JP2512937B2 - 膜型気液接触装置 - Google Patents

膜型気液接触装置

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JP2512937B2 JP62091042A JP9104287A JP2512937B2 JP 2512937 B2 JP2512937 B2 JP 2512937B2 JP 62091042 A JP62091042 A JP 62091042A JP 9104287 A JP9104287 A JP 9104287A JP 2512937 B2 JP2512937 B2 JP 2512937B2
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真 宮下
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D19/00Degasification of liquids
    • B01D19/0031Degasification of liquids by filtration

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は膜を介して液体と気体を接触せしめ、液体中
への気体の溶解もしくは液体中に含有する気体の放出も
しくはこれらの溶解と放出とを同時に行なわしめること
を目的とした気液接触装置に関するものであり、特徴的
な気体透過特性を有するポリ(4−メチルペンテン−
1)を主要成分とする中空糸膜をガス交換膜とする気液
接触装置に関する。
本発明は、例えば医薬品、食品産業に於る酵母や好気
性菌といった微生物の培養に於る酸素供給、好気性菌に
よる廃水処理に於る酸素供給、化学工業、医薬品工業に
於る空気酸化、オゾン酸化、養魚、魚類の運搬に於る酸
素供給、水耕栽培に於る培養液への酸素供給、美顔用、
健康飲料用の高酸素水の製造、また気体中の一種以上の
成分を液体へ溶解させる事により除去する用途として例
えば廃ガス浄化に於るSOx,NOx,H2S等の除去、発酵メタ
ンガスよりのCO2除去、また液体の脱ガスの用途として
例えばボイラー供給水や逆浸透膜への供給液の脱酸素、
微生物培養液からのCO2除去、排水中の有機溶剤の除
去、また気体の溶解と放出同時に行なう用途として例え
ば微生物培養に於るO2供給とCO2除去等の産業分野に利
用できる。
〔従来の技術〕
気液接触によりガス交換を行なう方法として、膜法
(隔膜接触法)の他に気泡塔、充填塔、濡れ壁塔、瀑気
法その他数多くの方法があり、それぞれ目的に応じて使
い分けられている。しかし膜法以外のこれらの方法は、
装置容積当りの物質移動速度が小さく装置が大型になる
事の他に、気泡の上昇や液滴の落下による衝撃や過度の
攪拌を嫌う場合(例えば細胞培養)、泡の発生を嫌う場
合(例えば界面活性剤を含有する系)、液体系からの香
気成分の散逸を嫌う場合(例えば発酵)、臭気の発散を
嫌う場合(例えば廃水処理)、雑菌の混入を嫌う場合
(例えば微生物の培養)等の用途に適用できないという
欠点があった。
隔膜接触装置に用いられる膜としては、従来シリコン
ゴムチューブ(特公昭58-20261)、ポリプロピレン多孔
質中空糸(特開昭55-1816)、ポリ四フッ化エチレン(P
TFE)多孔質チューブ、ポリスルホン多孔質中空糸(H.Y
ASUDA等;Journal of Applied Polymer Science,16,595-
601(1972))等が知られている。しかるに、シリコン
ゴムチューブは気体の透過速度が遅く、かつ細い中空糸
の製造が困難な為、装置がかさばる、耐圧が小さく(特
に中空糸外部を加圧する場合)加圧による透過速度の増
加を計れない等の欠点を有していた。又多孔質膜は気体
透過速度に於てシリコンゴムチューブより優れるもの
の、気泡の発生が生じ易くやはり加圧に制限がある事、
長期間使用すると膜面の汚れにより液が細孔内に侵入・
閉そくし、気体透過速度が激減する事、同様の理由で界
面活性剤を含む系や有機溶媒系に使用できない事等の欠
点を有していた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者等は上記欠点が除かれた、コンパクトでかつ
