JP2513719B2 - 複写情報変更機能を備えた複写機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （ａ）産業上の利用分野 この発明は、オペレータが入力した複写枚数、複写倍
率および用紙サイズなどの複写情報に基づいて原稿の画
像を複写する複写機に関する。

（ｂ）従来の技術 一般に、電子写真法を用いた複写機では、プリントス
イッチが操作されたのち所定時間だけ感光体の回転、チ
ャージの駆動および現像バイアスの駆動を行い感光体表
面を安定化する前回転と呼ばれる予備動作を実行する。
こののち光学系装置により原稿の画像を走査し、感光体
表面に静電潜像および現像剤画像を形成し、これを用紙
上に転写する。一方、同一の原稿の画像を複数複写する
場合に、一枚毎にプリントスイッチを操作するのでは作
業が煩雑になるため、従来の複写機ではテンキー等の操
作により複写枚数を入力てきる。また、原稿の画像を拡
大または縮小して複写できる変倍複写機では、倍率変改
キーの操作により複写倍率を入力することができる。さ
らに、それぞれ単一サイズの用紙を収納した用紙カセッ
トを複数装着し、用紙選択キーの操作により、複数の用
紙カセットの何れかから用紙を給紙できるようにしたも
のもある。

以上のように、従来の複写機では作業の簡略化および
多機能化の要請に従い、オペレータが入力した複写枚
数、複写倍率および用紙サイズなどの複写情報に基づい
て複写プロセスが行われる。

（ｃ）発明が解決しようとする問題点 以上のように、多数の複写情報を設定入力できる複写
機では、複写作業の開始前にオペレータが設定されてい
る複写情報の確認を怠ると前回の複写作業時に設定され
た複写情報のまま今回の複写作業が実行されてしまう。
このような状況において複写作業の開始後にオベレータ
が複写情報の誤りに気づいた場合、従来の複写気では複
写作業を中断し、モータなどの装置の動作を一時停止し
た後複写情報を訂正し、プリントスイッチの操作により
再度前回転を実行して複写作業を行うようにしていた。
このように、オペレータが複写情報の誤りに気づいたの
ち、オペレータが所望する複写情報での複写作業が開始
されるまでの間に前回転が行われるため、複写作業が長
時間化する欠点があった。

この発明の目的は、複写作業の中断中に複写情報を入
力可能な状態で前回転を実行しておくことにより、複写
情報の訂正終了後に前回転を実行することなく直ちに複
写作業を開始し、作業を短時間化する複写情報変更機能
を備えた複写機を提供することにある。

（ｄ）問題点を解決するための手段 この発明は、複写動作開始前に光学系を駆動すること
なく感光体を含む複写プロセス部を駆動する予備動作を
実行する複写機において、 複写動作開始後に複写情報の変更を指示する情報変更
手段と、 情報変更手段により複写情報の変更が指示された際に
複写情報の入力を可能にして予備動作状態での駆動を継
続する予備動作継続手段と、 予備動作継続手段による予備動作の実行中に複写動作
を再開する複写再開動作と、を設けたことを特徴とす
る。

（ｅ）作用 この発明においては、情報変更手段により複写情報の
変更が指示されると、予備動作継続手段により複写情報
を入力可能な状態で予備動作が実行される。この予備動
作継続手段による予備動作の実行中に複写再開手段が有
効にされると、直ちに複写動作が再開される。したがっ
て、複写動作開始後に複写情報を変更する場合には、先
ず情報変更手段により複写情報の変更を指示する。これ
によって複写情報を入力可能な状態で予備動作が実行さ
れる。複写情報入力後に複写再開手段を有効にすると、
複写動作の開始時に必要な予備動作はすでに実行されて
いるため、複写動作が直ちに再開される。

（ｆ）実施例 第２図は、この発明の実施例である複写情報変更機能
を備えた複写機の構成を示す正面断面の略図である。

複写機本体24の内部中央部には感光体ドラム１が矢印
Ａ方向に回転自在に支持されている。この感光体ドラム
１の外周部近傍には帯電チャージャ２、現像装置３、転
写チャージャ４、剥離チャージャ５、クリーナ６および
除電ランプ７が設けられ、複写ブロセス部８を構成して
いる。複写機本体24の一方の側面には用紙トレイ９およ
び用紙カセット10a,10bが装着され、給紙ローラ11,12a,
12bとともに用紙給紙部13を構成している。また、複写
機本体24の他方の側面には、排紙トレイ14が装着され排
紙部15が構成されている。この用紙給紙部13から複写プ
ロセス部８を経由して排紙部15に至る間にタイミングロ
ーラ16、搬送ベルト17および定着ローラ18が設けられ、
用紙搬送路19が構成されている。

複写機本体24の上面には硬貨透明ガラス体の原稿台20
が設けられている。原稿台20の下面にはコピーランプ2
1、ミラー22a〜22dおよびレンズ23からなる光学系装置2
5が備えられている。コピーランプ21は原稿台20上に載
置された原稿の画像に光を照射し、この光の原稿からの
反射光が図中破線で示すように感光体ドラム１の表面に
配光される。複写プロセス時において光学系装置25のコ
ピーランプ21およびミラー22a〜22cは原稿台20の下面を
往復移動し、コピーランプ21は原稿の全面について光を
照射する。

