JP2521609B2 - マイクロウェルダ及び該マイクロウェルダを使用する溶接方法 - Google Patents

マイクロウェルダ及び該マイクロウェルダを使用する溶接方法

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JP2521609B2
JP2521609B2 JP4001281A JP128192A JP2521609B2 JP 2521609 B2 JP2521609 B2 JP 2521609B2 JP 4001281 A JP4001281 A JP 4001281A JP 128192 A JP128192 A JP 128192A JP 2521609 B2 JP2521609 B2 JP 2521609B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバ用のマイク
ロウェルダ及びこのマイクロウェルダを使用する溶接方
法に関する。
【0002】
【従来技術】2本の光ファイバの末端を溶接する従来方
法は主要な3段階として、溶接すべき光ファイバの相対
向する断面を研磨する段階と、いわゆる溶接段階と、塑
性限界が無限小であるとして溶接部の伸びが弾性限界の
範囲に止まる(良好な溶接の場合)か否かを溶接部の冷
間引き抜きにより確認するための牽引段階とを含む。
【0003】可能な溶接装置は特開昭57−12940
5号に記載されている。この装置はU字形フレームのア
ームを形成する2つの側部支持体を含み、支持体の一方
は溶接すべきファイバの長手方向軸に垂直な水平軸の周
囲に曲げ運動可能である。側部支持体の各々は、この軸
に沿って配置された少なくとも1本の溶接すべきファイ
バを、このために支持体に設けられた案内V溝の内側に
受容するように構成されている。可動支持体はヒンジの
役割を果たし、こうしてこの支持体の曲げ運動を可能に
する肉薄部分をその基部に有する。支持体は、ファイバ
の長手方向軸に垂直な鉛直面の1つに支承する微調整ロ
ッドと永久的に接触している。
【0004】溶接を実施するためには、溶接すべき末端
が相互に対抗するようにファイバを配置し、ファイバ間
の接続レベルで2つの電極間にアークを生成する。同時
に、溶接中にはファイバの相互溶け込みを可能にし、そ
の後、溶接が実施されたら牽引を可能にするように微調
整ロッドを回転させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような装置は、微
調整ロッドにより得られる移動が溶接の良好な品質を確
保するために十分正確でないので、満足できない。
【0006】本発明の目的は、溶接開始前のファイバの
位置決めを可能にし、溶接中及び溶接後のファイバの正
確な移動を可能とするようなマイクロウェルダを実現す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのために、光
ファイバを相互に接続するためのマイクロウェルダを提
案するものであり、このマイクロウェルダはU字形フレ
ームのアームを形成する側部支持体と称される2つの支
持体を備えており、これらの側部支持体の一方は溶接す
べきファイバの長手方向軸に垂直な水平軸の周囲に曲げ
又は回転運動可能であり、これら側部支持体は少なくと
も1つの溶接すべきファイバを各々支持しており、マイ
クロウェルダは、光ファイバを側部支持体に結合するた
めの手段と、溶接を実施するための電極と、上述の可動
側部支持体により支持されたファイバの長手方向軸に平
行な移動方向に沿う並進運動によりその末端を接近させ
るための、可動側部支持体の第1の低精度移動手段とを
備えており、フレームが、さらに、側部支持体の間に配
置された中間スペースに位置しかつ溶接すべきファイバ
の末端を相互に対抗するように案内する手段を備えた中
心支持体と、可動側部支持体により支持されたファイバ
を上述の移動方向に沿って正確に並進運動させるため
の、可動側部支持体の第2の高精度移動手段とを備えて
おり、この第2の移動手段が、中間スペースの外側で可