適用範囲が広い装置を可能にする為には、膜の性能の向
上が先ず必要であると考え、構造的にはシリコンゴムチ
ューブに類似の非多孔質膜として機能しながら、しかも
気体透過速度に於て多孔質に優る膜を開発する事を目的
として鋭意検討した結果本発明に到達した。
〔問題点を解決する為の手段〕
即ち、本発明の要旨とするところは、ポリ(4−メチ
ルペンテン−1)を主要成分とする材料より成り、25℃
における見掛の酸素透過係数P′(O2)が4×10-9[cm
3(STP)・cm/cm2・sec・cmHg]以上であり、かつ25℃
における酸素と窒素の分離係数α(O2/N2)が1.1以上で
ある中空糸膜をガス交換膜とする事を特徴とする気液接
触装置である。
そしてこの装置は、液体が特に水または水を含有する
液状物であり、気体が特にO2,O3,N2,CO,CO2,NH3,H2S,SO
x,NOx,メルカプタン,ハロゲン,ハロゲン化水素,低
級アルコール,ケトン,低級炭化水素又はこれらの混合
物である場合に適した気液接触装置である。
この種の装置に利用されるガス交換膜は、その断面構
造により分類すれば、細孔が膜の表裏に連通しているも
の(連通孔膜)と連通していないもの(非連通孔膜)に
大別される。従来使用されているポリプロピレン、PTFE
等の多孔質膜は連通孔膜である。非連通孔膜は細孔が全
く存在しないもの(均質膜、シリコンゴムチューブはこ
れに属する)と、細孔が存在していてもそれが表裏に連
絡していないもの(非対称膜)に分けられる。そして、
この非対称膜には、多孔質部分と非多孔質部分が同一の
素材から成る不均質膜と、両部分が別の素材で構成され
た複合膜がある。
長期間の使用に耐え、また界面活性剤等を含有する液
体に対しても安定して使用可能ならしめるには、非連通
孔膜が目的に合致する。しかしながら非連通孔膜は気体
が溶解拡散機構で透過する為、透過速度が多孔質膜に比
べて劣るのが常である。即ちこれまで一般に知られてい
るところでは、膜を介しての気体の水への溶解速度は多
孔質膜>複合膜>非多孔均質膜である。
本発明において使用する中空糸膜は、膜壁内に微細な
空隙(ボイド)を含有するものの膜の少なくとも一表
面、即ち中空糸の外表面、内表面の一方もしくは両方に
実質的に細孔が開口していないいわゆる不均質膜の構造
を持つ。この構造により液の細孔内への侵入による透過
性能の低下が防がれる。
従来、この様な不均質膜や複合膜は気液系での気体透
過速度即ち液体への気体溶解速度や液体からの気体放出
速度の点で連通孔を持つ多孔質膜に劣るものであった。
しかしながら本発明者等は、膜が特徴的な気体透過特性
を持つポリ(4−メチルペンテン−1)を主要成分とす
る膜である場合に、特異的に気液ガス交換速度が高くな
る事を見出した。非連通孔膜の場合には気体が高分子化
合物中を溶解・拡散により透過するのであるから、この
様に非連通孔膜が、気体が体積流で移動・透過する連通
孔膜より高い透過速度を示すのは驚くべきことである。
さらに、本発明に用いる膜は、ポリプロピレンその他の
多孔質膜上に非多孔質層を形成した、いわゆる複合膜
や、膜素材が例えばポリプロピレンのような同じオレフ
ィン系樹脂からなる不均質膜に比べても、気液系に於て
高い透過速度を示す事も注目に値する。
膜の構造即ち膜壁内部の空隙の存在や膜表面に於る細
孔の開口状態は、ある程度走査型電子顕微鏡(SEM)に
よって観測可能であるが、細孔が微細である事や観察範
囲が狭小である事等の理由によりSEM観察を膜の構造や
性能の特定に用いるのは適当でない。膜壁内部の空隙の
存在量や膜の表裏を連通する細孔(ピンホール)の存在
の程度は酸素及び窒素の見掛の気体透過係数と分離係数
を測定することにより明確に判定できる。即ち膜内部に
空隙や細孔が存在する場合には気体が溶解・拡散により
透過すべき実質的な膜の厚みが減少し、次式で算出され
る見掛の酸素透過係数P′(O2)が、素材の酸素透過係
数P(O2)(=1.6×10-9[cm3(STP)cm/cm2・sec・cm
Hg])より大となる。ここで見掛の透過係数とは膜厚と
して空隙を含んだ見掛の膜厚を用いて算出した透過係数
の事である。測定はASTM D1434に準拠して行なう。また
見掛の膜厚は中空糸断面を光学顕微鏡観察により測定で
きる。