第１図は、上記複写情報変更機能を備えた複写機の制
御部のブロック図である。

CPU31にはI/Oインターフェイス34を介してパネルコン
トローラ35から操作パネル51に配されたプリントスイッ
タ52、テンキー53、倍率変換キー54および用紙選択キー
55などの操作データが入力される。CPU31はパネルコン
トローラ35から入力された操作データに応じてROM32に
予め書き込まれた処理プログラムに従ってモータドライ
バ36、チィージャドライバ37、現像バイアスドライバ3
8、ランプドライバ39およびクラッチドライバ40に制御
データを出力する。RAM33のメモリエリアの一部はこの
ときのワーキングエリアに割り当てられている。

モータドライバ36は制御データに従ってメインモータ
M1を駆動する。このメインモータM1は感光体ドラム１に
駆動力を供給する。また、モータM1の回転は後述するク
ラッチを介して現像スリーブ3a、給紙ローラ11,12a,12
b、タイミングローラ16、搬送ベルト17、定着ローラ18
および光学系装置25に伝達される。チャージャドライバ
37は制御データに従って帯電チャージャ２、転写チャー
ジャ４および剥離チャージャ５を駆動する。現像バイア
スドライバ38は現像スリーブ3aに現像バイアスを印加す
る。ランプドライバ39はコビーランプ21を点灯する。さ
らにクラッチドライバ40はミラーフィードクラッチ41、
ミラーリターンクラッチ42およびベースストップクラッ
チ43を駆動する。

ミラーフィードクラッチ41がオンすると、メインモー
タM1の回転により光学系装置25は原稿台20の下面を矢印
Ｃ方向に往動する。ミラーリターンクラッチ42がオンす
ると、メインモータM1の回転により光学系装置25は矢印
Ｄ方向に復動する。ペーパストップクラッチ43がオンす
るとタイミングローラ16が回転し、給紙部13から給紙さ
れた用紙が複写プロセス部８内に搬入される。

また、第３図は示すように、RAM33のメモリエリアMA1
〜MA3のそれぞれには複写枚数Ｘ、複写倍率２および用
紙サイズ３の複写情報がそれぞれ記憶される。また、メ
モリエリアMA4およびMA5はそれぞれカウンタＣおよびタ
イマＴに割り当てられている。このカウンタＣおよびタ
イマＴについては後述する。

第４図（Ａ）および（Ｂ）は、上記複写機の制御部の
処理手順を示すフローチャートである。

複写機本体24に電源が投入された後にウォーミングア
ップが完了すると、複写情報の入力を可能にしてプリン
トスイッチ52の操作を待機する（n1,n2）。この間に入
力された複写枚数Ｘ、複写倍率Ｚおよび用紙サイズＳの
複写テータはRAM33のメモリエリアMA1〜MA3のそれぞれ
に記憶される。プリントスイッチ52が操作されると（n
2）、メモリエリアMA4に割り当てられたカウンタＣの内
容を複写枚数Ｘにする（n3）。こののちメインモータM
1、チャージャ2,4,5および現像バイアスをオンし（n
4）、複写プロセスの開始に先立つ前回転を行う。この
前回転の実行により感光体ドラム１の表面は安定した状
態になる。このとき図外のブランクランプが感光体ドラ
ム１の全面にわたって駆動されるため、感光体ドラム１
には静電潜像が形成されず、現像剤は消費されない。

前回転の状態で所定時間が経過するか、または、感光
体が所定回数回転すると（n5）、カウンタＣの内容をデ
クリメントするとともに（n6）、給紙部13から用紙を給
紙する（n7）。さらにコビーランプ21を駆動し（n8）、
ミラーフィードクラッチ41をオンして光学系装置を矢印
Ｃ方向に往動させる（n9）。このとき、ペーパストップ
クラッチ43はオフされたままであり、給紙部13から給紙
された用紙はその前端部をタイミングローラ16に当接し
て停止する。

光学系装置25が矢印Ｃ方向に移動することによって原
稿台20上に載置された原稿の画像がコピーランプ21によ
り走査される。コピーランプ21の光は原稿の画像面で反
射し、この反射光が第２図中破線で示すように感光体ド
ラム１の表面に配光される。この感光体ドラム１の回転
に同期してペーパストップクラッチ43がオンされ、タイ
ミングローラ16の回転により用紙が複写プロセス部８内
に搬入される（n10）。複写プロセス部８に搬入された
用紙に対して転写チャージャ４からコロナ放電が行わ
れ、感光体ドラム１上に形成された現像剤画像が用紙上
に転写される。現像剤画像を転写した用紙は搬送レベル
17により定着ローラ18に導かれ、加熱および加圧を受け
て外部に排出される。

