JP4869496B2 - 顕微鏡システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステージまたは対物レンズを上下動させて被写体のピント合わせを行う顕微鏡システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、顕微鏡システムにおいて、ステージまたは対物レンズを上下動させて被写体のピント合わせを行う焦準操作では、対物レンズの倍率毎に焦準部のハンドルの1回転に対する対物レンズと被写体の相対移動量を変化させるようにしている。これは、倍率の異なる対物レンズでは、それぞれの焦点深度が大きく異なるためで、仮に、対物レンズの倍率に関係なく、焦準部のハンドルの1回転に対する対物レンズと被写体の相対移動量が一定であると、焦点深度の大きな対物レンズでは、ピント合わせで焦準部のハンドルを多回転しなければならず、逆に、焦点深度の小さな対物レンズでは、被写体がすぐに見えなくなることや、焦準の分解能が粗くなって、ピント合わせがしずらくなることを考慮した制御である。
【0003】
このため、焦点深度が大きな対物レンズでは、焦点部ハンドルの1回転に対する対物レンズと被写体の相対移動量が大きく、焦点深度の小さな対物レンズでは、焦点部ハンドルの1回転に対する対物レンズと被写体の相対距離が小さくなるような制御を行うようにしている。
【0004】
一方、オートフォーカス(以下、AFと称する。)制御では、いわゆる被写体のサーチに関する技術として、特開昭59−204809号公報に開示されるように、所定方向にレンズを駆動してのサーチで被写体の発見に至らない場合に、レンズの駆動方向を逆方向に切換えて再び被写体をサーチするようなものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ステージまたは対物レンズを上下動させて被写体のピント合わせを行うようにした顕微鏡システムでは、以下のような不具合が生じることがある。
【0006】
例えば、大気中に対して被写体と対物レンズ間の屈折率を高くして、高いNA(開口率)により高解像を求めるような場合、対物レンズとして、オイル対物レンズが用いられることがある。このオイル対物レンズは、図7(a)に示すようにステージ101に載置されたスライドガラス102上に設けられる被写体103をカバーガラス104で覆い、このカバーガラス104と対物レンズ105の間にオイル106を介在させようにしたもので、ステージ101を上下方向に駆動することにより、被写体のピント合わせを行うようにしている。
【0007】
しかし、このようなオイル対物レンズを用いると、オイルの粘性が原因してステージ制御に不都合を生じることがある。例えば、図7(a)に示すように対物レンズ105と被写体103を近づける方向(ア)にステージ101を駆動した場合には、ステージ101が被写体103を押し上げるようになるので、対物レンズ105とステージ101の相対移動距離と、対物レンズ105と被写体103の相対移動距離は、同図(b)に示すように一致するが、対物レンズ105と被写体103を遠ざける方向(イ)にステージ101を駆動した場合は、オイル106の粘性により同図(c)に示すように被写体103が対物レンズ105にくっついて、被写体103がステージ101上から僅かに浮いた状態(図示dの状態)になるため、対物レンズ105とステージ101の相対移動距離と、対物レンズ105と被写体103の相対移動距離が一致しないことがある。
【0008】
このような状態は、慣性力によりステージ駆動速度を早くすれば早くするほど生じ易くなる。また、被写体103が対物レンズ105にくっついてステージ101上から浮いている状態は、それほど長くは続かず、スライドガラス102の重力により所定時間が経過すれば解除されて対物レンズ105とステージ101の相対移動距離と、対物レンズ105と被写体103の相対移動距離が一致しない状態は解消される。
【0009】
このことは、オイル対物レンズを使用して顕微鏡観察を行った場合、倍率の異なる対物レンズ毎にステージの上下方向の駆動速度が可変されるが、同一倍率の対物レンズでは、ステージの上下方向の駆動速度は変化しないため、オイル対物レンズを使用した場合だけ、被写体103がステージ101上から浮いた状態が発生することで、対物レンズ105とステージ101の相対移動距離と対物レンズ105と被写体103の相対移動距離が一致しない状態が発生することがある。この状態では、被写体103にピント合わせを行うことが困難である。例えば、被写体103にピント合わせを行ったときに、被写体103がステージ101上から浮いた状態になっていると、ピント位置としてステージ101の駆動を停止した後に被写体103の浮いた状態が解消されると、ピント位置がずれてしまい、安定したピント合わせが困難となる。
