JP6722399B2 - 蓄電素子、及び蓄電素子の製造方法 - Google Patents

蓄電素子、及び蓄電素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電解液を注入可能な注液穴と該注液穴を塞ぐ注液栓とを有するケースを備えた蓄電素子、及び蓄電素子の製造方法に関する。
従来から、電極群を収容する電池容器に設けられた注液口が封止されている密閉型二次電池が知られている(特許文献1参照)。この密閉型二次電池は、図27及び図28に示すように、電池缶502と注液口503が設けられた電池蓋504とを有する電池容器501と、注液口503を封止する注液栓510と、電池蓋504と注液栓510との間に配置されてガスケットとして機能するスリーブ部材520と、を備える。注液栓510は、電池蓋504に沿って広がる鍔部511を有する筒状部材であり、金属製である。また、スリーブ部材520は、鍔部521を有する無底筒状部材であり、熱可塑性樹脂によって形成されている。
以上の密閉型二次電池500では、スリーブ部材520の筒状の部位が電池蓋504の注液口503に挿入された状態で、注液栓510の筒状の部位がスリーブ部材520の筒状の部位内に差し込まれる。そして、注液栓510の鍔部511を電池蓋504に向けて押し付けることで、注液栓510の鍔部511と電池蓋504(注液口周縁部)との間にスリーブ部材520の鍔部521が挟み込まれ、この状態で注液栓510の筒状の部位を拡径させることによって電池蓋504の注液口503が封止される。
近年、注液栓510と電池蓋504との間の気密性(密閉性)のさらなる向上が望まれている。しかし、上記の密閉型二次電池500では、注液栓510の鍔部511が、電池蓋504に沿って広がる形状であるため、鍔部511の周縁部に近づくほどスリーブ部材520の鍔部521を電池蓋504(注液口周縁部)に向けて押す力が小さくなり、その結果、前記周縁部に近づくほど注液栓510と電池蓋504との間の気密性が低下している。
特開2010−15867号公報
そこで、本実施形態は、注液栓と、該注液栓によって封止される注液穴を有し且つ該注液栓と共にケースを構成する壁部との間の気密性の高い蓄電素子、及び前記蓄電素子の製造方法を提供することを目的とする。
本実施形態の蓄電素子は、
電極体を収容するケースを備え、
前記ケースは、
前記電極体が収容される内部空間を画定する壁部であって、該ケースの外部空間と前記内部空間とを連通する注液穴が設けられた壁部と、
前記壁部の外側から前記注液穴を覆う頭部、及び前記頭部から延びて前記注液穴に挿入されている軸部を有する注液栓と、
前記軸部を囲い、且つ前記頭部と前記壁部の注液穴周縁部との間に配置されるシール部材と、
を有し、
前記頭部は、前記注液穴周縁部と対向する第一の対向面であって、前記軸部と隣接する第一領域と前記第一領域の外側で該第一領域に隣接する第二領域とを含む第一の対向面を有し、
前記第一領域は、前記軸部の延びる方向において前記第二領域より前記軸部の先端側に位置する。
かかる構成によれば、頭部と注液穴周縁部(壁部)との間において、第一の対向面の第一領域によって注液穴周縁部に向けて押圧されるシール部材の部位が軸部によって注液穴側への移動が規制されているために頭部の周縁部側(第二領域側)に寄っている。これにより、頭部の周縁部側の部位(第二領域)による注液穴周縁部へ向けたシール部材に対する押圧力が軸部側の部位(第一領域)による注液穴周縁部へ向けたシール部材に対する押圧力より小さくても、頭部と注液穴周縁部(壁部)との間の気密性が十分に確保される。その結果、注液栓と壁部との間の気密性が十分に得られる。
この場合、
前記第一領域は、前記軸部に近づくほど前記軸部の延びる方向における前記軸部の先端側に位置してもよい。
かかる構成によれば、第一領域が軸部に近づくほど該軸部の先端側に位置しているため、シール部材が第一領域の軸部側の部位によって注液穴周縁部(壁部)に向けて強固に押圧されることで該部位と注液穴周縁部との間の気密性を確保しつつ、第一領域の外側の領域(頭部の周縁部側の領域)によってシール部材が押圧されて第二領域側に寄ることで第二領域と注液穴周縁部との間の気密性も確保することができる。その結果、注液栓と壁部との間の気密性がより十分に得られる。
また、前記蓄電素子において、
前記シール部材は、前記頭部と対向する第二の対向面であって、前記軸部と隣り合う第三領域と前記第三領域の外側で該第三領域に隣接する第四領域とを含む第二の対向面を有し、
前記注液栓が前記注液穴に配置されていない状態では、前記第三領域は、前記軸部の延びる方向において前記第四領域より前記軸部の先端側に位置してもよい。
このように、第二の対向面におけるシール部材の頭部周縁側の部位(第四領域)を軸部側の部位(第三領域)より前記軸部の延びる方向における基部側(先端側と反対の側)に位置させることで、シール部材に対する頭部の周縁側の部位による注液穴周縁部(壁部)に向けた押圧力が頭部の軸部側の部位による注液穴周縁部に向けた押圧力より小さくても、頭部の周縁側の部位と注液穴周縁部とによってシール部材が強固に挟み込まれる。これにより、頭部の周縁側の部位と注液穴周縁部との間の気密性を十分に確保することができる。
この場合、
前記第三領域は、前記注液栓が前記注液穴に配置されていない状態では、前記頭部の周縁から前記軸部に向かう方向に進むほど前記軸部の延びる方向における先端側に位置することが好ましい。
かかる構成によれば、シール部材の第一の対向面(頭部と対向する面)が第三領域において頭部周縁側ほど前記軸部の延びる方向における前記軸部の基部側(先端側と反対の側)に位置しているため、第三領域と対応する部位において頭部周縁側ほど頭部と注液穴周縁部との間の気密性が高くなり、これにより、注液栓と壁部との間の気密性をより向上させることができる。
また、前記蓄電素子において、
前記ケースの前記注液穴周縁部は、前記頭部と対向する第三の対向面であって、前記軸部と隣り合う第五領域をその一部に含む第三の対向面を有し、
前記第三の対向面における少なくとも前記第五領域は、前記軸部の延びる方向において前記注液穴周縁部の外縁部より前記軸部の先端側に位置してもよい。
このように、第三の対向面における注液穴周縁部の外縁部を軸部側の部位(第五領域)より前記軸部の延びる方向における軸部の基部側(軸部の先端側と反対の側)に位置させることで、シール部材に対する頭部の周縁側の部位による注液穴周縁部に向けた押圧力が頭部の軸部側の部位による注液穴周縁部に向けた押圧力より小さくても、頭部の周縁側の部位と注液穴周縁部(壁部)との気密性を十分に確保することができる。
また、本発明に係る蓄電素子の製造方法は、
内部空間を画定し且つ該内部空間に電極体が配置されている壁部に設けられた注液穴から前記内部空間に電解液を注入することと、
貫通穴を有するシール部材を、該貫通穴と前記注液穴とが重なった状態で前記壁部の表面に配置することと、
前記電解液の注入及び前記シール部材の配置後に、第一の方向に延びる軸部と、該軸部の一端に接続され且つ第一の方向と直交する面方向において前記軸部より大きな頭部と、を有する注液栓の前記軸部を、前記シール部材の貫通穴と前記壁部の注液穴とに挿入して該注液穴を封止することと、を備え、
前記頭部は、前記注液穴周縁部と対向する第一の対向面であって、前記軸部と隣接する第一領域と前記第一領域の外側で該第一領域に隣接する第二領域とを含む第一の対向面を有し、
前記第一領域は、前記軸部の延びる方向において前記第二領域より前記軸部の先端側に位置する。
かかる構成によれば、注液栓によって壁部の注液穴を封止することで、頭部と注液穴周縁部との間において、第一の対向面の第一領域によって注液穴周縁部に向けて押圧されるシール部材の部位が軸部によって注液穴側への移動が規制されているために頭部の周縁部側(第二領域側)に寄り、これにより、頭部の周縁部側の部位(第二領域)による注液穴周縁部へ向けた押圧力が軸部側の部位(第一領域)による注液穴周縁部へ向けた押圧力より小さくても、頭部と注液穴周縁部(壁部)との間の気密性が十分に確保される。その結果、注液栓と壁部との間の気密性が十分に確保された蓄電素子が得られる。