但しV:透過したガスの体積〔cm3(STP)〕 l:見掛の膜厚 〔cm〕 A:膜面積 〔cm2〕 t:透過に要した時間 〔sec〕 Δp:膜表裏の圧力差 〔cmHg〕 本発明に用いる事のできる膜は、P′(O2)が4×10
-9〔単位は前出に同じ〕以上のものであり、より好まし
くは1×10-8以上である。P′(O2)が4×10-9より小
さい膜は気体交換の速度が小さく、装置がかさばりメリ
ットが少ない。
膜の表裏に連通した細孔(ピンホール)の有無と存在
量は酸素/窒素の分離係数α(O2/N2)の測定により判
定できる。ここで 連通孔が存在しない場合にはα(O2/N2)は、加工条
件により異なるものの3.6〜5.0を示す。一方連通孔を通
って気体が膜を透過する場合には例えば仲川:高圧ガ
ス,18(9),471(1981)に記載されている様にα(O2
/N2)は、酸素の分子量割る窒素の分子量の平方根の逆
数で表されるので、(28/32)1/2=0.94となる。従って
両機構が並存する場合には、α(O2/N2)はこの中間の
値となるが、連通孔を透過する速度は溶解・拡散機構で
透過する速度に比べ103〜104倍速いから、わずかな連通
孔の存在でもα(O2/N2)は急激に低下する。本発明に
用いる事のできる膜はα(O2/N2)が1.1以上のものであ
る。混合気体から特に選択的に一種(もしくはそれ以
上)の気体を溶解させる場合にはα(O2/N2)が高い事
が好ましい。
本発明に用いる中空糸の内径は、70〜500μmである
事が好ましい。70μm以下では中空糸の内側に流す気体
又は液体の圧力損失が大きく、動力費がかさむ。500μ
m以上では見掛の透過係数の大きな膜を製造する事が困
難になると共に、装置体積当りの膜表面積が小さくな
り、装置のコンパクト化という面での利点が無くなる。
内径は装置の寸法や目的に応じて選ぶ事ができる。
膜厚は、中空率にして30〜90%にするのが好ましい。
ここに 中空率が30%以下では内径に比し表面積が小さく効率が
悪い。90%以上では直径に比し膜厚が薄く力学的強度が
低下し、破損を生じる確立が高くなると共に耐圧も低下
する。
本発明に用いる中空糸膜は、ポリ(4−メチルペンテ
ン−1)を主要成分とする事を一つの特徴とするもので
ある。該膜がポリプロピレン多孔質膜やPTFE多孔質膜、
それにこれらの多孔質膜上に非多孔質層を形成したいわ
ゆる複合膜や、膜素材が例えばポリプロピレンのような
同じオレフィン系樹脂からなる不均質膜に比べて、気液
系に於て特異的に大きな気体透過速度を示す理由は不明
であるが、素材の持つ基本的な特性、例えば大きな気体
透過係数(P(O2)=1.6×10-9,単位は前出)や小さ
な表面エネルギー(約24dyne/cm)に帰因するのであろ
う。従って本発明に用いる中空糸の素材はポリ(4−メ
チルペンテン−1)を主要成分とすれば良く、膜の物性
値に大きな影響を与えない範囲で他の物質を含有する事
ができる。即ちポリ(4−メチルペンテン−1)を70体
積%以上含有する組成物を本発明に用いる事ができる
し、酸化防止剤や防黴剤、生物の付着防止剤等の添加物
を適量混合しても良い。また4−メチルペンテン−1 70
モル%以上と他のモノマーからなる共重合体も素材とし
て用い得る。さらに膜表面を変成する等(例えば特願昭
60-157031)の処理を加えたものも本発明に使用でき
る。
本発明に用いる事のできる膜は、例えば特開昭59-196
706,特開昭59-229320,特開昭61-101206,特開昭61-10122
7に開示されている製造方法で製造する事ができる。ま
た他の方法としては例えばポリ(4−メチルペンテン−
1)多孔質膜上にポリ(4−メチルペンテン−1)の非
多孔層をコートした複合膜を形成する方法(例えば特願
昭60-183899等)を挙げる事ができるし、それ以外の製
膜方法を採用することもできる。
次に、本発明装置の具体的な構造ないし形状を実施例
について述べると、第1図の縦断面図がその概略図であ
る。
それを図に沿って説明すると、筒体(1)の内部に中
空糸膜(2)が繊維束状に挿入され、両端(3)で樹脂
により封止されており、膜の中空部分は両端面で開口し
ている。中空糸膜の中空部に液体を流す場合には、液体
は導入口(4)より入り、中空糸膜の中空部を流れた後