【0010】
一方、特開昭59−204809号公報に開示されたAF制御では、被写体のサーチで発見に至らず、逆方向に駆動して被写体のサーチを行うような場合、この逆方向の駆動で、対物レンズと被写体を遠ざける方向にステージが駆動されると、被写体がステージ上で浮いた状態で、被写体サーチが行われることがあり、このため、ステージ位置と被写体位置が一致せずに、AF制御が失敗することがあった。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、被写体のピント合わせを確実に、かつ安定して行うことができる顕微鏡システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、被写体を載置するステージおよび対物レンズの少なくとも一方を駆動手段により相対移動させて前記被写体の合焦を自動調整するオートフォーカス機能を有する顕微鏡システムにおいて、前記被写体のオートフォーカス近接リミットとオートフォーカス遠方リミットを有するオートフォーカスサーチ範囲内で前記オートフォーカス機能により前記被写体に対する合焦制御を行う制御手段を備え、前記制御手段は、前記被写体のオートフォーカスサーチ範囲外から前記オートフォーカス近接リミットへ前記ステージおよび対物レンズの少なくとも一方を駆動させる際の第1の駆動速度、前記オートフォーカスサーチ範囲内で前記被写体と前記対物レンズとを近接させるように前記ステージおよび対物レンズの少なくとも一方を駆動させる際の第2の駆動速度、前記オートフォーカスサーチ範囲外から前記オートフォーカス遠方リミットへ前記ステージおよび対物レンズの少なくとも一方を駆動させる際の第3の駆動速度、および前記オートフォーカスサーチ範囲内で前記被写体と前記対物レンズとを遠ざけるように前記ステージおよび対物レンズの少なくとも一方を駆動させる際の第4の駆動速度をそれぞれ有するデータベースを備え、前記第1の駆動速度は前記第2の駆動速度に比べて、前記第3の駆動速度は前記第4の駆動速度に比べて高速であり、前記対物レンズがオイル対物レンズである場合の、前記第3の駆動速度は前記第1の駆動速度に比べて、前記第4の駆動速度は前記第2の駆動速度に比べて低速であることを特徴としている。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記データベースは、前記オートフォーカス機能による被写体の合焦制御の途中で、前記ステージおよび対物レンズの少なくとも一方をオートフォーカス開始位置に戻す開始位置戻し速度をさらに有することを特徴としている。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記データベースは、前記オートフォーカス機能による前記被写体の合焦制御の途中で、オートフォーカス開始位置に戻ったとき、次の動作に移行するまでの間に前記対物レンズがオイル対物レンズである場合を考慮した待ち時間をさらに有することを特徴としている。
【0017】
この結果、本発明によれば、駆動手段の駆動により対物レンズと被写体の間の相対距離を変化させたときの実際の対物レンズと被写体の間の相対距離の追従性の悪化を想定して、駆動手段による近接方向速度と遠方方向速度を切換えるようにしたので、実際の対物レンズと被写体の間の相対距離の追従性の悪化に原因する対物レンズとステージの相対移動距離と対物レンズと被写体の相対移動距離のずれを防止でき、AF制御を含め、被写体のピント合わせを確実に、かつ安定して行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0019】
1は、本発明の参考例及び本発明の実施の形態が適用される顕微鏡システムの概略構成を示している。
【0020】
図において、1は顕微鏡本体で、この顕微鏡本体1は、ベース部1aに直立して設けられた胴部1bの先端にベース部1aに対して平行な対物アーム1cを有している。
【0021】
顕微鏡本体1の胴部1bには、ステージ2が設けられている。このステージ2は、被写体としての標本Sを載置するもので、ステージモータ3により胴部1bに沿って上下方向に移動可能になっている。