以上より、本発明によれば、注液栓と、該注液栓によって封止される注液穴を有し且つ該注液栓と共にケースを構成する壁部との間の気密性の高い蓄電素子、及び蓄電素子の製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る蓄電素子の斜視図である。 図2は、前記蓄電素子の分解斜視図である。 図3は、図1のIII−III位置における断面図である。 図4は、前記蓄電素子の電極体を説明するための斜視図である。 図5は、図3のVの位置の拡大図である。 図6は、前記蓄電素子の注液栓であって注液穴の封止前の状態の注液栓の部分断面斜視図である。 図7は、前記蓄電素子のシール部材であって注液穴の封止前の状態のシール部材の部分断面斜視図である。 図8は、注液穴を封止する前の状態の注液栓とシール部材との縦断面図である。 図9は、前記蓄電素子の製造方法を示すフロー図である。 図10は、ノズルを用いた電解液の注液を説明するための図である。 図11は、他実施形態に係るシール部材及び蓋板本体の注液穴周縁部の断面図である。 図12は、他実施形態に係るシール部材及び蓋板本体の注液穴周縁部の断面図である。 図13は、他実施形態に係る注液栓、シール部材、及び蓋板本体の注液穴周縁部の断面図である。 図14は、他実施形態に係る注液栓、シール部材、及び蓋板本体の注液穴周縁部の断面図である。 図15は、他実施形態に係る注液栓、シール部材、及び蓋板本体の注液穴周縁部の断面図である。 図16は、本実施形態に係る蓄電素子を含む蓄電装置の斜視図である。 図17は、他実施形態に係るシール部材及び蓋板本体の注液穴周縁部の断面図である。 図18は、他実施形態に係る蓄電素子の斜視図である。 図19は、前記蓄電素子の分解斜視図である。 図20は、図18のXX−XX位置における断面図である。 図21は、図20のXXIの位置の拡大図である。 図22は、図20のXXIの位置における蓋板本体の部分断面斜視図である。 図23は、前記蓄電素子のシール部材であって注液穴の封止前の状態のシール部材の部分断面斜視図である。 図24は、他実施形態に係る注液栓、シール部材、及び蓋板本体の注液穴周縁部の断面図である。 図25は、他実施形態に係るシール部材及び蓋板本体の注液穴周縁部の断面図である。 図26は、他実施形態に係るシール部材及び蓋板本体の注液穴周縁部の断面図である。 図27は、従来の密閉型二次電池の縦断面図である。 図28は、従来の密閉型二次電池における注液栓、スリーブ部材、及び電池蓋の注液口周縁部の断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図9を参照しつつ説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
本実施形態の蓄電素子は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子は、単一又は複数で使用される。具体的に、蓄電素子は、要求される出力及び要求される電圧が小さいときには、単一で使用される。一方、蓄電素子は、要求される出力及び要求される電圧の少なくとも一方が大きいときには、他の蓄電素子と組み合わされて蓄電装置に用いられる。前記蓄電装置では、該蓄電装置に用いられる蓄電素子が電気エネルギーを供給する。
蓄電素子は、図1〜図4に示すように、正極23及び負極24を含む電極体2と、電極体2を収容するケース3と、を備える。また、蓄電素子1は、電極体2及びケース3の他に、ケース3の外側に配置される外部端子4であって電極体2と導通する外部端子4、及び電極体2と外部端子4とを導通させる集電体5等も有する。
電極体2は、巻芯21と、正極23と負極24とが互いに絶縁された状態で積層された積層体22であって、巻芯21の周囲に巻回された積層体22と、を備える(図4参照)。電極体2においてリチウムイオンが正極23と負極24との間を移動することにより、蓄電素子1が充放電する。
巻芯21は、通常、絶縁材料によって形成される。本実施形態の巻芯21は、筒形状、より詳しくは、偏平な筒形状である。この巻芯21は、可撓性又は熱可塑性を有するシートを巻回することによって形成される。本実施形態のシートは、合成樹脂によって形成されている。
正極23は、金属箔231と、金属箔231に積層された正極活物質層232と、を有する。金属箔231は帯状である。本実施形態の金属箔231は、例えば、アルミニウム箔である。
負極24は、金属箔241と、金属箔241に積層された負極活物質層242と、を有する。金属箔241は帯状である。本実施形態の金属箔241は、例えば、銅箔である。
本実施形態の電極体2では、以上のように構成される正極23と負極24とがセパレータ25によって絶縁された状態で巻回されている。このセパレータ25は、絶縁性を有する部材である。具体的に、セパレータ25は、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ポリアミドなどの多孔質膜によって構成される。セパレータ25は、正極23と負極24との間に配置される。これにより、電極体2(詳しくは、積層体22)において、正極23と負極24とが互いに絶縁される。また、セパレータ25は、上述のように多孔質膜によって構成されているため、ケース3内において電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、リチウムイオンが、セパレータ25を挟んで交互に積層される正極23と負極24との間を移動可能となる。
ケース3は、電極体2が収容される内部空間33を画定する壁部30であって、該ケース3の外部空間と内部空間33とを連通する注液穴325が設けられた壁部30と、壁部30の注液穴325を封止するための注液栓326と、注液栓326と壁部30の注液穴周縁部300との間に配置されるシール部材35と、を有する。壁部30は、ケース本体31と、蓋板本体320と、を有する。具体的には、以下の通りである。
本実施形態のケース3は、開口を有するケース本体31と、ケース本体31の開口を塞ぐ(閉じる)蓋板32と、を有する。ケース3は、電極体2及び集電体5等と共に、電解液を内部空間33に収容する。ケース3は、電解液に耐性を有する金属によって形成される。本実施形態のケース3は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成される。
前記電解液は、非水溶液系電解液である。電解液は、有機溶媒に電解質塩を溶解させることによって得られる。有機溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類である。電解質塩は、LiClO、LiBF、及びLiPF等である。本実施形態の電解液は、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートを、プロピレンカーボネート:ジメチルカーボネート:エチルメチルカーボネート=3:2:5の割合で調整した混合溶媒に、1mol/LのLiPFを溶解させたものである。
ケース3は、ケース本体31の開口周縁部34と、蓋板32の周縁部とを重ね合わせた状態で接合することによって形成される。また、ケース3では、ケース本体31と蓋板32とによって内部空間33が画定されている。本実施形態のケース3では、ケース本体31の開口周縁部34と蓋板32の周縁部とが溶接によって接合されている。
ケース本体31は、板状の閉塞部311と、閉塞部311の周縁に接続される筒状の胴部312と、を備える。
閉塞部311は、開口が上を向くようにケース本体31が配置されたときに、ケース本体31の下端に位置する(即ち、前記開口が上を向いたときのケース本体31の底壁となる)部位である。閉塞部311は、該閉塞部311の法線方向視において、矩形状である。
以下では、閉塞部311の長辺方向をX軸方向とし、閉塞部311の短辺方向をY軸方向とし、閉塞部311の法線方向をZ軸方向(第一の方向)とする。
本実施形態の胴部312は、角筒形状、より詳しくは、偏平な角筒形状を有する。胴部312は、閉塞部311の周縁における長辺から延びる一対の長壁部313と、閉塞部311の周縁における短辺から延びる一対の短壁部314とを有する。即ち、一対の長壁部313は、Y軸方向に間隔(詳しくは、閉塞部311の周縁における短辺に相当する間隔)を空けて対向し、一対の短壁部314は、X軸方向に間隔(詳しくは、閉塞部311の周縁における長辺に相当する間隔)を空けて対向する。短壁部314が一対の長壁部313の対応(詳しくは、Y軸方向に対向)する端部同士をそれぞれ接続することによって、角筒状の胴部312が形成される。
以上のように、ケース本体31は、開口方向(Z軸方向)における一方の端部が塞がれた角筒形状(即ち、有底角筒形状)を有する。
蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐ板状の部材である。具体的に、蓋板32は、注液穴325が設けられた蓋板本体320と、注液穴325を封止するための注液栓326と、蓋板本体320(注液穴周縁部300)と注液栓326との間に配置されるシール部材35と、を有する。この蓋板32(又は蓋板本体320)は、ケース本体31の開口を塞ぐようにケース本体31に当接する。より具体的には、蓋板32が開口を塞ぐように、蓋板32の周縁部がケース本体31の開口周縁部34に重ねられる。開口周縁部34と蓋板32とが重ねられた状態で、蓋板32とケース本体31との境界部が溶接される。これにより、ケース3が構成される。
蓋板本体320は、Z軸方向視において、ケース本体31の開口周縁部34に対応した輪郭形状を有する。即ち、蓋板本体320は、Z軸方向視において、X軸方向に長い矩形状の板材である。
また、蓋板32は、ケース3内のガスを外部に排出可能なガス排出弁321も有する。ガス排出弁321は、ケース3の内部圧力が所定の圧力まで上昇したときに、該ケース3内から外部にガスを排出する。本実施形態のガス排出弁321は、X軸方向における蓋板本体320の中央部に設けられる。
具体的に、ガス排出弁321は、破断溝が形成された薄肉部を有する。ガス排出弁321の破断溝は、Z軸方向視において、例えば、Y字状である。ガス排出弁321は、ケース3の内部圧力(ガス圧)が所定の値よりも大きくなったときに薄肉部が破断溝から裂けることによって、ケース3の内部(内部空間33)と外部(外部空間)とを連通させる。これにより、ガス排出弁321は、ケース3の内部(内部空間33)で発生したガスを外部(外部空間)へ排出する。このようにして、ガス排出弁321は、上昇したケース3の内部圧力を下げる。
ケース本体31と蓋板本体320とを有する壁部30には、内部空間33に電解液を注入するための注液穴325が設けられている。注液穴325は、内部空間33と外部空間とを連通する。本実施形態の注液穴325は、蓋板本体320に設けられる。この注液穴325は、蓋板本体320をZ軸方向(厚さ方向)に貫通する。注液穴325は、円形の穴である。注液穴325は、蓋板本体320において、X軸方向におけるガス排出弁321と外部端子4との間に設けられる。
以上のように構成される注液穴325は、図5にも示すように、注液栓326とシール部材35とによって密閉(封止)される。
注液栓326は、注液穴周縁部300(蓋板本体320)との間にシール部材35を挟み込んだ状態で、壁部30(本実施形態の例では蓋板本体320)に固定される。具体的に、注液栓326は、図5、図6、及び図8に示すように、蓋板本体320(壁部30)の外側から注液穴325を覆う頭部327と、頭部327から延びて注液穴325に挿入されている挿入部(軸部)328と、を有する。本実施形態の注液栓326は、ブラインドリベットである。尚、図6及び図8に示す注液栓326は、注液穴325の封止前(即ち、挿入部328の先端が拡径される前)の状態であり、挿入部328の拡径に用いられる軸部36が延びている状態(軸部36の破断前の状態)を示す。
頭部327は、注液穴325を覆う部位である。頭部327は、挿入部328の延びる方向(Z軸方向)と直交する面(X−Y面:X軸とY軸とを含む面)方向において挿入部328より大きい。即ち、頭部327は、Z軸方向視において注液穴325よりも大きい。具体的に、頭部327は、板状の部位であり、蓋板本体320と重なるようにして注液穴325を覆う。本実施形態の頭部327は、Z軸方向視において略円形の輪郭を有する。即ち、頭部327は、円板状の部位である。また、本実施形態の頭部327は、中央部に開口327Aを有する。
この頭部327は、注液穴周縁部300(詳しくは、シール部材35)と対向する裏面(第一の対向面)3270を有する。即ち、頭部327は、裏面3270を外表面に含む。この裏面3270は、頭部327の挿入部328を囲む位置において注液穴周縁部300を向いた面である。また、裏面3270は、挿入部328と隣接する第一領域3271と、第一領域3271の外側で該第一領域3271に隣接する第二領域3272と、を含む。
第一領域3271は、Z軸方向(挿入部328の延びる方向)において第二領域3272より挿入部328の先端側(図5における下側)に位置する。本実施形態の第一領域3271は、挿入部328に近づくほどZ軸方向における挿入部328の先端側に位置する。具体的に、第一領域3271は、X−Y面方向に広がる蓋板本体320の表面に対して蓋板本体320側に膨出している面である。より具体的に、第一領域3271は、挿入部328の先端に近づくほど縮径するテーパ状の部位3271Aと、該テーパ状の部位3271Aの外周縁と第二領域3272の内周縁とを接続する円筒状の部位3271Bと、を含む面である。本実施形態の円筒状の部位3271Bは、Z軸方向における挿入部328の先端側に近づくにつれて僅かに縮径している。
第二領域3272は、第一領域3271の周縁から蓋板本体320の表面(X−Y面)と平行又は略平行な面である。第二領域3272の外周縁は、X−Y面方向における頭部327の外周縁と同じ位置にあり、Z軸方向視において円形である。
挿入部328は、頭部327から注液穴325を通って壁部30内に延びる。即ち、挿入部328は、頭部327から延び且つ外観が柱状の部位である。本実施形態の挿入部328は、頭部327から該頭部327の広がり方向(X−Y面方向)と直交する方向(Z軸方向)に延びる略円柱状の部位である。挿入部328の先端側の部位(先端を含む部位)は、拡径している(図5参照)。具体的に、挿入部328の先端部は、注液穴325の内径(直径)より大きい。挿入部328の基部側の部位(先端部を除いた部位)は、蓋板本体320の注液穴325よりも小さい。具体的に、挿入部328の基部側の部位の外径(直径)は、シール部材35の被挿入穴353の内径(直径)と同じ若しくは僅かに大きい(図8参照)。このため、注液栓326が蓋板本体320に取り付けられるとき(即ち、注液栓326が注液穴325に配置されるとき)には、シール部材35の一部(筒状部352:図5参照)が注液穴325に挿入された状態で挿入部328がシール部材35の被挿入穴353に圧入される。本実施形態の挿入部328は、頭部327側の端部が開口した有底筒状である。この挿入部328の開口328Aは、頭部327の中央部に設けられた開口327A(図6参照)と連通している。
シール部材35は、図5、図7及び図8にも示すように、頭部327と注液穴周縁部300との間に配置される鍔部351と、挿入部328と注液穴周縁部300との間に配置される筒状部352と、を有する。シール部材35は、エラストマー入りのポリフェニレンスルフィド(PPS)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等の樹脂によって形成されている。本実施形態のシール部材35は、鍔部351と筒状部352とが一体成形されている。尚、図7及び図8に示すシール部材35は、注液穴325の封止前の状態である。
鍔部351は、蓋板本体320(注液穴周縁部300)の表面に沿って広がる部位である。本実施形態の鍔部351は、頭部327の輪郭(Z軸方向視における輪郭)と同じ又は略同じ大きさの円形の輪郭を有する。また、鍔部351の中心部には、注液栓326の挿入部328が挿入可能な貫通穴が形成されている。この鍔部351は、頭部327と対向する表面(第二の対向面)3510と、表面3510と反対側で注液穴周縁部300と対向する裏面3515と、を有する。即ち、鍔部351は、表面3510と裏面3515とを外表面に含む。
この表面3510は、シール部材35の挿入部328を囲む位置において頭部327を向いた面(頭部327の裏面3270と対向(面接触)する面)である。また、表面3510は、挿入部328と隣り合う第三領域3511と、第三領域3511の外側で該第三領域3511に隣接する第四領域3512と、を含む。
第三領域3511は、注液栓326が注液穴325に配置されていない(蓋板本体320に取り付けられていない)状態では、Z軸方向(挿入部328の延びる方向)において第四領域3512より挿入部328の先端側(図7における下側)に位置する。本実施形態の第三領域3511は、挿入部328に向かうほどZ軸方向における挿入部328の先端側に位置する。図8に示すように、頭部327の径方向において、第三領域3511の範囲は、頭部327の裏面3270における第一領域3271の前記径方向の範囲より大きい。
