JPH0413062Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は長尺板材端部の切り落とし装置に関す
る。

［従来の技術］ 長尺の金属薄板は特に長手方向の曲りを矯正す
るためにストレツチヤー工程を行なう。これは板
材の両端部をストレツチヤー装置でつかんで一定
荷重で引張るものである。この時、板材の両端に
は、つかみによる圧痕が生じるため、この部分を
シヤーにより切り落として最終製品としている。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、乱尺の複数の板材について、圧痕を
生じた端部をそれぞれ定寸で切り落とす場合に
は、従来、これらの一方の端部を人手で揃えて切
断した後、再び他方の端部を人手で揃えて切断す
るという作業を行なつており、長尺材の扱いに手
間を要することから作業性が悪いという問題があ
つた。

本考案はかかる問題点に鑑み、特に複数の乱尺
板材の端部を効率的に切り落すことができる長尺
材の端部切り落とし装置を提供することを目的と
する。

［問題点を解決するための手段］ 本考案の構成を第１図により説明すると、１は
正逆転可能なコンベアであり、複数の長尺板材Ｐ
を並列して長手方向に搬送する。コンベア１の途
中にはシヤー２が設けてあり、該シヤー２の前後
にコンベア１に沿つて一対のストツパ装置３Ａ，
３Ｂが設けてある。ストツパ装置３Ａ，３Ｂは、
それぞれ上記コンベア１に沿つて移動可能でシヤ
ー２に対する相対位置が変更自在となつており、
かつ、それぞれコンベア１上に直線的に出退自在
にストツパ板３１を保持している。

４は制御装置である。制御装置４は上記コンベ
ア１を駆動するとともに、搬送される板材Ｐに対
してシヤー２の後方側となるストツパ装置３Ａ，
３Ｂのストツパ板３１を上記コンベア１上に進出
せしめて、これに不揃いの各板材Ｐの前端Ｐ１を
当接せしめ、この後シヤー２を作動せしめる。

［作用］ 板材Ｐをコンベア１により図の右方へ向けて搬
送し、この時ストツパ装置３Ｂのストツパ板３１
をコンベア１上に進出せしめておく。板材Ｐの不
揃いの前端Ｐ１は上記ストツパ板３１に当接して
横一線に揃えられ、続いてシヤー２を作動せしめ
ると、これと上記ストツパ板３１間に位置する上
記板材Ｐの一方の端部が定寸l₂で切り落とされ
る。

上記ストツパ板３１を退入せしめて板材Ｐをシ
ヤー２の右方へ通過せしめる。続いてコンベア１
を逆転して上記板材Ｐを図の左方へ搬送するとと
もに、ストツパ装置３Ａのストツパ板３１をコン
ベア１上に進出せしめる。この場合にも不揃いの
前端はストツパ板３１に当接して横一線に揃えら
れ、続いてシヤー２を作動せしめると、これと上
記ストツパ板３１間に位置する板材Ｐの他方の端
部が定寸l₁で切り落とされる。

この場合、各ストツパ装置３Ａ，３Ｂのシヤー
２に対する相対位置を適当に変更すれば上記定寸
l₁、l₂を適宜調整することができる。

ストツパ板３１は直線的に出退自在にストツパ
装置３Ａ，３Ｂに保持されているから保持部を長
く確保でき、板材Ｐ当接時の衝撃に十分耐える強
固な支持が実現される。

［効果］ 以上の如く、本考案の切り落とし装置によれ
ば、特に複数の乱尺板材の端部切り落としを人手
によらず効率的に行なうことができる。

［実施例］ 第１図において、ローラコンベア１は複数の乱
尺板材Ｐを長手方向に並列して搬送する。上記コ
ンベア１はコンピユータを内蔵する制御装置４の
指令信号により正逆転せしめられる。コンベア１
は途中シヤー２を通過しており、該シヤー２は上
下の刃を有する公知の構造のもので、切断線は図
のＣにある。

上記シヤー２に対向して、コンベア１の近傍に
はこれに沿つて一対のストツパ装置３Ａ，３Ｂが
設けてあり、これらストツパ装置３Ａ，３Ｂは上
記切断線Ｃを挟んで前後に位置している。各スト
ツパ装置３Ａ，３Ｂには、後述の構造によりコン
ベア１上に出退自在にストツパ板３１が設けてあ
る。これらストツパ板３１および上記シヤー２は
上記制御装置４の指令信号により作動せしめられ
る。

