JP2517249Y2 - 自動販売機の商品搬出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、並設された複数の商品貯蔵部の下部から当
該商品貯蔵部の並設方向に対して交差する方向に選択的
に払い出されてくる商品を、前記商品貯蔵部の商品払出
位置よりも上方位置に形成した商品取出口にまで搬送す
るように構成してある自動販売機の商品搬出装置に関す
る。

〔従来の技術〕

従来の自動販売機の商品搬出装置では、例えば、実開
平1-147481号公報において開示されているように、左右
方向に並設された複数の商品貯蔵部の下部から選択的に
払い出されてくる商品を前方に滑降案内するシュート
と、このシュートにて送り出されてくる商品を受け止め
て左右方向の一方に横搬送する横搬送機構と、横搬送さ
れてきた商品を載置するエレベータ台を前記商品取出口
に臨む位置にまで強制上昇させる縦搬送機構とを設けて
いた。

〔考案が解決しようとする課題〕

この従来の商品搬出装置による場合では、前記商品貯
蔵部から選択的に払い出されてくる商品を商品貯蔵部の
並設方向でもある左右方向に一旦横搬送するから、例え
ば、前記商品貯蔵部から選択的に払い出されてくる商品
を前方に滑降案内しながら特定一箇所に寄せ集めたの
ち、この特定箇所から商品取出口にまで搬送する場合に
比して、自動販売機の前後幅を小さくすることができる
利点を有するものの、まだ、次の点で改良の余地があっ
た。

即ち、前記横搬送機構と縦搬送機構との商品受渡し部
において、商品の搬送方向が90度の角度で急激に変化す
るため、横搬送機構から送り出された商品が縦搬送機構
のエレベータ台上で衝突して損傷する可能性がある。

しかも、前記横搬送機構から縦搬送装置のエレベータ
台上に商品が移載されたことをセンサで確認したのち、
当該縦搬送装置を駆動するため、商品の購買指令信号が
出力されてから商品が前記商品取出口に搬出されるまで
に多くの時間を要する問題があった。

本考案の目的は、複数の商品貯蔵部から選択的に払い
出された商品を、搬送途中での衝撃に起因する損傷を抑
制しながら商品取出口にまで円滑、確実に搬送すること
ができ、しかも、商品搬出装置の製作の容易化及び構造
の簡素化をも同時に図ることができるようにする点にあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案による自動販売機の商品搬出装置は、冒記した
構成において、前記商品貯蔵部から払い出されてくる商
品を受け取り可能な商品搬送体と、少なくとも前記商品
貯蔵部の一端側から他端側を経由して商品取出口又はそ
の近傍に至る弧状又はそれに近い形状の搬送経路に沿っ
て前記商品搬送体を移動案内するガイド部と、前記商品
貯蔵部の商品払出位置と商品取出口との間の上下中間位
置を支点としての揺動により、前記商品搬送体をガイド
部に沿って強制移動させる駆動機構とを設けるととも
に、前記ガイド部に沿って移動する商品搬送体と前記揺
動支点との間の距離変動を吸収する距離変動吸収手段を
設けた点に特徴を有する。

〔作用〕

並設された商品貯蔵部群から選択的に払い出されてく
る商品は、ガイド部に沿って前記商品貯蔵部の並設方向
の一端側から他端側に強制移動される商品搬送体にて受
け取られたのち、前記並設方向の他端側から更に商品取
出口又はその近傍まで連続的に搬送される。

この時、前記ガイド部の搬送経路が弧状又はそれに近
い形状に構成されているため、前記商品貯蔵部の並設方
向の一端側から商品取出口又はその近傍に至るまでの搬
送方向の変更が極めてスムーズで、前記商品搬送体に保
持された商品に加わる衝撃を抑制することができる。

しかも、前記距離変動吸収手段によって、前記ガイド
部に沿って移動する商品搬送体と前記揺動支点との間の
距離変動を吸収することができるから、前記ガイド部に
要求される製作精度が低くて済むばかでなく、商品搬送
径路の設計の自由度が高くなり、更に、例えば、前記商
品貯蔵部の一端側から他端側を経由して商品取出口又は
その近傍に至る弧状又はそれに近い形状の搬送経路に沿
って突起付き搬送ベルトを配設する場合に比して、該搬
送ベルトを搬送経路に沿って屈曲案内するための多数の
屈曲ガイド部材を設ける必要がなく、構造の簡素化及び
部品点数の削減化を図り易い。

〔考案の効果〕

従って、従来の商品搬出装置に比して、複数の商品貯
蔵部から選択的に払い出された商品を、搬送途中での衝
撃に起因する損傷を抑制しながら商品取出口にまで円
滑、確実に搬送することができ、しかも、商品搬出装置
の製作の容易化及び構造の簡素化をも同時に図ることが
できる。

