JP2519677B2 - Vベルト式無段変速機における駆動側プ−リのブ−ツ保持構造 - Google Patents

Vベルト式無段変速機における駆動側プ−リのブ−ツ保持構造

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スクータ型自動二輪車及びスクータ型自動
三輪車に最適のVベルト式無段変速機に関し、特にその
駆動側プーリの転動ウエイト部分を囲むように可撓性ブ
ーツを取り付けて潤滑油貯溜室を形成した場合の、該ブ
ーツの他の部品との干渉を防止して寿命を延長できるよ
うにしたブーツ保持構造に関する。
〔従来の技術〕
スクータ型自動二,三輪車では、Vベルト式無段変速
機を採用する場合が多く、該変速機の駆動側プーリとし
ては、以下の構造のものが一般的である。即ち、駆動側
プーリを、軸方向に駆動の可動シーブと、軸方向に固定
された固定シーブとから構成するとともに、該可動シー
ブの背面に形成されたカム面と駆動軸に固定されたカム
板との間に転動ウエイトを介在させ、該転動ウエイトの
遠心力による軸直角方向への移動によって上記可動シー
ブを軸方向に移動させ、これによってVベルトの巻掛け
半径を可変とするようにしている。このような駆動側プ
ーリにおいては、上記転動ウエイトがカム面とカム板と
で挾持された状態で軸直角方向に摺動するのであるか
ら、これらの動きを円滑にして寿命を延長するには、各
部品間を適切に潤滑する必要がある。
このような適切な潤滑を可能にするため、従来、各種
の工夫がなされており、その一例として、例えば、上記
可動シーブの外周縁部とカム板の背面側とを可撓性ブー
ツで油密に接続し、このブーツと可動シーブとで囲まれ
た空間を潤滑油貯溜室としたものがある(例えば特開昭
60-252858号公報参照)。
上記従来例では、上記ブーツを、可動シーブの外周縁
部に固着され、径方向内方に向かって延びる環状の外周
板と、駆動軸に嵌装され、径方向外方に向かって延びる
内周板と、外周縁部が上記外周板の内周縁部に固着さ
れ、内周縁部が上記内周板の外周縁部に固着された可撓
性ゴム板との3部品で構成している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが上記従来例構造では、ブーツの外周板の内周
縁がカム板の外周縁より径方向外方に位置しているから
変速時にブーツのゴム板部分がカム板の外周縁に干渉す
る懸念がある。またブーツのゴム板部分の外方への膨み
を防止するためのブーツ受板はゴム板の外周部分を覆っ
ているにすぎず、その内周部分は膨らんだ場合、凹凸状
のワンウェイクラッチに干渉する。従ってブーツの寿命
が短いという問題がある。特にブーツ背面が非回転物、
例えばクランクケースの側壁に近接して対面している場
合にはこれとの干渉によってゴム板が破損する恐れがあ
る。
ブーツ受板は可動シーブに固定されていてこれ一体に
軸方向に移動するようになっているから、このブーツ受
板を内方に延長することにより、ゴム板の膨らみをその
全面に渡って規制しようとすると、該ブーツ受板とカム
板およびクランクケースの側壁との間に干渉を避けるた
めの大きなスペースを必要とし、装置が軸方向に大型化
する。
一方、可動シーブ,筒部材,転動ウェイト,カム板及
びブーツはサブ組したうえで駆動軸に装着されるが、上
記従来構造では、駆動軸が均一径でかつ全長に渡ってス
プライン加工されているので、特にスプラン嵌合部分が
こじれ易く、上記装着作業が非常により難いという問題
もある。
本発明はこのような従来の問題点を解消するためにな
されたもので、上記ブーツの寿命を向上でき、かつコス
ト高の問題が生じることもないVベルト式無段変速機に
おける駆動側プーリのブーツ保持構造を提供することを
目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、駆動側可動シーブのカム面とカム板との間
に転動ウエイトを介在させてなるVベルト式無段変速機
において、上記外周板22bをカム板19に沿って傾斜させ
ながらその内周縁部をカム板の背面まで延在させ、上記
ブーツ受板23をカム板19と上記駆動軸10eのボス部(筒
部材10i)間に挟持固定して、該ブーツ受板23の外周縁
を半径方向外方に上記外周板22bの内周縁まで延長し、
上記駆動軸10eを固定シーブ17が嵌合する小径部と上記
筒部材10gが嵌装される中径部と、上記カム板19が嵌合
し、かつ内周板22a,ブーツ受板23が嵌装される大径部と
