JP2510154B2 - Fe−Ni系合金冷延板とその製造方法 - Google Patents
Fe−Ni系合金冷延板とその製造方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P10/10—Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions
- Y02P10/143—Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions of methane [CH4]
Description
(産業上の利用分野) 本発明は、Fe−Ni系合金板中の非金属介在物Al2O3に
起因する表面疵を防止して冷間圧延表面の性状に優れる
Fe−Ni系合金冷延板とその製造方法に関するものであ
る。 (従来の技術) 従来、Fe−Ni系合金は主として電子部品用材料として
使用されている。例えばFe−42%Ni合金は電気伝導性、
耐熱性、曲げ加工性、めっき付着性および半田付性が優
れていることからICリードフレームに使用されている。
また、熱膨張率の最も小さいFe−36%Ni合金はカラーテ
レビ受信機のシャドウマスクや低温液体保存用の容器に
使用されている。これらのシャドウマスクやリードフレ
ーム用の冷延板は板厚0.25mm程度の極薄のものが使用さ
れており、この冷延板を所定のマスク形状、フレーム形
状に加工する際、加工精度や品質の要求が極めて厳しい
うえ素材の表面性状に対して厳しい規制が設けられ、そ
れに必要な成分規制も設けられている。 上述した厳しい条件下でのFe−Ni系合金の製造方法と
して、合金成分中のAlを0.04%以下に制御することが特
開昭59−226117号公報に記載されている。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、上述した程度のAlの成分規制では、非金属介
在物が全てAl2O3となる。このAl2O3介在物は、熱間圧延
しても延伸性がないうえに冷間圧延しても微細にならな
い。そのため、板厚0.25mmの極薄に冷間圧延した場合、
Al2O3介在物が冷延板の表面に露出し表面欠陥となる可
能性がある。 (問題点を解決するための手段) そこで、本発明者等は前述した問題点を解決すべく鋭
意検討した結果、Siを0.1〜0.3重量%、Mnを0.3〜1.0重
量%、Niを30〜45重量%およびAlsolを0.0004〜0.0020
重量%を含み残部FeからなるFe−Ni系合金中の非金属介
在物を第1図のAl2O3−MnO−SiO2系三元状態図の点1
(Al2O34重量%、MnO58重量%、SiO238重量%)、点2
(Al2O35重量%、MnO49重量%、SiO246重量%)、点3
(Al2O323重量%、MnO23重量%、SiO254重量%)、点4
(Al2O327重量%、MnO31重量%、SiO242重量%)および
点5(Al2O317重量%、MnO54重量%、SiO229重量%)を
結ぶ推定液相温度が1200℃の線で囲われた第1図の斜線
で示す平面図形の領域の組成にすることにより冷間圧延
表面の性状に優れるFe−Ni系合金冷延板を開発するに至
った。このFe−Ni系合金中のAl2O3−MnO−SiO2系の非金
属介在物を前記第1図の点1,点2,点3,点4および点5を
結ぶ推定液相温度が1200℃の線で囲われた第1図の斜線
で示す平面図形の領域(以下、第1図の斜線領域とい
う)内の組成にすることにより、この非金属介在物が熱
間圧延するときに延伸され易くなる。 また、前記Fe−Ni系冷延板の製造方法は、均熱炉で11
00℃〜1300℃の温度で均熱した後熱間圧延して前述の非
金属介在物を延伸させ、次いで冷間圧延して該非金属介
在物が微細に分散するように形態を制御することで冷延
板の表面性状が良好で表面疵のないFe−Ni系合金冷延板
の製造方法を開発するに至った。 (作 用) Siを0.1〜0.3重量%,Mnを0.3〜1.0重量%およびNiを3
0〜45重量%を含み残部FeからなるFe−Ni系合金では、A
lsolの成分で非金属介在物の組成が決まることが実験の
