JP2510454Y2 - 鉄骨鉄筋コンクリ―ト大梁とハ―フプレキャストコンクリ―ト小梁との接合構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ハーフプレキャストコンクリート小梁の製
作が単純化されると共に、現場工事の施工性の向上が図
れる鉄骨鉄筋コンクリート大梁（以下、SRC大梁とい
う）とハーフプレキャストコンクリート小梁（以下、ハ
ーフPC小梁という）との接合構造に関するものである。

［従来の技術］ 近年、建築物の施工において、省力化と施工性の向上
を図る一手段として、SRC大梁にハーフPC小梁を組み合
わせる工法が多く採用されるようになってきている。

そして、上記従来の工法において、SRC大梁とハーフP
C小梁との接合構造は、第３図、第４図に示すように、
ハーフPC小梁ａは、その仕口端部の下部に所定厚さの受
け部ｂを残してその上方を、本来の仕口面より所定寸法
後退させて空間ｃを形成し、該空間ｃ部にハーフPC小梁
ａに埋め込んだプレート状の接合用部材ｄの先端を延出
させ、SRC大梁ｅは、その鉄骨ｆのウェブに該大梁ｅの
幅Ｂより突出し、ハーフPC小梁ａの、前記仕口の空間ｃ
部まで延出する接合板材ｇを溶接等で固設し、大梁ｅ、
小梁ａの仕口面を合せて両部材ｄ、ｇを重ね、ボルトｈ
またはリベット等で接合すると共に、接合したハーフPC
小梁ａの仕口後退部の空間ｃの両側に型枠ｉを組み付
け、大梁ｅおよびスラブ面に後打ちコンクリートを打設
し、ハーフPC小梁ａの仕口接合部の空間ｃ部にコンクリ
ートを充填してSRC大梁ｅにハーフPC小梁ａを接合する
ようにしている。

上記従来のSRC大梁とハーフPC小梁の接合構造による
と、ハーフPC小梁の本来の仕口面より後退した空間ｃが
あるため、形状が複雑となって製作に手間がかかり、か
つ製作時の型抜き、製作後の運搬あるいは現場での組み
付け作業時等に、突出した仕口端部の受け部ｂが欠け易
く、また後打ちコンクリートの打設時に、小梁仕口端部
に生じる空間部を塞ぐ型枠が別途必要となり、作業効率
の向上を図ることが困難であった。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案は、上記の如き実状に鑑み従来の欠点を解消す
べく創案されたものであって、その目的とするところ
は、ハーフPC小梁の製作が単純化され、かつ後打ちコン
クリート打設時にハーフPC小梁側に型枠が不要で、現場
労務を低減することができるSRC大梁とハーフPC小梁と
の接合構造を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 課題を解決するため、本考案が採用した技術的手段
は、大梁をなす鉄骨の仕口部に位置するウェブの両側
に、該大梁の幅内に収まる接合板材をそれぞれ側方に向
けて延出すると共に、ハーフプレキャストコンクリート
小梁の仕口部端面に、該端面全域を覆うフランジ部と、
その外面で面外方向に立姿状に固設したウェブ部とから
なる接合用部材を固着し、接合用部材のウェブ部を接合
板材に直接重合固定した際に、上記小梁の仕口部端面が
大梁の幅内に収まるように構成したことを特徴とするも
のである。

［作用］ したがって、本考案によれば、ハーフPC小梁の仕口端
面は、SRC大梁の仕口部側面まで伸びて一平面上をなす
から、形状が単純で製作が容易であると共に、製作時の
型抜き、製作後の運搬、あるいは現場での組み付け作業
時において、小梁端部の欠損を一掃することができ、ま
たSRC大梁にハーフPC小梁を組み付けた際、ハーフPC小
梁の仕口端部には、SRC大梁の仕口部側面との間で空間
を生じることがなく、上記ハーフPC小梁側に後打ちコン
クリート打設時の型枠が不要となり、作業性を向上させ
ることができる。

［実施例］ 本考案の構成を、図面に示した一実施例に基づいて詳
細に説明する。

第１図は、本考案に係るSRC大梁とハーフPC小梁との
接合部の断面図、第２図は、ハーフPC小梁の仕口部の斜
視図である。

図において、１はSRC大梁であり、その鉄骨２のウェ
ブ2aには、後述するハーフPC小梁７との仕口部をなす位
置に、ウェブ2aに対して直角方向に延出する接合板材
３、３が溶接等で上記SRC大梁１の幅Ｂ内でそれぞれ固
設されている。図中の４は大梁上ば筋、５は大梁下ば
筋、６はスターラップである。