からなる段付状でかつ延出端側ほど小径なものとすると
ともに、中径部を除いて小径部と大径部をスプライン加
工したことを特徴とするブーツ保持構造である。
〔作用〕
本発明に係るブーツ保持構造では、可動シーブが軸方
向外方に移動した場合は、ブーツはその背面がブーツ受
板によって保持され、外方に膨らむことはないので、該
ブーツの軸方向外方に例えばクランクケースカバー等が
位置していてもこれと干渉することはなく、干渉による
ブーツの破損,寿命短縮の問題は解消される。また、こ
の場合、上記ブーツ受板は低コストの板金製,又は樹脂
製で十分であり、コスト高になることもない。
またブーツ22の外周板22bの内周縁をカム板19の背面
まで延在させ、該部分にゴム板22cの外周縁を固定した
ので、ゴム板22cの外周縁の移動を規制でき、該ゴム板2
2cのカム板19の外周縁との干渉を防止でき、ブーツの寿
命を延長できる。また上記延在により、ゴム板22cを小
径にでき、その耐久性を向上でき、またゴム板の小径化
に伴ってブーツ受板23も小径にできてその剛性を向上で
きる。
ブーツ受板23を駆動軸10eから外周板22bの内周縁まで
延長したので、ゴム板22cの膨らみを全域に渡って規制
でき、該ゴム板22cの非回転物であるクランクケースの
側壁との干渉を確実に防止でき、この点からもブーツ22
の寿命を延長できる。
ブーツ受板23は駆動軸10eに固定されており、軸方向
に移動することはないので、カム板19及びクランクケー
ス側壁との間に軸方向に大きな隙間を設けることなくブ
ーツ受板23を配置でき、装置を軸方向にコンパクト化で
きる。ちなみに、上記従来装置ではブーツ受板を可動シ
ーブに固定していたので、該ブーツ受板は軸方向に移動
することとなり、カム板及びクランクケース側壁との間
に上記軸方向移動寸法より大きい隙間を設ける必要があ
り、それだけ軸方向寸法が大型化していた。
駆動軸10eを延出端側ほど小径なものとし、その中間
部分をスプライン加工のないものとしたので、駆動シー
ブアッシーを外側から組み付ける場合に、カム板19のス
プライン嵌合部分がスプライン加工部分にひっかかるこ
となくそのまま組み付けることができ、組み付けが非常
に簡単となる。またブーツ22及びブーツ受板23は駆動軸
10eの大径部に嵌装されるので、その分、該ブーツ,ブ
ーツ受板の装着穴径が大きくなり、材料面積が小さくな
り、軽量化される。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図について説明する。
第1図ないし第3図は本発明の一実施例によるスクー
タ型自動二輪車用Vベルト式無段変速機における駆動側
プーリのブーツ保持構造を説明するための図である。図
において、1は本実施例構造が適用されたスクータ型自
動二輪車であり、該自動二輪車1の車体フレーム2の前
端部に固着された操舵軸筒2aにはその下端にて前輪3
を、上端にて操向ハンドル4aをそれぞれ支持する前フォ
ーク4が枢支されている。また車体フレーム2の後部2b
の上方にはシート5が搭載され、略中央にはスイング式
動力ユニット6が上下揺動自在に枢支されている。該動
力ユニット6は主として強制空冷式4サイクルエンジン
10と、該エンジン10のクランクケース10dに接続された
伝動ケース7と、この伝動ケース7内に配設されたVベ
ルト式無段変速機20とから構成され、上記伝動ケース7
の後端部には後輪8が支持されており、また該伝動ケー
ス7と上記車体フレーム2の後部2bとの間にはクッショ
ンユニット9が配設されている。
そして、上記エンジン10の、シリンダ10a内に摺動自
在に挿入されたピストン10bは連接棒10cによって、クラ
ンクケース10d内に位置するクランク軸10eに接続されて
いる。このクランク軸10eの図示右端はクランクケース1
0dの外方に突出し、該突出部にはマグネトー発電機(図
示せず)が装着され、また図示左端は、上記クランクケ
ース10dに固着されたクランクケースカバー10fを通って
上記伝動ケース7内に突出している。なお、10hは始動
用一方クラッチであり、その出力板が固着された筒部材
10iはクランク軸10eにスプライン嵌合している。
上記左側突出部には駆動側プーリ11が装着され、また
上記伝動ケース7の後端に上記クランク軸10eと平行
に、かつ回転自在に配設された従動軸12の図示左部には
従動側プーリ13が回転自在に装着されている。この駆動
側プーリ11,従動側プーリ13間にはVベルト15が巻回さ
