JP2516737Y2 - 搬送コンベア装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は，被搬送物を吊り下げて搬送する搬送コンベ
ア装置に関するものである。

（従来の技術） 従来，被搬送物を吊り下げて搬送する搬送コンベア装
置では，被搬送物を搬送するキヤリヤラインと，同キヤ
リヤラインのキヤリヤを駆動するキヤリヤ駆動ラインと
の連結，解除をキヤリヤ側に設けたリンク式連結・解除
機構により行っていた。

（考案が解決しようとする課題） 前記従来の搬送コンベア装置では，キヤリヤラインと
キヤリヤ駆動ラインとの連結，解除をキヤリヤ側に設け
たリンク式連結・解除機構により行っており，構造が複
雑になるという問題があった。

本考案は前記の問題点に鑑み提案するものであり，そ
の目的とする処は，キヤリヤラインとキヤリヤ駆動ライ
ンとの連結，解除にリンク式連結・解除機構を使用する
必要がなくて，構造を簡略化できる搬送コンベア装置を
提供しようとする点にある。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために，本考案の搬送コンベア
装置は，キヤリヤランインのキヤリヤ駆動ラインに設け
たチエーンと、同チエーンの下方に平行に配設したレー
ルと、同レール上を一定方向に一定速度で走行する複数
のキヤリヤとを有し、同各キヤリヤの上部に連結部材を
設け、上記チエーンの長手方向等間隔位置にバーを水平
軸を中心とした回転を可能に垂設し、上記連結部材を掴
持する一対のフツクのうち、一方のフツクを隣接するバ
ーの一方に、他方のフツクを隣接するバーの他方に、そ
れぞれ水平軸を中心とした回転を可能に取付け、一方の
フツクに穿設した穴と他方のフツクに設けて同穴に遊嵌
したピンとにより同各フツクを開閉可能に連結し、上記
フツクに接触することにより上記各フツクを開方向に作
動させるフツク開放用ロツドを上記キヤリヤにキヤリヤ
ラインへの出し入れを可能に設けている。

（作用） 本考案の搬送コンベア装置は前記のように構成されて
おり，キヤリヤ駆動ラインを駆動しているときに、キヤ
リヤの連結部材を各フツクにより掴持して、キヤリヤと
キヤリヤ駆動ライン系とを連結し、キヤリヤ及びハンガ
ーをキヤリヤライン系のレールに沿い移動させて、被搬
送物を目的の個所へ搬送し、キヤリヤが目的の個所に到
着したら、フツク開放用ロツドをキヤリヤライン内へ突
出させ、進行してくるフツクに接触させて、同フツクを
開方向に回動させ、キヤリヤの連結部材を開放して、キ
ヤリヤを目的の個所に停止させる。またフツク開放用ロ
ツドをキヤリヤライン外へ後退させ、フツクを閉方向に
回動させて、キヤリヤの連結部材を掴持し、キヤリヤ駆
動ライン系とキヤリヤとを連結して、キヤリヤを目的の
個所から元の位置へ発進させる。

