JP2514865B2 - 無機質発泡体粒子の製造法 - Google Patents

無機質発泡体粒子の製造法

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JP2514865B2 JP8468291A JP8468291A JP2514865B2 JP 2514865 B2 JP2514865 B2 JP 2514865B2 JP 8468291 A JP8468291 A JP 8468291A JP 8468291 A JP8468291 A JP 8468291A JP 2514865 B2 JP2514865 B2 JP 2514865B2
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健一郎 松田
聡 大高
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な無機質発泡体粒
子の製造法に関するものである。
【0002】無機質発泡体粒子は、軽量であることと発
泡体粒子であることなどの特性を利用して、構造体など
の軽量骨材、肥料、洗剤あるいは塗料などの増量材
(剤)、吸着剤、土壌改良材などとして広く使用されて
いる。このような公知の無機質発泡体粒子は、人工原料
から作られるガラスバル−ンと天然原料から作られるシ
ラスバルーン、パ−ライト、フライアッシュバルーンお
よび膨張頁岩とに大別することができる。
【0003】
【従来の技術】ガラスバルーンは、液滴法あるいは乾燥
ゲル法などの方法で得られたケイ酸ソーダを主成分とす
る粒子、あるいはホウケイ酸ガラスの粒子を膨張させた
発泡体粒子であるが、その製造工程が複雑であり、製造
コストが高いとの問題がある。シラスバルーンは、火山
性ガラスを主成分とするシラスを加熱発泡させて製造さ
れるが、原料の調製に経費がかかるとの問題がある。パ
−ライトは、真珠岩、黒曜岩、松脂岩、粗面岩などを同
様に加熱発泡させて製造される二酸化ケイ素を主成分と
する発泡粒子であるが、鉱物を山岳地帯から採掘して破
砕して原料とするので、原料の調製に経費がかかり、さ
らに近時、採掘により環境が破壊されるとの問題もあ
り、年々原料の入手が困難になる傾向がある。フライア
ッシュバルーンは、微粉炭を燃焼させた石炭灰を水に投
入して浮遊分離して得られた発泡体粒子であるが、その
大部分は粒径が50μm以下の微粒子であり、その利用
に制限がある。そして、粒径の大きい多孔質粒子とする
ためには、凝結体を作る必要がある。なお更に、フライ
アッシュが、例えば火力発電の際に発生する石炭灰の一
部に含有されるものであり安定した供給が難しいとの問
題点を有している。膨張頁岩は、頁岩などを同様に加熱
発泡させて製造される二酸化ケイ素を主成分とする発泡
粒子である。得られる発泡粒子は強度の点で充分でな
く、また他の鉱物原料と同様に年々原料の入手が困難に
なる傾向がある。
【0004】なお、これらの無機質発泡体粒子の単位容
積重量は、0.02〜0.05kg/l(例、パーライ
ト)または、0.15〜0.4kg/l(例、ガラスバ
ルーン)のものが多く、その中間に位置する単位容積重
量を有するものは比較的少ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規な無機
質発泡体粒子の製造法を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、従来有効な用途がなかった石炭ガス化反
応の際に発生する残滓を有効に利用する方法を提供する
ことをも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、石炭の部分酸
化により得られた可燃性成分を含有する非晶質性粒子で
あって粒子径が0.15〜20mmの粒子を600℃以
上の温度で加熱処理して、発泡・膨張させることからな
る、単位容積重量が、0.01〜0.6kg/lの範囲
