JP2515607B2 - ポリスチレン粘着テ―プ - Google Patents

ポリスチレン粘着テ―プ

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JP2515607B2
JP2515607B2 JP2051080A JP5108090A JP2515607B2 JP 2515607 B2 JP2515607 B2 JP 2515607B2 JP 2051080 A JP2051080 A JP 2051080A JP 5108090 A JP5108090 A JP 5108090A JP 2515607 B2 JP2515607 B2 JP 2515607B2
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忠 高橋
正行 高橋
晴起 中野
敬行 廣田
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Sekisui Kaseihin Kogyo KK
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Sekisui Kaseihin Kogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリスチレン粘着テープに関し、さらに詳
しくは、離型紙を貼付せず、かつ、粘着テープの粘着面
とテープ基材の背面との剥離性良好なポリスチレン粘着
テープに関する。
[従来の技術] 従来、包装用粘着テープとしては種々のタイプのもの
が実用に供されている。
たとえば、紙、織布、ポリプロピレン系シート、ポリ
塩化ビニルシート等をテープ基材としてその片面には粘
着剤、他面には該粘着剤と接着しない剥離層が設けられ
たものあるいはまた強度の弱いプラスチックフイルム基
材では、離型紙等を貼合せたものが使用されている。
[発明が解決しようとする課題] 近年、このような紙、布あるいはプラスチック等の粘
着テープは、発泡スチロールで成形された包装容器、例
えば、魚凾、電気製品梱包容器、自動車部品のパッキン
グケースなどの発泡スチロール製梱包ケースの固定に多
く使用されている。
そして一方、最近では省エネの問題から、使用済みの
発泡スチロールの魚凾やパッキング材を回収してポリス
チレンペレットを再生する傾向も盛んになってきてい
る。
ところが、紙、布あるいはポリプロピレン等の粘着テ
ープを貼着した発泡スチロール材料は、そのまま溶融再
生すると粘着テープが異物として混入するため、再生す
る前に粘着テープを剥離しなければならず、その除去作
業に労力を要し採算が合わなかった。
そのため、ポリスチレンシートを基材とする粘着テー
プの開発も試みられている。
しかしながら、ポリスチレンシート基材を用いて離型
紙を使用せずに粘着テープにすると、粘着テープ製造の
際、離型剤をポリスチレンシート基材の背面に塗布する
ため、その離型剤中に含まれた有機溶剤により基材が浸
食、白化、膨潤してしまう欠陥があった。
また、離型剤に熱硬化性樹脂を用いている場合、塗布
した熱硬化性樹脂の硬化に加熱処理を要するため基材が
変形、収縮、劣化、切断する心配があった。
上記の理由により、ポリスチレンシート基材を用いて
離型紙なしで、粘着テープを得ることは難点があった。
さらにまた離型紙をバックアップした粘着テープは、
粘着テープ使用後に離型紙が大量に残り、大量の粘着テ
ープを使用する梱包現場での離型紙の処理が非常に面倒
であった。
本発明者らは、上記の欠点を解消すべく鋭意研究を進
めた結果、ポリスチレン系シート基材面に設ける離型層
形成用コーティング剤の樹脂成分として20〜120℃で硬
化する反応性樹脂を採択し、これをポリスチレン系シー
トを劣化させないような揮発性有機溶剤に溶解乃至分散
せしめた組成物がポリスチレン系シート基材を劣化させ
ることなく離型性に優れた剥離層が得られることを知見
して本発明に到達した。
[課題を解決するための手段] すなわち、本願発明は、次の各項の態様からなる。
(1)発泡ポリスチレンシート又は未発泡ポリスチレン
シートと発泡ポリスチレンシートとの積層シート基材の
片面に、粘着剤層を有し、他面には該粘着剤層と接着し
ない離型層を有するポリスチレン粘着テープにおいて、
前記離型層がシリコーン系樹脂を有機溶剤中で20〜120
℃の温度において硬化触媒の存在下で硬化させたもので
あることを特徴とするポリスチレン粘着テープ。
(2)シリコーン系樹脂がポリシロキサン樹脂である第
1項記載のポリスチレン粘着テープ。
(3)発泡ポリスチレンの発泡倍率が1.1〜20である第
