動治具が挿入された状態のも
とで、インナ部材1が振動される。これによって、各溶
着リブ7,9の先端部が溶融固化され、インナ部材1とア
ウタ部材11とが一体状に結合される。
前記バイブレーション溶着時において、長大な溶着リ
ブ9の壁面に設けられた補強リブ10によって前記バイブ
レーション溶着の振動方向に対する強度が高められてい
るため、前記長大な溶着リブ9が折損されることなく良
好に溶融固化される。
また、前記長大な溶着リブ9には、その突出方向に除
肉部9aが設けられて薄肉状に形成されるため、インナ部
材1が射出成形されるときに、その溶着リブ9の周辺部
において「ヒケ」が発生することが防止される。
なお、上記実施例において、長大な溶着リブ9を断面
略コの字状に形成したがこれに限るものではない。例え
ば、第6図に示すように、断面で円弧状に形成し、その
円弧の内側中央部に除肉部9aを設け、円弧の外周側壁に
バイブレーション溶着の振動方向、矢印P,Q方向に張り
出す補強リブ10を設けてもよい。
さらに、第7図に示すように、長大な溶着リブ9を断
面でE字状に形成して、その突出方向に除肉部9aを設
け、同溶着リブ9の側壁面に、バイブレーション溶着の
振動方向、矢印P,Q方向に張り出す補強リブ10を溶着リ
ブ9と略同じ高さに突設してもよい。
また、上記実施例においてはクラブボックスのインナ
部材とアウタ部材とを結合する場合を例示したが、これ
に限るものではなく、インナ部材とアウタ部材とを備え
たものであればよい。さらに、アウタ部材に溶着リブを
突設してもよい。
[考案の効果] 以上述べたように、この考案によれば、アウタ部材と
インナ部材との対向面のうち、一方の部材の対向面に直
角状に突設される溶着リブの除肉部によって「ヒケ」の
発生を防止することができ、「ヒケ」が原因となる凹凸
の歪みによる見栄えの悪化を解消することができる。
また、溶着リブの壁面の補強リブによって前記溶着リ
ブがバイブレーション溶着の振動に充分耐え得る構造と
なり、同溶着リブの折損による溶着不良を防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
図面の第1図〜第5図はこの考案の一実施例を示すもの
で、第1図はインナ部材とアウタ部材とを分離した状態
を示す斜視図、第2図は要部を拡大して示す斜視図、第
3図はインナ部材とアウタ部材とを結合した状態を示す
斜視図、第4図は第3図のIV−IV線断面図、第5図は第
4図のV−V線断面図、第6図と第7図はの考案の他の
実施例をそれぞれ示す斜視図である。 第8図〜第10図は従来のものを示すもので、第8図はイ
ンナ部材とアウタ部材とを結合した状態とを示す斜視
図、第9図は第8図のIX−IX線断面図、第10図は第9図
のX−X線断面図である。 1……インナ部材 3……結合フランジ 9……溶着リブ 9a……除肉部 10……補強リブ 11……アウタ部材 13……接合面

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】アウタ部材とインナ部材との対向面のう
    ち、一方の部材の対向面に直角状に突設された溶着リブ
    がバイブレーション溶着によって溶融固化されること
    で、前記インナ部材とアウタ部材とが結合される溶着リ
    ブ構造であって、 前記溶着リブは、その突出方向に除肉部が設けられて薄
    肉状に形成され、 前記溶着リブの壁面には、前記バイブレーション溶着の
    振動方向に張り出す補強リブが形成されていることを特
    徴とする溶着リブ構造。
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