JP2519772Y2 - スローアウェイチップ - Google Patents

スローアウェイチップ

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JP2519772Y2
JP2519772Y2 JP3781191U JP3781191U JP2519772Y2 JP 2519772 Y2 JP2519772 Y2 JP 2519772Y2 JP 3781191 U JP3781191 U JP 3781191U JP 3781191 U JP3781191 U JP 3781191U JP 2519772 Y2 JP2519772 Y2 JP 2519772Y2
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ridge
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chips
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健 板羽
陽一 石川
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、チップ本体のすくい面
に切屑分断のための突条部等の凸部が設けられたスロー
アウェイチップに関するものであり、特に送り量が大き
い場合における切屑処理性能の向上を目的としたもので
ある。
【0002】
【従来の技術】このようなスローアウェイチップ(以
下、チップと略する。)としては、例えば図8に示すよ
うなものが知られている。このチップ1は実開昭61−
151806号公報に記載されたもので、平面視に多角
形(この例では平行四辺形)をなす平板状のチップ本体
2の一方の面にすくい面3が形成されており、このすく
い面3と逃げ面4となるチップ本体2の周面とがなす交
差稜線部には、上記多角形の角部にノーズ部5を有する
切刃6が形成されている。図9は当該チップ1の切刃6
に垂直な断面であるが、この図に示されるように上記す
くい面3はランド部7を介して切刃6に連なり、この切
刃6から離間してチップ本体2の内側に向かうに従っ
て、チップ本体2の上記一方の面側から他方の面側へ向
かう方向、すなわちチップ本体2の厚さ方向(以下、チ
ップ厚さ方向と略する。)の内側へ向い傾斜する傾斜面
とされており、この面の傾斜角α0が当該チップ1の切
刃6のすくい角となる。さらにチップ本体2の上記一方
の面には、このすくい面3に連なってチップ厚さ方向に
垂直な平坦面が形成されており、上記すくい面3がなす
傾斜面の延長面に対してチップ厚さ方向の外側に隆起し
たブレーカー面8とされている。なお、これら傾斜面を
なすすくい面3と平坦面をなすブレーカー面8とは曲率
半径の大きな曲面9によって滑らかに連結されている。
【0003】そして、これらすくい面3および曲面9に
は図8および図10に示すように切刃6から所定区間離
れた位置に、該すくい面3および曲面9からチップ厚さ
方向の外側に突出した球面状をなす突起10が形成され
ており、この例ではこのような突起10が切刃6に沿う
方向に複数個設けられている。またこの例では、この突
起10よりさらに上記切刃6から離れた位置に、突起1
0がなす上記球面より径の大きな球面状の突起11がブ
レーカー面8からチップ厚さ方向外側に突出して設けら
れている。なお、図8において符号12は当該チップ1
をバイト等の工具に装着する際の取付穴である。これら
の突起10,11は、いずれも切削において生成される
切屑を適当な小片に分断することを目的として設けられ
ており、切刃6によって削り取られて上記すくい面3か
ら曲面9に沿って流出した切屑は、これらの突起10,
11に乗り上げ、強制的にカールされて細かく分断され
る。
【0004】ここで上記チップ1では、突起10,11
を球面状とすることにより、傾斜面とされたすくい面3
との間に谷となる部分13が形成される。そして切刃6
によって削り取られた切屑は、この谷部13を通って突
起10,11に乗り上げるようになり、より小さなカー
ル径にカールされるため効果的に切屑が分断されるよう
になる。従って、これら突起10,11のチップ厚さ方
向外側への突出量Dが大きい程、上記谷部13は深くな
り、よって生成された切屑は急激にカールされることに
