JP2868489B2 - Vベルト式自動変速機 - Google Patents

Vベルト式自動変速機

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JP2868489B2
JP2868489B2 JP742197A JP742197A JP2868489B2 JP 2868489 B2 JP2868489 B2 JP 2868489B2 JP 742197 A JP742197 A JP 742197A JP 742197 A JP742197 A JP 742197A JP 2868489 B2 JP2868489 B2 JP 2868489B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はVベルト式自動変
速機に関し、主として自動二輪車の動力伝達装置に用い
られ、駆動調車を支持する駆動軸上に駆動調車推力発生
機構とクラッチ機構を備えたVベルト式自動変速機に関
する。
【0002】
【従来の技術】この種Vベルト式自動変速機としては特
開昭64−1683号公報に記載された変速機があり、
駆動調車推力発生機構として、遠心式の転動重りを可動
シーブ背面のカム面に配置し、カム板により転動重りを
押さえており、該駆動調車推力発生機構と遠心クラッチ
機構とは、軸方向に分離された状態で配置されている。
【0003】また、図示しないが別の駆動調車推力発生
機構として、遠心力により径方向の外方に回動するカム
ウエイトと、該カムウエイトに押されて軸方向に移動す
る可動体(可動スリーブ)とを組み合わせたものもある
が、駆動調車推力発生機構と遠心クラッチ機構とは、軸
方向に完全に分離された状態で配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者及び後者のいずれ
の駆動調車推力発生機構でも、駆動軸上で、駆動調車推
力発生機構とクラッチ機構を完全に分離した状態で配置
していることにより、軸方向幅寸法が拡大し、コンパク
ト性に欠け、自動二輪車等への搭載性を困難にしてい
る。
【0005】また、後者のカムウエイト方式では、カム
ウエイトを回動自在に嵌合支持する回動支軸を、駆動軸
に固定されたカムウエイト支持専用の固定板に支持して
いるが、該固定板は、調速時の調車推力の反力に十分に
耐え得るように、肉厚を厚くして外径及び軸方向幅を大
きくする等して強度補強をしており、重量が大きくなる
と共に配置スペースも広くなり、コストも上昇する。
【0006】
【発明の目的】本願発明の目的は、Vベルト式自動変速
機の軸方向幅寸法のコンパクト化及び部品点数の節約並
びにカムウエイトの支持強度の維持等を目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本願請求項1記載の発明は、駆動軸上の駆動調車と
従動軸上の被駆動調車との間にVベルトを巻き掛けし、
駆動軸上には駆動調車推力発生機構とクラッチ機構を備
えたVベルト式自動変速機において、駆動調車は軸方向
及び回転方向に固定された固定シーブと、該固定シーブ
と一体的に回転し軸方向に移動可能な可動シーブを備
え、駆動調車推力発生機構は、遠心力により径方向の外
方に回動するカムウエイトと、該カムウエイトに当接し
て上記可動シーブに推力を付与する可動体を備え、クラ
ッチ機構は、ハブを介して駆動軸に固定されたクラッチ
ドラムと、シューを有するシューホルダーを備え、上記
クラッチドラムのハブにカムウエイトの回動支軸を固定
することにより、前記ハブを駆動調車推力発生機構の固
定板として兼用していることを特徴としている。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載のV
ベルト式自動変速機において、ハブの軸方向端面には、
可動体側に向いて開口する凹部を形成し、クラッチドラ
ムの軸方向の端壁には、上記凹部に対応する支持孔を形
成し、回動支軸を上記支持孔及び凹部内にはめ込むこと
により、調車推力の反力のうち、径方向の分力を主とし
てクラッチドラムが受け持ち、軸方向の分力を主として