にあり、且つ、該無機質発泡体粒子の粒子径が0.5〜
50mmの範囲にあり、内部に気泡を有する無機質発泡
体粒子の製造法にある。
【0007】本発明により得られる無機質発泡体粒子の
代表例としては、SiO2 、Al23 およびCaOを
含み、該無機質発泡体形成成分中のSiO2 の含有率が
60重量%以下、Al23 の含有率が20重量%以
上、そしてCaOの含有率が5重量%以上である無機質
発泡体粒子を挙げることができる。
【0008】本発明により得られる無機質発泡体粒子
は、公知の各種の無機質発泡体粒子、たとえば、ガラス
バル−ン、シラスバルーン、パ−ライト、フライアッシ
ュバルーンおよび膨張頁岩などとは明らかに区別される
成分組成あるいは粒径を有する新規な無機質発泡体粒子
である。
【0009】本発明により、石炭の部分酸化により得ら
れた非晶性残滓粒子を600℃以上の温度で加熱処理し
て膨張・発泡させて新規な無機質発泡体粒子を容易に製
造することができる。本発明により、従来有効な用途が
なかった石炭ガス化の際に発生する残滓粒子を有効に用
いることができ、さらにこの残滓粒子は、従来の天然原
料と比較して低温で膨張するので、従来有効な利用法が
開発されていなかった資源を有効に利用すると同時に無
機質発泡体粒子の製造コストを低減することができる。
また、本発明により得られる無機質発泡体粒子は、軽量
であり、かつ強度が高い。さらに熱伝導率が低く良好な
断熱性をも有している。また、製造条件を変えることに
より吸水率の高いものから低いものまで製造可能であ
り、用途が非常に広い。
【0010】本発明により得られる発泡体粒子は、Si
、CaOおよびAlを含む無機質発泡体粒子
であり、この三成分を主成分とするものである。そし
て、この無機質発泡体粒子は、上記三成分以外にも、例
えば、酸化鉄、NaOおよびKOを含むことが多
い。本発明により得られる無機質発泡体粒子は、その成
分中のSiOの含有率が60重量%以下(好ましくは
30〜55重量%)、Alの含有率が20重量%
以上(好ましくは、20〜40重量%)であり、CaO
の含有率が5重量%以上(好ましくは5〜30重量%)
である。この三成分は、無機質発泡体粒子形成成分に対
しての合計量として、通常60重量%以上、好ましくは
70〜95重量%、特に好ましくは75〜90重量%含
有されている。本発明の原料となる残滓粒子は、通常上
記の三成分以外に、酸化鉄、MgO、NaOおよびK
Oなどの成分を含有している。一般にこれら他の成分
は、無機質発泡体粒子形成成分に対して40重量%以
下、好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜
25重量%含有されている。これら他の成分のそれぞれ
の含有率は、通常は無機質発泡体粒子形成成分に対して
酸化鉄はFe基準で2〜15重量%、MgOは1
〜7重量%、NaOは1〜6重量%、KOは0〜2
重量%の範囲にある。更に、上記の成分以外に少量のT
iO、SO、他の硫化物あるいは硫黄化合物および
炭素成分などを含
【0011】本発明により得られる無機質発泡体粒子
は、軽量であり、その単位容積重量が0.01〜0.6
kg/lの範囲にある。絶乾比重で表記すると0.1〜
1.2の範囲にある。本発明により得られる無機質発泡
体粒子はこのように軽量であるので、たとえば軽量骨材
などとして有効に使用することができる。
【0012】本発明により得られる無機質発泡体粒子
は、その粒子中に気泡を有している。気泡は、独立気泡
であっても連続気泡であってもよい。後述する本発明の
無機質発泡体粒子の製造工程において加熱温度および加
熱時間などを調整することにより独立気泡を多数含むも
のとすることも、また連続気泡を多数含むものとするこ
とも可能である。主として独立気泡からなる無機質発泡
体粒子は吸水率が極めて低いので、たとえば軽量骨材と
してセメントと混練する際に使用する混練水の量を少な
くすることが可能であり、軽量骨材として本発明により