なるため、より一層効果的に切屑を分断することが可能
となる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、このような
チップによる切削加工においては、送り量が小さい場合
には生成される切屑はその肉厚が比較的薄いものとなる
が、反対に送り量がある程度大きい場合は肉厚の厚い切
屑が生成される。しかし、このような肉厚の厚い切屑が
生成される場合に上述のように突起10,11の突出量
Dが大きなチップを用いると、連続的に生成される切屑
が上記谷部13を通って急激に小さなカールされる際に
抵抗を受けたり、あるいは急激に小さなカール径にカー
ルされた切屑が被削材の切削面に接触したりしてしま
い、いわゆる切屑が詰まり気味の状態となってしまうお
それがある。このような切屑が詰まり気味の状態となる
と、詰まった切屑によって切削精度の低下を招いたり、
チップの切刃に過大な負荷が作用して切刃の欠損等を引
き起こしたりして円滑な切削作業に支障を来すことにな
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は上記課題を解決
するためになされたもので、すくい面側からの平面視に
多角形平板状をなすチップ本体のすくい面と逃げ面との
交差稜線部に、上記多角形の角部にノーズ部を有する切
刃が形成されるとともに、すくい面が切刃から離間する
に従って漸次チップ厚さ方向の内側に向かう傾斜面とさ
れたチップにおいて、上記すくい面に、該すくい面から
チップ厚さ方向外側に向かって突出し、かつその突出先
端を結ぶ稜線部がチップ厚さ方向に垂直になるように成
形された複数の突条部を、上記切刃に沿う方向に並列
に、かつそれぞれの突条部の稜線部がチップ本体外周側
から本体内側に向かって延びるように形成するととも
に、これらの突条部を、上記ノーズ部から離間した突条
部ほど、上記切刃から上記稜線部と上記すくい面との交
点までの、上記厚さ方向に垂直な方向の距離が漸次長く
なるように成形したことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】本考案のチップでは、すくい面からチップ厚さ
方向外側に突出し、かつ平面視にチップ本体の外周側か
ら内側に向かって延びる突条部が形成され、この突条部
の最もチップ厚さ方向外側の部分を結ぶ稜線部、すなわ
ち該突条部の突出先端を結ぶ稜線部はチップ厚さ方向に
垂直になるように成形されている。従ってこの突条部と
すくい面との間には上述したような谷部が形成されるこ
とはなく、すくい面を流れ出た切屑は該突条部の上記稜
線部に乗り上げて緩やかにカールされて分断されること
になる。このため、送り量が大きく肉厚の厚い切屑が生
成される場合でも、すくい面を流れ出た切屑が急激にカ
ールされて抵抗を受けるような事態を避けることができ
る。
【0008】また本考案においては、切刃に沿う方向で
ノーズ部から離間した突条部では、切刃に垂直な断面に
おいて該切刃から、突条部の稜線部とすくい面との交点
までの、チップ厚さ方向に垂直な方向の距離が、ノーズ
部に近い突条部に比べて長くなるように成形されてい
る。従って、このような突条部では切刃からすくい面と
上記稜線部との交点、つまり該稜線部の始点までの、す
くい面に沿った距離も長くなり、よって切刃で生成され
た切屑はすくい面をある程度流れ出た後に、突条部の稜
線部に乗り上げてカールされることになる。このような
構成とすることにより、カールされる切屑のカール径を
大きくすることができるとともに、切削時の被削材の切
削面とチップ上の切屑がカールされる位置との間に間隙
を設けることが可能となる。このため、送り量が大きな
場合でも生成された肉厚の厚い切屑は大きなカール径に
カールされて分断される上、上記間隙によって切屑が被
削材の切削面に接触するような事態を防ぐことができ、
切屑が詰まり気味の状態となることを未然に抑えること
が可能となる。
【0009】なお、すべての突条部で上記切刃から稜線
部とすくい面との交点までのチップ厚さ方向に垂直な方
向の距離を長くすると、送り量が小さく、肉厚の薄い切
屑が生成される場合に、このような切屑がカールされな
いまま流れ出てしまって切屑が伸び気味になるおそれが
ある。このため本考案では、ノーズ部側の突条部ではこ
の距離を短くすることにより、生成された切屑が比較的