排出口(5)よりモジュールの外へ出る。気体は導入口
(6)よりモジュールに導かれ、中空糸外部を流れた後
排出口(7)よりモジュールの外へ出る。一方中空糸膜
外部空間に液体を流す場合は導入口(6)より液体を導
入し排出口(7)より排出する。気体は導入口(4)よ
り導入し中空糸膜の中空部を通過し排出口(5)より排
出される。勿論第1図の気液接触装置は1例に過ぎず、
目的、用途に応じて種々の型式が可能である事は言うま
でもない。例えば気体の排出口(5)又は(7)を持た
ず、供給気体は全量液体に溶解する形式のものであって
も良いし、又液体の脱ガスに当っては気体の導入口
(4)又は(6)を持たず気体の排出口(5)又は
(7)より真空ポンプで吸引する形式のものであっても
良い。さらに又、例えば特公昭58-20261に開示されてい
る様なケースを持たない形式のものであっても良い。
〔発明の効果〕
本発明は、多孔質膜型のガス交換装置の持っていた欠
点、即ち使用時間の制限や液体の種類の制限、使用条件
の制限を取除き、しかもシリコンゴムや複合膜により非
多孔膜型のガス交換装置の長所を保持しつつ、ガス透過
速度や耐圧に於る欠点を解決した事により、装置をコン
パクトにできると同時に、広汎な対象に使用できるとい
う利点を有している。とりわけ、本発明が、これまでに
知られていた非多孔質膜のみならず、多孔質膜や、膜素
材が例えばポリプロピレンのような同じオレフィン系樹
脂からなる不均質膜に比べても液体への酸素透過速度が
大巾に優れている事は驚くべきことである。
本発明が適用できる気体については特に制限は無く、
O2、O3、N2、CO、CO2、NH3、H2S、SOx、NOx、メルカプタン、ハ
ロゲン、ハロゲン化水素等気体一般に用いる事ができ
る。本発明はまた、例えばアルコール類、ケトン類、炭
化水素等の気体(蒸気を含む)にも利用できる。装置に
導く気体は純粋なものであっても良いし混合物であって
も良い。これらの気体の中で酸素及びその混合気体(空
気等)が実用上に於て特に重要である。
本発明が適用できる液体についても特に制限は無く、
水、酸、アルカリ、有機溶剤等であって良いが、産業
上、液体が水である場合が特に重要である。水は海水等
の溶液であっても良いし、微生物その他を分散させた分
散系であっても良い。
本発明の装置はまた、液体中へある気体を供給しつ
つ、液体に溶解している他の気体を取出す事もできる。
気体が膜を介して気相から液相へ移動するか、逆に液相
から気相へ移動するかはその気体の両相に於る分圧で決
定される。この機能は例えば微生物の培養に用い得る。
即ち培養液に酸素を供給しつつ同時に培養液から二酸化
炭素を抜出す事ができる。本発明の装置はこの機能に於
ても優れた性能を持っている。
〔実施例〕
以下実施例に沿って本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれらの例によって限定されない。
実施例1 メルトインデックス(ASTM D1238,260℃,5kg)26のポ
リ(4−メチルペンテン−1)を直径6mmの円環型ノズ
ルをいて紡糸温度290℃,引取速度120m/分、ドラフト20
0で溶融紡糸を行ない外径350μm、内径280μmの中空
糸を得た。この時ノズル下5〜35cmの範囲を温度18℃、
風速1.0m/秒の横風で冷却し、長さ4mの紡糸筒を経た後
ノズル下5.5mの位置で巻取った。得られた中空糸を温度
35℃、延伸倍率(DR)1.1でローラー糸を用いて連続的
に配向延伸し、続いてDR=1.3で延伸しつつ200℃の熱風
循環恒温槽中に導入し5秒間滞留させ熱処理を行なっ
た。熱処理された糸をさらにローラー系にて連続的に35
℃、DR1.2の冷延伸、150℃、DR1.3の熱延伸および200
℃、DR0.9の熱固定を行なう事により外径251μm、内径
201μm、見掛の膜厚25μmの中空糸膜を得た。この中
空糸膜は白色を呈しており、ボイドの発生が推定できた
がSEM(走査型電子顕微鏡)観察によれば、中空糸内外
表面共にSEM解像力(約50Å)以上の細孔は全く観察さ
れなかった。ASTM D1434(圧力法)により測定した気体
透過特性を第1表中に示す。
この中空糸膜20本(実効長10cm)を第2図に示した装
置に組込み、液体が中空糸膜の外表面に接する系での酸