【0022】
顕微鏡本体1の対物アーム1c先端部には、ステージ2と対向させて電動レボルバ4が設けられている。この電動レボルバ4は、複数の対物レンズ5を支持するもので、電動レボルバ制御部6の指示により所定の対物レンズ5を選択的に光路上に切換えるようにしている。
【0023】
また、対物アーム1cには、AFユニット7が設けられ、さらに、鏡筒8を介して接眼レンズ9およびTVカメラ(または写真撮影装置)10が設けられている。
【0024】
顕微鏡本体1のベース部1aには、標本Sを透過照明するための光源11が設けられている。この光源11からの照明光は、ベース部1a上に配置されるコンデンサ12を介してステージ2上に標本Sに入射するようになっている。また、標本Sを透過した光束は、対物レンズ5を通過してAFユニット7と鏡筒8に入射し、その一部が接眼レンズ9に導かれ、目視観察されるとともに、その他の光束は、TVカメラ10に入射して撮影されるようになっている。
【0025】
電動レボルバ制御部6、AFユニット7には、制御手段としてのCPU13が接続されている。
【0026】
CPU13は、AFユニット7からのデフォーカス信号に基づいて、ステージ制御部14を介してステージモータ3を駆動し、ステージ2を胴部1bに沿って上下方向に移動させ、標本Sと対物レンズ5の相対距離を変化させて合焦調節を行ったり、電動レボルバ制御部6により電動レボルバ4を駆動して対物レンズ5の切換えを行うようにしている。また、CPU13は、ユーザによる外部コントローラ15の操作またはコマンド送信によりAF制御のON/OFFや対物レンズ5の切換え、ステージ2の駆動などが可能なようになっている。
【0027】
この場合、ユーザにより外部コントローラ15で電動レボルバ4の図示しない対物レンズ装着部に装着される対物レンズ5の種類が設定されると、CPU13は、電動レボルバ4により光路中に切換えられる対物レンズ5がどの種類のものかを検知し、このときの対物レンズ5の種類により標本Sの追従性の悪化を予測できるようになっている。
【0028】
この場合、CPU13は、ステージ駆動制御に関して種類の異なる対物レンズ5に対し表1に示すようなデータベースを持っている。
【0029】
【表1】
Figure 0004869496
【0030】
このデータベースは、対物レンズ5とステージ2を接近させる近接方向と、対物レンズ5とステージ2を遠ざける遠方方向について、それぞれ駆動制御に用いられる駆動速度パラメータを有している。ここでの駆動速度パラメータは、近接方向についてステージ停止状態から駆動する場合の初速度d1、ステージ駆動における最終速度d2、初速度から最終速度に至るまでの加速度d3および加速方法d4を有するとともに、遠方方向についてもステージ停止状態から駆動する場合の初速度d5、ステージ駆動における最終速度d6、初速度から最終速度に至るまでの加速度d7および加速方法d8を有している。ここで、加速方法d4およびd8は、1が加速度を一定とする、いわゆる台形駆動、0がS字加速をそれぞれ示している。
【0031】
また、表1において、Aは観察時に標本Sとの間にオイルを必要としないドライ対物レンズを、Bは、観察時に標本Sとの間にオイルを必要とするオイル対物レンズをそれぞれ示している。
【0032】
これらドライ対物レンズAとオイル対物レンズBは、ステージ2を遠ざける方向に駆動する場合の速度パラメータが異なっている。つまり、オイル対物レンズBの使用時は、オイルの粘性度により標本Sがステージ2から僅かに浮くことで、対物レンズ5とステージ2の相対移動距離と対物レンズ5と標本Sの相対移動距離が一致しないこと、つまり、対物レンズ5と標本Sの間の相対距離を変化させたときに、実際の標本Sと対物レンズ5の間の相対距離の追従性が悪化するのを予め予想して、初速度d5、加速度d6および最終速度d7のそれぞれを、ステージ2を近づける方向に駆動する場合の速度パラメータに対して小さい値に設定し、さらに加速方法d8を緩やかなS字とすることで、この時の不具合を解消するようにしている。
【0033】
次に、このように構成した顕微鏡システムの動作を説明する。
【0034】