得られる無機質発泡体粒子を使用したセメント混練物の
硬化体は高い強度を示すと共に凍結融解などに対する耐
久性にも優れている。一方、主として連続気泡からなる
無機質発泡体粒子は、保水性が良好であり、たとえば土
壌改良材などとして有効に使用することができる。
【0013】また、気泡を多数含有するので熱伝導率が
低く、通常0.05kcal/m・h・℃程度であり良
好な断熱性を有しており、断熱材料として使用すること
ができる。
【0014】本発明により得られる無機質発泡体粒子
は、公知の無機質発泡体粒子と比較して強度が高く、通
常2.5〜10.0kgの平均圧潰強度(粒径2〜10
mm無機質発泡体粒子を20個無作為に選んで測定した
圧潰強度の平均値)を示す。従って、本発明により得ら
れる無機質発泡体粒子は、貯蔵中あるいは輸送中などに
その粒子が崩壊することが殆どなく、さらに本発明によ
り得られる無機質発泡体粒子を例えば軽量骨材として構
造物の製造に使用することにより、強度が高く強靭な構
造物とすることができる。
【0015】本発明により得られる無機質発泡体粒子の
粒子径は、0.5〜50mmの範囲(好ましくは0.5
〜20mm)の範囲にある。そして、この範囲内で、用
途にあわせて種々の大きさの発泡粒子を製造することが
できる。
【0016】次に、本発明の無機質発泡体粒子の製造法
について説明する。本発明の無機質発泡体粒子の製造法
は、石炭の部分酸化により得られた非晶性残滓粒子を
特定の条件で加熱することにより実施する。
【0017】原料として使用される非晶性残滓粒子
は、好ましくは、石炭の部分酸化により得られるもので
ある。例えば微粉炭などを完全燃焼させる雰囲気で燃焼
して生成した灰分は非常に微粒子であり、また充分に発
泡しにくいため、本発明の無機質発泡体粒子の製造には
利用することができない。
【0018】本発明の無機質発泡体粒子の製造法に利用
される非晶性残滓粒子は、たとえば石炭の部分酸化に
より合成ガスを製造する際に発生する残滓として供給さ
れる。このような石炭を用いた合成ガスの製法の例とし
ては、ルルギ法、ウインクラー法、コッパーズ・トチェ
ック法およびオット・ルンメル法並びにKDV法、ルル
ギスラッジング法、シンザン法、WH法、Uガス法、H
YGAS法、石炭技研法、加圧流動水添ガス化法、ハイ
ブリッド法、HTW法、BIGAS法、シェル(シェル
・コッパーズ)法、サアルバーク・オットー法、住友法
およびテキサコ法などによる石炭ガス化法を挙げること
ができる。本発明の製造法においては特にコッパーズ・
トチェック法、オット・ルンメル法、ルルギスラッジン
グ法、シェル(シェル・コッパーズ)法およびテキサコ
法などのような石炭の部分酸化をガス化炉で石炭の灰分
の軟化点以上の温度で行なう石炭ガス化装置から排出さ
れる残滓を使用することが好ましい。たとえばテキサコ
法においては、石炭は水スラリーとして石炭ガス化炉に
投入され加圧下に石炭の灰分の軟化点以上の温度、一般
には1300〜1500℃程度に加熱され、部分酸化さ
れる。この際、溶融状態または半溶融状態の残滓が生成
し、通常この残滓は水等で冷却された後、必要に応じて
粉砕されて石炭ガス化炉から排出される。なお、テキサ
コ法などの石炭ガス化方法の詳細は、「化学経済」19
81年八月号および九月号に詳細に記載されている。
【0019】石炭の部分酸化により発生する残滓の組成
は石炭ガス化などの原料として使用する石炭の種類によ
り多少異るが、本発明の無機質発泡体粒子の製造法は、
石炭の種類にかかわりなく石炭ガス化などの石炭の部分
酸化の際に生成する残滓粒子(粒子状残滓あるいは残滓
を粒子状にしたもの)を使用することができる。一般に
上記のような残滓は、55〜30重量%の範囲のSiO
2 、20〜40重量%の範囲のAl23 及び5〜30
重量%の範囲のCaO並びに少量の硫化物あるいは硫黄
化合物および未燃焼炭素などを含有している。
【0020】本発明の製造法で使用する残滓粒子の粒子
径は、加熱条件などを調整することにより種々のものが