第四領域3512は、第三領域3511の周縁から蓋板本体320の表面と平行に広がる面である。第四領域3512の外周縁は、X−Y面方向における頭部327(第二領域3272)の外周縁と同じ又は略同じ位置にあり、Z軸方向視において円形である。
裏面3515は、X−Y面方向に広がる平らな面である。
以上のシール部材35は、注液栓326が注液穴325に配置された(蓋板本体320に取り付けられた)状態では、弾性変形してその表面3510全体を頭部327の裏面3270に密接させると共に、裏面3515全体を注液穴周縁部300に密接させている(図5参照)。
筒状部352は、蓋板本体320の注液穴325の内径(直径)と同じ若しくは僅かに大きな外径と、注液栓326の挿入部328における基部側の部位が挿入可能な内径と、を有する円筒状の部位である。筒状部352の内径は、鍔部351の貫通穴の内径(直径)と同じである。そして、筒状部352の中空部が鍔部351の貫通穴と連通し、これら連通する中空部と貫通穴とがシール部材35の被挿入穴(貫通穴)353を構成している。本実施形態の筒状部352のZ軸方向の寸法は、注液穴周縁部300の厚さ(Z軸方向の寸法)より小さい。
図1〜図3に戻り、外部端子4は、他の蓄電素子の外部端子又は外部機器等と電気的に接続される部位である。外部端子4は、導電性を有する部材によって形成される。例えば、外部端子4は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料、銅又は銅合金等の銅系金属材料等の溶接性の高い金属材料によって形成される。外部端子4は、バスバ等が溶接可能な面41を有する。本実施形態の面41は、平面である。
集電体5は、ケース3内に配置され、電極体2と通電可能に直接又は間接に接続される。本実施形態の集電体5は、クリップ部材50を介して電極体2と通電可能に接続される。即ち、蓄電素子1は、電極体2と集電体5とを通電可能に接続するクリップ部材50を備える。この集電体5は、導電性を有する部材によって形成される。図3に示すように、集電体5は、ケース3の内面に沿って配置される。以上のように構成される集電体5は、蓄電素子1の正極と負極とにそれぞれ配置される。
正極の集電体5と負極の集電体5とは、異なる材料によって形成される。具体的に、正極の集電体5は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、負極の集電体5は、例えば、銅又は銅合金によって形成される。
また、蓄電素子1は、電極体2とケース3とを絶縁する絶縁部材6等を備える。本実施形態の絶縁部材6は、ケース3(詳しくはケース本体31)と電極体2との間に配置される。本実施形態の絶縁部材6は、所定の形状に裁断された絶縁性を有するシート状の部材を折り曲げることによって袋状に形成される。
次に、蓄電素子1の製造方法について図9も参照しつつ説明する。
集電体5及び外部端子4が蓋板本体320に取り付けられ、蓋板本体320に取り付けられた状態の集電体5に、クリップ部材50の取り付けられた電極体2が接合される(ステップS1)。続いて、蓋板本体320に組み付けられた状態の電極体2及び集電体5等が絶縁部材6によって覆われ、この絶縁部材6に覆われた状態の電極体2及び集電体5等がケース本体31内に挿入される。これにより、ケース本体31の開口が蓋板本体320によって塞がれ、この状態でケース本体31と蓋板本体320との境界部が溶接(例えばレーザ溶接)される(ステップS2)。
次に、シール部材35の筒状部352が注液穴325に挿入され、蓋板本体320にシール部材35が配置される(ステップS3)。シール部材35が配置されると、電解液がケース3内に注入される(ステップS4)。この電解液の注入は、図10に示すように、先端がテーパ形状のノズル8をシール部材35(鍔部351)の被挿入穴353の周縁部、即ち、第三領域3511に押し当てた状態で行われる。このとき、シール部材35(鍔部351)の表面3510において第三領域3511が、注液穴に向かって沈むテーパ形状(いわゆる漏斗形状)であるため、ノズル8の先端とシール部材35の第三領域3511との密着する面積が十分に大きくなり、これにより、液漏れすることなく、電解液が確実にケース3内に注入(注液)される。
電解液の注液が完了すると、注液栓326の挿入部328がシール部材35の被挿入穴353に挿入される(ステップS5)。この封止前の注液栓326では、図6及び図8に示すように、挿入部328の先端部が拡径されていない。このとき、シール部材35の鍔部351が注液栓326の頭部327と注液穴周縁部300とによって十分な力(即ち、シール部材35の鍔部351が頭部327によって押し潰されて弾性変形することで、鍔部351の表面3510全体が頭部327の裏面3270に密接し、且つ、鍔部351の裏面3515全体が注液穴周縁部300に密接した状態(図5参照)になるような力)で挟み込まれるまで、注液栓326が注液穴325に押し込まれる。注液栓326が十分に押し込まれると、続いて、挿入部328の底部(図6における開口328A内の下端面)に先端が接続され且つ注液栓326の開口327Aから外部に延びている軸部36が引き出され、これにより、前記底部が頭部327側に引き寄せられ、挿入部328が拡径される(ステップS6:図5参照)。挿入部328が拡径された状態で、軸部36に対して挿入部328から引き出される方向の力がさらに加わることで、軸部36が途中で破断し、頭部327から外側に延びていた軸部36の部位が、注液栓326から分離する(除かれる)。以上のようにして、注液穴325がシール部材35と注液栓326とによって封止され、蓄電素子1が完成する。
以上の蓄電素子1、及び蓄電素子1の製造方法によれば、注液栓326によって壁部30の注液穴325を封止することで、頭部327と注液穴周縁部300(壁部30)との間において、頭部327の裏面3270の第一領域3271によって注液穴周縁部300に向けて押圧されるシール部材35の部位が、挿入部328によって注液穴325側への移動が規制されているために頭部327の周縁部側(第二領域3272側)に寄る。これにより、頭部327の周縁部側の部位(第二領域3272)による注液穴周縁部300へ向けたシール部材35に対する押圧力が挿入部328側の部位(第一領域3271)による注液穴周縁部へ向けたシール部材35に対する押圧力より小さくても、頭部327と注液穴周縁部300との間の気密性(密閉性)が十分に確保される。その結果、蓄電素子1において、注液栓326と壁部30との間の気密性が十分に得られる。
また、本実施形態の蓄電素子1では、頭部327の裏面3270における第一領域3271が、挿入部328に近づくほどZ軸方向における挿入部328の先端側に位置している。このため、シール部材35が第一領域3271の挿入部328側の部位(詳しくは、テーパ状の部位3271Aの挿入部328側の部位)によって注液穴周縁部300(壁部30)に向けて強固に押圧されるため、該部位と注液穴周縁部300との間の気密性が確実に得られる。また、第一領域3271の外側の領域(詳しくは、テーパ状の部位3271Aの周縁部側の部位、及び円筒状の部位3271B)によってシール部材35が押圧されて第二領域3272側に寄ることで、第二領域3272と注液穴周縁部300との間の気密性も十分に確保される。
また、本実施形態のシール部材35では、注液栓326が注液穴325に配置されていない状態では、第三領域3511が、Z軸方向において第四領域3512より挿入部328の先端側に位置している。このように、シール部材35の鍔部351の表面3510における周縁側の部位(第四領域3512)を挿入部328側の部位(第三領域3511)よりZ軸方向における挿入部328基部側(先端側と反対の側)に位置させることで、シール部材35に対する頭部327の周縁側の部位による注液穴周縁部300に向けた押圧力が、頭部327の挿入部328側の部位による注液穴周縁部300に向けた押圧力より小さくても、該頭部327の周縁側の部位と注液穴周縁部300とによってシール部材35の鍔部351の周縁側の部位が強固に挟み込まれる。これにより、頭部327の周縁側の部位と注液穴周縁部300との間の気密性が十分に確保される。