素の溶解速度を測定した。第2図において、液体(水)
を満すケース(11)は、バルブ(19)(20)が付された
液体導入口(15)および液体排出口(16)が設けられて
おり、磁気攪拌機(12)上に配置されている。(13)は
攪拌子であり、(14)は酸素センサーである。繊維束状
の中空糸膜(21)は両端付近で樹脂封止部(23)により
束ねられており、主体部分が液体中に浸漬され、ゴム栓
(12)を介してケース(11)外にその開口端が出てお
り、気体導入口(17)および気体排出口(18)に接続さ
れている。
測定に当っては、中空糸膜の中空部に酸素を通じ、水
中の酸素濃度を酸素センサー(14)により測定した。測
定及び解析はYASUDA等;J.Appl.Polym.Sci.,16,595(197
2)に記載されている方法によった。測定は25℃恒温室
内で行ない溶存酸素濃度計として電気化学計器(株)社
製DOC-10型を用いた。また膜面積の計算に当っては、中
空糸外表面積を膜面積とした。
結果は第1表に比較例1,2,3と共に示した。比較例に
見られるこれまでのガス交換膜に比べて酸素溶解速度が
優れている事が判る。
実施例2 紡糸の引取速度が130m/分、ドラフト217、配向延伸の
延伸倍率が1.25、熱処理の延伸倍率が1.0である事以外
は実施例1と同じ方法で製造した中空糸膜は外径248μ
m、内径198μm、見掛の膜厚25μmであった。この中
空糸膜外表面および内表面のSEM写真を夫々第3図,第
4図に示す。中空糸外表面には直径50Å以上の孔はほと
んど認められず、内表面には一面に約0.3μmの細孔が
存在する。
この膜の気体透過特性並に実施例1と同法で測定した
水への溶解速度を第1表中に示した。比較例1,2,3に見
られるこれまでの膜に比べて水への酸素透過速度が大巾
に優れている事が判る。
実施例3 実施例2と同様の方法で紡糸した後、200℃でDR1.0、
1分の熱処理を行なって得た中空糸を、40℃のポリ(4
−メチルペンテン−1)0.5wt%、シクロヘキセン98.5w
t%、シクロヘキセノン1wt%の溶液に浸漬後ただちに10
0℃の熱風にて乾燥した。このコーティング操作を2回
行った後実施例1と同じ冷延伸、熱延伸、熱固定を行な
って得た中空糸膜は、外径275μm、内径221μm、見掛
の膜厚27μmであった。SEMによると中空糸外表面には
細孔は見られず、内表面には孔径約0.1μmの細孔が多
数観察された。実施例1と同じ測定を行なった結果を第
1表に示す。
比較例1 外径320μm、内径200μm、膜厚60μmのシリコンゴ
ムチューブを用いて実施例1と同じ試験を行なった。結
果を第1表中に示す。
比較例2 外径250μm、内径200μm、膜厚25μmのポリプロピ
レン多孔質中空糸膜(ポリプラスチックス社製)は、SE
Mにより内外表面共に約0.4μm×0.05μmの孔が多数観
測された。この膜を用いて実施例1と同じ試験を行なっ
た結果を第1表中に示す。
比較例3 外径250μm、内径200μmのポリプロピレン多孔質中
空糸(ポリプラスチックス社製)を、ポリシロキサン−
ポリカーボネート共重合体(ペトラーク社製)の2%ク
ロロホルム溶液に浸漬後乾燥し、これを3回繰返して複
合膜を得た。この膜を用いて実施例1と同じ試験を行な
った結果を第1表中に示す。
実施例4 実施例1と同じ系に於て、供給酸素圧力を変化させた
ところ14kg/cm2Gで膜が破裂したが、それ未満の圧力で
は気泡の発生も無く、膜型ガス交換機として問題なく働
いた。
比較例4 比較例1の均質膜を用いて実施例4と同じ耐圧テスト
を行なったところ、膜は6.2kg/cm2Gで破裂した。
比較例5 比較例2の多孔質膜を用いて実施例4と同じ耐圧試験
を行なったところ、約0.3kg/cm2G以上の圧力で膜面よ
り多数の気泡が発生し、膜型のガス交換装置として機能
しない事が示された。
実施例5 配向延伸の延伸倍率が1.0、熱処理の延伸倍率が1.5で
ある事以外は実施例1と同じ方法で中空糸膜を製造し
た、この中空糸は外径241μm、内径193μm、見掛の膜
厚24.0μmであり、SEM観察によれば中空糸外表面には
直径0.3μm程度の細孔が多数観察されたが、内表面に
はほとんど認められなかった。またASTM D1434(圧力
