JP2521303B2 - 自動給紙装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、ファクシミリ装置、複写機或いは、光学的
文字読み取り装置等の機器において、情報が記載された
原稿や、記録再生のためのシート等の用紙を、読み取り
部や記録再生部に自動的に給送するのに用いられる自動
給紙装置に関するものである。

＜従来の発明＞ このような用途に用いられる一般的な自動給紙装置は
第４図、第５図に示すような構成になっている。即ち、
下部原稿ガイド板１と、これに平行に対設された上部原
稿ガイド板１′との間に矢印で示す搬送方向に給送され
る原稿等の用紙を案内するための用紙搬送路が構成さ
れ、この用紙搬送路の挿入口であるホッパ（図示せず）
に多数枚の原稿が積層してセットされると、偏心ローラ
からなる繰出しローラ２とこれに圧接された繰出しスプ
リング15とにより間欠的に紙送り動作が行われるととも
に、給紙ローラ３と耐摩耗性に優れた分離ゴム板16との
間で確実に用紙が１枚ずつに分離されて送出され、この
分離された用紙が第１の搬送ローラ４及び第２の搬送ロ
ーラ５とこれらそれぞれ圧接されたピンチローラ４′及
び５′とにより搬送され、この搬送時に用紙に記載の情
報が密着イメージセンザ６によって光学的に読み取られ
る。

所で複数枚積層された中から１枚づつ用紙を分離する
ために、給紙ローラ３と、分離ゴム板16が設けられてい
るが用紙に記載された情報を光学的に読み取る関係上用
紙搬送速度は必然的に低速となり、そのため上記の構成
だけでは用紙の２枚送りの発生を防止できない。そのた
め、搬送ローラ４の用紙搬送速度を、給紙ローラ３のも
のよりも速く設定し給紙された用紙が、搬送ローラ４と
ピンチローラ４′に狭持された時に挟持された用紙を今
までよりも高速で搬送することで２枚搬送であった場合
に、両用紙間にすべりを発生させ、分離させる構成とし
ている。尚、この場合給紙ローラ３には、給紙ギヤ10よ
り等速の回転力が与えられているため、搬送ローラ４と
ピンチローラ４′に用紙が狭持され用紙搬送速度が高速
になった時、用紙と給紙ローラ３との間にすべりが生じ
てしまうばかりでなく搬送ローラ４および５の用紙搬送
の負担となる。そこでこの給紙ローラ３を支持する給紙
ローラ軸８と、給紙ギヤ10との間に一方向クラッチが設
けられ、上記の問題を防止している。

＜発明が解決しようとする問題点＞ しかしながら前記のような自動給紙装置であれば１枚
目の用紙が給紙ローラ３を離脱すると同時にその用紙の
上に積層された２枚目の用紙が給紙ローラ３により即座
に給紙されることとなり、１枚目と２枚目の搬送間隔が
小さく用紙後端又は用紙先端の検出誤りが生じファクシ
ミリのような１枚単位に用紙に記載された情報を読み取
り、この情報を伝送するような装置においては、問題と
なっていた。

＜発明の目的＞ 本発明は、このような問題点に鑑みこれを解消するた
めになされたもので、用紙を１枚づつ分離して安定した
搬送を行うと共に、用紙と用紙の搬送間隔の設定を簡単
な構成で正確に行う自動給紙装置を提供することを目的
とするものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明の自動給紙装置は、前記目的を達成するため
に、積層された用紙を１枚ずつ分離し用紙搬送路に導く
給紙ローラと、用紙搬送路に設けられ前記給紙ローラよ
り給紙された用紙を画像読取部に搬送する搬送ローラを
少なくとも有し、前記搬送ローラによる用紙搬送速度を
前記給紙ローラのものより高速になる様に設定された自
動給紙装置であって、前記給紙ローラを支持する給紙ロ
ーラ軸に回転力を伝達する一方向クラッチ部と、該一方
向クラッチ部と該給紙ローラ軸とを所要回転角のすべり
をもって係合する係合部とを備え、用紙が前記搬送ロー
ラにより搬送されるまでの間の前記給紙ローラの回転力
は前記給紙ギヤより与え、用紙が前記搬送ローラに到達
した時点からの前記給紙ローラの回転力は用紙を介して
与えられる搬送ローラの回転力とし、用紙が前記給紙ロ
ーラから離脱した時点より前記給紙ギヤと給紙ローラ軸
とのすべりの所定時間経過後に前記給紙ローラに前記給
紙ギヤの回転力を与えることを特徴とするものである。