この場合、ユーザのコマンド送信を含めたステージ駆動要求により、図2に示すフローチャートが実行される。まず、ステップS1で、ステージ駆動開始を指示すると、ステップS2で、CPU13は、現在光路中に位置している対物レンズ5の種類を検知する。そして、ステップS3で、検知した対物レンズ5の種類に応じた駆動速度パラメータを表1から読み出す。この場合、例えば検知された対物レンズ5の種類が表1中のドライ対物レンズAに該当すれば、表1中のドライ対物レンズAに対応する近接方向、遠方方向の全ての駆動速度パラメータd1〜d8を、同様に、検知された対物レンズ5の種類が表1中のオイル対物レンズBに該当すれば、表1中のオイル対物レンズBに対応する近接方向、遠方方向の全ての駆動速度パラメータd1〜d8を読み出す。
【0035】
次に、ステップS4で、ユーザによるステージ2の駆動方向を判断する。ここで、近接方向であれば、ステップS5で、近接方向にかかる駆動速度パラメータd1〜d4をセットし、一方、遠方方向であれば、ステップS6で、遠方方向にかかる駆動速度パラメータd5〜d8をセットする。そして、ステップS7で、これらセットされた駆動速度パラメータに応じた駆動パルスを出力し、ステージ制御部14を介してステージモータ3を駆動し、ステージ2を移動させる。
【0036】
従って、このようにすれば、表1に示すデータベースを使用して、オイル対物レンズBが使用される場合、ステージ2が遠方方向に駆動される場合と近接方向に駆動される場合とで駆動速度パラメータを変更することにより、オイル粘性により標本Sがステージ2から浮き上がり、対物レンズ5とステージ2の相対移動距離と対物レンズ5と標本Sの相対移動距離が一致しないことを防ぐことが可能となり、オイル対物レンズ使用時のピント合わせを確実に、かつ安定して行うことができる。
【0037】
なお、上述した本発明の参考例では、ピント合わせの駆動をステージ2の上下動としたが、これを電動レボルバ4側の上下動としても同様な効果を期待できる。また、ステージ2と標本Sの追従性悪化の原因として、オイル対物レンズを使用した例を挙げたが、これ以外のステージの保持手段や標本Sの位置により追従性が悪化するような場合にも適用できる
【0038】
(第の実施の形態)
次に、本発明の第の実施の形態を説明する。この第の実施の形態は、本発明の参考例で述べた顕微鏡システムにAF制御機能を付加した場合で、顕微鏡システムの概略構成については、図1と同様なので、同図を援用するものとする。
【0039】
AF制御は、予めユーザにより設定されたAFサーチ範囲と呼ばれる標本Sをサーチするステージ駆動範囲の中で、CPU13が標本Sをサーチすることで行われる。図3(a)(b)(c)は、このようなAFサーチ範囲のモデル図を示すもので、図中aで示すAFサーチ範囲は、標本Sの厚さのばらつき、および標本Sと対物レンズ5が接触しない条件などに基づいて設定され、AF近接リミットa1とAF遠方リミットa2により構成される。ここで、図3(a)は、AF開始位置STがAFサーチ範囲aに対して対物レンズ5に近い位置に外れ、この位置からステージ制御を行う場合を示し、同図()は、AF開始位置STがAFサーチ範囲aに対して対物レンズ5より遠い位置に外れ、この位置からステージ制御を行う場合を示し、同図(c)は、AF開始位置STがAFサーチ範囲a内にあって、この位置からステージ制御を行う場合を示している。
【0040】
次に、CPU13により標本Sをサーチするためのステージ制御のフローを図4により説明する。この場合、ステップS10で、AF制御が開始されると、ステップS11で、現在のステージ2の位置をチェックし、ステップS12で、図3に示すAFサーチ範囲a内かを判断する。ここで、AFサーチ範囲a外であれば、ステップS13で、現在位置から駆動距離的に近い方のAF近接リミットa1またはAF遠方リミットa2まで駆動する。そして、ステップS14で、AF近接リミットa1かを判断し、AF近接リミットa1でなければ、ステップS15に進み、近接方向、つまりAF近接リミットa1方向へのサーチを行い、また、AF近接リミットa1ならば、ステップS21に進み、遠方方向、つまりAF遠方リミットa2方向のサーチを行う。また、ステップS12で、AFサーチ範囲a内と判断された場合も、ステップステップS15に進み、近接方向へのサーチを行う。
【0041】