早い段階でカールされるようにしてこのような問題が生
じることを防ぐことができる。
【0010】このように本考案のチップによれば、一つ
のチップで送り量が小さい場合の切屑の分断性能を維持
しつつ、送り量が大きい場合の切屑が詰まり気味になる
ことを防いで円滑な切削作業を行うことを可能とするこ
とができる。
【0011】
【実施例】図1および図2は本考案の一実施例を示す平
面図および側面図である。本実施例のチップ21は超硬
合金等の硬質材料から一体的に成形されたものであっ
て、これらの図に示されるようにチップ本体22が、当
該チップ21のすくい面23となる一方の面が該すくい
面23からの平面視に略正方形状に成形され、また着座
面24となる他方の面が該チップ本体22の厚さ方向、
つまり上記チップ厚さ方向に垂直な平坦面とされ、さら
に当該チップ21の逃げ面25となる周面が上記着座面
24に垂直に成形された平板状のネガティブ型のチップ
とされている。上記すくい面23を形成する正方形の各
角部には1/4円弧状に成形されたノーズ部26が形成
されており、またすくい面23と逃げ面25とがなす交
差稜線部、すなわち上記正方形の四辺には上記ノーズ部
26に連なって切刃27が形成されている。
【0012】ここで本実施例では、上記正方形の4つの
角部に形成されたノーズ部26と、これらのノーズ部2
6のそれぞれに連なる切刃27により、合計4回の刃体
としての使い回しが可能となっている。従って、一つの
交差稜線部に形成された切刃27はこの交差稜線部を挟
む二つのノーズ部26の共用となるため、1回の切削に
おいて通常使用される切刃27の範囲、すなわち切刃2
7の使用範囲は、ノーズ部26から上記交差稜線部の長
さの約1/2、つまり該交差稜線部の略中央部までとい
うことになる。また本実施例では、この切刃27は図2
に示すように逃げ面25からの側面視において、該切刃
27を挟むノーズ部26付近の部分では上記チップ厚さ
方向に垂直な方向に形成されており、この部分より内側
は切刃27の中央部に向かうに従って着座面24側、す
なわちチップ厚さ方向内側に向かって凹む湾曲線状に形
成されている。
【0013】一方、図3ないし図5は、それぞれ図1に
示した本実施例の切刃27に垂直なAA断面、BB断
面、CC断面を示すものであり、図3から図5はこの順
で上記切刃27の使用範囲内で漸次切刃27から離間す
る断面を表わしている。これらの図に示されるように、
本実施例ではチップ本体22の上記一方の面に切刃27
に沿って、この一方の面がなす上記正方形の縁部を一定
幅で周回するようにランド28が設けられている。この
ランド28は上記チップ厚さ方向に垂直な平坦面として
形成されており、上記すくい面23はこのランド28を
介して切刃27に連なるように成形されている。また、
このすくい面23は上記断面視において、切刃27から
離間するに従ってチップ厚さ方向内側に向かう傾斜面と
されており、さらにこのすくい面23の切刃27とは反
対側、つまり該すくい面23方向からの平面視にチップ
本体22の内側には上記ランド28に平行な、すなわち
チップ厚さ方向に垂直な平坦面が形成されている。この
チップ本体22内側の平坦面は、すくい面23がなす上
記傾斜面の延長面から見ると、切刃27から離間するに
従って該延長面より漸次隆起する面となり、すくい面2
3に沿って流れた切屑がカールされてブレーカー効果を
受けるブレーカー面29となる。なお上記平面視にチッ
プ本体22の中央には、当該チップ21をバイト等の工
具に装着する際の取付穴30がチップ厚さ方向に沿って
貫設されている。
【0014】そして本実施例では上記すくい面23に、
該すくい面23からチップ厚さ方向の外側に向けて突出
し、かつ上記平面視にチップ本体22の外周側から内側
に向かって延びる突条部31が、一のノーズ部26を挟
む二つの切刃27の上記使用範囲内において、それぞれ
の切刃27について3つ、つまり一つの交差稜線部につ
いて6つ、該切刃27が形成された方向に沿ってそれぞ
れが略等間隔に並列になるように形成されている。これ
らの突条部31は、そのすくい面23から最もチップ厚
さ方向外側に突出した先端、すなわち該突条部31の突
出先端を結ぶ稜線部32が、上記チップ厚さ方向に垂直
になるように、つまり該稜線部32がチップ厚さ方向に
垂直な面内においてすくい面23から真直ぐ延びるよう