ハブが受け持つようにしていることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本願発明によるVベルト式
自動変速機を備えたスクータ形自動二輪車の左側面図で
あり、車体フレームは、上側ダウンチューブ20と下側
ダウンチューブ21をそれぞれ左右1対備えており、上
記4つのダウンチューブ20,21で囲まれた空間内に
エンジン22の大部分が収納されている。エンジン22
は4本のダウンチューブ20,21間の狭いスペースに
配置する必要性から、そのシリンダ中心線が略水平状態
に近い前倒し姿勢で配置されている。エンジン22の上
面の前,後部及び下面の後部に取付ブラケット23がそ
れぞれ左右1対形成され、各取付ブラケット23は、フ
レームの各クロスメンバー25に形成されたエンジンマ
ウント130に弾性部材を介して浮動支持されている。
エンジン22のクランクケース26はその右側部分に後
方へと延び出す軸ケース27を一体に備えている。
【0010】下側ダウンチューブ21の後下部には左右
1対のブラケット30を介してリヤアーム用支軸32が
固定され、該リヤアーム用支軸32にはリヤアーム33
の前端ボス部114(図4)が回動自在に嵌合支持され
ている。リヤアーム33の後端部は後車輪34を支持す
ると共にリヤクッション35を介して上下揺動自在に上
部フレームに懸架されている。
【0011】図2は図1の平面図であり、エンジン22
の左右幅が4本のダウンチューブ20,21で囲む狭い
スペース内に収まるように、クランク軸41と平行な回
転軸42を後方の前記軸ケース27に回転自在に支持
し、該回転軸42に、遠心型発進クラッチ43と、駆動
調車推力発生機構44と、駆動調車45とを装着してあ
る。回転軸42とクランク軸41とは、1対のスプロケ
ットギヤ49,50及びチェーン52よりなる1次減速
用伝動機構53により連動連結している。上記回転軸4
2は、本願発明におけるVベルト式自動変速機47の駆
動軸としての役目を果たしているので、以下、上記「回
転軸42」を「駆動軸42」と称する。
【0012】Vベルト式自動変速機47は、上記駆動軸
42に配置された駆動調車45、駆動調車推力発生機構
44及び発進クラッチ43と、後方の筒形従動軸55上
に配置された被駆動調車57と、両調車45,57間に
巻き掛けられたVベルト46から構成されている。
【0013】筒形従動軸55には上記被駆動調車57と
共に2次減速用伝動機構60の駆動スプロケットギヤ5
8が固着され、該駆動スプロケットギヤ58は後車軸3
6の終端スプロケットギヤ59にチェーン61を介して
連動連結している。
【0014】図3は、図1のIII−III断面拡大部分図を
示しており、駆動軸42の軸芯より前側の実線の状態は
駆動調車45の実効巻回径が最小となっている状態、す
なわちVベルト式自動変速機47の減速比が最大で主と
して低速走行時の状態を示し、前側の仮想線及び後側の
状態は駆動調車45の実効巻回径が最大となっている状
態、すなわちVベルト式自動変速機47の減速比が最小
で主として高速走行時の状態を示している。駆動軸42
の右端部は軸ケース27の右端壁に軸受62を介して支
持され、中央左寄り部分は軸ケース27の左端壁に固着
したカバー28に可動スリーブ63及び軸受64を介し
て支持されると共に左方へと軸ケース外に突出してい
る。駆動軸42の軸ケース27内部分には、右から順に
前記スプロケットギヤ50、遠心型発進クラッチ43及
び駆動調車推力発生機構44が並んでおり、駆動調車推
力発生機構44から軸方向に離れた軸ケース外に駆動調
車45が配置されていることになる。スプロケットギヤ
50は駆動軸42に対し軸受メタル74を介して回転自
在に支持されている。可動スリーブ63とカバー28の
内周孔との間には、軸受64の左方にシール75を嵌着
し、軸ケース27内を密封している。
【0015】遠心型発進クラッチ43は、前記スプロケ
ットギヤ50のボスに固着されて該ギヤ50と一体的に
回転するシューホルダー65と、該シューホルダー65
に駆動軸42と平行な支持ピン66を介して回動自在に
支持された複数のシュー67と、駆動軸42に回転方向
移動不能にスプライン嵌合すると共に軸方向にも移動不
能に固定されたアルミ製のハブ68と、該ハブ68の円