動側部支持体に支承されかつ長手方向軸に垂直な鉛直軸
の周囲に回転運動可能なカムから構成されており、第1
の移動手段は、さらに、カムの回転軸を含みかつ長手方
向軸に平行な鉛直面内でカムの回転軸を移動させるため
にも使用される。
【0008】本発明のマイクロウェルダは、第1の低精
度移動手段及び第2の高精度移動手段を備えており、第
2の移動手段は、中間スペースの外側で可動側部支持体
に支承されかつ前述の長手方向軸に垂直な鉛直軸の回り
に回転運動可能なカムから構成され、第1の移動手段
は、カムの回転軸を含みかつ前述の長手方向軸に平行な
鉛直面内でカムの回転軸を移動させるように構成されて
いる。このように、中間スペースの外側で可動側部支持
体に支承される、第2の移動手段としてのカムを使用
し、更に第1の移動手段により該カムの回転軸を前述の
鉛直面内で移動させるように構成することによって、第
1の移動手段は、カムの存在により邪魔されることなく
ファイバを容易に移動させることができる。その結果、
第1の移動手段による、溶接開始前のファイバの低精度
移動と、第2の移動手段による、溶接中及び溶接後のフ
ァイバの高精度移動との2種類の並進移動を実施するこ
とが可能になる。
【0009】即ち、溶接開始前のファイバの位置決めを
可能にすると共に、溶接中及び溶接後のファイバの正確
な移動を可能にするマイクロウェルダを実現し得る。
【0010】さらに、適応プロフィルのカムを使用する
ため、移動に高精度を与えることができる。
【0011】主要な特徴によると、側部支持体の各々は
可動であり、それぞれ第1及び第2の移動手段の両方を
備える。
【0012】第1の移動手段は手動調整ノブにより制御
される少なくとも1つの微調整ロッドにより構成され得
る。
【0013】側部支持体の一方が可動であるか、又は単
に低精度移動を実施できる(この場合、単に第1の移動
手段と接触する)か、又は単に高精度移動を実施できる
(この場合、単に第2の移動手段に連絡する)ように選
択することができる。
【0014】別の特徴によると、フレームと中心支持体
とは成型プラスチックから一体的に形成される。この場
合、側部支持体はフレームと接触する下部を各々くりぬ
かれ、従って、こうして肉薄にされたこれらの下部はヒ
ンジの役割を果たす。
【0015】従って、マイクロウェルダは廉価であり、
側部支持体の並進運動はヒンジを通る水平軸の周囲の曲
げモーメントをこれらの支持体に加えることにより得ら
れる。
【0016】側部支持体がフレームから独立している場
合、ヒンジ部材を介してフレームを固定することも可能
である。
【0017】ファイバを側部支持体に結合するための手
段は、側部支持体の内側にこのために挿入された磁石に
より側部支持体に固定された2つの円筒形金属マンドレ
ルであり得る。
【0018】案内手段は例えば、中心支持体に固定され
たセラミックに加工された2つの案内V溝である。
【0019】有利には、電極は案内手段を含む水平面内
でかつこれらの案内手段に垂直に配置される。
【0020】付加的改良によると本発明のマイクロウェ
ルダは、さらに、溶接すべきファイバの末端を観察する
ための光学装置を備える。この装置は、顕微鏡と、顕微
鏡に組み合わせて相互に垂直な2本の視準軸に沿って末
端の同時像を形成するための手段とを含む。
【0021】これらの光学手段は、長手方向軸に垂直な
鉛直軸Yに関して対称な2つのミラーから構成され得、
これらのミラーは軸Yに対してα/2の角度だけ各々傾
斜しており、ファイバの末端を含む水平面の一部の下に
この部分に対向するように配置される。これらのミラー
は引っ込み可能かつ取り外し可能である。
【0022】角度αの値は、機械的組み立て精度及び光
学装置の視野に応じて135°前後であり得る。選択さ
れた焦点距離に従い、上面図としてファイバ及び電極の
末端と、相互に垂直な2本の視準軸に従うファイバ末端
とを観察することができる。
【0023】光学装置の変形例によると、光学手段はY
軸に関して対称な上述の面部分の上に配置された4つの