また、第三領域3511は、注液栓326が注液穴325に配置されていない状態では、頭部327の周縁から挿入部328に向かう方向に進むほどZ軸方向における挿入部328の先端側に位置している。このため、シール部材35の表面3510(頭部327と対向する面)は、第三領域3511において頭部327周縁側ほどZ軸方向における挿入部328の基部側(先端側と反対の側)に位置している。従って、第三領域3511と対応する部位において頭部327周縁側ほど該頭部327と注液穴周縁部300との間の気密性を高くすることができる。これにより、注液栓326と壁部30(ケース3)との間の気密性がより向上する。
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上記実施形態の蓄電素子1における注液栓326の頭部327は、板状の部位であるが、この構成に限定されない。頭部327は、裏面3270を有していれば、ブロック状等の他の形状でもよい(即ち、板状でなくてもよい)。
また、頭部327の裏面3270における第一領域3271の具体的な形状は、限定されない。例えば、上記実施形態の第一領域3271は、挿入部328側から順にテーパ状の部位3271Aと円筒状の部位3271Bとを有しているが、テーパ状の部位3271AがX−Y面に平行な面であってもよく、第一領域3271全体がテーパ面等であってもよい。即ち、第一領域3271が第二領域3272よりZ軸方向における挿入部328の先端側に位置すればよい。
また、頭部327の裏面3270における第二領域3272は、平らな面であるが、この構成に限定されない。第二領域3272に、挿入部328を囲む環状の凸部等(即ち、頭部327の周縁部と注液穴周縁部300との間にシール部材35(鍔部351の周縁部)が強固に挟み込まれる構成)が設けられてもよい。
上記実施形態の蓄電素子1におけるシール部材35は、鍔部351と筒状部352とを有しているが、この構成に限定されない。シール部材35は、筒状部352のない構成でもよい。
また、上記実施形態のシール部材35では、鍔部351の表面3510において、第三領域3511と第四領域3512とが異なった形状を有している(具体的には、第三領域3511が、挿入部328に近づくほどZ軸方向における挿入部328の先端側に位置する面であり、第四領域3512が、蓋板本体320の表面(X−Y面)と平行な面である)が、この構成に限定されない。鍔部351の表面3510において、第三領域3511と第四領域3512とが同じ形状であってもよい。例えば、シール部材35の鍔部351の表面3510全体が、図11に示すように、蓋板本体320の表面に平行な面であってもよく、表面3510全体が、図12に示すように、挿入部328に近づくほどZ軸方向における挿入部328の先端側に位置する面であってもよい。
かかる構成によっても、注液栓326の頭部327の裏面3270が第一領域3271と第二領域3272とを有していれば、頭部327と注液穴周縁部300(壁部30)との間において、頭部327の裏面3270の第一領域3271によって注液穴周縁部300に向けて押圧されるシール部材35の部位が、挿入部328によって注液穴325側への移動が規制されているために頭部327の周縁部側(第二領域3272側)に寄っている。このため、頭部327の周縁部側の部位(第二領域3272)による注液穴周縁部300へ向けたシール部材35に対する押圧力が挿入部328側の部位(第一領域3271)による注液穴周縁部300へ向けたシール部材35に対する押圧力より小さくても、頭部327の周縁部側の部位(第二領域3272)と、注液穴周縁部300とによってシール部材35が強固に挟み込まれる。これにより、頭部327と注液穴周縁部300との間の気密性が十分に確保される。
上記実施形態の蓄電素子1では、蓋板本体320において、注液穴周縁部300の表面が、他の部位(蓋板本体320における注液穴周縁部300を除いた部位)の表面と面一であるが、この構成に限定されない。例えば、注液穴周縁部300は、図13に示すように、頭部327(シール部材35の鍔部351)と対向する表面301であって、挿入部328と隣り合う第五領域302を含む表面(第三の対向面)301を有してもよい。この表面301は、少なくとも第五領域302がZ軸方向において注液穴周縁部300の外縁部300Aより挿入部328の先端側に位置する面である。尚、図13に示す例では、表面301を有する注液穴周縁部300の厚さ寸法(Z軸方向の寸法)が蓋板本体320における他の部位305の厚さ寸法より大きいが、この構成に限定されず、図14に示すように、注液穴周縁部300の厚さ寸法を蓋板本体320の他の部位305の厚さ寸法より小さくすることによって表面301に第五領域302を形成してもよい。また、注液穴周縁部300の表面301は、図13に示すように全域が傾斜する構成であってもよく、図15に示すように、第五領域302が傾斜し且つ第五領域302の外側で該第五領域302に連接する第六領域303がX−Y面に平行な面であってもよい。
このように、表面301における注液穴周縁部300の外縁部300Aを挿入部328側の部位(第五領域302)より挿入部328の基部側(挿入部328の先端側と反対の側)に位置させることで、シール部材35に対する頭部327の周縁側の部位による注液穴周縁部300(壁部30)に向けた押圧力が頭部327の挿入部328側の部位による注液穴周縁部300に向けた押圧力より小さくても、頭部327の周縁側の部位と注液穴周縁部300との気密性を十分に確保することができる。
また、上記実施形態においては、蓄電素子1が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態において、蓄電素子の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、一次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
蓄電素子(例えば電池)1は、図16に示すような蓄電装置(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)11に用いられてもよい。蓄電装置11は、少なくとも二つの蓄電素子1と、二つの(異なる)蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材12と、を有する。この場合、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子1に適用されていればよい。
また、上記実施形態の蓄電素子1の製造方法では、蓋板本体320にシール部材35が配置された状態で、電解液の注液(注入)が行われているが、この構成に限定されない。シール部材35が配置されていない状態で電解液の注液が行われ、その後、蓋板本体320にシール部材35と注液栓326とが配置されてもよい。
また、注液栓326の挿入部328を拡径させる具体的な構成は限定されない。蓋板本体320と注液栓326との間を密閉できる構成であればよい。
また、上記実施形態の蓄電素子1では、注液栓326の形状(頭部327の裏面3270)を前提(特徴)にして、注液栓326とケース3との間の気密性の向上を図っているが、この構成に限定されない。例えば、蓄電素子1は、シール部材35の形状(鍔部350の表面3510)を前提にして、注液栓326と壁部30との間の気密性の向上を図ってもよい。具体的には、以下の通りである。
蓄電素子1は、図1〜図8に示すように、
電極体2を収容するケース3を備え、
前記ケース3は、
前記電極体2が収容される内部空間を画定する壁部30であって、該ケース3の外部空間と前記内部空間とを連通する注液穴325が設けられた壁部30と、
前記壁部30の外側から前記注液穴325を覆う頭部327、及び前記頭部327から延びて前記注液穴325に挿入されている挿入部(軸部)328を有する注液栓326と、
前記挿入部(軸部)328を囲い、且つ前記頭部327と前記壁部30の注液穴周縁部300との間に配置されるシール部材35と、
を有し、
前記シール部材35は、前記頭部327と対向する第二の対向面(表面)3510であって、前記挿入部(軸部)328と隣り合う第三領域3511と前記第三領域3511の外側で該第三領域3511に隣接する第四領域3512とを含む第二の対向面3510を有し、
前記注液栓326が前記注液穴325に配置されていない状態では、前記第三領域3511は、前記挿入部(軸部)328の延びる方向において前記第四領域3512より前記挿入部(軸部)328の先端側に位置してもよい。