板状の端壁部に固着された鉄製のドラム69から構成さ
れている。該ドラム69は、シュー67に径方向の外方
から対向する筒形の本体部分と、これと一体で軸芯方向
と直角な端壁部分69aとから構成されており、該端壁
部分69aは、ハブ68の円板状端壁に形成された環状
段部79にはめ込まれ、周方向に間隔をおいて配置され
た複数のリベット78により、ハブ68に固着されてい
る。
【0016】入力側シューホルダー65の回転速度が一
定以上になると遠心力により径方向外方にシュー67が
拡開し、ドラム69の内周面に圧接する。これによりス
プロケットギヤ50の回転力が、ホルダー65、シュー
67、ドラム69及びハブ68を介して駆動軸42に伝
達される。
【0017】駆動調車推力発生機構44は、複数の受圧
ローラ72を備えた可動板73と、前記可動スリーブ6
3と、上記受圧ローラ72に対向するカムウエイト71
を備えている。カムウエイト71は回動支軸70にメタ
ルブッシュを介して回動自在に支持されており、回動支
軸70は、前記ハブ68及びクラッチドラム端壁69a
に固定されている。可動板73は、駆動軸42に軸方向
移動可能にスプライン嵌合すると共に前記可動スリーブ
63にこれと一体的に移動するように当接し、これらに
より可動体を構成している。各受圧ローラ72は各カム
ウエイト71に対応する位置に固定された支軸82にメ
タルブッシュを介して嵌合している。ハブ68の回転速
度の増加に伴ってカムウエイト71が矢印P方向に回動
することにより受圧ローラ72は左方へ押され、これに
より可動板73、可動スリーブ63及び可動シーブ81
が左方へと一体的に移動するようになっている。
【0018】図5は、カムウエイト71の取付構造の詳
細を示す分解斜視図であり、ハブ68の軸方向の前端面
には、前に向いて開口する断面形状円弧形の凹部37が
形成されており、該凹部37の周方向幅の中央部にはカ
ムウエイト配置用の切欠き38が形成されている。凹部
37の長さは回動支軸70よりも長くなっており、回動
支軸70をはめ込んだ時に凹部両端に固定ボルト56の
概ね外径分に相当するスペースが残るように設定されて
いる。上記凹部37は周方向に等間隔をおいてたとえば
3つ形成されており、また、各凹部37間には前記リベ
ット78を挿通するための孔40が形成されている。ド
ラム端壁69aには、前記凹部37及び切欠き38に対
応する十字形の支持孔39が形成されている。
【0019】カムウエイト71をメタルブッシュを介し
て回動支軸70に回動自在に嵌合し、カムウエイト71
の両側の回動支軸70部分にワッシャ54を嵌合し、回
動支軸70を支持孔39及び凹部37内に前方からはめ
込むと同時にカムウエイト71の基端部を支持孔39及
び切欠き38内に配置する。そして、回動支軸70の両
端に沿ってワッシャ付固定ボルト56を挿入し、前記ね
じ孔48に螺着することにより、図6に示すように固定
ボルト56のワッシャ部分でもって回動支軸70の両端
部分を固定する。
【0020】図6のVII-VII断面を示す図7において、
凹部37の深さは、回動支軸70の半径よりも小さく、
たとえば回動支軸70の直径の1/3程度の深さとなっ
ており、少なくとも回動支軸70の上端縁がクラッチド
ラム69の支持孔39の上端縁に当接するようになって
いる。これにより、回動支軸70に調車推力の反力Rが
かかった場合に、その反力の径方向の分力R1がクラッ
チドラム端壁69aにより受け持たれ、一方、軸方向の
分力R2がハブ68により受け持たれる。一般に、調車
推力の反力Rは、図7の回動軸芯Oを座標原点とする
と、第1象限(R1より右でR2よりも上の範囲)に存在
し、かつ、径方向の分力R1が軸方向の分力R2よりも格
段と大きい値となっている。
【0021】図3において、駆動調車45は、左側の固
定シーブ80とこれに軸方向に対向する前記可動シーブ
81からなっており、固定シーブ80は、駆動軸42の
左端部にスプライン嵌合することにより回転方向に固定
されると共に、ワッシャ76及びナット77により軸方
向にも固定されており、一方、可動シーブ81は、可動
スリーブ63の左端部のねじ部に螺着し一体化されてお
り、スリーブ63の左方への移動と共に左方へ移動する
