JP2514461Y2 - サイザ―加工装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、木製パネルを製造する
に際し、制作された木製パネルを被処理物としてこれを
サイザー加工する工程において用いられるサイザー加工
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、プレパブ住宅等において用いら
れる木製パネルは、矩形輪郭に組まれた枠体の両面に面
材を貼設することで作成される。作成された木製パネル
は、サイザー加工装置に送られ、このサイザー加工装置
によって４つの端面をそれぞれサイザー加工され、所定
寸法のパネルに仕上げられる。

【０００３】従来のサイザー加工装置として、例えば、
木製パネルを搬送する搬送路の両側に、それぞれサイザ
ー刃が設けられて構成されたものがある。サイザー刃
は、概略、円板状の刃と、この刃を回転させるためのモ
ータとを有してなる丸ノコ状のもので、刃の回転により
木製パネルの両端面をサイザー加工するように配置され
ている。

【０００４】そして、このようなサイザー加工装置によ
れば、通常、次のようにしてサイザー加工が施される。
すなわち、作製された木製パネルが搬送路に送られ、該
送られた木製パネルが、搬送路上を搬送されながらその
両側に配置されているサイザー刃によって、その両端面
をサイザー加工される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】ところが、従来のサイ
ザー加工装置にあっては、前述したように、木製パネル
が、搬送路上で搬送されながらその長さ方向の両端面を
サイザー加工される構成であり、サイザー加工されると
きに固定されていないため、切断面が荒れやすいという
欠点があった。本考案は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、シャープな切断面が得られかつ効率のよい加工が
行えるサイザー加工装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明では、係る目的を
達成するために、パネル状の被処理物が搬送される搬送
路の途中に、該搬送路の一部を構成するサイザー架台
を、搬送路の搬送方向と直交する方向に移動自在に設
け、該サイザー架台の搬送方向の両端部にサイザー刃
を、該サイザー架台と一体に移動しかつその刃面がサイ
ザー架台の移動方向と平行となるように設け、前記搬送
路のサイザー架台に対向する連結端部に被処理物を固定
する固定手段を設けたことを特徴としている。

【０００７】

【作用】本考案のサイザー加工装置によれば、パネル状
の被処理物を次々に搬送路に送り、連続して搬送する２
枚の被処理物の端部を、それぞれ、サイザー架台上に突
出させた状態で固定する。そして、この状態でサイザー
刃を回転させながらサイザー架台を搬送方向と直交する
方向に移動させることにより、両被処理物の端部を同時
にサイザー加工する。

【０００８】上記サイザー加工が終わると、サイザー架
台を元の位置に戻す。次いで、サイザー架台の前段の被
処理物をさらに前方へ搬送し、また先ほど加工した後段
側の被処理物をサイザー架台を利用してそれより前段の
所定位置まで搬送しその位置で固定する。またこれと同
時に、次なる被処理物をサイザー架台の後段側に搬送し
て固定する。そして、先ほどと同様にしてそれら固定し
た両被処理物に対してサイザー加工を施す。以下、この
手順を繰り返すことにより、被処理物に対して連続的に
サイザー加工を施すことができる。

【０００９】

【実施例】以下、図１ないし図４を参照して、本考案の
サイザー加工装置の一実施例について説明する。

【００１０】図１中符号１は木製パネル等のパネル状の
被処理物Ｐを搬送する搬送路である。搬送路１は、脚２
に支持された枠体フレーム３に複数の搬送ローラ４…が
搬送方向と直交するようにかつ互いに適宜間隔をあけて
回転自在に取り付けられた構造になっている。そして、
これら搬送ローラ４が、図４にも示すように、その端部
に該搬送ローラ４と一体的に回転するように設けられた
スプロケット５を、チエーン６を介して図示せぬ駆動手
段によって個々に強制回転されることにより、それ自身
が回転し、その上部に載置される被処理物Ｐを前方へ搬
送するようになっている。

【００１１】搬送路１の途中には、該搬送路の一部を構
成するサイザー架台８が、下方のガイド部材９，９に案
内されることにより、搬送路１の搬送方向と直交する方
向に移動自在に設けられ、しかも両ガイド部材９，９の
間に設けられた駆動チェーン１０が駆動用モータによっ
て回転されることにより、同方向に移動操作されるよう
になっている。

