JP2511394Y2 - 表示回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、定電流駆動表示回路に関するものである。

従来の技術 従来、マトリクス駆動表示回路は、一般的に第２図の
電子回路図で示すように構成されていた。

すなわち、交流電源１を電源トランス２で降圧し、２
次側出力をダイオードブリッジ３と平滑コンデンサ４で
整流・平滑し、定電圧回路５により安定化電源６を得、
制御回路７とマトリクス駆動表示回路24の電源としてい
た。なお８と９と10は出力用トランジスタ、11と12と13
は電流制限用抵抗、14と15と16と17と18と19は発光ダイ
オード、20と21は出力駆動用トランジスタ、22と23はベ
ース電流制限用抵抗である。

考案が解決しようとする問題点 しかし、これらの従来の回路では、マトリクス駆動表
示回路24の電源として安定化電源６を用いるため安定化
電源６の消費電力が多くなり大容量の定電圧回路５を必
要とし、また発熱量が多いため放熱板も必要であった。

また、マトリクス駆動表示回路24におけるトランジス
タ（８〜10、20〜21）のスイッチングにより前記安定化
電源６に発光ダイオード（14〜19）の点灯に同期したリ
ップルが発生し、微少信号回路に悪影響を与えていた。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記問題点を解決するため、表示回路の電
源として非安定化電源を用い、定電流駆動するようにし
たものである。

作用 本考案は上記構成により、定電圧回路の消費電力低減
を実現するとともに、電圧安定性を向上させることがで
きる。

実施例 第１図は本考案の一実施例の電子回路図を示す。ま
ず、交流電源25を電源トランス26で降圧し、２次側出力
をダイオードブリッジ27と平滑コンデンサ28で整流・平
滑し、非安定化電源29を得、マトリクス駆動表示回路49
の電源としている。次に定電圧回路30により安定化電源
31を得、Ｘ軸出力端子およびＹ軸出力端子を有する制御
回路（制御用マイクロコンピュータ）32の電源としてい
る。またＸ軸駆動用トランジスタである出力用トランジ
スタ（33〜35）のコレクタは前記非安定化電源29にそれ
ぞれ接続され、ベースは前記制御回路32に接続され、エ
ミッタは電流制限抵抗（36〜38）を介してそれぞれ発光
ダイオード（39〜44）のアノードに接続されている。ま
たＹ軸駆動用トランジスタである出力駆動用トランジス
タ（45〜46）のベースは電流制限用抵抗（47〜48）を介
して前記制御回路に接続され、エミッタはGndに接続さ
れ、コレクタはそれぞれ前記発光ダイオード（39〜44）
のカソードに接続されている。

例えば、トランジスタ33とトランジスタ45のみをONさ
せて発光ダイオード39を点灯させてみせると、トランジ
スタ33のベース電圧は制御回路32に接続されているので
ON時は安定化電源31の電圧と同レベルになる。トランジ
スタ33のベースにわずかなベース電流が流れる。すると
トランジスタの電流増幅作用により、トランジスタ33の
コレクタから電流が供給され、エミッタに接続した抵抗
36を介して発光ダイオード39に電流が流れることによ
り、発光ダイオード39が発光する。

ここで発光ダイオードに流れる電流値は、トランジス
タ33のベース電位と抵抗36によって決定され、非安定化
電源29の電圧には無関係となる。

仮に、発光ダイオード39に流れる電流が増えて、抵抗
36の電圧降下（抵抗値×電流）と発光ダイオード39の順
方向電圧降下の和の電圧が上昇し、トランジスタ33のベ
ース電圧に接近すると、トランジスタ33のベース電流が
減少し、エミッタ電流すなわち発光ダイオード39に流れ
る電流が減少する。逆に、発光ダイオード39に流れる電
流が減少して、抵抗36の電圧降下と発光ダイオード39の
順方向電圧降下の和の電圧が下降し、トランジスタ33の
ベース電圧から離れると、トランジスタ33のベース電流
が増え、エミッタ電流すなわち発光ダイオード39に流れ
る電流が増える。

トランジスタ33のベース電位が一定であることから、
上記作用により発光ダイオード39に流れる電流が一定に
保持され、発光ダイオードの輝度も一定となる。トラン
ジスタ（33〜35）のベース電圧さえ安定させておけば発
光ダイオード（39〜44）の輝度は安定する。

以上のように、本実施例によれば表示回路の電源とし
て非安定化電源を用い定電流駆動をすれば安定化電源の
消費電力が低減し、また表示回路の影響を受けなくなる
ので発光ダイオードの点灯に同期したリップルが無くな
り安定化電源の電圧安定性が向上する。

考案の効果 以上のように本考案は、表示回路の電源として非安定
化電源を用い定電流駆動すれば、定電圧回路の小容量化
が実現し放熱板も削減でき小型軽量化と共にコストダウ
ンを図れ、また安定化電源の電圧安定性の向上により、
微少信号回路に与えていた悪影響を解消できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるマトリクス駆動表示
回路の電子回路図、第２図は従来例のマトリクス駆動表
示回路の電子回路図である。 29……非安定化電源、30……定電圧回路、31……安定化
電源、49……マトリクス駆動表示回路。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】交流電源を入力とする電源トランスの２次
   側を整流して平滑した直流電源と、前記直流電源に定電
   圧回路を接続した安定化電源と、前記安定化電源にＸ軸
   出力端子およびＹ軸出力端子を有する制御用マイクロコ
   ンピュータを接続してなるマトリクス駆動表示回路にお
   いて、前記マトリクス駆動表示回路のＸ軸駆動用トラン
   ジスタのコレクタ端子を前記第一直流電源に接続し、同
   ベース端子を前記制御用マイクロコンピュータのＸ軸出
   力端子に接続し、同エミッタ端子に直列に抵抗と発光ダ
   イオードを介してＹ軸駆動用トランジスタに接続し、そ
   のＹ軸駆動用トランジスタのベース端子は抵抗を介して
   前記制御用マイクロコンピュータのＹ軸出力端子に接続
   した表示回路。