ようになっている。固定シーブ80の左端面には冷却フ
ァン92が形成され、ファンカバー90の空気通路91
を通して駆動調車45に冷却空気を強制的に取り入れる
ようになっている。
【0022】軸ケース27内の駆動調車推力発生機構4
4及び発進クラッチ43を潤滑するための潤滑機構とし
て、駆動軸42の右端部に、潤滑油ポンプ(図示せず)
に接続する潤滑油室85を設けると共に該潤滑油室85
に連通する潤滑通路84を駆動軸芯部分に形成してお
り、潤滑通路84は途中のクラッチ用潤滑通路86と、
奥端部(左端部)の駆動調車推力発生機構用潤滑通路8
7に連通している。クラッチ用潤滑通路86は径方向の
外方へと延び、ハブ68の右端部の油孔88を介してド
ラム69内に開放しており、ドラム69内を強制的に潤
滑及び冷却するようになっている。一方、駆動調車推力
発生機構用潤滑通路87は、径方向の外方へと延びてス
リーブ63の内周環状隙間89に連通しており、該環状
隙間89の左端部はスリーブ63の油孔90を介して軸
受64部分に連通し、軸受64を潤滑するようになって
いる。また、環状隙間89の右側部は油孔92を介して
ローラ72に向いて開口すると共に、可動板73の内周
スプライン部分を通して可動板73の右端縁にも連通
し、それぞれ受圧ローラ72及びカムウエイト71を潤
滑するようになっている。
【0023】図4は被駆動調車57を示しており、右側
の固定シーブ93と左側の可動シーブ94から構成され
ており、固定シーブ93は筒形従動軸55に軸方向及び
回転方向に固定され、可動シーブ94は筒形従動軸55
に嵌合する可動スリーブ95にリベット等により固着さ
れている。可動スリーブ95には固定シーブ側に行くに
従い回転方向前方に捩れる螺旋状の複数のカムガイド溝
97が形成されており、該カムガイド溝97が、筒形従
動軸55に係止されたローラピン96に摺動自在に係合
しており、これによりVベルトからの回転トルクが増加
して可動シーブ94が回転方向の前方に捩れると可動シ
ーブ94を固定シーブ93側へと押すように構成されて
いる。可動スリーブ95の外周にはつば付きのカバー9
8が嵌着され、該カバー98の右端つば部と左方のばね
受け99との間にばね100を縮設しており、該ばね1
00により可動スリーブ95及び可動シーブ94を一定
のばね力で右方に付勢している。
【0024】左右1対のブラケット30は、それぞれ内
周にボス102を溶着することによりピボット部を構成
しており、リヤアーム用支軸32の両端部は、各ブラケ
ット30のボス102内に抜差可能に嵌挿され、上記両
端部に螺着された締付ナット103により両ブラケット
に軸方向移動不能に固定されている。リヤアーム用支軸
32の外周面には、上記両ナット103を締め付けた時
に両ブラケット30間の間隔を所定長さに固定できるよ
うに、たとえば右から順に軸受支持用のカラー105、
中間カラー106、筒形従動軸支持用の軸受108、メ
インカラー109、筒形従動軸支持用の軸受110、ス
ペーサ111,112及びリヤアーム支持用軸受113
等が互いに隙間なく嵌合しており、したがって上記両ナ
ット103を締め付けることにより、左右のピボット部
は所定の距離を保った状態で、リヤアーム用支軸32に
より、強固に結合された状態となっている。
【0025】リヤアーム33の前端部に形成された左右
1対のボス部114のうち、前記2次減速用伝動機構6
0が配置される右側のボス部114は、左右1対の軸受
115を介してリヤアーム用支軸32に回動自在に嵌合
し、左側のボス部114は単一の前記軸受113を介し
てリヤアーム用支軸32に回動自在に嵌合している。
【0026】筒形従動軸55は、左右各2個ずつの軸受
108,110を介してリヤアーム用支軸32に回動自
在に支持されており、その右端部に前記駆動側スプロケ
ットギヤ58が固着されている。
【0027】図8は図1のVIII-VIII断面図であり、エ
ンジンの取付構造の詳細を示している。左右の取付ブラ
ケット23にはそれぞれ有底状の筒形穴117が形成さ
れ、両筒形穴117は水平左右方向の同一軸芯上に形成
され、右側の筒形穴117は右方に開口し、左側の筒形
穴117は左方に開口し、さらに各筒形穴117の底壁
にはそれぞれロッド挿通孔118が形成されている。筒