使用可能であるが、通常は、20mm以下のものが使用
される。ただし、粒子径が0.3mm以下の残滓、特に
0.15mm以下の残滓は、加熱処理条件によっては有
効に発泡・膨張しなかったり、また比較的低温で融着す
る傾向があり、これらを除去した後加熱処理する。加熱
処理に際しては、石炭ガス化炉から排出された残滓を破
砕して篩などで粒子径を揃えて用いることが有利であ
る。なお0.15mm以下の粒子径の残滓を篩などで除
去した場合でも、これらの微細粒子が大きな粒子に付着
しているので完全な除去は困難であることが多いが、通
常これらの微細粒子が若干量(20重量%以下)混入し
ても粒子径の大きな粒子の発泡・膨張性に殆ど影響を及
ぼすことはない。
【0021】このようにして粒子径などが調整された残
滓粒子を次に加熱処理する。加熱処理は600℃以上の
温度で行なうが、600〜1300℃の範囲の温度で行
なうことが好ましく、700〜1200の範囲の温度で
行なうことが特に好ましい。600℃よりも明らかに低
い温度では残滓粒子は有効に発泡・膨張しない。また、
加熱処理温度が1300℃を越えると発泡・膨張した残
滓が溶融することがあり、生成した気泡が消滅すること
がある。加熱処理は、残滓粒子を例えばロータリーキル
ンなどを用いて徐々に昇温して行なう方法、加熱処理温
度に調整された炉などに直接残滓粒子を導入する方法な
どを利用することができる。徐々に昇温して加熱処理を
行なう方法は、特に工業規模での生産に好適である。こ
の方法に従い例えば、ロータリーキルンなどを用いた工
業規模での生産の際には昇温速度を、20℃/分以下に
設定することが好ましい。昇温がこの値より急速に行な
われると発泡・膨張の際に、有効に独立気泡が生じない
ことがあり、発泡体粒子の吸水率が増加する傾向があ
る。予め加熱処理温度に調整した炉などに直接残滓粒子
を導入する場合には、残滓粒子の発泡・膨張は、加熱処
置温度と加熱時間などとは密接に関連しており、温度が
低い場合には加熱時間を長く、温度が高い場合には加熱
時間を短くして発泡・膨張の状態を制御することができ
る。
【0022】特に、600℃以上の温度において、処理
時間を15秒〜15分の範囲に設定すると有効に発泡・
膨張することが判明した。例えば、原料としてグレード
グレタ炭を用いた石炭ガス化の残滓粒子(以下、「GG
残滓粒子」と記載する)(平均粒子径3〜5mm)を使
用した場合、900℃で5分間加熱処理して単位容積重
量0.121kg/lの発泡体粒子を製造することがで
き、1100℃では15秒間の加熱処理により、単位容
積重量0.102kg/lの発泡体粒子を製造すること
ができた。また、コールバレー炭を用いた石炭ガス化の
残滓粒子(平均粒子径3〜5mm)を使用した場合、9
00℃で5分間加熱処理して単位容積重量0.156k
g/lの発泡体粒子を製造することができ、1100℃
では30秒間の加熱処理により容積重量0.123kg
/lの発泡体粒子を製造することができた。
【0023】本発明の無機質発泡体粒子の製造法におけ
る加熱処理温度および処理時間は、シラスバルーン、パ
ーライトなどの公知の無機質発泡体粒子の製造の際の加
熱温度よりも低い温度で、かつ短時間である。すなわ
ち、たとえば、加熱処理温度に加熱された炉に発泡体粒
子原料を導入する方法において、粒子径が3〜5mmの
粗面岩を発泡・膨張させる場合、たとえば加熱処理温度
が1200℃の場合には、12.5秒間加熱処理をする
ことにより単位容積重量が0.135kg/1程度の発
泡体粒子を得ることができ、加熱処理温度が1100℃
の場合には、30秒間の加熱をして単位容積重量0.1
43kg/1の発泡体粒子を得ることかできた。また黒
曜石は、1100℃で分間加熱処理すると、単位容積
重量が0.228kg/1となるなど、公知の鉱物より
の無機質発泡体粒子の製造条件は、本発明の製造条件よ
り加熱処理温度を高くするか、もしくは処理時間を長く
する必要がある。