結果判明した。つまり、第3図に示すようにAlsol含有
量が0.0004重量%以下では50%MnO−50%SiO2系非金属
介在物に、Alsol含有量が0.0030重量%以上ではAl2O3非
金属介在物に、またAlsolが0.0004〜0.0030重量%の範
囲内ではAl2O3−MnO−SiO2系非金属介在物になることが
判った。これらの50%MnO−50%SiO2系非金属介在物、A
l2O3非金属介在物およびAl2O3−MnO−SiO2系非金属介在
物の推定液相温度を第1図に示すE、F、オズボーン等
のAl2O3−MnO−SiO2系三元状態図に基づき調べると、50
%MnO−50%SiO2系非金属介在物の推定液相温度は1300
℃以上と高く、100%Al2O3非金属介在物の推定液相温度
に至っては2000℃となり両者とも変形能の小さい非金属
介在物であることが判る。また、Al2O3−MnO−SiO2系非
金属介在物でもAl2O3含有量が4重量%以下であった
り、27重量%を越えると推定液相温度が1300℃以上とな
り変形能の小さい非金属介在物となるので、Al2O3−MnO
−SiO2系非金属介在物中のAl2O3含有量を4〜27重量%
にして、第1図の第1図の斜線領域の範囲内の推定液相
温度が1200℃以下と最も低いスペサータイト(第1図に
て点描した領域)に近い領域にすることにより、変形能
の大きい非金属介在物にすることができる。 本発明者は、上述の知見に基づきNiを30〜45重量%、
Siを0.1〜0.3重量%、Mnを0.3〜1.0%を含み残部Feから
なる溶湯中のAlsol含有量を第2図に示す如く0.0004〜
0.0020重量%に制御することにより、Al2O3を4〜27重
量%含有する推定液相温度が1200℃以下でスペサータイ
トに近い第1図の斜線領域内の組成のAl2O3−MnO−SiO2
系非金属介在物にできることを確認した。この際、Also
l含有量の調整の仕方については、Niを30〜45重量%、S
iを0.1〜0.3重量%、Mnを0.3〜1.0重量%を含み残部Fe
からなる溶湯を例えば脱ガス装置内の容器または真空溶
解炉内の容器に入れ、該容器に接続した装入装置により
AlまたはAl合金を添加し、化学分析装置によりAlsol含
有量が0.0004〜0.0020%になるように調整した。 また、本発明のFe−Ni系冷延鋼板の成分であるSi,Mn
およびNiの組成範囲を限定した理由について述べる。Si
を0.1〜0.3重量%の範囲内にした理由は Siは脱酸効果に有効な元素であり、0.1%未満では脱
酸効果が十分に確保できず、また0.5%以上含有させる
と結晶粒界の選択酸化よび酸化膜層の剥離が促進され
る。 一方、0.3%まで含有しても十分に脱酸効果が認めら
れる。
起因する表面疵を防止して冷間圧延表面の性状に優れる
Fe−Ni系合金冷延板とその製造方法に関するものであ
る。 (従来の技術) 従来、Fe−Ni系合金は主として電子部品用材料として
使用されている。例えばFe−42%Ni合金は電気伝導性、
耐熱性、曲げ加工性、めっき付着性および半田付性が優
れていることからICリードフレームに使用されている。
また、熱膨張率の最も小さいFe−36%Ni合金はカラーテ
レビ受信機のシャドウマスクや低温液体保存用の容器に
使用されている。これらのシャドウマスクやリードフレ
ーム用の冷延板は板厚0.25mm程度の極薄のものが使用さ
れており、この冷延板を所定のマスク形状、フレーム形
状に加工する際、加工精度や品質の要求が極めて厳しい
うえ素材の表面性状に対して厳しい規制が設けられ、そ
れに必要な成分規制も設けられている。 上述した厳しい条件下でのFe−Ni系合金の製造方法と
して、合金成分中のAlを0.04%以下に制御することが特
開昭59−226117号公報に記載されている。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、上述した程度のAlの成分規制では、非金属介
在物が全てAl2O3となる。このAl2O3介在物は、熱間圧延
しても延伸性がないうえに冷間圧延しても微細にならな
い。そのため、板厚0.25mmの極薄に冷間圧延した場合、