形穴117内には、軸芯孔を有するゴム等の厚肉円筒状
の弾性体120が一定の嵌め代で圧入されており、各弾
性体120の軸芯孔にはスペーサ用のつば付カラー12
2が嵌着されている。つば付カラー122の各つば部
は、各弾性体120の筒形穴底壁側の端面に当接し、つ
ば部とは反対側の端部は弾性体120の横ひずみ代を確
保するために弾性体端面から一定量突出し、また、両つ
ば付カラー122間にはパイプ状のスペーサ126が配
置されている。両つば付カラー122及びスペーサ12
6には共通のボルト119が挿通され、ボルト119の
両端部には中間連結板125の前端部が嵌合すると共に
ナット121が螺着され、該ナット121とつば付カラ
ー122の端縁との間で中間連結板125を締着してい
る。中間連結板125の後端部はボルト123及びナッ
ト124により、クロスメンバー25に形成されたエン
ジンマウント130に締結されている。なお、エンジン
22の上側の各取付箇所も同様の構造となっている。
【0028】動力伝達装置の作動を簡単に説明する。エ
ンジン停止時あるいはアイドリング時には、駆動調車4
5等は図3の前側に示すような状態となっている。すな
わち、発進クラッチ43は切断しており、カムウエイト
71は軸芯側へと閉じており、可動板73、可動スリー
ブ63及び可動シーブ81が右側に移動していることに
より、駆動調車45の両シーブ80,81間が略最大ま
で開き、実効巻回径が最小となっている。一方、図4の
被駆動調車57は、ばね100の弾性力により可動シー
ブ94を右側へと移動し、最大実効巻回径となってい
る。いわゆるロー状態となっている。
【0029】回転速度を一定値まで上昇させると、図3
の発進クラッチ43が接続し、回転力は、スプロケット
ギヤ50からシューホルダー65、シュー67、クラッ
チドラム69及ハブ68を介して駆動軸42に伝達さ
れ、駆動軸42と共に可動スリーブ63、可動板73及
び両シーブ80,81が回転する。
【0030】回転速度の上昇により、カムウエイト71
が径方向の外方に回動支軸70回りに拡開すると、図3
の後側に示すようにカムウエイト71がローラ72を介
して可動板73を左方へと押す。これにより可動板7
3、可動スリーブ63及び可動シーブ81が一体的に左
方へと移動し、両シーブ80,81間の間隔を狭めるこ
とにより、実効巻回径を拡大する。これに伴い、図4の
被駆動調車57はばね100に抗してVベルト46によ
りシーブ93,94間が広げられ、実効巻回径が縮小す
る。この時、図7に示すように調車推力の反力Rが回動
支軸70を介してハブ68及びクラッチドラム69にか
かるが、その反力Rのうち、径方向の分力R1は鉄製の
クラッチドラム69が受け持ち、軸方向の分力R2はア
ルミ製のハブ68が受け持つ。
【0031】冷却に関して説明すると、図3の駆動調車
45は、両シーブ80,81が共に軸ケース27の外部
に配置されており、しかも、可動シーブ81の背面は駆
動調車推力発生機構44から軸方向に離れるように切り
離されて、外部に露出していることから、Vベルト46
とシーブ80,81との間に高い摩擦熱が発生しても、
効率よく放熱することができる。さらに、固定シーブ8
0には冷却ファン92を設けているので、放熱効果はさ
らに向上する。
【0032】軸ケース27内においては、潤滑油ポンプ
から潤滑油室85に供給される潤滑油が、潤滑通路84
を通り、一部はクラッチ用潤滑通路86から油孔88を
介してクラッチドラム69内に放出され、発進クラッチ
43を潤滑及び冷却し、残りは駆動調車推力発生機構用
潤滑通路87から環状隙間89内に供給され、油孔90
を介して軸受64を潤滑すると共に、油孔92及び可動
板73の右端縁から外部に放出され、駆動調車推力発生
機構44の受圧ローラ72及びカムウエイト71を潤滑
及び冷却する。
【0033】
【その他の実施の形態】自動二輪車だけではなく、作業
車、小型雪上車や小型運搬車等に使用されるVベルト式
自動変速機に適用することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本願発明によると、 (1)駆動軸上に駆動調車45と共に駆動調車推力発生
機構44及びクラッチ機構43を配置してあるVベルト
