JP2520164Y2 - コーナ用パネルの取り付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、平面Ｌ字形のコーナ用パネルを柱に取り付
けるための構造に関する。

〔背景技術〕 第５図は柱に平面Ｌ字形のコーナ用パネルを取り付け
るための従来構造を示す。柱51の２つの面に巻き付けら
れる帯状金具52の両端部に連結具53をボルト54、ナット
55で結合し、コーナ用パネル56の背面に金具57を取り付
け、この金具57と連結具53とをボルト58、ナット59で締
結していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

以上の従来構造によると、作業者はコーナ用パネル56
の正面側からではなく、コーナ用パネル56の側面側から
ボルト58の回転作業を行って金具57と連結具53とを締結
する作業を行わなければならないため、この作業がしに
くく、作業性の点で問題があった。

また、第５図の従来構造によると、コーナ用パネル56
とボルト58との位置関係のため、柱51の４つの面を覆う
４個のコーナ用パネル56を柱１に取り付けることができ
ず、例えば玄関のポーチ柱のように４個のコーナ用パネ
ルによって柱の４つの面を覆う場合には、従来におい
て、コーナ用パネルの正面からテックスビスを柱側に打
ち込み、このテックスビスによって柱に固設された取付
具にパネルを締結し、この後、パネルにできたテックス
ビス打込孔の修復作業を行い、パネルの外観を元の状態
に回復させていた。

これによると、コーナ用パネルを傷つけることになる
と共に、パネル取り付け作業後、パネル修復作業を行わ
なければならないという問題があった。

本考案の目的は、柱へのコーナ用パネルの取り付け作
業をパネルの正面側から行え、従って作業性は良好とな
り、また、それぞれのコーナ用パネルを傷つけることな
く４個のコーナ用パネルによって柱の４つの面を覆うこ
とも可能になるコーナ用パネルの取り付け構造を提供す
るところにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係るコーナ用パネルの取り付け構造は、平面
Ｌ字形のコーナ用パネルが取り付けられる柱の外表面に
おける前記コーナ用パネルの側端面から露出する位置に
はコ字形の柱側取付具がその開口側を前記外表面に向け
て固設され、この柱側取付具と、前記コーナ用パネルの
背面にこのパネルの側端面から端部が突出して固設され
たパネル側取付具の前記端部とを、前記コーナ用パネル
の正面側からこのパネルの側端面の側方を通過させた締
結具により締結したことを特徴とするものである。

〔作用〕

本考案では、柱側取付具とパネル側取付具とをパネル
の正面側からパネル側端面の側方を通過させた締結具に
より締結してコーナ用パネルの柱への取り付け作業を行
うため、この作業をコーナ用パネルの正面側から行なえ
ることになる。また、締結具はコーナ用パネルの側端面
の側方を通過して柱側取付具とパネル側取付具とを締結
するため、締結具が通過できる隙間をあけておけば複数
のパネルを隣接させて柱に取り付けることができ、従っ
て柱の４つの面を覆う４個のコーナ用パネルのそれぞれ
を傷つけることなく柱に取り付けることもできる。パネ
ル相互間の隙間による目他部分には、後作業として、バ
ックアップ材、コーキング材を充填する。

〔実施例〕

第１図は本考案の一実施例を示し、柱１の軽量気泡コ
ンクリート製コーナ用パネル２が取り付けられる外表面
には柱側取付具３が溶接で固設される。この柱側取付具
３の個数は柱１の１つの面について上下方向に２個また
は３個程度である。各々の柱側取付具３は鉄板をコ字形
に折り曲げることによって作られ、コ字形における開口
側を柱１の外表面に向けて固設されている。コーナ用パ
ネル２の背面には鉄板の折り曲げによって作られるパネ
ル側取付具４が固設される。この取付具４のパネル２へ
の取り付け方法は第３図で示されている。即ち、パネル
２の内部に埋設される芯材５にナット６を溶接で固設
し、このナット６にねじこまれるボルト７によってパネ
ル側取付具４をパネル２の背面に固設する。

