JP2519638Y2 - ドアロック装置用ハウジング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車輌のドアロック装置用のハウジングに関
する。

（従来の技術） ドアロック装置は、プレス加工された金属製ハウジン
グ内にラッチとポールとを対向させて回動自在に保持さ
せ、しかも、車体ボデー側のストライカーと係合自在な
ラッチは、その係合を解除する方向にスプリングで強制
され、ポールはラッチと係合する方向にスプリングで強
制されている。

アウトサイド又はインサイドハンドルを操作すると、
該ハンドルと連動するオープンレバーがポールの支柱を
押して、スプリングの附勢力に抗してポールとラッチの
係合を解除し、ドアの開放を可能にする。一方、ドア開
状態からドア閉めをすると、ストライカーがラッチに当
接し、ラッチがポールをハネ上げながら回動し、所定位
置にくるとラッチとポールとが係合状態となり且つラッ
チの戻り回動は阻止されて、施錠可能状態となる。

ラッチとポールが係合した施錠状態で、キーシリンダ
又はロックノブによりロック操作をすると、前述したオ
ープンリンクとポールとの対向関係が解除されるので、
いわゆるロック状態となり、アウトサイド又はインサイ
ドハンドルを操作してもドアは開かない。キーシリンダ
又はロックノブをアンロック方向に操作すると、前述し
たオープンリンクがポールの支柱と対向関係となってア
ンロック状態を作る。従って、アウトサイド又はインサ
イドハンドルを操作すると、ラッチとポールの係合関係
が解除され、ドアの開放を可能にする。

このように、ポールはスプリングの附勢力を受けなが
ら、ラッチに対し係脱することでドアの開閉、ロック、
アンロックを可能にする重要な働きをしている。このポ
ールは、ハウジング内の支柱に回動自在に嵌合され、さ
らに、一端がハウジングの側壁に当接し且つ他端がポー
ルに当接するスプリングの附勢力を受けている。

（本考案が解決しようとする課題） 前述した如く、ポールとポールに附勢力を与えるスプ
リングは、ドア操作の重要な働きをするにも拘らず、特
に、スプリングがハウジング内に取付けられ且つその取
付作業が難しいため、ポールへの附勢力の方向にムラが
出て、ポールの動きの安定性を欠くことが多い。又、コ
イルスプリングの両端の位置が不安定で、スプリングが
傾いたり、ポールとスプリング端部との間に遊びが生じ
たりしてポールのラッチの動きに対する応動性を悪くし
ている。

それ故に、本考案は、前述した従来技術の不具合を解
消させることを解決すべき課題とする。

（課題を解決するための手段とその作用） 本考案は、前述した課題を解決するために、合成樹脂
製のハウジングと一体の支柱に係止部を設け、この支柱
にコイルスプリングを配し、該コイルスプリングの両端
からの反力により、コイルスプリングの内径部を支柱に
圧接させ且つ係止部によりコイルスプリングの支柱から
の抜けを防止可能とさせてる。

（実施例） 合成樹脂製のハウジング１は下部開放型にして、この
開放部に金属プレート２がハウジング１に固定される。
ハウジング１内にはラッチピン３を用いてラッチ４を、
又、ポールピン５を用いてポール６を、各ピン３、５に
対して回動自在に配す。ラッチ４はスプリング７により
第１図でみて反時計方向に附勢される。ラッチ４は、ド
アの開閉時にポール６と係合する当接面８、９を有す。

ポール６は、後述するスプリングにより、第１図でみ
て、反時計方向に附勢され且つラッチ４に対し係脱自在
となっている。ポール６に設けた柱10がハウジング１に
穿けた長穴11より外部に突出し、図示しないオープンレ
バーによりスプリングの附勢力に抗して長穴11に沿って
押されると、ポール６とラッチ４とが離脱状態となる。

ハウジング１とプレート２とにより、図示しないスト
ライカーの出入れのための溝12が形成され、ストライカ
ーが溝に入り、ラッチ４の受部13に入って、さらに、進
入すると、ラッチ４はピン３まわりに回動して、第１図
に示す施錠状態となる。