【0024】従って、本発明の無機質発泡体粒子の製造
に際しては、従来の鉱物原料を用いる発泡体粒子の製造
の際に必要とする熱エネルギーよりも少ない熱エネルギ
ーで有効に発泡・膨張させることができるとの利点があ
る。
【0025】さらに本発明の無機質発泡体粒子の製造法
においては、公知の無機質発泡体粒子は、加熱処理温度
の際に比較的徐々に膨張するのに対して本発明の無機質
発泡体粒子の加熱処理の際に急速に発泡・膨張する傾向
があり、残滓粒子を発泡温度に長時間保持する必要がな
く、製造が容易になる。
【0026】本発明の無機質発泡体粒子の製造法では、
上記のような加熱処理によって発泡し、一般に残滓粒子
の直径に対して1.3〜2.5倍程度に膨張する。例え
ば、直径10mmのGG残滓粒子を400℃から5℃/
分の昇温速度で1300℃まで加熱した際の膨張の状態
を残滓粒子の直径の変化として測定した結果と温度との
関係を第1図に示す。変形率(すなわち一次元方向の膨
張率)は、加熱処理前の粒子の直径をH、加熱処理によ
り発泡した際の粒子の直径をhとした時にh/Hの値で
表わされる。第1図から明らかなように、この残滓粒子
は、約730℃から急速に発泡・膨張して約790℃で
発泡・膨張が終了し、その後は更に温度をあげてもそれ
以上に発泡・膨張しないことが確認された。
【0027】また、本発明の無機質発泡体粒子の製造法
において、加熱処理温度および処理時間などを制御する
ことにより、一旦形成された独立気泡を連続気泡に変換
することができる。すなわち、本発明の無機質発泡体粒
子は、発泡・膨張直後は、大部分の気泡が独立気泡であ
り、その吸水率の極めて小さいものであるが、発泡・膨
張後に更に加熱処理を行なうなどの方法により、それら
の独立気泡が相互に連続し、また発泡体粒子外部に対し
ては開放状態となる。なお、昇温速度を20℃/分以上
に設定すると、比較的容易に有効な連続気泡の発泡体粒
子を製造することが可能となる。このような連続気泡を
有する発泡体粒子は、良好な吸水性を示し、土壌改良材
などとして使用することができる。
【0028】本発明の無機質発泡体粒子製造のための加
熱処理に用いる装置は、シラスバルーン、パーライトな
どの製造に通常使用されているものから選ぶことができ
る。製造装置の例としてはロータリーキルン、気流焼成
方法による炉などを挙げることができる。
【0029】本発明の製造法における残滓粒子の発泡・
膨張機構に関しては必ずしの明確ではないが、次のよう
な機構により発泡・膨張が発生するものと推察される。
すなわち、石炭の部分酸化により得られた残滓粒子中に
は、加熱処理によりガス化しやすい未燃焼炭素および硫
化物などの膨張成分が未燃焼のまま残存しており、この
膨張成分が加熱によって、気体として発泡し、膨張・排
出されることにより発泡・膨張する。さらに残滓粒子
は、黒曜石などの天然原料と比較すると活性が高いこと
が推測され、従って上記の気化成分が低温でも有効に作
用するものと推測される。
【0030】本発明により得られる無機質発泡体粒子
は、前述の用途の他にも、肥料、洗剤、塗料などの増量
材(剤)、吸着剤、鉄の精練助剤、および濾過助材など
として有効に使用することができる。
【0031】
【実施例】次に本発明の実施例および比較例を示す。
【0032】[実施例1] テキサコ法を利用した石炭ガス化炉から排出された残滓
粒子(真比重:2.81、単位容積重量:1.54Kg
/1、融点:1360℃)100gを、磁製蒸発皿に取
り、珪化モリブデン発熱体を用いた自動温度制御装置付
電気炉に導入した。導入時の炉内の温度は400℃であ
った。使用した残滓粒子の化学組成を第1表、粒径分布
を第2表に示す。なおこの残滓粒子はX線回折の結果非
性であることが確認された。残滓粒子導入後、昇温
速度5℃/分にて炉の温度を900℃まで上昇させて発
泡・膨張を発生させ、ただちに炉外に取り出し発泡体粒
子を得た。得られた発泡体粒子の絶乾比重は0.7、単
位容積重量は0.46Kg/1、24時間吸水率は2.