第１図の通り、パネル側取付具４は、コーナ用パネル
２と同じく平面Ｌ字形に折れ曲がった本体部4Aと、本体
部4Aの両端から互いに近ずく方向に90度屈曲した第１屈
曲部4B,4Cと、第１屈曲部4B,4Cの先端から互いに離反す
る方向に90度屈曲した第２屈曲部4D,4Eとからなり，第
１及び第２屈曲部4B,4Dと第１及び第２屈曲部4C,4Eとは
高さ位置が上下にずれている。

第１図の通り前記柱側取付具３には上下方向に長い長
孔８が形成され、またパネル側取付具４の第２屈曲部4
D,4Eには左右方向に長い長孔9,10が形成されている。パ
ネル側取付具４の端部となっているこれらの第２屈曲部
4D,4Eは、第３図で示されている通り、コーナ用パネル
２の側端面2A,2Bから突出した長さを有する。

第１図の通り柱１に複数のコーナ用パネル２を取り付
ける場合には、第２図の通り、隣合う２個のコーナ用パ
ネル２のうち一方のコーナ用パネル２のパネル用取付具
４の右側第２屈曲部4Dを柱側取付具３の正面上部にあて
がい、他方のコーナ用パネル２のパネル用取付具４の左
側第２屈曲部4Eを柱側取付具３の正面下部にあてがう。
そして、柱側取付具３の長孔８と右側第２屈曲部4Dの長
孔９との交点及び柱側取付具３の長孔８と左側第２屈曲
部4Eの長孔10との交点に締結具であるタッピングビス11
を回転させながら挿入して柱側取付具３とパネル側取付
具４とを締結する。以上の作業を各々のコーナ用パネル
２のパネル側取付具４の左右両端第２屈曲部4D,4Eにつ
いて行う。

以上において、第３図の通り互いに隣合う２個のコー
ナ用パネル２の右側側端面2Aと左側側端面2Bとの間に
は、これらの側端面2A,2Bから突出した前記第２屈曲部4
D,4Eの長さと対応した幅の隙間12ができ、柱１に固設さ
れた柱側取付具３は側端面2A,2Bから露出して隙間12に
臨み、この隙間12からタッピングビス11及びこのタッピ
ングビス11を回転させて長孔8,9,10にねじ切り挿入させ
るためのドライバ13を挿入できるため、第３図で示す通
り４個のコーナ用パネル２によって柱１の４つの面を覆
うことができ、玄関のポーチ柱のように４つの面にパネ
ルを被せることが必要な場合に本実施例の構造を適用で
きる。

以上のコーナ用パネル２の取り付け作業後、目地部分
となる隙間12には、後作業として、バックアップ材及び
コーキング材が充填される。

本実施例においては、前述の通り、柱側取付具３には
上下に長い長孔８が形成されているため、柱１にコーナ
用パネル２を取り付けるにあたり、コーナ用パネル２の
高さ位置を上下方向に調整できる。また、パネル側取付
具４の第２屈曲部4D,4Eには左右に長い長孔9,10が形成
されているため、この長孔9,10によってコーナ用パネル
２を柱１に左右方向の位置を調整しながら取り付けるこ
ともできる。

以上に加えて、本実施例ではタッピングビス11はコー
ナ用パネル２の正面側からこのパネル２の側端面2A,2B
の側方（つまり前記隙間12）を通過せしめられて柱側取
付具３とパネル側取付具４とを締結するため、タッピン
グビス11をコーナ用パネル２の側端面2A,2Bの側方を通
過させる作業及びタッピングビス11をドライバ13で回転
させる作業をコーナ用パネル２の正面側から行なえるこ
とになり、柱１へのコーナ用パネル２の取り付け作業の
作業性が良好となる。また、４個のコーナ用パネル２に
よって柱１の４つの面を覆う場合でも、各々のコーナ用
パネル２を傷つけることなくこの作業を行なえる。