に成形されている。またこれとともに、それぞれの突条
部31はその稜線部32が上記平面視に切刃27に垂直
になるように、かつ稜線部32同志が互いに平行になる
ように成形されている。
【0015】さらに、これら図3ないし図5に示される
ように、これらの稜線部32は上記切刃27の使用範囲
内において突条部31がノーズ部26から離間するに従
って切刃27から、稜線部32とすくい面23との交点
33、すなわち該稜線部32の始点までの、チップ厚さ
方向に垂直な方向の距離dが漸次長くなるように成形さ
れている。従って、図3ないし図5において上記距離d
a,db,dcの間には、da<db<dcなる関係が成り立
っている。これとともに、上述のようにすくい面23が
傾斜面とされていることにより、ノーズ部26から離れ
た突条部31程、切刃27から稜線部32までの上記チ
ップ厚さ方向の距離hが長くなるようになっており、従
って図3ないし図5に示したha,hb,hcの間にはha
<hb<hcなる関係が成り立っている。
【0016】また、これらの突条部31はそれぞれ、そ
の稜線部32に垂直な断面視に円弧面をなすように成形
されており、さらに図3ないし図5に示されるように該
突条部31のチップ本体22内側の突端部34は、この
円弧面に滑らかに連なる球状面を描きつつ、ブレーカー
面29に埋没するように成形されている。
【0017】一方、図6は図1に示した本実施例の平面
図において、上記切刃27の使用範囲内で上記突条部3
1を含まない切刃27に垂直なDD断面を示すものであ
る。そして、この図に示されるように本実施例ではすく
い面23が、すくい角αをなす切刃27側の第一のすく
い面23Aと、この第一のすくい面23Aに連なり、上
記すくい角αよりも小さいすくい角βをなすブレーカー
面29側の第二のすくい面23Bとから構成されてい
る。さらに本実施例では上記突条部31の稜線部32は
すべて第一のすくい面23Aに交わるようになってお
り、すなわち上記突条部31の稜線部32とすくい面2
3との交点33は、すべて第一のすくい面23A上に配
置されている。これに加えて本実施例では、それぞれの
すくい面23A,23Bは上記切刃27の使用範囲内に
おいて、ノーズ部26から離間するに従ってすくい角
α,βがそれぞれに漸次小さくなるように、またすくい
面の幅Wおよび第一のすくい面23Aの幅W1がそれぞ
れに漸次大きくなるように成形されている。なお、この
第一のすくい面23Aの幅W1とは、上記切刃27に垂
直な断面において切刃27から第一のすくい面23Aと
第二のすくい面23Bとの交差部35までのチップ厚さ
方向に垂直な方向の距離をいい、すくい面23の幅Wと
は上記断面において切刃27から第二のすくい面23B
とブレーカー面29との交差部36までのチップ厚さ方
向に垂直な方向の距離をいうものとする。
【0018】ここで、これら切刃27から稜線部32と
すくい面23との交点33までのチップ厚さ方向に垂直
な方向の距離d、切刃27から稜線部32までのチップ
厚さ方向の距離h、すくい角α,β、およびすくい面2
3の幅W、第一のすくい面の幅W1は、上述した切刃2
7の使用範囲内において漸減および漸増するものであ
る。よって突条部31の稜線部32とすくい面23との
交点33は、すくい面23からの平面視に切刃27が形
成された上記正方形の一辺の一端に形成された一のノー
ズ部26から離間するに従ってチップ本体22の内側に
向かい、この一のノーズ部26から上記使用範囲の長さ
分離れた位置、つまり上記一辺の中央で最もチップ本体
22内側になる。そして、さらに上記一のノーズ部26
より離間し、上記一辺の他端に形成された他のノーズ部
26に接近するに従い、チップ本体22の外周側、つま
り切刃27側に向かうことになり、このため上記交点3
3の配列は上記平面視にチップ本体22の内側に向かっ
て凹む弓状に配置されることになる。また、すくい角
α,βは上記一のノーズ部26から離間して上記一辺の
中央に向かうに従って漸減し、この中央を越えて他のノ
ーズ部26に向かうに従い漸増することになる。また、
これとは逆にすくい面23の幅Wおよび第一のすくい面
23Aの幅W1は、上記一のノーズ部26から離間する
に従って漸増して上記一辺の中央で最大となり、さらに
この一のノーズ部26から離間して他のノーズ部26に
接近するに従い漸減することになる。さらにまた本実施