ミラーを含み、これらのミラーの2つは相互に平行であ
りかつ軸Yの両側に配置され、残りの2つはY軸に対し
て角度βだけ傾斜しかつ同様にこの軸の両側に配置され
る。角度βの値は約45°であり得る。
【0024】最後に、電極は損耗した場合に交換又は洗
浄できるように取り外し可能である。
【0025】こうして製造されたマイクロウェルダは、
第1の移動手段によりファイバの末端相互の平均位置を
調節する段階と、その後、この位置を微調整し、第2の
移動手段により末端の高精度移動を行う段階とを含む溶
接方法で使用され得る。
【0026】この方法はより詳細には、ファイバの末端
の接触以前に、ファイバの各々の端面及び側面を研磨す
る段階と、ファイバ端面を第1の移動手段により相互に
接触させておき、電極間のアークを加える段階と、ファ
イバを同時に相互溶け込みさせるようにファイバをアー
ク溶接する段階と、こうして形成された溶接部をアニー
ルする段階と、ファイバを牽引する段階とを含み、牽引
はアニール後に直接連続サイクルに従って実施され、カ
ムの外径は、カムの回転がまずファイバの相互溶け込み
を誘発し、次いでアニール中にこの相互溶け込みを一定
に維持し、最後にファイバの牽引を可能とするように適
応され、これらの3段階はファイバの相対並進運動の連
続サイクルに従ってカムの運動を中断することなく連続
的に実施される。
【0027】
【実施例】これに限定されない代表例として与えられた
添付図面に示す本発明のマイクロウェルダの実施例に関
する以下の記載より、本発明のその他の特徴及び利点が
明らかに理解されよう。
【0028】図1から図6において共通の要素は同じ参
照符号で示す。
【0029】図1によれば、成型プラスチックフレーム
1は、水平基部2を含み、該基部の末端に2つの垂直板
3、3′が備えられ、これらの板はフレーム1にU字型
の外形を与えている。これらの板はそれぞれ、あらかじ
め行なう低精度のファイバ移動に用いられる手段を受容
するための開口4、4′を含む。
【0030】垂直な2つの側部支持体5、5′が板3、
3′との間に配置されており、これらの支持体はフレー
ムの垂直対称軸Yに関して対称である。
【0031】支持体5、5′が該支持体と基部2との間
の接触線に平行な水平軸Xの回りの曲げモーメントの作
用下で移動できるように、側部支持体5、5′は、その
下部の基部2と接触する部分が凹状にえぐれて薄肉部、
即ちヒンジ6、6′を構成している。さらに、側部支持
体の各々は、半円筒状の開口凹部7、7′を有する。最
後に、特に光学デバイスと2つの電極とを受容する垂直
中央支持体8が、側部支持体5、5′間に配置され軸Y
に心合わせされている。この中央支持体8は、各々が1
つの電極を受容する2つの開孔9、10を有する。さら
に、2つのV字形案内溝12、12′が設けられたセラ
ミックブロック11は、溝12、12′が(軸Xに垂直
な)水平軸Zに沿って軸Yに関して対称になるように、
中央支持体8に固着されている。記載の実施例では、基
部2、板3、3′、側部支持体5、5′及び中央支持体
8の全てが一体部材として成型プラスチックから成るの
が有利である。
【0032】図2は、ファイバをフレームに固定し、該
ファイバを移動させ、該ファイバを溶接するために使用
される種々の手段をより詳細に示す説明図である。図1
のフレーム1がケース20に設置される。
【0033】ファイバF、F′をそれぞれ保持する金属
製の2つの円筒状ファイバ保持マンドレル21、21′
はそれぞれ、成型中に側部支持体5、5′に組み込まれ
た2つの磁石22、22′で磁化されることによって側
部支持体5、5′に固着されている。ファイバF、F′
は互いに接触していない。側部支持体5、5′は、図1
で説明したように曲げモーメントの作用下で移動し得
る。これらの移動は2つの機能、即ち、溶接前のファイ
バをあらかじめ位置決めするために並進移動させる機能
と、溶接中にファイバを相互侵入させかつ溶接後の低温
引張中にファイバを並進移動させる機能とを果たし、前
者の移動は軸Zに沿った極度の高精度を要求せず、後者
の移動は極度の高精度(ほぼ数μ)を要求する。