ステップS15における近接方向へのサーチにより、ステップS16で、標本Sを発見したかを判断する。ここで、標本Sを発見した場合は、ステップS24に進み、所定のAF制御を実行する。また、標本Sを発見できない場合は、ステップS17で、AF近接リミットa1に到達したかを判断する。AF近接リミットa1に到達していなければ、ステップS16に戻り、同様な動作を繰り返す。その後、ステップS17で、AF近接リミットa1に到達したと判断されると、ステップS18で、AFサーチ範囲a内においてサーチを行っていない範囲があるかを判断する。ここで、サーチを行っていない範囲がないと判断されると、ステップS25で、標本Sを発見できないことをユーザに通知するエラー表示を行う。また、サーチを行っていない範囲があると判断されると、ステップS19で、AFサーチ開始位置までステージ2を高速駆動し、ステージ2がAFサーチ開始位置まで戻って、ステップS20で、駆動完了が判断されると、ステップS21で、遠方方向、つまりAF遠方リミットa2方向のサーチを開始する。
【0042】
ステップS21における遠方方向のサーチにより、ステップS22で、標本Sを発見したかを判断する。ここで、標本Sを発見した場合は、ステップS24に進み、所定のAF制御を実行する。また、標本Sを発見できない場合は、ステップS23で、AF遠方リミットa2に到達したかを判断する。AF遠方リミットa2に到達していなければ、ステップS22に戻り、同様な動作を繰り返す。その後、ステップS23で、AF遠方リミットa2に到達したと判断されると、ステップS25に進み、標本Sを発見できないことをユーザに通知するエラー表示を行う。
【0043】
ところで、第の実施の形態に用いられるCPU13は、AF制御に関して種類の異なる対物レンズ5に対し表2に示すようなデータベースを有している。
【0044】
【表2】
Figure 0004869496
【0045】
このデータベースは、AF制御に用いられるAF速度制御パラメータを有している。ここでのAF速度制御パラメータは、AFサーチ範囲aの外から近接方向へのリミット駆動速度(図3に示すC)p1、近接方向へのサーチ速度((図3に示すD)p2、AFサーチ範囲aの外から遠方方向へのリミット駆動速度(図3に示すA)p3、遠方方向へのサーチ速度((図3に示すB)p4、AF開始位置にステージ2を戻す開始位置戻し速度((図3に示すF)p5を有している。
【0046】
また、表2において、Aは観察時に標本Sとの間にオイルを必要としないドライ対物レンズを、Bは観察時に標本Sとの間にオイルを必要とするオイル対物レンズをそれぞれ示している。
【0047】
これらドライ対物レンズAとオイル対物レンズBは、ステージ2を遠ざける方向、つまり遠方方向のリミット駆動速度p3、サーチ速度p4および開始位置戻し速度p5のAF速度制御パラメータが異なっているが、これらの値は、オイル対物レンズBの使用時に、オイルの粘性により標本Sがステージ2から僅かに浮くことで対物レンズ5とステージ2の相対移動距離と対物レンズ5と標本Sの相対移動距離が一致しないことを予め予想して設定され、この時の不具合を解消するようにしている。
【0048】
次に、このようなAF速度制御パラメータを用いたAF制御のためのフローを図5により説明する。
【0049】
この場合も、ステップS30で、AF制御が開始されると、ステップS31で、現在のステージ2の位置をチェックし、ステップS32で、図3に示すAFサーチ範囲a内かを判断する。ここで、AFサーチ範囲a外であれば、ステップS33で、現在位置から駆動距離的に近い方がAF近接リミットa1であれば、リミット駆動速度p1あるいは現在位置から駆動距離的に近い方がAF遠方リミットa2であれば、リミット駆動速度p3を用いてそれぞれのリミットまで駆動する。そして、ステップS34で、AF近接リミットa1かを判断し、AF近接リミットa1でなければ、ステップS35に進み、近接方向、つまりAF近接リミットa1方向へサーチ速度p2でサーチを行い、また、AF近接リミットa1ならば、ステップS41に進み、遠方方向、つまりAF遠方リミットa2方向へサーチ速度p4でサーチを行う。また、ステップS32で、AFサーチ範囲a内と判断された場合も、ステップステップS35に進み、近接方向へサーチ速度p2でサーチを行う。
【0050】
ステップS35における近接方向へのサーチにより、ステップS36で、標本Sを発見したかを判断する。ここで、標本Sを発見した場合は、ステップS44に進み、所定のAF制御を実行する。また、標本Sを発見できない場合は、ステップS37で、AF近接リミットa1に到達したかを判断する。AF近接リミットa1に到達していなければ、ステップS36に戻り、同様な動作を繰り返す。その後、ステップS37で、AF近接リミットa1に到達したと判断されると、ステップS38で、AFサーチ範囲a内においてサーチを行っていない範囲があるかを判断する。ここで、サーチを行っていない範囲がないと判断されると、ステップS45で、標本Sを発見できないことをユーザに通知するエラー表示を行う。また、サーチを行っていない範囲があると判断されると、ステップS39で、AFサーチ開始位置まで開始位置戻し速度p5によりステージ2を駆動する。そして、ステージ2がAFサーチ開始位置まで戻って、ステップS40で、駆動完了が判断されると、ステップS41で、遠方方向、つまりAF遠方リミットa2方向へサーチ速度p4によるサーチを開始する。