＜作用＞ 本発明の自動給紙装置は、前記構成としたことによ
り、１枚目用紙の後端が給紙ローラ３を離脱し、この給
紙ローラ３への回転力の伝達が搬送ローラ４から、給紙
ギヤ10に変更する間で給紙ローラ３が一旦停止し、この
停止時間分だけ、１枚目用紙と２枚目用紙との間に所要
の搬送間隔が与えられることとなる。

＜実施例＞ 以下、本発明の好適な実施例を第１図乃至第４図に基
づいて詳述する。

尚、第１図において、第５図と同一若しくは実質的に
同等のものには同一の符号を付し同一部分の説明は行わ
ない。

第１図において、給紙ギヤ10、給紙ローラ軸11、一方
向クラッチ部材12、一方向クラッチスプリング13は、本
発明の主要機構となるものであり、第２図にその組み立
て図を示す。図の如く、給紙ローラ３に連結された給紙
ローラ軸11には、給紙ギヤ10の係止部が設けられてお
り、この位置まで給紙ギヤ10は貫通挿入される。この給
紙ギヤ10には、一方向クラッチスプリング13が挿入保持
できる円筒型の突起部が一体形成されており、ここに一
方向クラッチスプリング13が挿入されると共に、前記の
突起部と同外周径の突起部を有し、一方向クラッチスプ
リング13を係止する係止部とを一体形成した一方向クラ
ッチ部材12も同様に挿入し、図示しないＥ型リングによ
ってこれらを給紙ローラ軸11に係止させる。尚、給紙ロ
ーラ軸11の先端部分すなわち一方向クラッチ部材12が挿
入される部分は、第３図に示す通り断面がＤ型にカット
されており、この給紙ローラ軸11のＤ型先端部分に、こ
れより多少大きめのＤ型穴を有する前記一方向クラッチ
部材12が挿入されている関係上、一方向クラッチ部材12
は、給紙ローラ軸11に対し多少回動可能な所要回転角の
すべりをもつて係合する状態で保持される。

この機構の動作について、一方向クラッチ部材12のＤ
型穴と、Ｄ型カットの給紙ローラ軸11との関係を示す第
３図を参照しながら説明すると、図示せぬ駆動源ギヤよ
り、給紙ギヤ10が矢印方向に回転すると、この回転力が
一方向クラッチスプリング13を介して一方向クラッチ部
材12に伝達され、給紙ギヤ10の回転周期に同期してこれ
が第３図ａに示す状態にまで回動する。

所で、給紙ギヤ10は、常時回転しているため、この状
態においても一方向クラッチ部材12には回転力が与えら
れる。この事は、一方向クラッチスプリング13を巻方向
にねじ、その内径を小さくすることとなって、給紙ギヤ
10と一方向クラッチ部材12とを完然に連結させ、給紙ギ
ヤ10の回転力を一方向クラッチ部材12を介して給紙ロー
ラ軸11に伝達し、給紙ローラ３を用紙給紙方向に回転さ
せることとなる。尚、この時の給紙ローラ３は、原稿を
分離し給送する状態にある。