【0034】側部支持体の低精度移動は、側部支持体
5、5′の両側にそれぞれ配置された2つの微調整ロッ
ド24、24′を前進させる2つの手動調整ノブ23、
23′によって手動制御される。手動調整ロッド24、
24′が軸Zに沿って移動すると、プラスチックの弾性
及びヒンジ6、6′によって、手動調整ノブ23、2
3′の1目盛り毎に側部支持体5、5′が20μmずつ
前進(又は後退)する。即ち、微調整ロッド24、2
4′は側部支持体5、5′に曲げモーメントの形態の応
力を作用させる。
【0035】高精度移動のためには、微調整ロッド2
4、24′と側部支持体5、5′との間に配置された2
つのカム25、25′を使用する。これらのカムの各々
はDCマイクロモータ26、26′によって駆動され
る。
【0036】即ち、モータ26、26′が起動すると、
カム25、25′が、軸Zと直交する垂直軸の回りで回
転し、ファイバF、F′を軸Zに沿って微かに並進移動
させる。この並進移動はカム25、25′の外側プロフ
ィルの直接関数である。微調整ロッド24、24′の操
作によって側部支持体5、5′の低精度移動を生じさ
せ、各カムの回転軸を、該回転軸を含む軸Zに平行な垂
直平面内で移動させる。このように設計されたマイクロ
ウェルダの動作及び該マイクロウェルダによって得られ
る特定溶接サイクルに関しては詳細に後述する。
【0037】最後に、光学観察デバイスの一部を成す顕
微鏡27を担持した支持体28が中央支持体8の上方に
固着される。
【0038】図3は図2の顕微鏡27及び光学観察デバ
イスの主要素子の詳細図である。
【0039】図3は、2つの電極E1、E2を示し、さ
らに、2つのミラーM1、M2を収容するために支持体
8に設けられたチャンバ30を示す。顕微鏡27は倍率
50倍の単眼レンズ31と対物レンズ32と電界発光ダ
イオードDELとを含む。
【0040】ミラーM1、M2は、水平な平面P1の電
極E1、E2の末端と溶接すべきファイバF、F′(図
3ではF′の末端だけを示す)とを含む部分の下方に配
置されている。これらのミラーは互いの間にα=135
°の角度を形成しており、図3でその交点はファイバ
F′の断面に垂直である。
【0041】ミラーM1、M2がこのように配置されて
いるので、ファイバF、F′を垂直な2方向で観察し得
る。
【0042】対物レンズ32が水平な平面P1に焦点を
結ぶとき、上部から単眼レンズ31を介して観察する
と、図4に示すような2つのファイバF、F′と電極E
1、E2との像が得られる。このようにして電極の状態
を確認し、電極が消耗しているときは電極を交換する。
また、ファイバF、F′の互いの軸合わせ及び位置も確
認できる。
【0043】別の可能性によれば、互いに垂直な2つの
観察軸X1、X2に沿ったファイバF、F′を同一像の
上で観察し得る。図3では、ミラーM1、M2と交わる
水平な平面P2に対物レンズ32が焦点を結ぶとき、D
ELから発するビーム40の軌道を実践で概略的に示し
ている。DELから発するビーム40は、2つのファイ
バF、F′の2つの像33及び34をミラーM1、M2
に運ぶ。これらの2つの像は対物レンズ32に向かって
反射され、図5に示すような直交する2方向に沿ってフ
ァイバF、F′を観察し得る。図5は、観察軸X1に沿
ったファイバF、F′の像F1、F′1と観察軸X2に
沿ったファイバF、F′の像F2、F′2を示す。
【0044】図6は、本発明のマイクロウェルダで使用
し得る光学デバイスの別の実施例を示す。図6において
は、DELを収容するために(図示しない)支持体8の
チャンバ30が設けられており、ミラーは、平面P1の
上方で支持体28に収容されている。単眼レンズ31A
と対物レンズ32Aとを含む顕微鏡27Aは、軸Yに関
して対称であり、垂直ミラーM′2と軸Yに対してβ=
45°の角度で傾斜したミラーM″2とレンズL2とを
含む光学デバイスの右半部分だけが部分断面図で示され
ている。全体が支持体28に収容されている。
【0045】図3に示す光学デバイスと同じ結果が得ら
れる。