例では、すくい角αの大きさは、ノーズ部26付近の最
も大きくなる部分で30°〜10°、上記一辺の中央部
付近の最も小さくなる部分で20°〜5°の範囲に納ま
るようになっており、一方すくい角βの大きさは上記切
刃27に垂直な断面におけるすくい角αの大きさの1/
4〜3/4になるように設定されている。
【0019】このような構成のチップ21では、すくい
面23からの突条部31のチップ厚さ方向外側への突出
先端を結んだ稜線部32が該チップ厚さ方向に垂直にな
るように成形されており、すなわち該稜線部32がすく
い面23から真直ぐチップ厚さ方向に垂直な方向に延び
るように成形されているために、この突条部31とすく
い面23との間に上述したような谷部が形成されること
がない。従って送り量が大きく比較的肉厚の厚い切屑が
生成される場合でも、切刃27によって削り取られ、す
くい面23に沿って流れ出た切屑は、突条部31の稜線
部32に乗り上げて緩やかにカールされ、分断されるこ
とになる。このため、このような切屑が従来のように急
激に小さなカール径にカールされて抵抗を受けるような
事態を防ぐことができる。
【0020】また本考案では、すくい面23がチップ厚
さ方向内側に向かう傾斜面とされているとともに、ノー
ズ部26から離間した突条部31では、切刃27から稜
線部32とすくい面23との交点33までのチップ厚さ
方向に垂直な方向の距離dが長くなるように成形されて
おり、これによって切刃27から上記交点33までのす
くい面23に沿った距離も長くなる。すなわち切刃から
切屑がカールされる位置までに間隙が形成されることに
なって、生成された切屑はすくい面23をある程度流れ
出た後に突条部31の稜線部32に接触してカールされ
ることになる。このため、生成される切屑の肉厚が厚い
場合でも、このような切屑は大きなカール径にカールさ
れて順次分断されることになり、また上記間隙によって
切屑が被削材の切削面に接触するような事態を防ぐこと
ができるため、切屑が詰まり気味の状態になることを未
然に防止することが可能となる。
【0021】一方、これとは逆に送り量が小さい場合に
は、被削材から削り取られ、すくい面23に沿って流れ
出た肉厚の薄い切屑は、上記突条部31の稜線部32に
乗り上げたところで一旦緩くカールされる。しかる後切
屑は、この稜線部32に案内されて該稜線部32上を滑
走し、チップ本体22の内側に流れるが、この間にも突
条部31の稜線部32と接触することにより、さらに小
さなカール径にカールされて分断される。このように本
考案によれば送り量が小さく、生成される切屑の肉厚が
比較的薄い場合でも切屑の分断性能を維持することがで
きる。
【0022】ところで、このように送り量が小さな場合
に、切刃27から上記交点33までのチップ厚さ方向に
垂直な方向の距離dを、すくい面23に形成されるすべ
ての突条部31において長くしてしまうと、生成される
肉厚の薄い切屑が稜線部32に乗り上げる前にすくい面
23から離れてしまい、稜線部32に十分に接触せずに
カールされなくなる可能性がある。このような事態にな
ると、切屑が確実に分断されずにつながったまま連続し
て排出されてしまい、いわゆる切屑が伸び気味の状態と
なって伸びた切屑が被削材の切削面に接触したり、工具
等に絡まったりして切削作業に支障を来すおそれがあ
る。これに対して本考案のチップでは、ノーズ部26側
の突条部31では上記距離dが短くなるように成形され
ており、このような突条部31では生成された切屑は比
較的早い段階で稜線部32に接触してカールされること
になる。このため生成される切屑の肉厚が薄い場合で
も、切刃27の使用範囲内のすべての突条部31で切屑
が稜線部32に十分に接触しないというような状況に陥
るのを防ぐことができ、これによって切屑が伸び気味に
なることを避けることができる。
【0023】このように本考案によれば、肉厚の薄い切
屑が生成される場合において切屑の分断性能を維持して
切屑が伸び気味になるのを防ぐことができる一方、肉厚
の厚い切屑が生成される場合においても、切屑がカール
される際の抵抗の低減を図ることができるとともに、切
屑が被削材の切削面に接触するような事態を避けること
ができ、切屑が詰まり気味になることを防ぐことができ
る。
【0024】さらに本実施例では、上述のように切刃2
7のノーズ部26付近から離間するに従って、すくい面