一方、上記ハーフPC小梁７の仕口部端面には、該仕口
部端面の全域を覆うフランジ部8aにウェブ部8bを面外方
向に立姿状に設けてなるＴ型の接合用部材８が、ハーフ
PC小梁７内に埋め込まれたアンカー鉄筋９を介して固着
されており、前記SRC大梁１の接合板材３、３とハーフP
C小梁７のウェブ部8bとをボルト10を介して直接重合
し、スラブ11に後打ちコンクリート12を打設することに
よって、当該SRC大梁１とハーフPC小梁７とを一体に接
合するように構成されている。

本考案は、叙上の如く構成されているから、上述のよ
うにSRC大梁１の接合板材３、３とハーフPC小梁７のウ
ェブ部8bとを直接重合する際に、鉄骨２のウェブ2aに設
けた接合板材３、３に対し、小梁７の仕口部端面が大梁
の幅Ｂ内に収まり、当該接合板材３、３とハーフPC小梁
７との接合で生ずる接続ずれ、変形等の剛性歪を可及的
に抑制することができる。

また、上記小梁７の仕口部端面は、SRC大梁１の幅Ｂ
内に位置するので、ハーフPC小梁７側に型枠を別途設け
る必要がなく、現場工事の施工性を向上させることがで
きる。

［考案の効果］ これを要するに本考案は、大梁をなす鉄骨の仕口部に
位置するウェブの両側に、該大梁の幅内に収まる接合板
材をそれぞれ側方に向けて延出すると共に、ハーフプレ
キャストコンクリート小梁の仕口部端面に、該端面全域
を覆うフランジ部と、その外面で面外方向に立姿状に固
設したウェブ部とからなる接合用部材を固着し、接合用
部材のウェブ部を接合板材に直接重合固定した際に、上
記小梁の仕口部端面が大梁の幅内に収まるように構成し
たから、 SRC大梁の接合板材とハーフPC小梁のウェブ部とが直
接重合されるので、上記接合板材に対し、小梁側の仕口
部端面が大梁の幅内に収まり、大梁と小梁との接合で生
ずる接続ずれ、変形等の剛性歪を可及的に抑制すること
ができ、接合部の剛性を十分に確保することができる。

ハーフPC小梁の仕口部端面に固着したフランジ部が、
SRC大梁の幅内に位置するので、ハーフPC小梁側に型枠
を別途設ける必要がなく、その接続に要する工期の短縮
を促進させて現場工事の施工性を向上させることができ
る。

ハーフPC小梁の端面形状を突出部のない単純な構造と
することができるので、製作が簡単となるばかりでな
く、製作時の型抜き、製作後の運搬あるいは現場での組
み付け作業時等に、ハーフPC小梁の両端部が欠損してし
まう事故を一掃することができる。

等という極めて有用な実用的効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は本考案の鉄骨鉄
筋コンクリート大梁とハーフプレキャストコンクリート
小梁との接合部の縦断面図、第２図はハーフPC小梁の仕
口部の斜視図、第３図は従来のSRC大梁とハーフPC小梁
との接合構造を示す縦断面図、第４図は同上ハーフPC小
梁の仕口部の斜視図である。 １……SRC大梁、３……SRC大梁の接合板材、７……ハー
フPC小梁、８……ハーフPC小梁の接合用部材、8a……フ
ランジ部、8b……ウェブ部、９……アンカー鉄筋、10…
…ボルト。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実願 昭60−96860号（実開 昭62− 4506号）の願書に添付した明細書及び図 面の内容を撮影したマイクロフィルム （ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】大梁をなす鉄骨の仕口部に位置するウェブ
   の両側に、該大梁の幅内に収まる接合板材をそれぞれ側
   方に向けて延出すると共に、ハーフプレキャストコンク
   リート小梁の仕口部端面に、該端面全域を覆うフランジ
   部と、その外面で面外方向に立姿状に固設したウェブ部
   とからなる接合用部材を固着し、接合用部材のウェブ部
   を接合板材に直接重合固定した際に、上記小梁の仕口部
   端面が大梁の幅内に収まるように構成したことを特徴と
   する鉄骨鉄筋コンクリート大梁とハーフプレキャストコ
   ンクリート小梁との接合構造。