【0046】垂直な2つの観察軸に沿った像を一度に得
るために対物レンズを速やかに調整するだけで十分なの
で光学デバイスの操作が簡単で性能もよい、いわゆる
「2軸」のこの光学デバイスはまた、電極の状態を観察
でき、必要に応じて任意に電極の掃除又は交換ができ
る。
【0047】本発明のマイクロウェルダの可能な作動モ
ードによれば、ファイバF、F′の各々をマンドレル2
1、21′のそれぞれにあらかじめ挿入し、次いで、各
ファイバを所与の長さだけマンドレル21、21′から
突出させるため、及び、各ファイバを縦軸に対して90
°で向き合わせるために、ファイバF、F′を切断す
る。
【0048】マンドレルを受容すべく側部支持体5、
5′に設けられた凹部にマンドレルを配置し、次いで手
動調整ノブ23、23′を介して手で移動できる微調整
ロッド24、24′によって2つのファイバF、F′を
接触させずに接近させる。この結果として、各カム2
5、25′の回転軸も移動する。次に、特にこの段階で
ファイバF、F′に存在する塵埃があればそれを償却す
るために、電極E1、E2によってアークを飛ばしてフ
ァイバF、F′の端面及び側面を表面研摩する。ここ
で、ケース20の(図示しない)全面に配備された制御
ボタンを用い本発明のマイクロウェルダの固有連続サイ
クルを開始させる。カム25、25′のプロフィルは、
モータ26、26′の駆動による該カムの回転後の第1
段階でファイバFとF′との相互侵入が生じるように選
択されている。この段階では、ファイバの相互侵入を可
能とするために、電極によって発生したアークによって
ファイバが溶融されている。次の第2段階ではカムプロ
フィルのカーブ部分がアニール期間中の側部支持体5、
5′を一定高さに維持する。最後に最終段階では、同じ
く外部から全く介入することなく全自動的な連続動作に
よって側部支持体5、5′が(使用プラスチックの適応
弾性によって)初期位置に徐々に戻り必要な引張力が与
えられるようなカムプロフィルを有している。
【0049】図7に実線で示すグラフ50は、電極E1
とE2との間のアーク電流の強さIを時間tの関数とし
て示す。
【0050】点線で示すグラフ51は、ファイバFと
F′との間の相互侵入の長さ1を時間tの関数として示
す。
【0051】グラフ50及び51で示す実施例において
は、ファイバF、F′は直径125μである。
【0052】グラフ50の部分abcdは、特に表面欠
陥及び塵埃を除去するために充分な時間TP中に与えら
れる研摩電流の強さIPを示す。
【0053】ファイバF、F′は次に(任意の時間後
に)、同じく微調整ロッド24、24′を介して互いに
接触するように案内される。次いで時刻TAにファイバ
を接着及び融合させるために十分な時間だけ電極間にア
ークを飛ばす。この段階中のアーク電流の強さ、いわゆ
る接着強さをIAで示す。接着段階はグラフ50の部分
efgによって示される。この段階は本来の溶接段階の
準備段階である。
【0054】接着段階の終了時刻TSに溶接段階が始ま
る。ここで電極間に電流の強さISのアークを飛ばす。
同時刻TSに、マイクロモータが起動し、カム25、2
5′が1/3回転し、これによってファイバF、F′の
並進移動が誘発され、これらの2つのファイバは長さ1
0μだけ相互侵入する。この相互侵入は時間の直線状関
数であり、電極によって発生したプラズマアークの作用
下でファイバが溶融するに伴って増加する。このような
相互侵入は、溶接のレベルで十分な量の物質を得るため
に必要である。
【0055】溶接段階は、グラフ50の部分ghiによ
って示されており、同時に行なわれる相互侵入段階はグ
ラフ51の部分mnによって示されている。
【0056】溶接段階後の時刻TRに、光ファイバを構
成するガラスの硬化を防ぐために十分な持続時間でアニ
ール段階を開始する(アニール温度はガラスの融点より
も低温である)。この段階中のアーク電流の強さIRは
溶接段階中のアーク電流の強さよりも小さく、溶接すべ
きファイバの種類に適応させる。このアニール段階中に
はカムの回転によって付加的な相互侵入は生じない。相