このように、第二の対向面3510におけるシール部材35の頭部周縁側の部位(第四領域)3512を挿入部(軸部)側の部位(第三領域)3511より挿入部(軸部)328の延びる方向における基部側(先端側と反対の側)に位置させることで、シール部材35に対する頭部327の周縁側の部位による注液穴周縁部300(壁部30)に向けた押圧力が頭部327の挿入部(軸部)側の部位による注液穴周縁部300に向けた押圧力より小さくても、頭部327の周縁側の部位と注液穴周縁部300とによってシール部材35が強固に挟み込まれる。これにより、頭部327の周縁側の部位と注液穴周縁部300との間の気密性が十分に確保され、その結果、注液栓326と壁部30との間の気密性が十分に得られる。
この場合、
前記第三領域3511は、前記注液栓326が前記注液穴325に配置されていない状態では、前記頭部327の周縁から前記挿入部(軸部)328に向かう方向に進むほど前記挿入部(軸部)328の延びる方向における先端側に位置してもよい。
かかる構成によれば、シール部材35の第二の対向面(頭部327と対向する面)3510が第三領域3511において頭部周縁側ほど前記挿入部(軸部)328の延びる方向における前記挿入部(軸部)328の基部側(先端側と反対の側)に位置している。このため、第三領域3511と対応する部位において頭部周縁側ほど頭部327と注液穴周縁部300との間の気密性が高くなる。これにより、注液栓326と壁部30との間の気密性をより向上させることができる。
また、前記蓄電素子1では、
前記第四領域3512は、前記注液栓326が前記注液穴325に配置されていない状態では、前記頭部327の周縁から前記挿入部(軸部)328に向かう方向に進むほど前記挿入部(軸部)328の延びる方向における先端側に位置してもよい。
シール部材35に対する頭部327による注液穴周縁部300に向けた押圧力は、頭部327の周縁側ほど小さくなりやすい。しかし、かかる構成によれば、シール部材35の第二の対向面3510における周縁側の領域(第四領域)3512が周縁側ほど挿入部(軸部)328の延びる方向における該挿入部(軸部)328の基部側に位置しているため、第四領域3512全体に十分な押圧力を加えることができる。これにより、頭部327の周縁側の部位(第四領域3512に対応する部位)と注液穴周縁部300との間の気密性が十分に確保される。
また、前記蓄電素子1では、
前記頭部327は、前記注液穴周縁部300と対向する第一の対向面3270であって、前記挿入部(軸部)328と隣接する第一領域3271と前記第一領域3271の外側で該第一領域3271に隣接する第二領域3272とを含む第一の対向面3270を有し、
前記第一領域3271は、前記挿入部(軸部)328の延びる方向において前記第二領域3272より前記挿入部(軸部)328の先端側に位置してもよい。
かかる構成によれば、頭部327と注液穴周縁部300(壁部30)との間において、第一の対向面3270の第一領域3271によって注液穴周縁部300に向けて押圧されるシール部材35の部位が挿入部(軸部)328によって注液穴325側への移動が規制されているために頭部327の周縁部側(第二領域3272側)に寄っている。これにより、頭部327の周縁部側の部位(第二領域)3272による注液穴周縁部300へ向けたシール部材35に対する押圧力が挿入部(軸部)側の部位(第一領域)3271による注液穴周縁部300へ向けたシール部材35に対する押圧力より小さくても、頭部327と注液穴周縁部300(壁部30)との間の気密性が十分に確保される。
この場合、
前記第一領域3271は、前記挿入部(軸部)328に近づくほど前記挿入部(軸部)328の延びる方向における前記挿入部(軸部)328の先端側に位置してもよい。
かかる構成によれば、第一領域3271が挿入部(軸部)328に近づくほど該挿入部(軸部)328の先端側に位置している。このため、シール部材35が第一領域3271の挿入部(軸部)側の部位によって注液穴周縁部300(壁部30)に向けて強固に押圧されることで該部位と注液穴周縁部300との間の気密性を確保しつつ、第一領域3271の外側の領域(頭部327の周縁部側の領域)によってシール部材35が押圧されて第二領域側に寄ることで第二領域3272と注液穴周縁部300との間の気密性も確保することができる。その結果、注液栓326と壁部30との間の気密性がより十分に得られる。
また、前記蓄電素子1では、図13〜図15に示すように、
前記ケース3の前記注液穴周縁部300は、前記頭部327と対向する第三の対向面(注液穴周縁部300の表面)301であって、前記挿入部(軸部)328と隣り合う第五領域302をその一部に含む第三の対向面301を有し、
前記第三の対向面301における少なくとも前記第五領域302は、前記挿入部(軸部)328の延びる方向において前記注液穴周縁部300の外縁部より前記挿入部(軸部)328の先端側に位置してもよい。
このように、第三の対向面301における注液穴周縁部300の外縁部を挿入部(軸部)側の部位(第五領域)302より前記挿入部(軸部)328の延びる方向における挿入部(軸部)328の基部側(挿入部(軸部)328の先端側と反対の側)に位置させることで、シール部材35に対する頭部327の周縁側の部位による注液穴周縁部300に向けた押圧力が頭部327の挿入部(軸部)側の部位による注液穴周縁部300に向けた押圧力より小さくても、頭部327の周縁側の部位と注液穴周縁部300(壁部30)との気密性を十分に確保することができる。
また、図1〜図10に示すように、蓄電素子1の製造方法は、
内部空間を画定し且つ該内部空間に電極体2が配置されている壁部30に設けられた注液穴325から前記内部空間に電解液を注入することと、
貫通穴を有するシール部材35を、該貫通穴と前記注液穴325とが重なった状態で前記壁部30の表面に配置することと、
前記電解液の注入及び前記シール部材35の配置後に、第一の方向に延びる挿入部(軸部)328と、該挿入部(軸部)328の一端に接続され且つ第一の方向と直交する面方向において前記挿入部(軸部)328より大きな頭部327と、を有する注液栓326の前記挿入部(軸部)328を、前記シール部材35の貫通穴と前記壁部30の注液穴325とに挿入して該注液穴325を封止することと、を備え、
前記シール部材35は、前記頭部327と対向する第二の対向面3510であって、前記挿入部(軸部)328と隣り合う第三領域3511と前記第三領域3511の外側で該第三領域3511に隣接する第四領域3512とを含む第二の対向面3510を有し、
前記注液栓326が前記注液穴325に挿入されていない状態では、前記第三領域3511は、前記挿入部(軸部)328の延びる方向において前記第四領域3512より前記挿入部(軸部)328の先端側に位置する。
かかる構成によれば、注液栓326によって壁部30の注液穴325を封止することで、第二の対向面3510におけるシール部材35の頭部周縁側の部位(第四領域)3512が挿入部(軸部)側の部位(第三領域)3511より前記挿入部(軸部)328の延びる方向における基部側(先端側と反対の側)に位置している。このため、シール部材35に対する頭部327の周縁側の部位による注液穴周縁部300(壁部30)に向けた押圧力が頭部327の挿入部(軸部)側の部位による注液穴周縁部300に向けた押圧力より小さくても、頭部327の周縁側の部位と注液穴周縁部300とによってシール部材35を強固に挟み込むことができる。これにより、頭部327の周縁側の部位と注液穴周縁部300との間の気密性が十分に確保され、その結果、注液栓326と壁部30との間の気密性が十分に確保された蓄電素子1が得られる。
このシール部材35の形状(鍔部350の第二の対向面3510)を前提(特徴)にして、注液栓326と壁部30との間の気密性の向上を図った蓄電素子1において、図7及び図8に示す例では、シール部材35の鍔部351における第四領域3512は、注液栓326が注液穴325に配置されていない状態では、X−Y面に平行な面であるが、この構成に限定されない。第四領域3512は、図17に示すように、頭部327の周縁から挿入部(軸部)328に向かう方向に進むほどZ軸方向における挿入部328の先端側に位置する構成であってもよい。