また、本考案の請求項２に記載したように、前記駆動
機構が、前記揺動支点周りで揺動自在なスイングアーム
と、このスイングアームを強制揺動させるアクチュエー
タとから構成されているとともに、前記距離変動吸収手
段が、前記スイングアームの伸縮構造から構成されてい
る場合には、スイングアームの長さを利用して充分な距
離変動吸収代を容易に確保することができるばかりでな
く、その距離変動吸収代の割りに構造全体をコンパクト
に構成することができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図及び第２図はサーペンタイン方式の自動販売機
を示し、ケーシング（１）の開口部に、縦軸芯周りで揺
動開閉自在な外扉（２）と、同じく縦軸芯周りで揺動開
閉自在な中扉（３）とが設けられているとともに、前記
ケーシング（１）の内面と閉じ姿勢にある中扉（３）と
で形成される商品貯蔵空間内には、多数の商品（４）を
上下方向で貯蔵する商品貯蔵部（５）の複数個が左右方
向と前後方向に夫々並設されている。

前記各商品貯蔵部（５）の上部には夫々、前方に開口
する商品投入口（5a）が形成されているとともに、前記
各商品貯蔵部（５）の下部には、商品購買信号に基づい
て最下端に位置する貯蔵商品（４）を下方に一つ宛払い
出す払出機構（5A）が設けられている。

前記商品貯蔵部（５）の下方には、第２図に示すよう
に、これら商品貯蔵部（５）の下部から選択的に払い出
されてくる商品（４）を前記中扉（３）の下側部に形成
した３つの商品払出口（3a）に向かって滑降案内するシ
ュート（６）が設けられている。

前記外扉（２）のうち、前記商品貯蔵部（５）の商品
払出位置（5b）よりも上方に偏位した位置、換言すれ
ば、前記ケーシング（１）の上下中央位置に相当する部
位には、当該外扉（２）と中扉（３）との間に形成され
る商品搬出空間（７）に連通する商品取出口（８）が形
成されており、また、前記外扉（２）の内面側には、前
記商品貯蔵部（５）から商品払出口（3a）を通して払い
出されてきた商品（４）を前記商品取出口（８）にまで
搬出する商品搬出装置（Ａ）が設けられている。

この商品搬出装置（Ａ）には、第３図及び第４図に示
すように、前記商品貯蔵部（５）から商品払出口（3a）
を通して払い出されてくる商品（４）を受け止める受台
（９）と、この受台（９）上の商品（４）を受け取り可
能な商品搬送体（10）と、前記受台（９）の一端側から
他端側を経由して前記商品取出口（８）の近傍に至るほ
ぼ弧状の搬送経路に沿って前記商品搬送体（10）を往復
移動自在に案内するガイド部（11）と、このガイド部
（11）に沿って商品搬送体（10）を強制移動させる駆動
機構（12）とが設けられている。

前記ガイド部（11）は、前記商品搬送体（10）の通過
移動を許容する状態でプレス成形された型材から構成さ
れていて、この型材（11）の内面の一部は、前記商品搬
送体（10）の４個の走行車輪（10a）の転動を案内する
ガイド面（11a）と、左右一対の振止輪（10b）の転動を
案内するガイド面（11b）とに構成されている。

前記受台（９）は、前記型材（11）の上端で、かつ、
前記商品払出口（3a）からの商品落下搬出領域に相当す
る箇所に連設した一対のフランジから構成されている。

前記商品搬送体（10）は、走行輪（10a）及び振止輪
（10b）を備えた走行本体（10c）に、前記商品（４）を
載置する載置板（10d）と、前記受台（９）上の商品
（４）を押圧する押圧板（10e）とを連設して構成され
ており、更に、前記押圧板（10e）は、当該商品搬送体
（10）が弧状搬送経路の終端部に到達したとき、搬送商
品（４）を前記商品取出口（８）に送り出し案内するシ
ュートに兼用構成されている。

前記駆動機構（12）は、正面視において前記商品貯蔵
部（５）の商品払出位置（5b）と前記商品取出口（８）
との間の上下中間位置に設けた回転軸（12a）を支点と
して揺動自在なスイングアーム（12b）と、このスイン
グアーム（12b）の回転軸（12a）に連動連結された正逆
転駆動自在な電動モータ（12c）とを備え、かつ、前記
スイングアーム（12b）が、前記回転軸（12a）と前記ガ
イド部（11）との距離変動を吸収可能な伸縮構造に構成
されているとともに、前記スイングアーム（12b）の先
端部は、前記商品搬送体（10）の押圧板（10e）の背面
に連結ピン（12d）を介して相対回動自在に枢支連結さ
れている。

そして、前記スイングアーム（12b）の伸縮構造をも
って、前記ガイド部（11）に沿って移動する商品搬送体
（10）と前記揺動支点との間の距離変動を吸収する距離
変動吸収手段が構成されている。