れ、これにより上記無段変速機20が構成されている。
上記従動側プーリ13は軸方向に固定され、かつ回転可
能に装着された固定シーブ25と、該固定シーブ25に対し
て軸方向に移動可能に装着された可動シーブ24とからな
る。また上記固定シーブ25の筒部25aの外端部には遠心
クラッチ装置14のシュー14aが回動自在に取り付けら
れ、これと接続されるアウタクラッチ板14bは上記従動
軸12の外端に固着されている。また上記従動軸12の図示
右部は歯車装置16aを介して車軸16に接続されており、
該車軸16に上記後輪8が固定されている。
そして上記駆動側プーリ11は主として内面が円錐状に
形成された固定シーブ17と、可動シーブ18とからなり、
この固定シーブ17は上記クランク軸10eの外端にスプラ
イン嵌合するとともに、ロックナット17aで締付け固定
されている。また、上記可動シーブ18はクランク軸10e
に嵌装された筒部材10gに軸方向に摺動自在に装着され
ており、その背面には半径方向外方ほど図示右方に傾斜
するカム面18aが形成されている。また、クランク軸10e
の上記筒部材10g右方にはカム板19がスプライン嵌合し
ており、このカム板19の上記カム面18aと対向する位置
には、半径方向外方ほど図示左方に傾斜するカム面19a
が形成され、この両カム面18a,19a間には転動ウエイト2
1が介在されている。また上記カム板19の外周縁部の複
数個所には係合溝19bが凹設され、該溝19bには樹脂製係
合片19cが嵌着され、この係合片19cは上記可動シーブ18
の背面に突設された係合リブ18bと軸方向に摺動自在に
嵌合している。これによりこの可動シーブ18は、クラン
ク軸10eによってカム板19を介して回転され、かつ転動
ウエイト21の軸直角方向の移動によって軸方向に移動可
能に構成されている。
そして、上記可動シーブ18の外周縁部と、クランク軸
10eのカム板19外側部とはブーツ2によって油密に接続
されており、このブーツ22と上記可動シーブ18とで囲ま
れた空間部分は潤滑油貯溜室となっている。上記ブーツ
22は環状の内周板22a,外周板22bと、この両板22a,22bと
の間に配設され、これも同じく環状の可撓性ゴム番22c
とからなる。このゴム板22cの内,外周縁部はそれぞれ
内,外周板22a,22bと焼付けによって固着されている。
また内周板22aはクランク軸10eに嵌装され、外周板22b
は上記可動シーブ18の外周にオイルシール18cを介して
嵌合されるとともに、係合リブ18bの端面にボルト締め
固定されている。なお、22dは空気抜孔である。
そして、上記クランク軸10eの上記ブーツ22外方に
は、板金製のブーツ受板23が嵌装されている。このブー
ツ受板23は上記可動シーブ18が軸方向外方に移動した際
に、ブーツ22のゴム板22c部分をその保持部23aで保持し
て該ブーツ22が軸方向外方に予期しない形状に膨らむの
を防止するためのものである。従って上記保持部23aは
可動シーブ18の外方移動時のゴム板22cの所要の形状に
合わせて成形されている。そして上記ブーツ受板23,ブ
ーツ22,カム板19及び筒部材10gは、上記固定シーブ17
と、上記一方クラッチ10hの筒部材10iとでロックナット
17aの締付け力によって挾持されており、これにより各
部分は所定位置に保持されている。
次に本実施例の作用効果について説明する。
本実施例のVベルト式無段変速機では、エンジン10を
始動すると、駆動側プーリ11が回転し、これに伴って従
動側プーリ13も常時回転することとなる。そしてエンジ
ン10のアイドリング回転時及び極低速回転時には、転動
ウエイト21が半径方向最内方にあることから、可動シー
ブ18は図示右端に位置している。従ってこの状態ではブ
ーツ22は第1図に実線で示すように、その背面がブーツ
受板23に保持されており、当然ながらこのブーツ22が、
例えばクランクケースカバー10fと干渉することはな
い。またこの場合、駆動側プーリ11の巻掛け半径は最小
となっており、従って従動側プーリ13は可動シーブ24が
復帰ばねに押されて図示右端に位置して、その巻掛け半
径は最大となっている。そのため該従動側プーリ13は低
回転で回転しているので、遠心クラッチ14は接続され
ず、後輪8に駆動力は伝達されないから、車両は停止し
ている。
次にエンジン10の回転速度を少し上昇させると、転動
ウエイト21が遠心力によって少し半径方向外方に移動
し、これによって可動シーブ18が固定シーブ17側に移動
