JP2510698Y2 - 蓄電池用液口栓 - Google Patents

蓄電池用液口栓

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JP2510698Y2
JP2510698Y2 JP1989096247U JP9624789U JP2510698Y2 JP 2510698 Y2 JP2510698 Y2 JP 2510698Y2 JP 1989096247 U JP1989096247 U JP 1989096247U JP 9624789 U JP9624789 U JP 9624789U JP 2510698 Y2 JP2510698 Y2 JP 2510698Y2
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、蓄電池用液口栓に関する。
〔従来の技術〕
従来の蓄電池用液口栓は、第4図に示す構造を有す
る。即ち、該蓄電池用液口栓Pは、中空筒状栓体Aを本
体とし、その栓体Aの頂壁aにガス排出孔Bを有し、そ
の内部に防沫機体を具備する中空孔を有し、更にその栓
体Aの上部外周面に該頂壁aより水平に突出する周突壁
Cを設けて成るものであるが、該周突壁Cの下面Dと該
栓体Aの上部外周基面Eとは互いに直角に交わる構造を
有する。換言すれば、該上部外周基面Eは、該周突壁C
の下面Dに対し垂直に交わる。Fは螺条部である。該液
口栓Pは、その栓体Aで蓄電池の電槽蓋に設けた液口螺
筒にその螺条部でねじ込み螺着し、その周突壁Cの下面
Dに環状パッキングを介して、該液口周縁の蓋頂面に液
密に圧着した状態で締付け結着され、電池の作動中、電
池内部に発生したガスを、該中空孔を通り、その間該防
沫機構体により酸霧を除去し、ガスのみを該頂壁aのガ
ス排出孔Bより外部に排出せしめるものである。
〔考案が解決しようとする課題〕
従来の上記の構造をもつ液口栓Pは、上記のように、
蓄電池の液口に極めて大きい締付け力で螺合結着されて
施され、この状態で電池が夏場などのようにその周辺の
温度が80℃以上の過酷な条件下で使用されると、そのう
ちに、該液口栓Pの該筒状栓体Aの上部外周基面Eに亀
裂が発生し、電解液が該亀裂を通じ外部に漏出する不都
合がしばしば見られた。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、かゝる従来の液口栓の欠点を解消し、上記
のような過酷な使用条件下でも、長期に亘り、亀裂、液
漏れを生じない蓄電池用液口栓を提供するもので、中空
筒状栓体の頂壁にガス排出孔を有し、その内部に防沫機
構体を具備する中空孔を有すると共に、その栓体の上部
外周面に水平に突出する周突壁を設け、且つ該周突壁の
下面と栓体の外周面に突設した螺条部との間に環状パッ
キングを嵌着して成る蓄電池用液口栓において、該周突
壁の下面に交わる該中空筒状栓体の上部外周基面を、そ
の下面と交わる方向において弯曲凹面に形成して成る。
〔作用〕
本考案は、該液口栓の該中空筒状栓体の上部外周基面
を弯曲凹面に形成し、この弯曲凹面で該周突壁の下面に
交わるようにしたことにより、かゝる該液口栓を、蓄電
池の電槽蓋に設けた内周面に螺条を施された液口螺筒に
ねじ込み、後記するように30kgf-cmと言う大きい締付け
トルクで螺着し、この状態で80℃以上の高温下に1000時
間の長時間置かれても、理由は明らかでないが、該液口
栓の該外周基面に亀裂が全く発生しない意外な結果が得
られた。また一方、同時に、該液口栓のねじ込みに伴
い、該環状パッキングは、その外周縁は自ら該液口の口
縁に圧着されて液密な封口をもたらす。この場合、該液
口栓の該中空筒状栓体の弯曲凹面をもつ上部外周基面に
施される環状パッキングの内周側面を、該弯曲凹面に合
致する弯曲凸面に形成したものを使用すれば、更に良好
な液密性の良い液口栓をもたらす。
〔実施例〕
次に、本考案実施の1例の鉛蓄電池用液口栓を第1図
及び第2図に基づき説明する。
図面で1は本考案の液口栓を示す。該液口栓1は、中
空筒状栓2を主体とし、該栓体2はガス排出孔3を穿設
した頂壁4を有し、その内部は、防沫機構体5を装備し
た中空孔6を有し、その栓体2の上部外周面に水平に突
出する周突壁7を設けて成る。通常、該栓体2と周突壁
7は、合成樹脂の一体成形体から成る。
該栓体2の頂壁4の上面には、中央にコインなどの嵌
合用凹溝8を有し、該ガス排出孔3は、該凹溝8の側面
に開口するように形成した。
該防沫機構5は、該中空筒状栓体2の中空孔6の開放
下面より挿入し、その筒状栓体2の下端周縁に係着自在
に装着したものであり、その中心軸5aよりその上下方向
に所定間隔を存し分岐する防沫板5bとから成る。9は、
該栓体2の外周面に設けた螺条を示す。該液口栓1は、
鉛蓄電池の電槽蓋に設けた液口の周壁の内周面に設けた
螺条に、即ち、液口螺筒にその螺条9をねじ込み、該液