1項又は第2項記載のポリスチレン粘着テープ。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で使用するポリスチレン系シート基材とは、例
えば未発泡ポリスチレンシート、発泡ポリスチレンシー
ト、未発泡ポリスチレンシートと発泡ポリスチレンシー
トとから成る多層ポリスチレンシート等が挙げられる。
これらのポリスチレン系シートの中でも発泡ポリスチ
レンシートの単層シート又は該シートを含む多層シート
が緩衝機能があり粘着固定性が大きくなる点で特に望ま
しい。
また、本発明で粘着剤層を形成するための粘着剤とし
ては通常粘着テープを製造する時に用いられているもの
であれば何れでもよく、例えばアクリル系粘着剤、ポリ
ウレタン系粘着剤、天然ゴム又は合成ゴム系粘着剤等が
挙げられる。
次に、本発明において離型層形成に用いる反応性樹脂
としては、シリコーン系樹脂、例えばポリシロキサン樹
脂を使用することができる。
上記の反応性樹脂を溶解あるいは分散させるために使
用する有機溶剤として好ましいものは、メチルエチルケ
トン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソブチル
ケトン、ジエチルケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ
酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等で
あり、また、アセトン、シクロヘキサン、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール、ブタノール、トルエン、キシレン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、パーク
ロルエチレン、トリクロルエチレン、メチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等も使用
できる。以上の有機溶剤は勿論混合有機溶剤としても使
用することができる。
本発明においては、上記の有機溶剤でシート基材とし
てのポリスチレン系シートを劣化させないようにするた
め、上記の有機溶剤の中でも特に揮発性の有機溶剤を主
体にして使用するのが好ましい。
有機溶剤中の反応性樹脂は固形分として、20〜60重量
%となるように調製される。
本発明においては、離型層形成用コーティング剤はこ
れを架橋硬化する触媒を添加して硬化させる。硬化触媒
としてはシリコーン系樹脂を架橋させるものとして公知
の有機硬化触媒若しくは無機硬化触媒を使用することが
できるが、特に、ルイス酸として架橋反応を促進する無
機金属化合物、例えば白金系触媒などを使用することが
できる。この硬化触媒を使用することによって、無触媒
の場合は、通常約200℃以上で架橋硬化するシリコーン
系樹脂が120℃以下で硬化することができ、ポリスチレ
ンの劣化を防止するとともに、剥離層が薄いにもかかわ
らず、硬度が大きく、低い温度で硬化する軟質シリコー
ンワニス等より表面の剥離性が良好になる。
上記の離型層形成用コーティング剤は、そのまま使用
できるとともに、さらに種々の添加剤、例えば着色剤、
架橋剤、安定剤、充填剤等の如く公知の添加剤を任意に
添加することができる。
(作用) 離型層形成用コーティング剤として反応性樹脂と揮発
性有機溶剤を用いることにより、低温コーティングが可
能でポリスチレン系シート基材を劣化させることなく適
度な剥離力を有する剥離面を形成することができる。
[実施例] 次に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
実施例1 第2図に示す如く、未発泡ポリスチレンシート20の片
面にポリシロキサン樹脂(商品名;KS-841、信越化学工
業社製品)30重量部、白金系触媒2.5重量部及びメチル
エチルケトン67.5重量部より成る離型層形成用コーティ
ング剤を175L 40μのグラビアロール版によりコーティ
ングし、110℃、15秒間で塗膜を硬化させ、離型層30を
形成する。
次いで、前記の未発泡ポリスチレンシート20の他面に
アクリル系粘着剤10を塗布し、乾燥し、巻取り、40mm幅
にスリットしてポリスチレン粘着テープを得た。
得られたテープの物性を第1表に示す。
実施例2 第3図に示す如く、発泡ポリスチレンシート(商品
名;ラベック、積水化成品工業社製品)50の片面にポリ
シロキサン樹脂(商品名;KS-841、信越化学工業社製
品)27重量部、白金系触媒3.0重量部及び酢酸エチル70.