Al2O3介在物が冷延板の表面に露出し表面欠陥となる可
能性がある。 (問題点を解決するための手段) そこで、本発明者等は前述した問題点を解決すべく鋭
意検討した結果、Siを0.1〜0.3重量%、Mnを0.3〜1.0重
量%、Niを30〜45重量%およびAlsolを0.0004〜0.0020
重量%を含み残部FeからなるFe−Ni系合金中の非金属介
在物を第1図のAl2O3−MnO−SiO2系三元状態図の点1
(Al2O34重量%、MnO58重量%、SiO238重量%)、点2
(Al2O35重量%、MnO49重量%、SiO246重量%)、点3
(Al2O323重量%、MnO23重量%、SiO254重量%)、点4
(Al2O327重量%、MnO31重量%、SiO242重量%)および
点5(Al2O317重量%、MnO54重量%、SiO229重量%)を
結ぶ推定液相温度が1200℃の線で囲われた第1図の斜線
で示す平面図形の領域の組成にすることにより冷間圧延
表面の性状に優れるFe−Ni系合金冷延板を開発するに至
った。このFe−Ni系合金中のAl2O3−MnO−SiO2系の非金
属介在物を前記第1図の点1,点2,点3,点4および点5を
結ぶ推定液相温度が1200℃の線で囲われた第1図の斜線
で示す平面図形の領域(以下、第1図の斜線領域とい
う)内の組成にすることにより、この非金属介在物が熱
間圧延するときに延伸され易くなる。 また、前記Fe−Ni系冷延板の製造方法は、均熱炉で11
00℃〜1300℃の温度で均熱した後熱間圧延して前述の非
金属介在物を延伸させ、次いで冷間圧延して該非金属介
在物が微細に分散するように形態を制御することで冷延
板の表面性状が良好で表面疵のないFe−Ni系合金冷延板
の製造方法を開発するに至った。 (作 用) Siを0.1〜0.3重量%,Mnを0.3〜1.0重量%およびNiを3
0〜45重量%を含み残部FeからなるFe−Ni系合金では、A
lsolの成分で非金属介在物の組成が決まることが実験の
結果判明した。つまり、第3図に示すようにAlsol含有
量が0.0004重量%以下では50%MnO−50%SiO2系非金属
介在物に、Alsol含有量が0.0030重量%以上ではAl2O3非
金属介在物に、またAlsolが0.0004〜0.0030重量%の範
囲内ではAl2O3−MnO−SiO2系非金属介在物になることが
判った。これらの50%MnO−50%SiO2系非金属介在物、A
l2O3非金属介在物およびAl2O3−MnO−SiO2系非金属介在
物の推定液相温度を第1図に示すE、F、オズボーン等
のAl2O3−MnO−SiO2系三元状態図に基づき調べると、50
%MnO−50%SiO2系非金属介在物の推定液相温度は1300
℃以上と高く、100%Al2O3非金属介在物の推定液相温度
に至っては2000℃となり両者とも変形能の小さい非金属
介在物であることが判る。また、Al2O3−MnO−SiO2系非
金属介在物でもAl2O3含有量が4重量%以下であった
り、27重量%を越えると推定液相温度が1300℃以上とな
り変形能の小さい非金属介在物となるので、Al2O3−MnO
−SiO2系非金属介在物中のAl2O3含有量を4〜27重量%
にして、第1図の第1図の斜線領域の範囲内の推定液相
温度が1200℃以下と最も低いスペサータイト(第1図に
て点描した領域)に近い領域にすることにより、変形能
の大きい非金属介在物にすることができる。 本発明者は、上述の知見に基づきNiを30〜45重量%、
Siを0.1〜0.3重量%、Mnを0.3〜1.0%を含み残部Feから
なる溶湯中のAlsol含有量を第2図に示す如く0.0004〜
0.0020重量%に制御することにより、Al2O3を4〜27重
量%含有する推定液相温度が1200℃以下でスペサータイ
トに近い第1図の斜線領域内の組成のAl2O3−MnO−SiO2
系非金属介在物にできることを確認した。この際、Also
l含有量の調整の仕方については、Niを30〜45重量%、S
iを0.1〜0.3重量%、Mnを0.3〜1.0重量%を含み残部Fe
からなる溶湯を例えば脱ガス装置内の容器または真空溶
解炉内の容器に入れ、該容器に接続した装入装置により