次に用紙が給紙ローラ３に当接し、その先端が給紙ロ
ーラ３よりも用紙搬送速度が速い搬送ローラ４に支持さ
れると、用紙の搬送速度は速くなり、給紙ローラ３の回
転同期が給紙ギヤ10のものより速くなる。従って給紙ロ
ーラ軸11と一方向クラッチ部材12との関係は第３図ｂの
様な状態となり、この状態以降においても給紙ローラ軸
11が矢印の方向に回転したとしても、上記の機構の構成
上、一方向クラッチスプリング13は、逆巻方向にねじら
れその内径をおおきくすることから、給紙ギヤ10と一方
向クラッチ部材12との連結は解除され、給紙ローラ３は
用紙搬送速度に合わせてフリーに回転する。

次に用紙が搬送ローラ４によって搬送され、その後端
が給紙ローラ３を離脱すると、今まで給紙ローラに与え
られていた用紙からの回転力がなくなり、今までの回転
周期よりも遅い給紙ギヤ10の回転力が第３図ｂから第３
図ｃの状態を経て与えられることになるが、第３図ｂか
ら第３図ｃの状態になるまでのすべりに要する時間は、
給紙ギヤ10の回転力が与えられずその間、給紙ローラ３
は回転しない。従って１枚目の用紙が搬送されているに
もかかわらず、２枚目な用紙の給紙が一時的に行われな
いこととなって、その間は次の用紙は停止し先行用紙と
の間隔をさらに拡大することを可能にすることにより、
１枚目の用紙と２枚目用紙の搬送間隔を大きくすること
が出来る。

＜発明の効果＞ 本発明の自動給紙装置は、以上のように一方向クラッ
チ部と給紙ローラ軸とを所要回転角のすべりをもって係
合する係合部を設け、第１枚目用紙の後端と第２枚目用
紙の先端との搬送間隔を大きくとる様にしたために用紙
先端及び後端の検出が正確に行え、ファクシミリのよう
な１枚単位に用紙に記載された情報を読み取り、この情
報を伝送するような装置においては、その効果は非常に
大きい。また、搬送ローラと給紙ローラの距離を短く設
定することができ、ADF（自動原稿給紙装置）のコンパ
クト設計を可能とする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の自動給紙装置の一実施例の要部斜視
図、第２図は本装置の一方向クラッチの組み立て図、第
３図は本装置の給紙ギヤと給紙ローラ軸の状態を示す
図、第４図は本装置の用紙搬送路を示す図、第５図は従
来の自動給紙装置の要部斜視図である。 3:給紙ローラ、4:搬送ローラ、10:給紙ギヤ、12:一方向
クラッチ部材、13:一方向クラッチスプリング。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】積層された用紙を１枚ずつ分離し用紙搬送
   路に導く給紙ローラと、用紙搬送路に設けられ前記給紙
   ローラより給紙された用紙を画像読取部に搬送する搬送
   ローラを少なくとも有し、前記搬送ローラによる用紙搬
   送速度を前記給紙ローラのものより高速になる様に設定
   された自動給紙装置であって、 前記給紙ローラに回転力を与える給紙ギヤの同軸上に一
   体形成した円筒型突起部と、該円筒型突起部と同外周径
   の一方向クラッチ部材と、前記円筒型突起部と一方向ク
   ラッチ部材間に挿入する一方向クラッチスプリングと、
   前記一方向クラッチ部材にＤ型にカットした給紙ローラ
   軸より多少大きめのＤ型穴とを設け、前記給紙ローラ軸
   を前記給紙ギヤ，一方向クラッチスプリングを介して一
   方向クラッチ部のＤ型穴に係止し、前記給紙ギヤ部と前
   記給紙ローラ軸とに所要回転角のすべりを持たせ、用紙
   が前記搬送ローラにより搬送されるまでの間の前記給紙
   ローラの回転力は前記給紙ギヤより与え、用紙が前記搬
   送ローラに到達した時点からの前記給紙ローラの回転力
   は用紙を介して与えられる搬送ローラの回転力とし、用
   紙が前記給紙ローラより離脱した時点より前記給紙ギヤ
   と前記給紙ローラ軸とのすべりの所定時間経過後に前記
   給紙ローラに前記給紙ギヤの回転力を与えることを特徴
   とする自動給紙装置。