法)による気体透過特性はP′(O2)=2.9×10-8,α
(O2/N2)=2.7であった。
この中空糸10,000本を内径3.5cm、封止部を除く中空
糸の実効長20cmの第1図の形の装置に組込み、中空糸の
外側には空気を流量10l/分で流し、一方中空糸の内側に
N2バブリングで脱酸素した水を流量1/分で流し、排
出される水の溶存酸素濃度を測定したところ8.0ppmであ
りほぼ飽和の状態であった。
実施例6 実施例5に於て、脱酸素した水の代りに空気で飽和し
た通常の水道水を流し、導入口(6)及び排出口(7)
をドライ型真空ポンプにより10torrに減圧したところ排
出口(5)より排出される水の溶存酸素濃度は0.1ppm以
下であった。素材としてメルトインデックス9.0、密度
0.91のポリプロピレンを使用したこと、紡糸温度が240
℃であること、冷却風温度が9℃であること、配向延伸
倍率がDR=1.05であること、熱処理温度が145℃である
こと、冷延伸温度が23℃であること、熱延伸が85℃、DR
=1.5であること、および熱固定温度が140℃であること
以外は実施例1と同様の方法にて、外径242μm、内径1
93μm、見掛けの膜厚24.5μmの中空糸膜を得た。この
中空糸膜は白色を呈しており、SEM観察によれば中空糸
内外両表面ともに直径約0.2μmの細孔がまばらに存在
しており、また、表面が薄い非多孔質のフイルム状物で
被われたように見える直径0.2μmの細孔が多数存在す
ることが観察された。この膜の気−気系における気体透
過特性は、P′=2.8×10-8(単位は表1と同じ)、α
(O2/N2)=1.2(単位は表1と同じ)であった。
この中空糸を用いて、実施例1と同様の試験を行った
結果、気−液系での酸素溶解速度は2.0(単位は表1と
同じ)であった。また、この中空糸を用いて実施例5と
同様の装置を作成し、実施例6と同様の脱気試験を行っ
たところ、排出口(5)より排出される水の溶存酸素濃
度は0.8ppmであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例に係る装置の縦断面図であ
り、第2図は、本発明を評価するための測定装置の模式
図であり、第3図および第4図は、本発明装置の主要部
に相当する中空糸膜の表面の微細構造(即ち、細孔の形
状)を示すための走査型電子顕微鏡写真で、第3図は膜
の外表面を示し、孔の存在は観察されず、第4図は膜の
内表面を示し、約0.3μmの細孔が認められる。写真の
倍率は12,000倍で、写真の右下の短かい白線の長さが0.
5μmに相当する。 図中の符号は次の通りである。 1……筒体、2……中空糸膜、3……樹脂封止部、4…
…気体導入口、5……気体排出口、6……液体導入口、
7……液体排出口、11……ケース、12……磁気攪拌機、
13……攪拌子、14……酸素センサー、15……液体導入
口、16……液体排出口、17……気体導入口、18……気体
排出口、19,20……バルブ、21……中空糸膜、22……ゴ
ム栓、23……樹脂封止部。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体と気体とをガス交換膜を介して接触さ
    せ、夫々に含有されるガスのうちの特定種のガスを、膜
    を通して移動または相互に交換させる気液接触装置にお
    いて、ガス交換膜が、ポリ(4−メチルペンテン−1)
    を主要成分とする材料により成り、25℃における見掛け
    の酸素透過係数P′(O2)が4×10-9[cm3(STP)・cm
    /cm2・sec・cmHg]以上であり、かつ25℃における酸素
    と窒素の分離係数α(O2/N2)が1.1以上の中空糸膜であ
    ることを特徴とする気液接触装置。
  2. 【請求項2】液体が水または水を含有する液状物であ
    り、気体がO2、O3、N2、CO、CO2、NH3、H2S、SOx、NOx、メルカ
    プタン、ハロゲン、ハロゲン化水素、低級アルコール、
    ケトン、低級炭化水素、ハロゲン化炭化水素またはこれ
    らの混合物である特許請求の範囲第1項記載の気液接触
    装置。
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