AlまたはAl合金を添加し、化学分析装置によりAlsol含
有量が0.0004〜0.0020%になるように調整した。 また、本発明のFe−Ni系冷延鋼板の成分であるSi,Mn
およびNiの組成範囲を限定した理由について述べる。Si
を0.1〜0.3重量%の範囲内にした理由は Siは脱酸効果に有効な元素であり、0.1%未満では脱
酸効果が十分に確保できず、また0.5%以上含有させる
と結晶粒界の選択酸化よび酸化膜層の剥離が促進され
る。 一方、0.3%まで含有しても十分に脱酸効果が認めら
れる。
〔0〕0.0035%以下となり、介在物量の十分に低
いFe−Ni系合金鋼を得ることができる。さらに第1図に
示す第1図の斜線領域である適正なAl2O3−MnO−SiO2系
非金属介在物組成とするためSi量を0.1〜0.3%の範囲と
する。またASTM(American Society for Testing a
nd Material)では硬度(Hv)が200±20以上と規定し
ており上記Si量0.1〜0.3%で適正強度を得ることができ
る。 Mnは熱間加工性と溶接高温割れ等の軽減に有用な元素
である。低温および高温時の熱膨張に影響しない範囲と
して0.3%〜1.0%の範囲とする。またMn元素による脱酸
効果と同時に生成されるMnO成分が第1図の第1図の斜
線領域内の組成のAl2O3−MnO−SiO2系非金属介在物に制
御するために欠くことのできない範囲である。 Niは第4図に示すように36%Ni鋼で線膨張係数1.15×
10-6と最も小さい。電子部品材料として9×10-6の線膨
張係数が必要であるためNi量は30〜45%の範囲とする。 つぎに、Fe−Ni系冷延板を製造する際の熱間圧延温度
について述べる。前記のように調整した溶鋼を連続鋳造
またはインゴット鋳造により造塊した後に均熱炉で均熱
した後熱間圧延をするが、このときの温度が1300℃以上
であると粒界酸化を起し、また1100℃以下であるとAl2O
3−MnO−SiO2系非金属介在物の変形が起りにくくなり表
面疵の発生原因となる。したがって、熱間圧延する際の
均熱炉の温度を1100〜1300℃とする。 (実施例) 第1表に示すように各溶湯成分中のAlsol含有量を変
化させた。この際のAlsol濃度の調整は、Al以外の成分
を先に調整し、最後に所定のAlsol含有量となるように
分析値をもとに調整した。このように調整した各溶湯を
連続鋳造し、均熱炉で1200℃の温度で均熱し熱間圧延し
た後、室温で冷間圧延して冷延板にした。 このときの非金属介在物組成の調査は非金属介在物が
未変形の状態を保っている分塊後の鋳片および非金属介
在物が延伸している熱間圧延後の板から試料を採取し、
X線マイクロライザーで定量分析を行った。 また、表面疵の調査は、厚み0.2〜0.25mmに最終仕上
圧延後、コイルを検査ラインに通板してコイルの表面と
裏面を目視検査し、コイル内に表面疵が一箇所でも発見
された場合は表面疵があるものと判定した。ただし、圧
延工程で発生した圧延疵は除いた。 第1表中の試料1および7はFe−36%Ni合金で、試料
2,3,4,5,8,9,10,11はFe−42%Ni合金であり、試料6お
よび12はFe−45%Ni合金である。この表からも判るよう
に、表面疵の有無はAlsolの含有量と非金属介在物中のA
l2O3含有量に支配されているので、溶湯中のAlsol含有
量を0.0004〜0.0020重量%の範囲内にして、非金属介在
物中のAl2O3含有量を4〜27重量%にすることにより、
表面疵のない表面性状の優れた冷延板が得られた。 (発明の効果) 以上説明したように本発明のFe−Ni系冷延板は表面性
状に優れ、電気伝導性、耐熱性、曲げ加工性、めっき付
着性および半田付性にも優れているので、カラーテレビ
受像機用シャドウマスク、ICリードフレーム、液化天然
ガス等の保存容器等に適用できる。 また、本発明の方法によれば、極めて効果的に表面疵
の発生を防止でき、表面性状の優れたFe−Ni系冷延鋼板
を製造できる。
いFe−Ni系合金鋼を得ることができる。さらに第1図に
示す第1図の斜線領域である適正なAl2O3−MnO−SiO2系