ポールピン５を軸支する円筒状の支柱13をハウジング
１の外部に突出させる。ポールピン５を挿入する孔14の
中心は、支柱13の中心よりずれている。ハウジング１の
中央は、溝12を画定する立上り壁15が形成され、その側
面16が支柱13に対向する。支柱13は、この側面16側で肉
厚となっている。支柱13の頂面に側面16側へと延出する
係止部17を設ける。係止部17の側面16への突出量は、後
述するスプリングの線径より幾分大きいものとする。
又、係止部17と側面16との間の隙間18も、スプリングの
線径より幾分大きいものとする。側面16の一端側にはス
プリングの線径分少くとも突出した支持部19を形成、そ
の他端側には傾斜した案内面20とこれに続く支持面21を
形成する。支持面21の側面16からの突出量は、後述する
スプリングの端部がポールの柱10との当接によりスプリ
ングに僅かな負荷を与え、スプリングの端部とポールの
柱10との間に遊びを作らない程度とする。

ポール５を一方向に附勢するコイルスプリング22は、
その内径が支柱13の外径より大きく、その高さは支柱13
の高さにほゞ等しい。スプリング22の両端23、24は、側
面16に略沿って側外方へ延出する。

コイルスプリング22の支柱13への取付に際しては、コ
イルスプリング22を、隙間18を介して、支柱13まわりに
配し、端部23を案内面20に沿って滑らせる。この端部23
が案内面20を滑り、支持面21に達すると、コイルスプリ
ング22は支柱13を巻回した形となり且つ他方の端部24が
支持部19に着座して、それ以上の端部24の下がりは無
く、又、両端23、24の側面16及び支持面21への当接は、
コイルスプリング22を支柱13に、第３図に示す如く、押
し付ける。コイルスプリング22の端部23が、ハウジング
１の長穴11をまたぎ、ポールの柱10を長穴11に通すスペ
ースを残す。このスペースより柱10を長穴11に通し、ス
プリング22の端部23を柱10に圧接させるので、ハウジン
グ１へのポールの取付けは容易で、しかも、ポールとス
プリング22との間に遊びがなく、異音の発生もない。ポ
ールの柱10がスプリング22の端部23に当接すると、この
柱10が端部23を端部23と支持面21との接触を解放し、両
者の摺接がなく、ドア作動時の異音がない。

図示しないオープンリンクは、スプリング22の端部23
とポールの柱10との当接面より反対側から、柱10へ当接
するので、オープンリンクの動きをスプリングの端部23
が阻害することはない。コイルスプリング22の下側の端
部23が柱10によって押されると、他方の端部24が下向き
に動こうとするが、その動きは支持部19によって阻止さ
れ、コイルスプリング22は正しい姿勢を保つ。

支柱13、支持部19及び支持面21は、ハウジング１と一
体成形される。

（効果） ポールを附勢するスプリングをハウジングの外部に延
出し且つ合成樹脂製のハウジングと一体の支柱に支持さ
せているので、金属間同志の錆付きや大きな摩擦力と云
った問題がなく、スプリングの出力を最大限に利用でき
る。スプリングのハウジングへの取付は、一方向からの
単純作業なので組付のロボット化が可能となる。

ポールを取付けると、スプリングの立上り壁への摺接
がないのでドア閉り音の向上が計れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例の底面図、第２図はその平面図、
第３図は第２図中の矢視III−IIIよりみた断面図、第４
図はその側面図、第５図は第２図中の矢視Ｖ−Ｖよりみ
た断面図、第６図は第２図中の矢視VI−VIよりみた断面
図である。 図中:1……ハウジング、４……ラッチ、６……ポール、
12……溝、13……支柱、15……立上り壁、16……側面、
17……係止部、18……隙間、19……支持部、21……支持
面、22……スプリング、23,24……スプリングの端部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ラッチおよび該ラッチに係合自在なポール
   を回動自在に支持し、車輌のボデーに固定されたストラ
   イカーを出入れし且つ該ストライカーをラッチと係合可
   能とする溝を有し、且つ合成樹脂よりなるドアロック装
   置用ハウジングにおいて、該ハウジングが前記ポールを
   軸支し且つ前記ハウジングに一体に成型された支柱、前
   記支柱と対向し且つ前記溝を画定する立上り壁、および
   前記支柱と前記立上り壁の側面との間を介して前記支柱
   に配されたコイルスプリングを有し、前記支柱がその上
   部に径方向外方に張り出した係止部を有し、前記係止部
   が前記支柱の外周面の一部に沿って位置し且つ前記支柱
   と前記係止部との径方向最大寸法が前記コイルスプリン
   グの内径より小であり、前記立上り壁側からの反力を受
   けた前記コイルスプリングの両端が該コイルスプリング
   の内径部の一部を前記支柱の外周面の一部に圧接し、且
   つ前記係止部が前記コイルスプリングの前記支柱の高さ
   方向の動きを規制することを特徴とするドアロック装置
   用ハウジング。