0重量部より成る離型層形成用コーティング剤を175L、4
0μのグラビア版によりコーティングし、110℃、15秒間
で塗膜を硬化させ、離型層60を形成する。
次いで、前記の発泡ポリスチレンシート50の他面にポ
リウレタン系粘着剤70を塗布、乾燥し、巻取り、40mm幅
にスリットしてポリスチレン粘着テープを得た。
得られたテープの物性を第1表に示す。
比較例1 ポリプロピレンシートの片面に市販の離型剤を175L 4
0μのグラビアロール版によってコーティングして離型
層を形成する。
ついで、前記のポリプロピレンシートの他面にアクリ
ル系粘着剤を塗布し、乾燥し、巻取り40mm幅にスリット
してポリプロピレン粘着テープを得た。
本実施例及び比較例に使用した試験方法は次の通りで
ある。
背面剥離の試験方法 テープ状とした各々の試験片を30mm幅に2層切り取
り、試験板に二層の状態のまま粘着面を下にして貼り合
わせ、試験片の上から2kgのゴムローラを約300mm/分の
速さで1往復させて圧着する。
圧着後20〜30分間経過後に試験片の遊離している部分
を180度折り返し、約25mm剥がした後に試験片は上部チ
ャックに挟み、試験板は下部分チャックに挟み300±30m
m/分の速さで引き剥がす。(JIS Z-0237に基づく。) 水漏発泡ポリスチレン成形品の粘着テスト方法 発泡ポリスチレン製の魚凾は水漏した状態で粘着テー
プが貼られるので、水漏成形品でも粘着状態に異状がな
いことが要件の一つとなっている。そのため、発泡ポリ
スチレン成形品に水を噴霧器で噴霧して濡らし、これに
実施例、比較例等で得た粘着テープを貼り付け30分後の
剥離強度を調べる。
[発明の効果] 本発明は剥離層形成用コーティング剤として反応性樹
脂と揮発性有機溶剤を用いることにより、低温コーティ
ング可能でポリスチレン系シート基材を劣化させること
なく適度な剥離力を有する剥離面を形成することができ
る。
本発明の発泡ポリスチレン基材用粘着テープは、その
テープ素材として特にポリスチレン樹脂を使用してお
り、また離型紙を使用せずとも巻取り強度が十分であ
る。そしてまた粘着水濡発泡ポリスチレン成形品に貼着
した場合、通常の梱包を固定するのに十分耐える粘着力
を具備している。
従って、本発明の粘着テープは、例えば、水漏した魚
凾等の固定に使用することも可能であり、そしてまた不
要となった魚凾等は粘着テープを剥離しないでもそのま
ま再生することができるので、不要魚凾等の回収作業効
率向上に極めて有効である。
また、発泡ポリスチレンシートを使用すれば、テープ
の固定力が増大するのでさらに望ましい。
【図面の簡単な説明】 第1図はポリスチレンシートとして、発泡ポリスチレン
シートと未発泡ポリスチレンシートをラミネートした基
材を用いた場合の粘着テープの部分拡大断面図であり、
第2図は実施例1で得た粘着テープの部分拡大断面図で
あり、第3図は実施例2で得た粘着テープの部分拡大断
面図である。 図中符号1はラミネートポリスチレン系シート基材、2
は発泡ポリスチレンシート、3は未発泡ポリスチレンシ
ート、4は離型層、5はアクリル系粘着剤、10はアクリ
ル系粘着剤、20は未発泡ポリスチレンシート、30は離型
層、50は発泡ポリスチレンシート、60は離型層、70はポ
リウレタン系粘着剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 忠 茨城県猿島郡総和町大字久能1250―14 (72)発明者 高橋 正行 埼玉県春日部市豊町3丁目7番12号 (72)発明者 中野 晴起 神奈川県相模原市相模台2―28―18 (72)発明者 廣田 敬行 埼玉県川越市小堤549番地52 (56)参考文献 特開 平3−131677(JP,A) 特開 昭50−26840(JP,A) 実開 昭56−115444(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡ポリスチレンシート又は未発泡ポリス
    チレンシートと発泡ポリスチレンシートとの積層シート
    基材の片面に、粘着剤層を有し、他面には該粘着剤層と
    接着しない離型層を有するポリスチレン粘着テープにお
    いて、前記離型層がシリコーン系樹脂を有機溶剤中で20
    〜120℃の温度において硬化触媒の存在下で硬化させた
    ものであることを特徴とするポリスチレン粘着テープ。
  2. 【請求項2】シリコーン系樹脂がポリシロキサン樹脂で
    ある請求項1記載のポリスチレン粘着テープ。
  3. 【請求項3】発泡ポリスチレンの発泡倍率が1.1〜20で
    ある請求項1又は2記載のポリスチレン粘着テープ。
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