（実施例） 次に本考案の搬送コンベア装置を第１図乃至第６図に
示す一実施例により説明する。第６図の（ａ）が本搬送
コンベア装置で，この搬送コンベア装置（ａ）は，部品
（被搬送物）の部品供給場所（ｂ）から部品使用場所
（ｃ）への搬送に使用される。例えばタイヤ生産設備で
は，タイヤ構成材料のタイヤ成形工程への供給に使用さ
れる。この場合，各タイヤ構成材料は，供給場所（ｂ）
から多数の使用場所（ｃ）へ本搬送コンベア装置（ａ）
を介し分配されて，キヤリヤの一部が使用場所（ｃ）で
ストレージされる（平行斜線参照）。次に本搬送コンベ
ア装置（ａ）の構成を第１図乃至第５図により具体的に
説明すると，（１）がキヤリヤ駆動ラインのレール，
（２）が同レール（１）中を転動自在な多数のローラ，
（３）が同各ローラ（２）を連結するチエーン，（４）
が多数のバー，（4a）が同各バー（４）の上端部を上記
チエーン（２）に枢支する水平軸，（５）（６）が一対
のフツクで，同各フツク（５）（６）のうち，一方のフ
ツク（５）が水平軸（4b）を介して隣接するバー（４）
の一方に，他方のフツク（６）が水平軸（4b）を介して
隣接するバー（４）の他方に，それぞれ枢支されてい
る。また（７）が上記他方のフツク（６）に固定したピ
ン，（８）が上記一方のフツク（５）に穿設した穴で，
同ピン（７）が同穴（８）に遊嵌されている。また（1
0）が上記キヤリヤ駆動ラインのレール（２）の下方に
配設したキヤリヤラインのレール，（11）が多数のキヤ
リヤ，（12）が同各キヤリヤ（11）のローラ（走行車
輪）で，同ローラ（12）が上記キヤリヤラインのレール
（10）内を転動する。また（13）が上記各キヤリヤ（1
1）に垂設したハンガー，（14）が同各キヤリヤ（11）
上に設けたフツク開放用ロツド，（15）が上記各キヤリ
ヤ（11）の前後面に取付けたクツシヨン部材，（16）が
上記各キヤリヤ（11）上に設けた連結部材，第２図（I
I）（III）及び第４図の（20）がフツク開放用ロツド，
（21）が同フツク開放用ロツド（20）に固定したキヤリ
ヤ停止用ストツパ，（26）が同フツク開放用ロツド（2
0）のロツド出入装置，（22）が同ロツド出入装置（2
6）の流体圧シリンダ，（23）が同流体圧シリンダ（2
2）のピストンロツド，（25）が上記フツク開放用ロツ
ド（20）に固定したロツド，（24）が同ロツド（25）と
上記ピストンロツド（23）とを連結する連結部材で，流
体圧シリンダ（22）を縮み方向に作動して，フツク開放
用ロツド（20）及びキヤリヤ停止用ストツパ（21）をキ
ヤリヤライン内へ突出させ（第２図（III）参照），ま
た流体圧シリンダ（22）を伸長方向に作動して，フツク
開放用ロツド（20）及びキヤリヤ停止用ストツパ（21）
をキヤリヤライン外へ後退させる（第２図（II）参照）
ようになっている。このロツド出入装置（26）は，キヤ
リヤランインの希望する場所，例えば第６図の部品使用
場所（ｃ）に設置される。なお一対のフツク（５）
（６）のうち，他方のフツク（６）は，キヤリヤ（11）
の進行方向前方への行き過ぎを防止するために設けられ
ている。

次に前記第１図乃至第６図に示す搬送コンベア装置の
作用を具体的に説明する。キヤリヤ駆動ラインの各ロー
ラ（２）とチエーン（３）と各バー（４）と各フツク
（４）（５）とがレール（１）に沿って一定速度で一定
方向に駆動しているときに，キヤリヤ（11）の連結部材
（16）を各フツク（４）（５）により掴持して，キヤリ
ヤ（11）とキヤリヤ駆動ライン系とを連結し，キヤリヤ
（11）及びハンガー（13）をレール（10）に沿い移動さ
せて，被搬送物を部品供給場所（ｂ）→部品使用場所
（ｃ）へ搬送する。そしてキヤリヤ（11）が使用場所
（ｃ）に到着したら，流体圧シリンダ（22）を縮み方向
に作動して，フツク開放用ロツド（20）及びキヤリヤ停
止用ストツパ（21）をキヤリヤライン内へ突出させ（第
２図（III）及び第４図参照），同フツク開放用ロツド
（20）を進行してくるフツク（５）の下面に接触させ
て，同フツク（５）を押し上げ，このフツク（５）と同
フツク（５）にピン（７）と穴（８）とを介し連結して
いるフツク（６）とを水平軸（4b）（4b）を中心に上方
に回動させて，キヤリヤ（11）の連結部材（16）を開放
すると同時にキヤリヤ停止用ストツパ（21）をキヤリヤ
（11）の前部に取付けたクツシヨン部材（15）に衝接さ
せて，キヤリヤ（11）及びハンガー（13）を部品使用個
所（ｃ）に停止させる。このとき，同キヤリヤ（11）に
設けたフツク開放用ロツド（14）を後続のフツク（５）
の下面に接触させて，同後続のフツク（５）を押し上
げ，この後続のフツク（５）と同後続のフツク（５）に
ピン（７）と穴（８）とを介し連結している後続のフツ
ク（６）とを水平軸（4b）（4b）を中心に上方に回動さ
せて，後続のキヤリヤ（11）の連結部材（16）を開放す
ると同時に上記先行のキヤリヤ（11）の後部に取付けた
クツシヨン部材（15）を同後続のキヤリヤの前部に取付
けたクツシヨン部材（15）に衝接させて，後続のキヤリ
ヤ（11）及びハンガー（13）を部品使用個所（ｃ）に停
止させる。