互侵入の長さは10μに等しい一定値に維持されてい
る。アニール終了時刻TTにカムは全体で半回転してい
る。アニール段階はグラフ50の部分ijk及びグラフ
51の部分noで示される。最後に時刻TTに引張段階
が開始される。カムは1回転を終了して溶接前の初期状
態に戻る。側部支持体5、5′を構成するプラスチック
の弾性によって、ビームが徐々に元の位置に戻り、その
結果としてファイバF、F′が引張られて時刻TFに相
互侵入の長さが零に戻る(グラフ51の部分op)。初
期状態に戻った後で得られた伸び率は約0.3%であ
る。
【0057】本発明のマイクロウェルダの価格は、先行
技術の従来のマイクロウェルダの価格の約1/3であ
る。本発明のマイクロウェルダは、成型プラスチック部
材を使用し得るので、極めて広い範囲のモノモード又は
マルチモード(直径125〜200μ)の光ファイバを
接続し得る。
【0058】本発明のマイクロウェルダは、例えば電線
の速やかな現場修理に使用され得る。本発明のマイクロ
ウェルダは、減衰値1dB未満、平均0.5dBの溶接
部を形成し得る。
【0059】もちろん、本発明は前記の構造及び実施例
に限定されない。
【0060】特に、側部支持体をフレームと共に成型す
る必要はない。例えば、側部支持体を軸Xの回りで十分
に曲げ移動させ得るヒンジ部材によって側部支持体をフ
レームに固着してもよい。
【0061】さらに、カムを1つだけ使用してもよい。
この場合には、溶接中及び引張中に動かないように維持
されたいわゆる「基準」ファイバと、カムのプロフィル
に従って移動する側部支持体に固着されたいわゆる「可
動」ファイバとを使用する。
【0062】図2の観察システムのミラーは、出入自在
及び着脱自在でもよい。即ち、電極間におけるアーク中
はその表面に物質が付着しないようにミラーを引っ込め
る。さらに、ミラーが汚れたり壊れたりしたときにはミ
ラーを交換でき、また、場合によってはミラーが埃だら
けのときにはミラーを掃除し得る。
【0063】図7の概略図もこれに限定されない例であ
る。溶接すべきファイバの直径に従って、本発明のマイ
クロウェルダの例えば前面に配置された制御キー又は制
御棒を介して種々の電流の強さIP、IA、IS、IR
及び各段階の持続時間を選択できる。同様に、(1つ又
は複数の)カムのプロフィルは、所望の引張特性及び相
互侵入特性に従って選択されるであろう。
【0064】しかしながら、マイクロウェルダを再充電
可能電池、蓄電池又は使い捨て電池で作動させる場合に
は、このように自律性が許容されたマイクロウェルダに
よって最高の溶接部を得るために最適の特性値を選択す
べきであろう。本発明のマイクロウェルダはまた、配電
盤にも接続できる。
【0065】本発明の範囲で全ての手段を等価の手段で
置き換えし得ることももちろん明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロウェルダの機能部の概略斜視
図である。
【図2】本発明のマイクロウェルダの断面図である。
【図3】図2の中央部の横断面の概略図である。
【図4】図3の光学デバイスによって得られた像の概略
図である。
【図5】図3の光学デバイスによって得られた像の概略
図である。
【図6】本発明のマイクロウェルダに使用し得る光学デ
バイスの別の例の概略図である。
【図7】本発明のマイクロウェルダの溶接サイクルの説
明図である。
【符号の説明】
1 フレーム 2 基部 3、3′ 垂直板 4、4′ 開孔 5、5′ 側部支持体 6、6′ ヒンジ 7、7′ 開口凹部 8 中央支持体 9、10 開孔 11 セラミックブロック 12、12′ V字形案内溝 21、21′ マンドレル 22、22′ 磁石 23、23′ 手動調整ノブ 24、24′ 微調整ロッド 25、25′ カム 26、26′ DCマイクロモータ 27、27A 顕微鏡 28 支持体 31、31A 単眼レンズ 32、32A 対物レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−272207(JP,A) 特開 昭57−32411(JP,A) 特開 昭62−94803(JP,A) 実開 昭55−108412(JP,U)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバを相互に接続するためのマイ