シール部材35A、35Bに対する頭部327による注液穴周縁部300に向けた押圧力は、頭部327の周縁側ほど小さくなりやすい。しかし、前記の構成(図17参照)によっても、シール部材35の表面3510における周縁側の領域(第四領域3512)が周縁側ほどZ軸方向における挿入部328の基部側に位置しているため、第四領域3512全体に十分な押圧力が加わる。これにより、頭部327の周縁側の部位(第四領域3512に対応する部位)と注液穴周縁部300との間の気密性が十分に確保される。
また、シール部材35の鍔部351の第三領域3511は、断面が蓋板本体320に対して真っ直ぐに傾斜した面であるが、この構成に限定されず、前記断面が湾曲、屈曲等していてもよい。
また、蓄電素子1は、壁部30の注液穴周縁部300の形状を前提(特徴)にして、注液栓326と壁部30との間の気密性の向上を図ってもよい。具体的には、以下の通りである。
蓄電素子1は、図18〜図23に示すように、
電極体2を収容するケース3を備え、
前記ケース3は、
前記電極体2が収容される内部空間を画定する壁部30であって、該ケース3の外部空間と前記内部空間とを連通する注液穴325が設けられた壁部30と、
前記壁部30の外側から前記注液穴325を覆う頭部327、及び前記頭部327から延びて前記注液穴325に挿入されている挿入部(軸部)328を有する注液栓326と、
前記挿入部(軸部)328を囲い、且つ前記頭部327と前記壁部30の注液穴周縁部300との間に配置されるシール部材35と、
を有し、
前記ケース3の前記注液穴周縁部300は、前記頭部327と対向する第三の対向面301であって、前記挿入部(軸部)328と隣り合う第五領域302をその一部に含む第三の対向面301を有し、
前記第三の対向面301における少なくとも前記第五領域302は、前記挿入部(軸部)の延びる方向において前記注液穴周縁部300の外縁部より前記挿入部(軸部)328の先端側に位置する。
このように、第三の対向面301において外縁部(注液穴周縁部300の外縁部)を挿入部(軸部)側の部位(第五領域)302より前記挿入部(軸部)328の延びる方向における挿入部(軸部)328の基部側(挿入部(軸部)328の先端側と反対の側)に位置させることで、シール部材35に対する頭部327の周縁側の部位による注液穴周縁部300に向けた押圧力が頭部327の挿入部(軸部)側の部位による注液穴周縁部300に向けた押圧力より小さくても、頭部327の周縁側の部位と注液穴周縁部300(壁部30)との気密性が十分に確保される。その結果、注液栓326と壁部30との間の気密性が十分に得られる。
この場合、
前記第五領域302は、前記挿入部(軸部)328に近づくほど前記挿入部(軸部)328の延びる方向における前記挿入部(軸部)328の先端側に位置してもよい。
かかる構成によれば、注液穴周縁部300の第三の対向面(頭部327と対向する面)301が第五領域302において頭部周縁側ほど前記挿入部(軸部)328の延びる方向における前記挿入部(軸部)328の基部側(先端側と反対の側)に位置しているため、第五領域302と対応する部位において頭部周縁側ほど頭部327と注液穴周縁部300との間の気密性が高くなる。これにより、注液栓326と壁部30との間の気密性をより向上させることができる。
また、前記蓄電素子1では、
前記注液穴周縁部300は、前記壁部30における該注液穴周縁部300の周辺部位より、前記挿入部(軸部)328の延びる方向における前記挿入部(軸部)328の基部側に突出していてもよい。
かかる構成によれば、注液穴周縁部300をその周辺部より突出させることで該注液穴周縁部300の厚さが確保される。これにより、注液穴周縁部300の第三の対向面301において第五領域302を外縁部より挿入部(軸部)328の延びる方向における挿入部(軸部)328の先端側に位置させても、該注液穴周縁部300が他の部位より薄くなるのを防ぐことができる。その結果、該注液穴周縁部300の強度を確保することができる。しかも、注液穴周縁部300をその周辺部より突出させることによって、壁部30内(内部空間側)に注液穴周縁部300を突出させなくても、第三の対向面301において第五領域302を外縁部より挿入部(軸部)328の延びる方向における挿入部(軸部)328の先端側に位置させることができる。このため、内部空間の容積が減少してエネルギー密度が低下することを防ぐこともできる。
前記蓄電素子1では、
前記頭部327は、前記注液穴周縁部300と対向する第一の対向面3270であって、前記挿入部(軸部)328と隣接する第一領域3271と前記第一領域3271の外側で該第一領域3271に隣接する第二領域3272とを含む第一の対向面3270を有し、
前記第一領域3271は、前記挿入部(軸部)328の延びる方向において前記第二領域3272より前記挿入部(軸部)328の先端側に位置してもよい。
かかる構成によれば、頭部327と注液穴周縁部300(壁部30)との間において、第一の対向面3270の第一領域3271によって注液穴周縁部300に向けて押圧されるシール部材35の部位が挿入部(軸部)328によって注液穴側への移動が規制されているために頭部327の周縁部側(第二領域側)に寄っている。これにより、頭部327の周縁部側の部位(第二領域)3272による注液穴周縁部300へ向けたシール部材35に対する押圧力が挿入部(軸部)側の部位(第一領域)3271による注液穴周縁部300へ向けたシール部材35に対する押圧力より小さくても、頭部327と注液穴周縁部300(壁部30)との間の気密性が十分に確保される。
この場合、
前記第一領域3271は、前記挿入部(軸部)328に近づくほど前記挿入部(軸部)328の延びる方向における前記挿入部(軸部)328の先端側に位置してもよい。
かかる構成によれば、第一領域3271が挿入部(軸部)328に近づくほど該挿入部(軸部)328の先端側に位置しているため、シール部材35が第一領域3271の挿入部(軸部)側の部位によって注液穴周縁部300(壁部30)に向けて強固に押圧されることで該部位と注液穴周縁部300との間の気密性を確保しつつ、第一領域3271の外側の領域(頭部327の周縁部側の領域)によってシール部材35が押圧されて第二領域側に寄ることで第二領域3272と注液穴周縁部300との間の気密性も確保することができる。その結果、注液栓326と壁部30との間の気密性がより十分に得られる。
前記蓄電素子1では、図7及び図8にも示すように、
前記シール部材35は、前記頭部327と対向する第二の対向面3510であって、前記挿入部(軸部)328と隣り合う第三領域3511と前記第三領域3511の外側で該第三領域3511に隣接する第四領域3512とを含む第二の対向面3510を有し、
前記注液栓326が前記注液穴325に配置されていない状態では、前記第三領域3511は、前記挿入部(軸部)328の延びる方向において前記第四領域3512より前記挿入部(軸部)328の先端側に位置してもよい。
このように、第二の対向面3510におけるシール部材35の頭部周縁側の部位(第四領域)3512を挿入部(軸部)側の部位(第三領域)3511より前記挿入部(軸部)328の延びる方向における基部側(先端側と反対の側)に位置させることで、シール部材35に対する頭部327の周縁側の部位による注液穴周縁部300(壁部30)に向けた押圧力が頭部327の挿入部(軸部)側の部位による注液穴周縁部300に向けた押圧力より小さくても、頭部327の周縁側の部位と注液穴周縁部300とによってシール部材35が強固に挟み込まれる。これにより、頭部327の周縁側の部位と注液穴周縁部300との間の気密性を十分に確保することができる。
また、図9にも示すように、蓄電素子1の製造方法は、
内部空間を画定し且つ該内部空間に電極体2が配置されている壁部30に設けられた注液穴325から前記内部空間に電解液を注入することと、
貫通穴を有するシール部材35を、該貫通穴と前記注液穴325とが重なった状態で前記壁部30の表面に配置することと、
前記電解液の注入及び前記シール部材35の配置後に、第一の方向に延びる挿入部(軸部)328と、該挿入部(軸部)328の一端に接続され且つ第一の方向と直交する面方向において前記挿入部(軸部)328より大きな頭部327と、を有する注液栓326の前記挿入部(軸部)328を、前記シール部材35の貫通穴と前記壁部30の注液穴325とに挿入して該注液穴325を封止することと、を備え、
前記壁部30の前記注液穴周縁部300は、前記頭部327と対向する第三の対向面301であって、前記挿入部(軸部)328と隣り合う第五領域302をその一部に含む第三の対向面301を有し、