してVベルト15の巻掛け半径が大きくなり、その分従動
側プーリ13の巻掛け半径が小さくなって該従動側プーリ
13の回転速度が早くなる。すると遠心クラッチ14のシュ
ー14aが外方に回動してアウタクラッチ板14bの内面に当
接し、その結果該遠心クラッチ14が駆動力を後輪に伝達
し、車両は前進することとなる。また、この場合、転動
ウエイト21周辺のグリースは遠心力で半径方向外方に移
動するが、可動シーブ18の外側はブーツ22によって覆わ
れているので、このグリースがこのブーツ外方に漏出す
ることはない。
そしてエンジン10を最大回転速度にすると、転動ウエ
イト21が半径方向最外方に移動し、可動シーブ18が図示
左端に移動して駆動側プーリ11の巻掛け半径が最大にな
るとともに、従動側プーリ13の巻掛け半径が最小にな
る。これにより車両は最大速度で走行することなる。こ
のとき、第1図に二点鎖線で示すように、ブーツ22はそ
の上部が可動シーブ18によって固定シーブ17側に移動さ
れ、ブーツ22とブーツ受板23との間には隙間が生じ、該
ブーツ受板23がブーツ22の移動の支障になることはな
い。
このように、本実施例構造では、可動シーブ18の背面
側に、ブーツ22を配設して潤滑油貯溜室を設けるととも
に、該ブーツ22の軸方向外方位置を規制するブーツ受板
23を配設したので、ブーツ22が外方に膨らんでクランク
ケースカバー10fと干渉するのを防止でき、その結果こ
のブーツ22の上記干渉による破損を防止でき、寿命を延
長できる。
しかもこの場合、ブーツ22のゴム板22cとしては、そ
れ自体の耐摩耗製を向上できる材質,構造にする必要は
なく、従来と全く同一のものでよく、さらにブーツ受板
23は低コストの板金製又は樹脂製で十分であり、コスト
高の問題が生じることもない。
またブーツ22の外周板22bの内周縁をカム板19の背面
まで延在させ、該部分にゴム板22cの外周縁を固定した
ので、ゴム板22cの外周縁の移動を規制でき、該ゴム板2
2cのカム板19の外周縁との干渉を防止でき、ブーツの寿
命を延長できる。また上記延在により、ゴム板22cを小
径にでき、その耐久性を向上でき、またゴム板の小径化
に伴ってブーツ受板23も小径にできてその剛性を向上で
きる。
ブーツ受板23を駆動軸10eから外周板22bの内周縁まで
延長したので、ゴム板22cの膨らみを全域に渡って規制
でき、該ゴム板22cの非回転物であるクランクケースの
側壁との干渉を確実に防止でき、この点からもブーツ22
の寿命を延長できる。
ブーツ受板23は駆動軸10eに固定されており、軸方向
に移動することはないので、カム板19及びクランクケー
ス側壁との間に軸方向に大きな隙間を設けることなくブ
ーツ受板23を配置でき、装置を軸方向にコンパクト化で
きる。
駆動軸10eを延出端側ほど小径なものとし、その中間
部分をスプライン加工のないものとしたので、可動シー
ブアッシーを外側から組み付ける際に、カム板のスプラ
イン嵌合部分が駆動軸のスプライン加工部分にひっかか
ることなくそのまま組み付けることができ、組み付けが
非常に簡単となる。またブーツ22及びブーツ受板23は駆
動軸10eの大径部に嵌装されるので、その分、該ブー
ツ,ブーツ受板の装着穴径が大きくなり、材料面積が小
さくなり、軽量化される。
なお、上記実施例では、自動二輪車用Vベルト式無段
変速機について説明したが、本発明は自動二輪車用に限
定されないのは勿論であり、要はVベルト式無段変速機
に用いられ、可動シーブを転動ウエイトで移動させるよ
うにした駆動側プーリであればどのようなものにも適用
できる。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明に係るVベルト式無段変速機に
おける駆動側プーリのブーツ保持構造によれば、駆動側
の可動シーブと駆動軸とを可撓性ブーツによって接続す
るとともに、該駆動軸のブーツ背面側に、該ブーツの軸
方向外方位置を規制するブーツ受板を配設したので、ブ
ーツの背面に非回転物が位置している場合にもこれとの
干渉を防止でき、ブーツの寿命を延長できる効果があ
り、またこの場合、コスト上昇の問題が生じることもな
い。
また本発明では、外周板の内周縁をカム板の背面まで
延在させ、該部分にゴム板外周縁を固定したので、該ゴ
ム板のカム板との干渉を防止でき、ブーツの寿命を延長
できるとともに、ゴム板及びブーツ受板を小径にできて
その剛性を向上できる効果がある。
またブーツ受板を駆動軸から外周板の内周縁まで延長