非金属介在物組成とするためSi量を0.1〜0.3%の範囲と
する。またASTM(American Society for Testing a
nd Material)では硬度(Hv)が200±20以上と規定し
ており上記Si量0.1〜0.3%で適正強度を得ることができ
る。 Mnは熱間加工性と溶接高温割れ等の軽減に有用な元素
である。低温および高温時の熱膨張に影響しない範囲と
して0.3%〜1.0%の範囲とする。またMn元素による脱酸
効果と同時に生成されるMnO成分が第1図の第1図の斜
線領域内の組成のAl2O3−MnO−SiO2系非金属介在物に制
御するために欠くことのできない範囲である。 Niは第4図に示すように36%Ni鋼で線膨張係数1.15×
10-6と最も小さい。電子部品材料として9×10-6の線膨
張係数が必要であるためNi量は30〜45%の範囲とする。 つぎに、Fe−Ni系冷延板を製造する際の熱間圧延温度
について述べる。前記のように調整した溶鋼を連続鋳造
またはインゴット鋳造により造塊した後に均熱炉で均熱
した後熱間圧延をするが、このときの温度が1300℃以上
であると粒界酸化を起し、また1100℃以下であるとAl2O
3−MnO−SiO2系非金属介在物の変形が起りにくくなり表
面疵の発生原因となる。したがって、熱間圧延する際の
均熱炉の温度を1100〜1300℃とする。 (実施例) 第1表に示すように各溶湯成分中のAlsol含有量を変
化させた。この際のAlsol濃度の調整は、Al以外の成分
を先に調整し、最後に所定のAlsol含有量となるように
分析値をもとに調整した。このように調整した各溶湯を
連続鋳造し、均熱炉で1200℃の温度で均熱し熱間圧延し
た後、室温で冷間圧延して冷延板にした。 このときの非金属介在物組成の調査は非金属介在物が
未変形の状態を保っている分塊後の鋳片および非金属介
在物が延伸している熱間圧延後の板から試料を採取し、
X線マイクロライザーで定量分析を行った。 また、表面疵の調査は、厚み0.2〜0.25mmに最終仕上
圧延後、コイルを検査ラインに通板してコイルの表面と
裏面を目視検査し、コイル内に表面疵が一箇所でも発見
された場合は表面疵があるものと判定した。ただし、圧
延工程で発生した圧延疵は除いた。 第1表中の試料1および7はFe−36%Ni合金で、試料
2,3,4,5,8,9,10,11はFe−42%Ni合金であり、試料6お
よび12はFe−45%Ni合金である。この表からも判るよう
に、表面疵の有無はAlsolの含有量と非金属介在物中のA
l2O3含有量に支配されているので、溶湯中のAlsol含有
量を0.0004〜0.0020重量%の範囲内にして、非金属介在
物中のAl2O3含有量を4〜27重量%にすることにより、
表面疵のない表面性状の優れた冷延板が得られた。 (発明の効果) 以上説明したように本発明のFe−Ni系冷延板は表面性
状に優れ、電気伝導性、耐熱性、曲げ加工性、めっき付
着性および半田付性にも優れているので、カラーテレビ
受像機用シャドウマスク、ICリードフレーム、液化天然
ガス等の保存容器等に適用できる。 また、本発明の方法によれば、極めて効果的に表面疵
の発生を防止でき、表面性状の優れたFe−Ni系冷延鋼板
を製造できる。
第1図はAl2O3−MnO−SiO2系非金属介在物の三元状態図
における非金属介在物の推定液相温度を示す図、 第2図は冷延板の表面欠陥の発生を防止するために必要
な非金属介在物中のAl2O3含有量とAlsol含有量の適正範
囲を示す図、 第3図はAlsolおよびOと非金属介在物の生成範囲を示
す図、 第4図はFe−Ni系合金のNi含有量と線膨張係数を示す図
である。
における非金属介在物の推定液相温度を示す図、 第2図は冷延板の表面欠陥の発生を防止するために必要
な非金属介在物中のAl2O3含有量とAlsol含有量の適正範
囲を示す図、 第3図はAlsolおよびOと非金属介在物の生成範囲を示