    クロウェルダであって、該マイクロウェルダはU字形フ
    レームのアームを形成する側部支持体と称される2つの
    支持体を備えており、該側部支持体の一方は溶接すべき
    ファイバの長手方向軸に垂直な水平軸の周囲に曲げ又は
    回転運動可能であり、該側部支持体は少なくとも1つの
    溶接すべきファイバを各々支持しており、前記マイクロ
    ウェルダは、前記光ファイバを前記側部支持体に結合す
    るための手段と、溶接を実施するための電極と、前記可
    動側部支持体により支持された前記ファイバの長手方向
    軸に平行な移動方向に沿う並進運動によりその末端を接
    近させるための、該可動側部支持体の第1の低精度手段
    とを備えており、前記フレームが、さらに、前記側部支
    持体の間に配置された中間スペースに位置しかつ溶接す
    べき前記ファイバの末端を相互に対向するように案内す
    る手段を備えた中心支持体と、前記可動側部支持体によ
    り支持された前記ファイバを前記移動方向に沿って正確
    に並進運動させるための、該可動側部支持体の第2の高
    精度移動手段とを備えており、該第2の移動手段が、前
    記中間スペースの外側で前記可動側部支持体に支承され
    かつ前記長手方向軸に垂直な鉛直軸の周囲に回転運動可
    能なカムから構成され、前記第1の移動手段は、さら
    に、前記カムの回転軸を含みかつ前記長手方向軸に平行
    な鉛直面内で前記カムの前記回転軸を移動させるために
    も使用されることを特徴とするマイクロウェルダ。
  2. 【請求項2】 第1の移動手段が第2の移動手段に直接
    支承され、従って、第1及び第2の移動手段が中間スペ
    ースの外側で可動側部支持体と連絡するように配置され
    ていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロウェ
    ルダ。
  3. 【請求項3】 側部支持体の各々が可動であり、それぞ
    れ第1及び第2の移動手段の両方を備えたことを特徴と
    する請求項1又は2に記載のマイクロウェルダ。
  4. 【請求項4】 第1の移動手段が手動調整ノブにより制
    御される少なくとも1つの微調整ロッドにより構成され
    たことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記
    載のマイクロウェルダ。
  5. 【請求項5】 フレームと中心支持体とが成型プラスチ
    ックによって一体的に形成されていることを特徴とする
    請求項1から4のいずれか1項に記載のマイクロウェル
    ダ。
  6. 【請求項6】 前記側部支持体が前記フレームと一体的
    に成型されており、下部を各々くりぬかれ、こうして肉
    薄にされたこれらの下部がヒンジの役割を果たすことを
    特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のマイ
    クロウェルダ。
  7. 【請求項7】 側部支持体がヒンジ部材を介して前記フ
    レームに固定されていることを特徴とする請求項1から
    5のいずれか1項に記載のマイクロウェルダ。
  8. 【請求項8】 前記ファイバを側部支持体に結合するた
    めの手段が、該側部支持体の内側にこのために挿入され
    た磁石により側部支持体に固定された2つのファイバ支
    持用円筒形金属マンドレルであることを特徴とする請求
    項1から7のいずれか1項に記載のマイクロウェルダ。
  9. 【請求項9】 前記ファイバの前記案内手段が、中心支