前記第三の対向面301における少なくとも前記第五領域302は、前記挿入部(軸部)328の延びる方向において前記注液穴周縁部300の外縁部より前記挿入部(軸部)328の先端側に位置する。
かかる構成によれば、注液栓326によって壁部30の注液穴325を封止することで、第三の対向面301における注液穴周縁部300の外縁部が挿入部(軸部)側の部位(第五領域)302より前記挿入部(軸部)328の延びる方向における挿入部(軸部)328の基部側(挿入部(軸部)328の先端側と反対の側)に位置しているため、シール部材35に対する頭部327の周縁側の部位による注液穴周縁部300に向けた押圧力が頭部327の挿入部(軸部)側の部位による注液穴周縁部300に向けた押圧力より小さくても、頭部327の周縁側の部位と注液穴周縁部300(壁部30)との気密性が十分に確保される。その結果、注液栓326と壁部30との間の気密性が十分に確保された蓄電素子1が得られる。
この壁部30の注液穴周縁部300の形状(注液穴周縁部300の第三の対向面301)を前提(特徴)にして、注液栓326と壁部30との間の気密性の向上を図った蓄電素子1において、図21に示す例では、頭部327において、第一領域3271と第二領域3272とが段差面であるが、この構成に限定されない。例えば、頭部327において、図24に示すように、第一領域3271及び第二領域3272が面一な平面(X−Y面に略平行な平面)であってもよい。
また、シール部材35は、頭部327と対向する第二の対向面3510であって、挿入部328と隣り合う第三領域3511と第三領域3511の外側で該第三領域3511に隣接する第四領域3512とを含む第二の対向面3510を有し、第三領域3511と第四領域3512とが、異なった形状(蓋板本体320に対する傾斜角が異なる等)であってもよい。例えば、注液栓326が注液穴325に配置されていない状態のときに、第三領域3511が、Z軸方向において第四領域3512より挿入部328の先端側に位置する構成でもよい。
具体的には、図25に示すように、第三領域3511が、注液穴周縁部300の対向面301よりX−Y面に対する角度が大きなテーパ状の面であり、第四領域3512が、注液穴周縁部300の対向面301と平行なテーパ状の面であってもよい。また、図26に示すように、第三領域3511が、注液穴周縁部300の第三の対向面301と平行なテーパ状の面であり、第四領域3512が、注液穴周縁部300の第三の対向面301よりX−Y面に対する角度が大きなテーパ状の面であってもよい。
これらの構成によれば、第三の対向面301において、シール部材35の頭部周縁側の部位(第四領域3512)を挿入部328側の部位(第三領域3511)よりZ軸方向における基部側(先端側と反対の側)に位置させることで、シール部材35に対する頭部327の周縁側の部位による注液穴周縁部300(壁部30)に向けた押圧力が頭部327の挿入部328側の部位による注液穴周縁部300に向けた押圧力より小さくても、頭部327の周縁側の部位と注液穴周縁部300とによってシール部材35が強固に挟み込まれる。これにより、頭部327の周縁側の部位と注液穴周縁部300との間の気密性が十分に確保される。
1…蓄電素子、2…電極体、21…巻芯、22…積層体、23…正極、231…金属箔、232…正極活物質層、24…負極、241…金属箔、242…負極活物質層、25…セパレータ、3…ケース、30…壁部、300…注液穴周縁部、301…表面(第三の対向面)、302…第五領域、303…第六領域、31…ケース本体、311…閉塞部、312…胴部、313…長壁部、314…短壁部、32…蓋板、320…蓋板本体、321…ガス排出弁、325…注液穴、326…注液栓、327…頭部、327A…開口、3270…裏面(第一の対向面)、3271…第一領域、3271A…テーパ状の部位、3271B…円筒状の部位、3272…第二領域、328…挿入部、33…内部空間、34…開口周縁部、35、35A、35B…シール部材、351…鍔部、3510…表面(第二の対向面)、3511…第三領域、3512…第四領域、3515…裏面、352…筒状部、353…被挿入穴、36…軸部、4…外部端子、41…面、5…集電体、50…クリップ部材、6…絶縁部材、11…蓄電装置、12…バスバ部材、500…密閉型二次電池、501…電池容器、502…電池缶、503…注液口、504…電池蓋、510…注液栓、511…鍔部、520…スリーブ部材、521…鍔部

Claims (5)

  1. 電極体を収容するケースを備え、
    前記ケースは、
    前記電極体が収容される内部空間を画定する壁部であって、該ケースの外部空間と前記内部空間とを連通する注液穴が設けられた壁部と、
    前記壁部の外側から前記注液穴を覆う頭部、及び前記頭部から延びて前記注液穴に挿入されている軸部を有する注液栓と、
    前記軸部を囲い、且つ前記頭部と前記壁部の注液穴周縁部との間に配置されるシール部材と、
    を有し、
    前記頭部は、前記注液穴周縁部と対向する第一の対向面であって、前記軸部と隣接する第一領域と前記第一領域の外側で該第一領域に隣接する第二領域とを含む第一の対向面を有し、
    前記第一領域は、前記軸部の延びる方向において前記第二領域より前記軸部の先端側に位置し、
    前記シール部材は、前記頭部と対向する第二の対向面であって、前記軸部と隣り合う第三領域と前記第三領域の外側で該第三領域に隣接する第四領域とを含む第二の対向面を有し、
    前記注液栓が前記注液穴に配置されていない状態では、前記第三領域は、前記軸部の延びる方向において前記第四領域より前記軸部の先端側に位置し、
    前記軸部の延びる方向から見て、前記頭部の前記第二領域に向かう方向における前記第一領域の寸法は、前記シール部材の前記第四領域に向かう方向における前記第三領域の寸法より小さい、蓄電素子。
  2. 前記第一領域は、前記軸部に近づくほど前記軸部の延びる方向における前記軸部の先端側に位置する、請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記第三領域は、前記注液栓が前記注液穴に配置されていない状態では、前記頭部の周縁から前記軸部に向かう方向に進むほど前記軸部の延びる方向における先端側に位置する、請求項1又は2に記載の蓄電素子。
  4. 前記ケースの前記注液穴周縁部は、前記頭部と対向する第三の対向面であって、前記軸部と隣り合う第五領域をその一部に含む第三の対向面を有し、
    前記第三の対向面における少なくとも前記第五領域は、前記軸部の延びる方向において前記注液穴周縁部の外縁部より前記軸部の先端側に位置する、請求項1〜のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  5. 内部空間を画定し且つ該内部空間に電極体が配置されている壁部に設けられた注液穴から前記内部空間に電解液を注入することと、
    貫通穴を有するシール部材を、該貫通穴と前記注液穴とが重なった状態で前記壁部の表面に配置することと、
    前記電解液の注入及び前記シール部材の配置後に、第一の方向に延びる軸部と、該軸部の一端に接続され且つ第一の方向と直交する面方向において前記軸部より大きな頭部と、を有する注液栓の前記軸部を、前記シール部材の貫通穴と前記壁部の注液穴とに挿入して該注液穴を封止することと、を備え、
    前記頭部は、前記注液穴周縁部と対向する第一の対向面であって、前記軸部と隣接する第一領域と前記第一領域の外側で該第一領域に隣接する第二領域とを含む第一の対向面を有し、
    前記第一領域は、前記軸部の延びる方向において前記第二領域より前記軸部の先端側に位置し、
    前記シール部材は、前記頭部と対向する第二の対向面であって、前記軸部と隣り合う第三領域と前記第三領域の外側で該第三領域に隣接する第四領域とを含む第二の対向面を有し、
    前記注液栓が前記注液穴に配置されていない状態では、前記第三領域は、前記軸部の延びる方向において前記第四領域より前記軸部の先端側に位置し、
    前記軸部の延びる方向から見て、前記頭部の前記第二領域に向かう方向における前記第一領域の寸法は、前記シール部材の前記第四領域に向かう方向における前記第三領域の前記径方向の寸法より小さい、蓄電素子の製造方法。
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