す図、 第4図はFe−Ni系合金のNi含有量と線膨張係数を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野崎 努 千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式会社 技術研究本部内 (72)発明者 有馬 与志広 千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式会社 技術研究本部内
Claims (2)
- 【請求項1】Si:0.1〜0.3重量%、 Mn:0.3〜1.0重量%、 Ni:30〜45重量%及び Alsol:0.0004〜0.0020重量% を含み、残部不可避的不純物およびFeの成分組成からな
り、該不可避的不純物の一部としてやむを得ず残存する
微量の非金属介在物が主として第1図のAl2O3−MnO−Si
O2系三元状態図の点1,2,3,4および5の各点を結ぶ推定
液相温度が1200℃の線で囲われた斜線で示す平面図形の
領域内の組成になることを特徴とする、Fe−Ni系合金冷
延板。 - 【請求項2】Si:0.1〜0.3重量%、 Mn:0.3〜1.0重量%、 Ni:30〜45重量%及び Alsol:0.0004〜0.0020重量% を含み、残部不可避的不純物およびFeの成分組成からな
るFe−Ni系合金の溶製に際し、 所定量のNiを含有する合金溶湯にSiおよびMn脱酸を、該
合金中のSi含有量が0.1〜0.3重量%、Mn含有量が0.3〜
1.0重量%になる範囲で施し、次いでAl脱酸を、該合金
中のAlsol量が0.0004〜0.0020重量%になる範囲で施し
て該合金溶湯中のAl2O3含有量を4〜27重量%の範囲に
制御することにより、該合金中の不可避的不純物の一部
としてやむを得ず残存する微量の非金属介在物を主とし
て第1図のAl2O3−MnO−SiO2系三元状態図の点1,2,3,4
および5の各点を結ぶ推定液相温度が1200℃の線で囲わ
れた斜線で示す平面図形の領域内の組成にする成分調整
を行い、 その後は該合金溶湯を鋳造し、次いで均熱炉で1100℃〜
1300℃の範囲の温度で均熱した後熱間圧延し、その後冷
間圧延することを特徴とするFe−Ni系合金冷延板の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61001976A JP2510154B2 (ja) | 1986-01-10 | 1986-01-10 | Fe−Ni系合金冷延板とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61001976A JP2510154B2 (ja) | 1986-01-10 | 1986-01-10 | Fe−Ni系合金冷延板とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62161936A JPS62161936A (ja) | 1987-07-17 |
JP2510154B2 true JP2510154B2 (ja) | 1996-06-26 |
Family
ID=11516572
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61001976A Expired - Lifetime JP2510154B2 (ja) | 1986-01-10 | 1986-01-10 | Fe−Ni系合金冷延板とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2510154B2 (ja) |
Families Citing this family (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2825814B2 (ja) * | 1988-04-01 | 1998-11-18 | 日立金属株式会社 | 耐応力腐食割れ性の優れたicリードフレーム用合金 |
JPH0778270B2 (ja) * | 1988-08-19 | 1995-08-23 | 日本冶金工業株式会社 | エッチング時のスジむら抑制効果に優れるFe−Ni系合金の製造方法 |
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