そして、柱側取付具３が柱１の外表面に設けられてい
るため、溶接作業等を行なって柱側取付具３を柱１に固
設する際には、その溶接作業を柱１の外側から容易に行
なうことができる。この際、柱側取付具３が柱１の外表
面に固設されていることにより、溶接作業を柱１の上下
方向における任意の位置で容易に行なえるようになるか
ら、柱側取付具３を柱１の端部のみならず上下方向の中
央付近にも簡単に固設することができる。

さらに、コ字形とされた柱側取付具３はその開口側を
柱１の外表面に向けて固設されているため、柱１の外表
面と柱側取付具３の長孔８が設けられた部分との間には
隙間が形成される。このため、タッピングビス11が柱側
取付具３の長孔８にねじ込まれても、タッピングビス11
の先端はその隙間内に位置されるようになり、柱１とタ
ッピングビス11との干渉を避けるための開口部等を柱１
に設ける必要がない。

第４図は建物の隅部のように柱１に梁14が接続されて
いる場合を示し、この場合には柱１に取り付けられた１
個のコーナ用パネル２の両側に外壁用パネル15が配置さ
れる。この外壁用パネル15の背面には前記パネル側取付
具４の半分の形状を有するパネル側取付具16が固設さ
れ、このパネル側取付具16と柱側取付具３がタッピング
ビス11で締結されて外壁用パネル15の柱１への取り付け
が行われる。

このように本考案に係るコーナ用パネル２の取付構造
はコーナ用パネル２が一個の場合にも適用できる。

また、前記実施例では柱側取付具３には上下に長い長
孔８が形成され、パネル側取付具４には左右に長い長孔
9,10が形成されていたが、柱１にコーナ用パネル２を取
り付けるにあたり上下方向と左右方向のいずれかだけに
ついてコーナ用パネル２の位置調整が必要な場合には、
長孔８と9,10のうちのいずれかだけを形成してもよく、
また全く位置調整が不要な場合にはこれらの長孔8,9,10
を形成する必要はなく、単にタッピングビス11をねじ切
りながら挿入できる丸孔を形成しておけばよい。また、
前記実施例では柱側取付具３とパネル側取付具４とを締
結する締結具はタッピングビス11であったが、これをテ
ックスビスとしてもよく、締結具の種類は任意である。

〔考案の効果〕

本考案によれば、柱へのコーナ用パネルの取り付け作
業をパネルの正面側から行なえるようになり、従って作
業性が良好となる。また、４個のコーナ用パネルによっ
て柱の４つの面を各々のコーナ用パネルを傷つけること
なく覆うためのコーナ用パネル取り付け作業もできるよ
うになる。

なお、本考案について、IPCを「E04F 13/08,101P」
としていわゆるパトリス検索を行ったところ、本考案の
ような「コーナ用パネルの取り付け構造」は、見当たら
ず、当該分野における本考案の斬新性が明らかになっ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る取付構造を示す分解斜
視図、第２図は取り付け時における柱側取付具の正面か
らみた図、第３図はコーナ用パネルが４個の実施例を示
す平断面図、第４図はコーナ用パネルが１個の実施例を
示す平断面図、第５図は従来構造を示す第１図と同様の
図である。 １…柱、２…コーナ用パネル、2A,2B…側端面、３…柱
側取付具、４…パネル側取付具、4D,4E…端部である第
２屈曲部、11…締結具であるタッピングビス、13…ドラ
イバ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】平面Ｌ字形のコーナ用パネルが取り付けら
   れる柱の外表面における前記コーナ用パネルの側端面か
   ら露出する位置にはコ字形の柱側取付具がその開口側を
   前記外表面に向けて固設され、この柱側取付具と、前記
   コーナ用パネルの背面にこのパネルの側端面から端部が
   突出して固設されたパネル側取付具の前記端部とを、前
   記コーナ用パネルの正面側からこのパネルの側端面の側
   方を通過させた締結具により締結したことを特徴とする
   コーナ用パネルの取り付け構造。