23A,23Bがなすすくい角α,βが漸次小さくなる
ように成形され、このため第二のすくい面23Bが上記
ブレーカー面29となす角度もノーズ部26から離間す
るに従って小さくなるように成形されている。また、こ
れとともにすくい面23の幅Wおよび第一のすくい面2
3Aの幅W1は漸次大きくなるように成形されている。
これにより、送り量が小さい場合にノーズ部26付近で
生成される肉厚の薄い切屑は、比較的早い段階で稜線部
32またはブレーカー面29に接触して小さなカール径
にカールされることになり、このため切屑が伸び気味の
状態になることをより効果的に防止することができる。
また、これとは逆に送り量が大きい場合に切刃27のノ
ーズ部26から離間した部分で生成される肉厚の大きな
切屑は、すくい面23上をある程度の距離を流れ出た後
で稜線部32またはブレーカー面29に接触して緩やか
にカールされることになる。よって、これと上記突条部
31によるブレーカー効果とが相俟って切屑が受ける抵
抗を一層低減させることが可能となる。さらに本実施例
においてはこれに加え、切刃27のノーズ部26から離
間した部分では、すくい角α,βが小さくなることによ
って切刃27の刃先部分に一定の肉厚が確保されるの
で、切刃強度を維持することが可能となり、切削時に作
用する負荷によって切刃27に欠損等が生じるような事
態を未然に防ぐことができるという利点も有する。
【0025】さらにまた本実施例では、すくい面23が
切刃27に連なる大きなすくい角αの第一のすくい面2
3Aと、この第一のすくい面23Aに連なる小さなすく
い角βの第二のすくい面23Bとから構成されており、
このため第一のすくい面23Aに沿って流れた切屑が第
二のすくい面23Bに接触する際にもブレーカー効果が
生じることになり、切屑の分断性能を向上させることが
できる。また、すくい面23を二つのすくい面23A,
23Bとすることにより、生成された切屑が最初にカー
ルされるまでの距離を、従来例のようにすくい面が一つ
の場合に比べて短くすることができる。従って、送り量
が小さく肉厚の薄い切屑が生成される場合でも切屑は比
較的早い段階でカールされるので、切屑が伸び気味にな
ることを抑えることが可能となる。このように本実施例
によれば、送り量の相違によって変化する切屑の状態に
応じ、切刃27の使用範囲全体で切屑を確実に処理する
ことが可能であり、上述した突条部31によるブレーカ
ー効果と相俟って幅広い使用目的に適合する汎用性の極
めて高いチップを提供することが可能となる。
【0026】また本実施例では図2に示したように切刃
27の中央部がチップ厚さ方向内側、つまり着座面24
側に凹む湾曲線状に形成されており、これによって例え
ば当該チップ21をバイトなどの旋削工具等に使用した
場合には、上記使用範囲内における切刃27の傾きを正
角側に設定することができ、従って上記旋削工具の軸方
向すくい角や径方向すくい角も正角側にとることができ
る。このため、切削時に切刃27にかかる抵抗を低減す
ることができるとともに、切屑の流出方向をコントロー
ルすることが可能となるという利点を有する。
【0027】なお上記実施例では、切刃27からすくい
面23と稜線部32との交点33までの距離dをノーズ
部26から離間した突条部31で長くなるようにするこ
とにより、このような突条部31においては切刃27と
稜線部32とのチップ厚さ方向の距離hも長くなるよう
な構成としたが、上述のようにノーズ部26から離間す
るにしたがって上記すくい面23A,23Bがなすすく
い角α,βが漸減することにより、このような構成とな
らない場合があってもかまわない。つまり、上記すくい
角α,βの減少の度合によっては、上記図3ないし図5
においてha,hb,hcがすべて等しくなるような構成
であってもよい。また上記実施例では、すくい面23か
らの平面視に略正方形の平板状のチップについて説明し
たが、三角形やその他の多角形平板状のチップであって
も、勿論かまわない。さらに、これらの実施例ではすく
い面23を二つのすくい面23A,23Bより構成した
が、これを三つ以上のすくい面より構成してもよい。
【0028】ここで、図7は図1ないし図6に示した実
施例のチップ21によって被削材を様々な送りおよび切
込み量にて切削し、この時の切屑の処理状態を調査して
良好な切屑処理が可能であった範囲を表わしたものであ