式自動変速機において、クラッチ機構43のクラッチド
ラム69を駆動軸42に固定するハブ68に、駆動調車
推力発生機構44のカムウエイト71を回動自在に支持
する回動支軸70を固定することにより、前記ハブ68
を駆動調車推力発生機構44の固定板として兼用してい
るので、駆動軸42の軸方向幅寸法をコンパクトにする
ことができ、自動二輪車等への搭載性が向上する。
【0035】(2)カムウエイト71を支持する固定板
として、クラッチドラム69のハブ68を利用している
ので、部品点数を節約でき、コストを低減できる。
【0036】(3)請求項2記載の発明のように、ハブ
68に形成した断面形状円弧形の凹部37と、これに対
応してクラッチドラム69の端壁に形成した支持孔39
に、回動支軸70をはめ込み固定し、調車推力の反力R
の径方向の分力R1を主としてクラッチドラム69が受
け持ち、軸方向の分力R2を主としてハブ68が受け持
つようにしていると、一般に鉄等により高い強度で製造
されているクラッチドラム69の端壁で径方向の大きな
分力R1を受けることになり、一方、ハブ68自体は径
方向分力R2よりも小さな軸方向分力R2を受け持つこと
になり、強度向上のためにハブ68の肉厚や径を大きく
する必要はない。すなわち、ハブ68を補強したり大型
化することなく、強度維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明によるVベルト式自動変速機を備え
たスクータ形自動二輪車の要部の左側面図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 図1のIII−III断面拡大部分図である。
【図4】 図1のIV−IV断面拡大部分図である。
【図5】 カムウエイト部分の分解斜視図である。
【図6】 カムウエイト部分の前面図である。
【図7】 図6のVII−VII断面拡大部分図である。
【図8】 図1のVIII−VIII断面拡大部分図である。
【符号の説明】
42 回転軸(駆動軸) 43 発進クラッチ 44 駆動調車推力発生機構 45 駆動調車 46 Vベルト 47 Vベルト式自動変速機 55 筒形従動軸 57 被駆動調車 63 可動スリーブ(可動体) 65 シューホルダー 67 シュー 68 ハブ 69 クラッチドラム 70 回動支軸 71 カムウエイト 72 受圧ローラ 73 可動板(可動体) 80 駆動調車の固定シーブ 81 駆動調車の可動シーブ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸上の駆動調車と従動軸上の被駆動
    調車との間にVベルトを巻き掛けし、駆動軸上には駆動
    調車推力発生機構とクラッチ機構を備えたVベルト式自
    動変速機において、 駆動調車は軸方向に固定された固定シーブと、軸方向に
    移動可能な可動シーブを備え、 駆動調車推力発生機構は、遠心力により径方向の外方に
    回動するカムウエイトと、該カムウエイトに当接して上
    記可動シーブに推力を付与する可動体を備え、 クラッチ機構は、ハブを介して駆動軸に固定されたクラ
    ッチドラムと、シューを有するシューホルダーを備え、 上記クラッチドラムのハブにカムウエイトの回動支軸を
    固定することにより、前記ハブを駆動調車推力発生機構
    の固定板として兼用していることを特徴とするVベルト
    式自動変速機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のVベルト式自動変速機に
    おいて、ハブの軸方向端面には、可動体側に向いて開口
    する凹部を形成し、クラッチドラムの軸方向の端壁に
    は、上記凹部に対応する支持孔を形成し、回動支軸を上
    記支持孔及び凹部内にはめ込み固定することにより、調
    車推力の反力のうち、径方向の分力を主としてクラッチ
    ドラムが受け持ち、軸方向の分力を主としてハブが受け
    持つようにしていることを特徴とするVベルト式自動変
    速機。
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