【0051】
ステップS41における遠方方向のサーチにより、ステップS42で、標本Sを発見したかを判断する。ここで、標本Sを発見した場合は、ステップS44に進み、所定のAF制御を実行する。また、標本Sを発見できない場合は、ステップS43で、AF遠方リミットa2に到達したかを判断する。AF遠方リミットa2に到達していなければ、ステップS22に戻り、同様な動作を繰り返す。その後、ステップS43で、AF遠方リミットa2に到達したと判断されると、ステップS45に進み、標本Sを発見できないことをユーザに通知するエラー表示を行う。
【0052】
従って、このようにすれば、表2に示すデータベースのAF速度制御パラメータを使用して、オイル対物レンズBが使用される場合で、ステージ2が遠方方向に駆動される場合は、近接方向に駆動される場合に比べて、ステージ2を低速駆動できるようにしたので、オイル粘性により標本Sがステージ2から浮き上がる状態を抑制でき、AF誤動作を確実に防止することができ、オイル対物レンズ使用時にも、確実なAF制御を行うことができる。
【0053】
なお、上述した第の実施の形態についても、ピント合わせの駆動をステージ2の上下動としたが、これを電動レボルバ4側の上下動としても同様な効果を期待できる。また、ステージ2と標本Sの追従性悪化の原因として、オイル対物レンズを使用した例を挙げたが、これ以外のステージの保持手段や標本Sの位置により追従性が悪化するような場合にも適用できる。さらに、第の実施の形態では、サーチ速度などの最終速度のパラメータのみを示したが、これをさらに詳細な初速度、加速度、加速制御パラメータ要素として表わすようにしてもよい。その他、AF制御方向により追従性が悪化すると判断された場合に、駆動方向により駆動制御方法を変更して追従性を改善するようにした本実施の形態の要旨を逸脱しない限り、本発明は、種々変形して実施可能である。
【0054】
(第の実施の形態)
次に、本発明の第の実施の形態を説明する。この第の実施の形態は、第の実施の形態で述べた顕微鏡システムに、さらにウエイト機能を付加した場合で、顕微鏡システムの概略構成については、図1と同様なので、同図を援用するものとする。
【0055】
この場合、CPU13は、AF制御に関して種類の異なる対物レンズ5に対し表3に示すようなデータベースを有している。
【0056】
【表3】
Figure 0004869496
【0057】
このデータベースは、AF制御に用いられるAF速度制御パラメータを有している。ここでのAF速度制御パラメータは、表2に示すものに加えて、AF開始位置にステージ2を戻した後、次の動作に移行するまでの待ち時間、つまり開始位置停止期間wを有している。この場合も、表3において、Aは観察時に標本Sとの間にオイルを必要としないドライ対物レンズを、Bは観察時に標本Sとの間にオイルを必要とするオイル対物レンズをそれぞれ示しているが、同表のように、ドライ対物レンズAについては開始位置停止期間w=0で、ウエイト動作なしとなっており、オイル対物レンズBについては、開始位置停止期間w(=0.3sec)で、ウエイト動作を行うようになっている。
【0058】
次に、このようなAF速度制御パラメータを用いたAF制御のためのフローを図6により説明する。
【0059】
この場合、図6のステップS50〜ステップS65については、上述した図5の説明と同様であり、ステップS60で、ステージ2がAF開始位置まで戻され、駆動完了が判断されると、ステップS66で、表3に示すデータベースからウェイト動作を行うか否かを判断する。そして、ウェイト動作が必要な対物レンズ5、つまりオイル対物レンズBであれば、停止期間wだけステージ2を停止状態にし、この停止期間wの経過後に、ステップS61に進み、遠方方向、つまりAF遠方リミットa2方向へサーチ速度p4によるサーチを開始する。
【0060】