したので、ゴム板の膨らみを全域に渡って規制でき、該
ゴム板の非回転物であるクランクケースの側壁との干渉
を確実に防止でき、この点からもブーツの寿命を延長で
きる効果がある。
ブーツ受板を駆動軸に固定したのでブーツ受板が軸方
向に移動することはなく、従来装置のようにブーツ受板
を可動シーブに取り付けたことによりブーツ受板が軸方
向に移動する場合のようにカム板,及びクランクケース
側壁との間に大きな隙間を設ける必要はなく、装置を軸
方向にコンパクト化できる効果がある。
さらにまた、駆動軸を延出端側ほど小径なものとし、
その中間部分をスプライン加工のないものとしたので、
可動シーブアッシーを外側から組み付ける際に、先頭に
位置するカム板のスプライン嵌合部が途中のスプライン
加工部にひっかかることがなく、該シーブアッシーをそ
のまま組み付けることができ、組付け性を向上できる効
果がある。
第1図ないし第3図は本発明の一実施例によるVベル
ト式無段変速機における駆動側プーリのブーツ保持構造
を説明するための図であり、第1図はその駆動側プーリ
部分の断面平面図、第2図はそのVベルト式無段変速機
の断面平面図、第3図は上記実施例装置が適用されたス
クータ型自動二輪車の側面図である。
図において、10eはクランク軸(駆動軸)、11は駆動側
プーリ、13は従動側プーリ、15はVベルト、16は従動
軸、17は駆動側固定シーブ、18は駆動側可動シーブ、18
aはカム面、19はカム板、20はVベルト式無段変速機、2
1は転動ウエイト、22はブーツ、23はブーツ受板であ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円錐状内面を有する一対の固定シーブと可
    動シーブとからなる駆動側プーリ,及び従動側プーリを
    それぞれ駆動軸,従動軸に装着し、該両プーリ間にVベ
    ルトを巻回し、上記駆動側プーリが、エンジンのクラン
    クケースから延出する駆動軸の延出端側に固定シーブを
    スプライン嵌合させ、該固定シーブの軸方向内側に駆動
    軸に嵌装された筒部材を介して可動シーブを遊嵌させた
    構造のものであり、上記可動シーブの背面に形成された
    カム面と、該カム面と対向するよう駆動軸にスプライン
    嵌合されたカム板との間に転動ウエイトを介在させ、可
    動シーブのカム面及びカム板をそれぞれ径方向外方に向
    かうに従って互いに漸次近接するように傾斜させ、該ウ
    エイトの遠心力による軸直角方向の移動によって上記駆
    動側プーリの巻掛け半径を変化させるように構成すると
    ともに、上記駆動側可動シーブの外周縁部と上記駆動軸
    のカム板背面側とをブーツで油密に接続して該ブーツと
    駆動側可動シーブとで囲まれた空間を潤滑油貯溜室と
    し、該ブーツをクランクケースの側壁に近接させて対面
    させ、上記ブーツを、上記可動シーブの外周縁部に固着
    され、径方向内方に向かって延びる環状の外周板と、駆
    動軸に嵌装され、径方向外方に向かって延びる内周板
    と、外周縁部が上記外周板の内周縁部に固着され、内周
    縁部が上記内周板の外周縁部に固着された可撓性ゴム板
    とを備えたものとする一方、固定シーブ,筒部材,カム
    板,及び内周板を、駆動軸の延出端に螺着されたナット
    により駆動軸のボス部に圧接するよう締め付け固定し、
    ブーツの背面とクランクケースの側壁との間に、該ブー
    ツの可撓性ゴム板部分の軸方向クランクケース側位置を
    規制するブーツ受板を設けたVベルト無段変速機におい
    て、 上記外周板をカム板に沿って傾斜させながらその内周縁
    部をカム板の背面まで延在させ、上記ブーツ受板を内周
    板と上記駆動軸のボス部間に挟持固定して、該ブーツ受
    板の外周縁を半径方向外方に上記外周板の内周縁まで延
    長し、上記駆動軸を固定シーブが嵌合する小径部と、上
    記筒部材が嵌装される中径部と、上記カム板が嵌合し、
    かつ上記内周板及びブーツ受板が嵌装される大径部とか
    らなる段付状でかつ延出端側ほど小径なものとするとと
    もに、中径部を除いて小径部と大径部をスプライン加工
    したことを特徴とするVベルト式無変速機における駆動
    側プーリのブーツ保持構造。
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