6%、平均圧潰強度は6.4kgであった。この無機質
発泡体粒子の化学組成を第1表に、そして粒子の分布を
第2表に示す。
【0033】上記の測定は下記の方法および装置を用い
て行なった。また、本発明で示す実施例および比較例の
測定も全て下記の装置および方法によって行なった。 [測定方法]絶乾比重および24時間吸水率 JIS−A−1134およびJIS−A−1135の規
定に準じ測定した。真比重 JIS−R−2205の規定に準じ測定した。単位容積重量 100mlのメスシリンダを用意して測定対象の粒子
(残滓粒子および発泡体粒子)をこのメスシリンダに取
り所定回数振動させて100mlとし、この粒子の重量
を測定した。成分分析 JIS−M−8852に規定されている方法に従って分
析を行なった。圧潰強度 木屋式硬度計を用いて20個の供試体について測定し
た。融点の測定 JIS−M−8801に規定されている方法に準じて行
なった。
【0034】 第1表 ────────────────────── 残滓粒子 無機質発泡体粒子 成分 (重量%) (重量%) ────────────────────── ig.loss 0.1 0 SiO2 36.8 37.4 Al23 29.9 30.3 Fe23 7.3 7.4 CaO 18.4 18.6 MgO 4.0 4.1 Na2 O 2.0 2.0 K2 O 0.3 0.3 未燃焼炭素 1.26 0 硫化物 0.23 0 ──────────────────────
【0035】 第2表 ────────────────────── 粒子径 残滓粒子 無機質発泡体粒子 (mm) (重量%) (重量%) ────────────────────── 〜20 1 1 20〜10 1 15 10〜5 28 48 5〜2.5 45 28 2.5〜1.2 17 8 1.2〜0.6 4 2 0.6〜0.3 2 2 0.3〜 2 2 ──────────────────────
【0036】得られた無機質発泡体粒子は、第1表に示
す組成を有しており、第2表に示すように残滓粒子に対
して約1.5倍に膨張していた。
【0037】[比較例1]実施例1において、残滓粒子
に代え第3表に示す組成の粒子状の頁岩(真比重:2.
56、単位容積重量:1.10Kg/l、融点:121
0℃)を使用し、最高加熱処理温度を1180℃とした
以外は同様に操作して発泡体粒子を製造した。頁岩の粒
子の分布を第4表に示す得られた発泡体粒子の絶乾比重
は0.90、単位容積重量は0.64Kg/l、24時
間吸水率は14.9%、平均圧潰強度は1.8kgであ
った。得られた無機質発泡体粒子の化学組成を第3表、
粒子の分布を第4表に示す。
【0038】 第3表 ────────────────────── 頁岩 無機質発泡体粒子 成分 (重量%) (重量%) ────────────────────── ig.loss 2.43 0 SiO2 63.6 65.2 Al23 18.3 18.8 Fe23 5.5 5.6 CaO 2.1 2.2 MgO 1.6 1.6 Na2 O 3.3 3.4 K2 O 3.1 3.2 未燃焼炭素 0 0 硫化物 0 0 ──────────────────────
【0039】 第4表 ────────────────────── 粒子径 頁岩 無機質発泡体粒子 (mm) (重量%) (重量%) ────────────────────── 〜20 0 0 20〜10 0 1 10〜5 15 21 5〜2.5 35 34 2.5〜1.2 22 18 1.2〜0.6 10 10 0.6〜0.3 7 7 0.3〜 11 9 ──────────────────────
【0040】得られた頁岩の発泡体粒子の粒子径は、第
4表に示す値であり、原料の頁岩に対して約1.2倍に
膨張していた。
【0041】実施例1と比較例1で得られた無機質発泡
体粒子とを比較すると、実施例1で得られた無機質発泡
体粒子は、その平均圧潰強度が高く、吸水率が低いこと
がわかる。
【0042】[実施例2] 以下に記載する温度に加熱した電気炉に第5表(残滓
I)、第6表(残滓II)に示す成分組成の残滓粒子
(粒子径:5〜1.2mm)を下記に併記した時間導入
して発泡・膨張させた。なお残滓Iの単位容積重量は
1.54kg/1、残滓IIは1.40kg/1であり
X線回折の結果、両者とも非晶質であることが確認さ
れた。得られた無機発泡体粒子の加熱温度と単位容積重