また上記停止状態から，ロツド出入装置（26）の流体
圧シリンダ（22）を伸長方向に作動して，フツク開放用
ロツド（20）及びキヤリヤ停止用ストツパ（21）をキヤ
リヤライン外へ後退させ（第２図（II）及び第５図参
照），フツク（５）（６）を水平軸（4b）（4b）を中心
に下方に回動させて，先行のキヤリヤ（11）の連結部材
（16）を掴持し，キヤリヤ駆動系と先行のキヤリヤ（1
1）とを連結して，先行のキヤリヤ（11）及びハンガー
（13）を部品使用個所（ｃ）から部品供給場所（ｂ）へ
発進させる。このとき，同先行のキヤリヤ（11）のフツ
ク開放用ロツド（14）により押し上げられていた後続の
フツク（５）（６）も水平軸（4b）（4b）を中心に下方
に回動させて，後続のキヤリヤ（11）の連結部材（16）
を掴持し，キヤリヤ駆動系と後続のキヤリヤ（11）とを
連結して，後続のキヤリヤ（11）及びハンガー（13）を
部品使用個所（ｃ）から部品供給場所（ｂ）へ発進させ
る。

以上，第１図乃至第６図に示す実施例では，キヤリヤ
駆動ライン側にフツク（５）（６）を取付ける一方，キ
ヤリヤライン側に先行キヤリヤ（11）のフツク（５）
（６）に対するフツク開放用ロツド（20）を出し入れ可
能に設けており，目的の場所でキヤリヤ（11）を発進，
停止させることができる。またキヤリヤライン側に先行
キヤリヤ（11）のフツク（５）（６）に対するフツク開
放用ロツド（20）を出し入れ可能に設ける一方，先行キ
ヤリヤ（11）上に後続キヤリヤ（11）のフツク（５）
（６）に対するフツク開放用ロツド（14）を設けてお
り，フツク開放用ロツドのキヤリヤ（11）に対する干渉
を防止できる上に，キヤリヤ（11）をストレージできる
利点がある。

（考案の効果） 本考案の搬送コンベア装置は前記のようにキヤリヤ駆
動ラインを駆動しているときに、キヤリヤの連結部材を
各フツクにより掴持して、キヤリヤとキヤリヤ駆動ライ
ン系とを連結し、キヤリヤ及びハンガーをキヤリヤライ
ン系のレールに沿い移動させて、被搬送物を目的の個所
へ搬送し、キヤリヤが目的の個所に到着したら、フツク
開放用ロツドをキヤリヤライン内へ突出させ、進行して
くるフツクに接触させて、同フツクを開方向に回動さ
せ、キヤリヤの連結部材を開放して、キヤリヤを目的の
個所に停止させる。またフツク開放用ロツドをキヤリヤ
ライン外へ後退させ、フツクを閉方向に回動させて、キ
ヤリヤの連結部材を掴持し、キヤリヤ駆動ライン系とキ
ヤリヤとを連結して、キヤリヤを目的の個所から元の位
置へ発進させるので、キヤリヤラインとキヤリヤ駆動ラ
インとの連結、解除にリンク式連結・解除機構を使用す
る必要がなくて、構造を簡略化できる。

また各フツクのうち、他方のフツクは、キヤリヤの進
行方向前方への行き過ぎを防止するために設けられてお
り、キヤリヤラインのレールが傾斜していても、各フツ
クは連結部材を確実に掴持するので、キヤリヤのオーバ
ーランを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わる搬送コンベア装置の一実施例を
示す側面図，第２図（Ｉ）はその正面図，第２図（II）
（III）はフツク開放用ロツドの作用説明図，第３図は
キヤリヤ搬送時の作用説明図，第４図はキヤリヤ停止時
及びストレージ時の作用説明図，第５図はキヤリヤ発進
時の作用説明図，第６図は搬送コンベア装置の概略を示
す平面図である。 （１）……キヤリヤ駆動ライン系のレール，（３）……
キヤリヤ駆動ライン系のチエーン，（４）……キヤリヤ
駆動ライン系のバー，（4a）（4b）……水平軸，（５）
（６）……フツク，（７）……ピン，（８）……穴，
（10）……キヤリヤランイン系のレール，（11）……キ
ヤリヤ，（16）……連結部材，（20）……フツク開放用
ロツド。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】キヤリヤラインのキヤリヤ駆動ラインに設
   けたチエーンと、同チエーンの下方に平行に配設したレ
   ールと、同レール上を一定方向に一定速度で走行する複
   数のキヤリヤとを有し、同各キヤリヤの上部に連結部材
   を設け、上記チエーンの長手方向等間隔位置にバーを水
   平軸を中心とした回転を可能に垂設し、上記連結部材を
   掴持する一対のフツクのうち、一方のフツクを隣接する
   バーの一方に、他方のフツクを隣接するバーの他方に、
   それぞれ水平軸を中心とした回転を可能に取付け、一方
   のフツクに穿設した穴と他方のフツクに設けて同穴に遊
   嵌したピンとにより同各フツクを開閉可能に連結し、上
   記フツクに接触することにより上記各フツクを開方向に
   作動させるフツク開放用ロツドを上記キヤリヤにキヤリ
   ヤラインへの出し入れを可能に設けたことを特徴とする
   搬送コンベア装置。