従って、このようにすれば、オイル対物レンズBが使用される場合、ステージ2によるオートフォーカス制御の途中で、ステージ2がAF開始位置まで戻されると、停止期間wを経過した後に、改めて低速でステージ2による遠方方向のサーチが開始されるようになるので、オイル粘性により標本Sがステージ2から浮き上がるような状態をさらに確実に抑制できる。
【0061】
なお、上述した第の実施の形態では、ステージ2を停止させる停止期間wを一定の時間に設定したが、これをAF開始位置戻し制御後の標本Sのデフォーカス情報が安定するまでとしたり、AF開始時の標本Sのデフォーカス量とAF開始位置戻し制御後のデフォーカス量がほぼ一致したと認識するまでの期間としてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、被写体のピント合わせを確実に、かつ安定して行うことができる顕微鏡システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例及び本発明の実施の形態に適用される顕微鏡システムの概略構成を示す図。
【図2】 本発明の参考例の動作を説明するためのフローチャート。
【図3】 本発明の第の実施の形態のAFサーチ範囲のモデルを示す図。
【図4】 第の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図5】 第の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図6】 本発明の第の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図7】 従来のオイル対物レンズを用いた場合のステージ制御を説明するための図。
【符号の説明】
1…顕微鏡本体
1a…ベース部
1b…胴部
1c…対物アーム
2…対物レンズ
3…ステージモータ
4…電動レボルバ
5…対物レンズ
6…電動レボルバ制御部
7…AFユニット
8…鏡筒
9…接眼レンズ
10…TVカメラ
11…光源
12…コンデンサ
13…CPU
14…ステージ制御部
15…外部コントローラ

Claims (3)

  1. 被写体を載置するステージおよび対物レンズの少なくとも一方を駆動手段により相対移動させて前記被写体の合焦を自動調整するオートフォーカス機能を有する顕微鏡システムにおいて、
    前記被写体のオートフォーカス近接リミットとオートフォーカス遠方リミットを有するオートフォーカスサーチ範囲内で前記オートフォーカス機能により前記被写体に対する合焦制御を行う制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記被写体のオートフォーカスサーチ範囲外から前記オートフォーカス近接リミットへ前記ステージおよび対物レンズの少なくとも一方を駆動させる際の第1の駆動速度、前記オートフォーカスサーチ範囲内で前記被写体と前記対物レンズとを近接させるように前記ステージおよび対物レンズの少なくとも一方を駆動させる際の第2の駆動速度、前記オートフォーカスサーチ範囲外から前記オートフォーカス遠方リミットへ前記ステージおよび対物レンズの少なくとも一方を駆動させる際の第3の駆動速度、および前記オートフォーカスサーチ範囲内で前記被写体と前記対物レンズとを遠ざけるように前記ステージおよび対物レンズの少なくとも一方を駆動させる際の第4の駆動速度をそれぞれ有するデータベースを備え、
    前記第1の駆動速度は前記第2の駆動速度に比べて、前記第3の駆動速度は前記第4の駆動速度に比べて高速であり、
    前記対物レンズがオイル対物レンズである場合の、前記第3の駆動速度は前記第1の駆動速度に比べて、前記第4の駆動速度は前記第2の駆動速度に比べて低速であることを特徴とする顕微鏡システム。
  2. 前記データベースは、前記オートフォーカス機能による被写体の合焦制御の途中で、前記ステージおよび対物レンズの少なくとも一方をオートフォーカス開始位置に戻す開始位置戻し速度をさらに有することを特徴とする請求項1記載の顕微鏡システム。
  3. 前記データベースは、前記オートフォーカス機能による前記被写体の合焦制御の途中で、オートフォーカス開始位置に戻ったとき、次の動作に移行するまでの間に前記対物レンズがオイル対物レンズである場合を考慮した待ち時間をさらに有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の顕微鏡システム。
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