【００１２】また、サイザー架台８の搬送方向の両端部
にはサイザー刃１２，１２が、その刃面をサイザー架台
８の移動方向と平行となるようにすなわちガイド部材９
と平行となるように設けられている。サイザー刃１２
は、概略、円板状の刃１２ａと、この刃１２ａを回転さ
せるためのモータ１２ｂとを有してなる丸ノコ状のもの
で、刃１２ａの回転により被処理物Ｐの端面をサイザー
加工するものである。なお、サイザー刃１２の上部には
刃１２ａに沿ってカバー１３が設けられ、サイザー加工
の際このカバー１３によって収集される切り粉は、カバ
ー１３につながる吸引用のフレキシブルチューブ１４を
介して所定箇所まで移送されるようになっている。

【００１３】また、サイザー架台８にも前記した複数の
搬送ローラ４…が設けられている。この搬送ローラ４…
は、サイザー架台８が短い場合にはそれ自体で回転する
構成を要しないが、サイザー架台８の長さがある程度長
い場合には前後の搬送ローラ４…だけでは被処理物Ｐを
搬送することができず、このため図に示すように例えば
前記と同様のチェーン６とスプロケット５等から構成さ
れる駆動手段が設けられる。

【００１４】前記搬送路１のサイザー架台８に対向する
連結端部１ａ，１ｂには被処理物Ｐを固定する固定手段
１６，１６がそれぞれ設けられている。固定手段１６，
１６はともに同じ構造に形成されてなるものであり、搬
送路１の一側に互いに適宜間隔をあけて前記搬送ローラ
４と平行となるように配置された２本の油圧あるいは空
気シリンダ１７，１７と、これらのシリンダ１７，１７
に対向するように搬送路１の他側に突出して設けられた
サイドバー１８から構成されている。そして、前記油圧
あるいは空気シリンダ１７は図示せぬ制御手段によって
伸縮操作されるようになっており、その先端には被処理
物Ｐの側面に当接してそれを押圧移動させる押圧部材１
７ａが取り付けられている。

【００１５】さらに、搬送路１のサイザー架台８に対向
する後段側の連結端部１ａには、搬送されてくる被処理
物Ｐを所定位置で停止させる停止手段が設けられ、また
前端側の連結端部１ｂにも被処理物Ｐを所定位置で停止
させる停止手段が設けられている。これら停止手段はと
もに図示されていないが、例えば、ストッパー部材が搬
送路１上に出没自在に設けられ、このストッパー部材が
搬送路１から没している場合には被処理物Ｐの搬送は自
由に行われ、逆に搬送路１に突出している状態では搬送
されてくる被処理物Ｐの前端に当接してそれを所定位置
で停止させる構造のものがある。なお、それら停止手段
は搬送方向に沿って移動調整自在になっており、必要に
応じて被処理物Ｐの停止位置を自由に変えられるように
なっている。

【００１６】次に、上記サイザー加工装置の作用につい
て説明する。矩形輪郭に組まれた枠体の両面に面材を貼
設することで作製される例えば木製のパネル等の被処理
物Ｐを連続的に搬送路１に送る。最初に送られてくる被
処理物Ｐを、搬送ローラ４…の回転に伴い前方へ搬送
し、搬送路１の後段側の連結端部１ａの近傍に来た時点
で図示せぬ停止手段により、その前端をサイザー架台８
上に所定量突出させた状態で該被処理物Ｐを停止する。
次いで、後段側の固定手段１６のシリンダ１７が伸張し
てその先端の押圧部材１７ａで被処理物Ｐの側面を押し
つけて搬送路１の側方へ移動させ、搬送路１の側部のサ
イドバー１８との間に挟み込んむことで、この最初の被
処理物Ｐを強固に固定する。

【００１７】次いで、サイザー刃１２を回転させ、この
状態で図示せぬ駆動手段によりチエーン１０を駆動させ
てサイザー架台をガイド部材に沿わせて移動させ、これ
により、前記固定した被処理物Ｐの端部をサイザー加工
する。

【００１８】上記サイザー加工が終わると、サイザー刃
１２の回転を停止させた後、上記チエーン１０を駆動さ
せて再びサイザー架台８を元の位置に戻す。

【００１９】次いで、再び搬送ローラ４…を回転させて
この最初の被処理物Ｐを前方へ搬送し、該最初の被処理
物Ｐが搬送路１の前段側の連結端部１ｂの近傍に来た時
点で図示せぬ停止手段により、その後端をサイザー架台
８上に所定量突出させた状態で停止させた後、固定手段
１６によってその位置に固定する。また、これと同時に
この最初の被処理物Ｐに続く２番目の被処理物Ｐを、前
記と同様の手順により、搬送路１の後段側の連結端部１
ａ近傍の所定位置に停止させ、固定手段を駆動させかつ
固定手段１６によってその位置に固定させる。