尚、図中（13）は、前記商品搬送体（10）にて搬送さ
れる商品（４）が搬送経路途中で脱落するのを防止する
ための脱落防止ガイドであり、前記ガイド部（11）の搬
送経路のうち、前記商品搬送体（10）の押圧板（10e）
が前記回転軸（12a）側ほど下方に位置するような傾斜
姿勢になる搬送経路部分に取付けられている。

〔別実施例〕

〔Ｉ〕 第５図は第２実施例を示し、これは、前記スイ
ングアーム（12b）のボス部（12e）に扇状のバランスウ
エイト（12f）を取り付けて、前記電動モータ（12c）の
容量軽減化を図ったものである。

〔II〕 前記駆動機構（12）の駆動源としては、上述の
実施例のような電動モータに限らず、ソレノイドや流体
圧シリンダ等の他のアクチュエータを使用することがで
きる。

〔III〕 上述の実施例では、前記回転軸（12a）と前記
ガイド部（11）に沿って移動する商品搬送体（10）との
距離変動を吸収する距離変動吸収手段を構成するにあた
って、前記スイングアーム（12b）を伸縮自在に構成し
たが、この構成に限定されるものではなく、例えば、第
６図の第３実施例に示すように、前記スイングアーム
（12b）の先端部と前記商品搬送体（10）の押圧板（10
e）とを、当該スイングアーム（12b）の長手方向での相
対移動を許容する状態で連結して実施してもよい。

〔IV〕 また、前記受台（９）としは、前記各商品貯蔵
部（５）から払い出されてくる商品（４）を受け止める
ことができ、かつ、前記商品搬送体（10）にスムースに
受け渡すことのできるものであれば、如何なる構造のも
のを採用してもよい。

〔Ｖ〕 更に、上述の実施例では、前記商品貯蔵部
（５）から払い出されてきた商品（４）を前記受台
（９）上に一旦受止めさせるように構成したが、前記商
品搬送体（10）をバケット状等に構成して、前記商品貯
蔵部（５）から払い出されてきた商品（４）を当該商品
搬送体（10）上に直接受止めさせるように構成してもよ
い。

要するに、商品搬送体（10）としては、前記商品貯蔵
部（５）から選択的に払い出された商品（４）を受け取
って商品取出口（８）にまで搬送することのできるもの
であれば、如何なる構造のものを採用してもよい。

〔VI〕 更にまた、前記ガイド部（11）を環状に構成し
て実施してもよい。この実施例の場合、前記商品搬送体
（10）を一方向に連続的に移動制御することも可能とな
る。

要するに、前記ガイド部（11）としては、少なくとも
商品貯蔵部（５）の並設方向の一端側から他端側を経由
して前記商品取出口（８）又はその近傍に至る弧状又は
それに近い形状の搬送経路に沿って前記商品搬送体（1
0）を移動案内することのできるものであれば、如何な
る構造のものを採用してもよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案に係る自動販売機の商品搬出
装置の第１実施例を示し、第１図は全体の一部切欠き正
面図、第２図は全体の断面側面図、第３図は要部の拡大
断面側面図、第４図は要部の拡大断面正面図である。第
５図は第２実施例を示す全体の一部切欠き正面図、第６
図は第３実施例を示す要部の拡大断面正面図である。 （４）……商品、（５）……商品貯蔵部、（８）……商
品取出口、（10）……商品搬送体、（11）……ガイド
部、（12）……駆動機構、（12b）……スイングアー
ム、（12c）……アクチュエータ。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】並設された複数の商品貯蔵部（５）の下部
   から当該商品貯蔵部（５）の並設方向に対して交差する
   方向に選択的に払い出されてくる商品（４）を、前記商
   品貯蔵部（５）の商品払出位置よりも上方位置に形成し
   た商品取出口（８）にまで搬送するように構成してある
   自動販売機の商品搬出装置であって、前記商品貯蔵部
   （５）から払い出されてくる商品（４）を受け取り可能
   な商品搬送体（10）と、少なくとも前記商品貯蔵部
   （５）の並設方向の一端側から他端側を経由して前記商
   品取出口（８）又はその近傍に至る弧状又はそれに近い
   形状の搬送経路に沿って前記商品搬送体（10）を移動案
   内するガイド部（11）と、前記商品貯蔵部（５）の商品
   払出位置と商品取出口（８）との間の上下中間位置を支
   点としての揺動により、前記商品搬送体（10）をガイド
   部（11）に沿って強制移動させる駆動機構（12）とを設
   けるとともに、前記ガイド部（11）に沿って移動する商
   品搬送体（10）と前記揺動支点との間の距離変動を吸収
   する距離変動吸収手段を設けてある自動販売機の商品搬
   出装置。
2. 【請求項２】前記駆動機構（12）は、前記揺動支点周り
   で揺動自在なスイングアーム（12b）と、このスイング
   アーム（12b）を強制揺動させるアクチュエータ（12c）
   とから構成されているとともに、前記距離変動吸収手段
   が、前記スイングアーム（12b）の伸縮構造から構成さ
   れている請求項１記載の自動販売機の商品搬出装置。