光学系装置25が原稿の終端に達するとミラーリターン
クラッチ42がオンされ、光学系装置25は矢印Ｄ方向に復
動する（n11）。これとともにコピーランプ21がオフさ
れ（n12）、一回の複写プロセスが終了する。ここでカ
ウンタＣの内容がチェックされ（n13）、カウンタＣの
内容が"0"でない場合には操作パネル51において何れか
のキーが操作されたか否かのチェックを行う（n14）。
カウンタＣの内容が“0"でない場合において複写プロセ
ス中にキー操作が行われなかった場合にはn6に戻る。こ
のようにしてn6〜n14を複写枚数Ｘに相当する回数だけ
繰り返し行い、オペレータが所望する枚数の複写画像を
形成する。

n14において操作パネル51の何れかのキーが操作され
ていた場合には、直ちに用紙の給紙動作を停止し（n2
1）、タイマＴをオンする（n22）。このタイマＴは複写
プロセスの中断時間を所定時間ｔに規定する。このと
き、n11の処理により光学系装置25は所定位置に復帰
し、n12の処理によりコピーランプ21はオフしている
が、n15の処理を行っていないため、n4で駆動したモー
タM1、チャージャ2,4,5および現像バイアスの駆動は継
続している。したがって、n14からn21に進んで時点で、
n4,n5の前回転と同じ予備動作の状態になっており、複
写プロセスの中断中は予備動作が継続される。タイマＴ
が所定時間ｔを計時するまでに複写情報が入力されると
（n23,n30）、タイマＴの内容をクリアし（n24）、これ
とともに現在設定されている複写枚数Ｘ、複写倍率Ｚお
よび用紙サイズＳをメモリエリアMA1〜MA3のそれぞれに
記憶する（n25）。さらに、カウンタＣの内容を複写枚
数Ｘにし、タイマＴがタイムアップするまでプリントス
イッチ52の操作を待機する（n27,n28）。

タイマＴが時間ｔを計時する前にプリントスイッチ52
が操作されるとn6に戻り、変更された複写情報にしたが
って、複写ブロセスが実行される。タイマＴが時間ｔを
計時するまねにプリントスイッチ52が操作されなかった
場合にはn29でモータM1、チャージャおよび現像バイア
スをオフしてn1に戻る。また、複写情報が入力されるこ
となくタイマＴが所定時間ｔを計時した場合にはn6に戻
り、もとの複写情報に基づいて複写プロセスを実行す
る。

以上においてn14がこの発明の情報変更手段に相当しn
14、n21〜n23,n30が同じく予備動作継続手段に相当し、
n27が同じく複写再開手段に相当する。以上のようにし
てこの発明によれば、n6〜n14の通常の複写プロセス実
行中に操作パネル51上のキーが操作されると、給紙動作
が停止される。これによってモータM1、帯電チャージャ
２、転写チャージャ４、剥離チャージャ５および現像バ
イアスがオンされた状態で複写プロセスが中断される。
このようにメインモータM1、チャージャおよび現像バイ
アスがオンされた状態は複写プロセスの開始時に実行さ
れる前回転の状態であり、複写プロセス中断中に前回転
を実行しておくことにより次に複写プロセスが再開され
るときに所定回数または所定時間の前回転を実行する必
要がなく、直ちに複写プロセスを再開できる。

なお、本実施例では複写プロセス実行中にテンキー5
3、倍率変換キー54または用紙選択キー55の何れかが操
作された際に予備動作継続手段が有効にされるようにし
たが、上記キーのうち何れか１つが操作されたときのみ
予備動作継続手段が有効にされるようにしてもよく、ま
た特定のキーを別に設けてもよい。

（ｇ）発明の効果 この発明によれば、複写動作開始後に複写情報の誤り
に気づいた際、情報変更手段により複写情報の変更を指
示することにより予備動作継続手段が有効にされる。こ
の予備動作継続手段は複写情報を入力可能な状態で予備
動作を実行するため、複写情報を入力後に複写再開手段
により複写動作を再開する際には予備動作を改めて実行
する必要がない。このため、複写動作の再開時に予備動
作の実行を省略できるため複写作業時間を短縮すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例である複写情報変更機能を備
えた複写機の制御部のブロック図、第２図は同複写機の
構成を示す正面断面の略図、第３図は同複写機の制御部
の一部を構成するRAMの要部メモリマップ、第４図
（Ａ）および（Ｂ）は同複写機の制御部の処理手順を示
すフローチャートである。 52……プリントスイッチ、53……テンキー、 54……倍率変換キー、55……用紙選択キー。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複写動作開始前に光学系を駆動することな
   く感光体を含む複写プロセス部を駆動する予備動作を実
   行する複写機において、 複写動作開始後に複写情報の変更を指示する情報変更手
   段と、 情報変更手段により複写情報の変更が指示された際に複
   写情報の入力を可能にして予備動作状態での駆動を継続
   する予備動作継続手段と、 予備動作継続手段による予備動作の実行中に複写動作を
   再開する複写再開手段と、を設けてなる複写情報変更機
   能を備えた複写機。