量との関係を第2図に示す。また、加熱処理温度100
0℃におけて残滓Iを発泡・膨張させた無機発泡体粒子
の成分組成を第5表に、同様の条件にて発泡・膨張させ
た残滓IIの無機発泡体粒子の成分組成を第6表に併せ
て記載する。なお、加熱処理温度1000℃における残
滓Iの発泡体粒子の吸水率は11.0%、圧潰強度は
4.02kgであり、残滓IIの発泡体粒子の吸水率は
9.3%、圧潰強度は4.32kgであった。
【0043】[比較例2]実施例2において、残滓粒子
に代え、黒曜石を用いて下記に示すように加熱処理を行
なった以外は同様にして発泡体粒子を製造した。この黒
曜石の成分組成を第7表に示す。黒曜石の単位容積重量
は1.23kg/lであった。無機質発泡体の加熱温度
と単位容積重量との関係を第2図に示す。また加熱処理
温度が1000℃における発泡体粒子の成分組成を第7
表に併せて記載した。さらに、加熱処理温度1000℃
における黒曜石の吸水率は18.2%、圧潰強度は4.
86kgであった。
【0044】 加熱処理温度 加熱処理時間 残滓I 残滓II 黒曜石 825℃ 15分 − − 850℃ 12分 15分 − 900℃ 4分 12分 − 1000℃ 30秒 1分 12分 1100℃ 10秒 15秒 1.5分 1200℃ − − 30秒
【0045】 第5表 ────────────────────── 残滓I 無機発泡体粒子成分 (重量%) (重量%) ────────────────────── ig.loss 0.3 0 SiO2 39.0 39.5 Al23 27.9 28.2 Fe23 8.1 8.2 CaO 16.2 16.4 MgO 3.0 3.0 SO3 0.04 0 Na2 O 2.8 2.8 K2 O 0.4 0.4 TiO2 1.44 1.5 未燃焼炭素 0.45 0 硫化物 0.19 0 ──────────────────────
【0046】 第6表 ────────────────────── 残滓II 無機発泡体粒子成分 (重量%) (重量%) ────────────────────── ig.loss 0.3 0 SiO2 51.9 53.0 Al23 23.9 24.4 Fe23 5.5 5.6 CaO 11.1 11.4 MgO 2.0 2.0 SO3 0.04 0 Na2 O 2.06 2.1 K2 O 0.71 0.7 TiO2 0.81 0.8 未燃焼炭素 0.25 0 硫化物 0.02 0 ──────────────────────
【0047】 第7表 ────────────────────── 黒曜石 無機発泡体粒子成分 (重量%) (重量%) ────────────────────── ig.loss 1.31 0 SiO2 74.77 75.8 Al23 13.07 13.2 Fe23 1.21 1.2 CaO 1.13 1.1 MgO 0.20 0.2 SO3 0.02 0 Na2 O 3.69 3.7 K2 O 4.58 4.6 TiO2 − − 未燃焼炭素 − − 硫化物 − − ──────────────────────
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、直径10mmの残滓粒子を昇温速度5
℃/分の条件にて400℃〜1300℃まで加熱した際
の加熱粒子の直径の変化の一例を示す図である。
【図2】図2は、実施例2および比較例2において残滓
I、残滓IIおよび黒曜石を加熱処理した際の加熱温度と
単位容積重量との関係の一例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 目 勝三 山口県宇部市大字小串1978番地の2 宇 部興産株式会社 宇部セメント工場内 (56)参考文献 特開 昭56−155061(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石炭の部分酸化により得られた可燃性成分
    を含有する非晶質性粒子であって粒子径が0.15〜2
    0mmの粒子を600℃以上の温度で加熱処理して、発
    泡・膨張させることからなる、単位容積重量が、0.0
    1〜0.6kg/lの範囲にあり、且つ、該無機質発泡
    体粒子の粒子径が0.5〜50mmの範囲にあり、内部
    に気泡を有する無機質発泡体粒子の製造法。
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