第２図ないし第４図にはストツパ装置３Ａ，３
Ｂの詳細を示す。

第２図において、ストツパ装置３Ａ，３Ｂはコ
ンベア１に沿つて設けた支持架台５上に移動自在
に載置されている。すなわち、ストツパ装置３
Ａ，３Ｂは可動載台３２を有し、該載台３２は両
側部のガイド穴を上記架台５に設けたガイド棒３
３（第３図）に摺動自在に嵌合せしめてある。そ
して、中央に設けたネジ穴に移動駆動用ネジ棒３
４が螺合せしめてあつて、各ネジ棒３４を回転せ
しめるとストツパ装置３Ａ，３Ｂはコンベア１に
沿う方向へ移動しシヤー２との相対位置が変更さ
れる。ネジ棒３４はベルト３４１により駆動用モ
ータ３４２に連結され、これにより回転駆動され
る。

上記載台３２上には移動方向と直交するように
支持ブラケツト３５が設けてあり、該ブラケツト
３５はＣ字状の断面を有して角柱状支持アーム３
６を直線的に摺動自在に包持している。そして、
該支持アーム３６の、上記シヤー２に対向する先
端部に上記ストツパ板３１が取付けてある。スト
ツパ装置３Ａ，３Ｂの各ストツパ板３１は、第２
図に示す如く、互いに対向しており、ストツパ装
置３Ａのストツパ板３１はシヤー２の切断線Ｃと
間隔l₁を成し、一方、ストツパ装置３Ｂのストツ
パ板３１は間隔l₂を成している。

上記ブラケツト３５の背面には駆動用シリンダ
３７が設けてあり、該シリンダ３７のロツド３７
１は上記支持アーム３６に連結してあつて（第３
図）、これにより支持アーム３６はコンベア１の
搬送ラインを横切るようにシヤー２内に進出せし
められる（図中鎖線）。

上記構造の切断装置において、制御装置４は最
初ローラコンベア１を正転せしめて乱尺材Ｐを第
１図の右方に搬送せしめる。この時にはストツパ
装置３Ｂのストツパ板３１がシヤー２内へ進出せ
しめられる。不揃いの乱尺材Ｐの前端Ｐ１は、進
出している上記ストツパ板３１に当接し、ここで
前端Ｐ１が横一線に揃えられる。この時の板材Ｐ
の当接による衝撃に対して、ストツパ板３１を設
けた支持アーム３６は十分な長さで支持ブラケツ
ト３５に保持されているから十分な強度を有す
る。制御装置４は図略のセンサにより板材Ｐの到
達を検知してコンベア１を停止し、上記ストツパ
板３１を退入せしめた後、シヤー２を作動せしめ
る。これにより、板材Ｐの一方の端部は定寸l₂で
切り落とされる。

この後、コンベア１を再度正転せしめ、板材Ｐ
をシヤー２の右方へ通過せしめる。続いて、スト
ツパ装置３Ａのストツパ板３１を進出せしめて、
コンベア１を逆転せしめる。板材Ｐは今度は第１
図の左方に移動し、進出した上記ストツパ板３１
に当接して不揃いの前端が揃えられる。この状態
でコンベア１を停止してシヤー２を作動せしめる
と、上記板材Ｐの他方の端部が定寸l₁で切り落と
される。

このように本考案の切り落とし装置によればス
トレツチヤーの圧痕が生じた長尺板材の両端部を
一定寸法で効率良く切り落とすことができ、特に
乱尺材に使用してその効果が著しい。

なお、上記寸法l₁、l₂はストツパ装置３Ａ，３
Ｂを移動して任意に変更可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は切り落とし装置の全体平面図、第２図
はストツパ装置の部分断面側面図で断面は第１図
の−線に沿うもの、第３図は第２図の−
線に沿う部分断面図、第４図は第２図の−線
に沿う要部部分断面図である。 １……コンベア、２……シヤー、３Ａ，３Ｂ…
…ストツパ装置、３１……ストツパ板、３２……
可動載台、３３……ガイド棒、３４……ネジ棒、
３４１……ベルト、３４２……駆動用モータ、３
５……支持ブラケツト、３６……支持アーム、３
７……駆動用シリンダ、４……制御装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の長尺板材を並列して長手方向に搬送する
   正逆転可能なコンベアと、上記コンベアの途中に
   設けたシヤーと、上記コンベアに沿う位置で上記
   シヤーに対し板材搬送方向の前後位置に設けら
   れ、それぞれ上記コンベアに沿つて移動可能でシ
   ヤーに対する相対位置を変更自在となし、かつ、
   それぞれコンベア上に直線的に出退自在にストツ
   パ板を保持した一対のストツパ装置と、上記コン
   ベアを駆動するとともに、搬送される板材に対し
   てシヤーの後方側となるストツパ装置のストツパ
   板をコンベア上に進出せしめてこれに上記板材の
   前端を当接せしめ、上記シヤーを作動せしめて上
   記ストツパ板とシヤー間に位置する板材端部を切
   り落とす制御装置とを具備する長尺板材端部の切
   り落とし装置。