る。ただしこの時の切削条件は、被削材としてSNCM
439(HB265)を用い、さらに使用チップの形式
はJIS B 4103に規定するSNMM644であっ
て、切削速度V=100m/minで切込み量が概ね1.0
〜10.0mm、一回転当りの送り量が概ね0.25〜
1.0mm/revの範囲で乾式切削を行った。この図に示さ
れた結果より、本考案のチップによれば比較的広い範囲
で良好な切削加工が可能であることが分かる。特に、送
り量が大きい場合には切込み量の大小に拘らず広範囲で
優れた切屑処理性能を示しており、これは肉厚の厚い切
屑が抵抗を受けたり、被削材の切削面に接触したりして
切屑が詰まり気味になることが、本考案によって効果的
に抑えられていることを表わすものと思われる。
【0029】
【考案の効果】以上説明したように本考案では、すくい
面より突出した突条部の突出先端を結んだ稜線部がチッ
プ厚さ方向に垂直になるように成形されているととも
に、切刃のノーズ部から離間する程、切刃から突条部の
稜線部とすくい面との交点までのチップ厚さ方向に垂直
な方向の距離が長くなるように成形されており、幅広い
切削条件下で良好な切屑処理を行うことができる。特
に、送り量が大きい場合の肉厚の厚い切屑がカールされ
る際に抵抗を受けたり、被削材の切削面に接触したりす
ることを未然に防いで切屑が詰まり気味になることを効
果的に防止することが可能となる。このように本考案に
よれば、送り量が小さい時の切屑の分断性能を維持しつ
つ、送り量が大きい場合の切屑詰まりを防止することが
でき、切削精度の劣化や切刃に過大な負荷が作用すると
いった事態を未然に防いで、円滑な切削作業を行うこと
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す平面図である。
【図2】図1に示す実施例の側面図である。
【図3】図1に示す実施例のAA断面図である。
【図4】図1に示す実施例のBB断面図である。
【図5】図1に示す実施例のCC断面図である。
【図6】図1に示す実施例のDD断面図である。
【図7】図1ないし図6に示した実施例のチップ21に
よって被削材を切削した際の切屑処理性能を示す図であ
る。
【図8】突起を有する従来のチップの一例を示す平面図
である。
【図9】図8に示した従来例のXX断面図である。
【図10】図8に示した従来例のYY断面図である。
【符号の説明】
21 チップ 22 チップ本体 23 すくい面 23A 第一のすくい面 23B 第二のすくい面 24 着座面 25 逃げ面 26 ノーズ部 27 切刃 28 ランド 29 ブレーカー面 31 突条部 32 稜線部 33 稜線部32とすくい面23との交点 34 突条部31の突端部 d 切刃27から稜線部32とすくい面23との交点3
3までのチップ厚さ方 向に垂直な方向の距離 h 切刃27と稜線部32とのチップ厚さ方向の距離 α 第一のすくい面がなすすくい角 β 第二のすくい面がなすすくい角 W すくい面23の幅 W1 第一のすくい面の幅

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 すくい面側からの平面視に多角形平板状
    をなすチップ本体の該すくい面と逃げ面との交差稜線部
    に、上記多角形の角部にノーズ部を有する切刃が形成さ
    れるとともに、該すくい面が上記切刃から離間するに従
    って漸次上記チップ本体の厚さ方向の内側に向かう傾斜
    面とされたスローアウェイチップにおいて、上記すくい
    面には、該すくい面から上記厚さ方向外側に向かって突
    出し、かつその突出先端を結ぶ稜線部が上記厚さ方向に
    垂直になるように成形された複数の突条部が、上記切刃
    に沿う方向に並列に、かつそれぞれの突条部の上記稜線
    部が上記チップ本体外周側から該チップ本体内側に向か
    って延びるように形成されるとともに、これらの突条部
    は、上記ノーズ部から離間した突条部ほど、上記切刃か
    ら上記稜線部と上記すくい面との交点までの、上記厚さ
    方向に垂直な方向の距離が漸次長くなるように成形され
    ていることを特徴とするスローアウェイチップ。
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