【００２０】次いで、サイザー刃１２を回転させなが
ら、サイザー架台８を搬送方向と直交する方向に移動さ
せることにより、前記固定させた両被処理物Ｐの端部を
同時にサイザー加工する。

【００２１】上記サイザー加工が終わると、サイザー架
台８を再び元の位置に戻し、次いで、サイザー架台８の
前段に位置する最初の被処理物Ｐをさらに前方へ搬送
し、また先ほど加工した後段側の２番目の被処理物Ｐを
サイザー架台８を利用してそれより前段の所定位置まで
搬送しその位置で固定するとともに、次なる３番目の被
処理物Ｐをサイザー架台８の後段側に搬送して固定す
る。そして、先ほどと同様にしてそれら固定した２番目
および３番目の両被処理物Ｐに対してサイザー加工を施
す。

【００２２】以下、上記手順を繰り返すことにより、被
処理物Ｐに対して連続的にサイザー加工を施すことがで
きる。

【００２３】上記の加工では、被処理物Ｐを固定してサ
イザー加工を行うため、シャープな切断面が得られる。
また、被処理物Ｐを連続的に搬送しながらその流れの中
でサイザー加工が行えること、および二つの被処理物
Ｐ，Ｐの端部を同時に加工できることから、効率のよい
加工が行える。しかも、シリンダ１７を伸張させてサイ
ドバー１８との間に挟み込んで被処理物Ｐを固定する構
造であるから、幅が種々異なる被処理物Ｐでも何ら支障
なく固定し得て所定のサイザー加工が行える。なお、本
考案のサイザー加工装置は、前記実施例で示したものに
限らず、各部材の形状、寸法、あるいは作業手順等の具
体的な構成要素は、実施に当たり適宜変更可能である。

【００２４】例えば、前記実施例では、木製パネルをサ
イザー加工する場合を例にとって説明したが、これに限
られることなく他の部材でも勿論本考案は適用可能であ
る。

【００２５】また、サイザー刃１２としては、木製パネ
ルの側端面をサイザー加工できる構成のものであれば、
前記実施例で示した丸コノ状のもの以外のものでも使用
可能であり、これを駆動させるための駆動装置も、前記
実施例で示したものに限定されない。

【００２６】

【考案の効果】本考案のサイザー加工装置によれば、被
処理物を固定してサイザー加工を行うため、シャープな
切断面が得られる。また、被処理物を連続的に搬送しな
がらその流れの中でサイザー加工が行えること、および
２つの被処理物の端部を同時に加工できることから、効
率のよい加工が行える。しかも幅が種々異なる被処理物
でも何ら支障なく固定し得て所定のサイザー加工が行え
る等の優れた効果を奏する。また、サイザー架台が搬送
路の一部を構成しているため、被処理物の長さが短い場
合でもこの被処理物を確実かつ安定して搬送させること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案のサイザー加工装置の位置実施例
を示す要部の斜視図である。

【図２】図２は同サイザー加工装置の作用を説明する平
面図である。

【図３】図３は同サイザー加工装置の作用を説明する図
２とは異なる状態を示す平面図である。

【図４】図４は搬送路の一部を示す断面図である。

【符号の説明】 １ 搬送路 ２ 枠体フレーム ４ 搬送ローラ ８ サイザー架台 ９ ガイド部材 １２ サイザー刃 １６ 固定手段 Ｐ 被処理物

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 林 俊一 長野県松本市大字今井字松本道7110番地 ３ 長野住宅工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平３−86418（ＪＰ，Ａ) 実開 平３−44510（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パネル状の被処理物が搬送される搬送路
   の途中に、該搬送路の一部を構成するサイザー架台を、
   搬送路の搬送方向と直交する方向に移動自在に設け、該
   サイザー架台の搬送方向の両端部にサイザー刃を、該サ
   イザー架台と一体に移動しかつその刃面がサイザー架台
   の移動方向と平行となるように設け、前記搬送路のサイ
   ザー架台に対向する連結端部に被処理物を固定する固定
   手段を設けたことを特徴とするサイザー加工装置。