口に大きい締付け力で螺着される。
この場合、該周突壁7の下面7aと交わる中空筒状栓体
2の上部外周基面11には予め環状パッキング10を嵌着し
ておき、上記の螺合締付け結着を行うとき、その周突壁
7は、液口栓1のその螺合締付けに伴い、その環状パッ
キング10を介して該液口の外周上面を押圧し、液口周面
を液密に封口結着するべく作用する。
以上の構成と作動は、従来の液口栓と変わりないが、
本考案によれば、該周突壁7の平坦水平下面7aと交わる
該中空筒状栓体2の上部外周基面11を、その下面7aと交
わる方向において弯曲凹面11aに形成したことを特徴と
する。
而して、この場合、該中空筒状栓体2の該弯曲凹面11
aに形成された上部外周基面11に、装着する環状パッキ
ング10をその該弯曲凹面11aに対面する内周側面を弯曲
凸面10aに形成したものを装着するように装着しておく
ことが好ましい。
本考案は、このように、該栓体2の該上部外周基面11
を該下面7aと交わる方向において弯曲凹面11aに形成す
ることにより、理由は明らかでないが、下記の比較試験
の結果が示すように、大きい締付けトルクで液口に大き
いトルクで締付け螺合結着し且つこの状態で80℃以上の
高温に長時間曝しても、従来の液口栓に生ずるような上
部外周基面11での亀裂は全く見られなかった。その理由
は明らかでない。
その比較試験例として、次のように連続高温放置試験
を行った。
本考案の液口栓と、上記従来の液口栓をサンプルとし
て多数個夫々使用し、これらを夫々の電池の液口に、締
付けトルクを5,10,15,20,25,30kgf-cmと色々に変えて螺
着した多数の電池を作製し、これらにつき80℃に1000時
間放置した試験と100℃に1000時間放置した試験とを行
った。
この結果、本考案の液口栓は、上記のいずれの高温放
置試験においても全く亀裂を生じなかったに対し、従来
の液口栓では、第3図(a)(b)の各グラフに示す如
き結果を得た。該図において●印は、亀裂発生ポイント
を示す。
即ち、80℃放置の場合は、600時間後締付けトルク30k
gf-cmのものが亀裂を生じ、700時間後は、締付けトルク
25kgf-cmのものが亀裂を生じた。100℃放置の場合は、4
00時間後締付けトルク30kgf-cmのものが亀裂を生じ、50
0時間後は、締付けトルク25kgf-cmのものが亀裂を生
じ、700時間経過すると、締付けトルクが更に低い20kgf
-cmのものでも亀裂を生じ、800時間経過すると、15kgf-
cmのものまで亀裂を生じた。
〔考案の効果〕
このように本考案による液口栓は、中空筒状栓体の上
部外周面に水平に突出する周突壁を設け且つ該周突壁の
下面と栓体の外周面に突設した螺条部との間に環状パッ
キングを嵌着した式の液口栓において、該周突壁の下面
と交わる該中空筒状栓体の上部外周基面を該下面と交わ
る方向において弯曲凹部に形成したので、かゝる液口栓
を、蓄電池の電槽蓋の液口螺筒に30kgf-cmと言う大きな
締付け力でねじ込み螺着し、且つこの状態で80℃以上の
高温の条件下に長時間置かれても、該液口栓の該上部外
周基部に亀裂を生じない予想外の顕著な効果をもたら
し、従来の液口栓の上記欠点を解消すると共に高温にお
いても気密性の確保された安定良好な電池をもたらす等
の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の液口栓の中央縦断面図、第2図は、
その半部裁断面、第3図(a)(b)は、夫々従来の液
口栓の使用状態における高温放置試験における亀裂発生
の状況を示すグラフ、第4図は、従来の液口栓の側面図
を示す。 1……液口栓、2……中空筒状栓体、3……ガス排出孔 4……頂壁、5……防沫機構体、6……中空孔 7……周突壁、7a……周突壁の下面、9……螺条 10……環状パッキング、10a……弯曲凸面、11……上部
外周基面 11a……弯曲凹面

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空筒状栓体の頂壁にガス排出孔を有し、
    その内部に防沫機構体を具備した中空孔を有すると共
    に、その栓体の上部外周面に水平に突出する周突壁を設
    け、且つ該周突壁の下面と栓体の外周面に突設した螺条
    部との間に環状パッキングを嵌着して成る蓄電池用液口
    栓において、該周突壁の下面と交わる該中空筒状栓体の
    上部外周基面を、その下面と交わる方向において弯曲凹
    面に形成して成る蓄電池用液口栓。
  2. 【請求項2】請求項1記載の該中空筒状栓体の該弯曲凹
    面をもつ上部外周面基面に、この基面に対面する内周側
    面をこの弯曲凹面に合致する弯曲凸面に形成した環状パ
    ッキングを装着して成る蓄電池用液口栓。
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