    持体に固定されたセラミックに加工された2つの案内V
    溝であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1
    項に記載のマイクロウェルダ。
  10. 【請求項10】 前記電極が案内手段を含む水平面内で
    かつ該案内手段に垂直に配置されていることを特徴とす
    る請求項1から9のいずれか1項に記載のマイクロウェ
    ルダ。
  11. 【請求項11】 顕微鏡と、顕微鏡に組み合わせて相互
    に垂直な2本の視準軸に沿って末端の同時像を単一スク
    リーン上に形成するための手段とを含む、前記ファイバ
    の末端の観察用光学装置をさらに備えたことを特徴とす
    る請求項1から10のいずれか1項に記載のマイクロウ
    ェルダ。
  12. 【請求項12】 前記手段が、長手方向釉に垂直な鉛直
    軸Yに関して対称な2つのミラーから構成されており、
    これらのミラーは軸Yに対してα/2の角度だけ各々傾
    斜しており、前記ファイバの前記末端を含む水平面の一
    部の下にこの部分に対抗するように配置されていること
    を特徴とする請求項11に記載のマイクロウェルダ。
  13. 【請求項13】 前記光学手段が、前記ファイバの前記
    末端を含む水平面の一部の上に、前記長手方向釉に垂直
    なY軸に関して対称に配置された4つのミラーを含み、
    該ミラーの2つは相互に平行でありかつ軸Yの両側に配
    置され、残りの2つはY軸に対して角度βだけ傾斜しか
    つ同様にこの軸の両側に配置されていることを特徴とす
    る請求項11に記載のマイクロウェルダ。
  14. 【請求項14】 前記ミラーが引っ込み可能かつ取り外
    し可能であることを特徴とする請求項11または12に
    記載のマイクロウェルダ。
  15. 【請求項15】 角度αの値が135°であることを特
    徴とする請求項12に記載のマイクロウェルダ。
  16. 【請求項16】 角度βの値が約45°であることを特
    徴とする請求項13に記載のマイクロウェルダ。
  17. 【請求項17】 前記電極が取り外し可能であることを
    特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載のマ
    イクロウェルダ。
  18. 【請求項18】 請求項1から17のいずれか1項に記
    載のマイクロウェルダを使用する溶接方法であって、前
    記第1の移動手段によりファイバの末端相互の平均位置
    を調節する段階と、その後、該位置を微調整し、前記第
    2の移動手段により前記末端の高精度移動を行う段階と
    を含むことを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 前記ファイバの前記末端の接触以前
    に、該ファイバの各々の端面及び側面を研磨する段階
    と、該ファイバの端面を前記第1の移動手段により相互
    に接触させておき、電極間のアークを加える段階と、該
    ファイバを同時に相互溶け込みさせるように該ファイバ
    をアーク溶接する段階と、こうして形成された溶接部を
    アニールする段階と、該ファイバを牽引する段階とを含
    んでおり、該牽引は、該アニール後に直接連続サイクル
    に従って実施され、前記カムの外形は、該カムの回転が
    まず該ファイバの相互溶け込みを生起し、次いで該アニ
    ール中にこの相互溶け込みを一定に維持し、最後に該フ
    ァイバの牽引を可能とするように構成され、これらの3
    段階は該ファイバの相対並進運動の連続サイクルに従っ
    て該カムの運動を中断することなく連続的に実施される
    ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
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