JP2825814B2 - 耐応力腐食割れ性の優れたicリードフレーム用合金 - Google Patents

耐応力腐食割れ性の優れたicリードフレーム用合金

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JP2825814B2 JP63080568A JP8056888A JP2825814B2 JP 2825814 B2 JP2825814 B2 JP 2825814B2 JP 63080568 A JP63080568 A JP 63080568A JP 8056888 A JP8056888 A JP 8056888A JP 2825814 B2 JP2825814 B2 JP 2825814B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ICリードフレームに使用されるFe-Ni合金
の耐応力腐食割れ性の改良に関するものである。
〔従来の技術〕
従来より半導体装置のリードフレーム用材料として
は、半導体素子、ガラスあるいはセラミックス等との熱
膨張整合性の点で42合金(Fe-41%Ni)やコバール合金
(Fe-29%Ni-17%Co)が広く使用されている。
しかしながら、この合金は耐応力腐食割れ性が十分で
なく、半導体装置の製造工程中あるいは各種電子機器に
組み込まれた後の使用中にしばしば応力腐食割れによる
リードの折損事故が発生することが知られている。
特に最近では、これら半導体装置は原子力や航空機な
どの分野でこれまで以上に高い信頼性を要求されるよう
になり、半導体装置メーカーでも応力腐食割れの一つの
要因となる腐食性物質による汚染(例えばフォトエッチ
ング液、酸洗液、めっき液等の残存あるいは封止用樹脂
中の不純物等)を最小限に抑えるための努力がなされて
いる。
しかし、これら腐食性物質による汚染を完全に排除す
ることは不可能であり、業界では従来の42合金よりもさ
らに耐応力腐食割れ性の優れた合金の開発が待ち望まれ
ていた。
従来、耐応力腐食割れ性を改善する手段としては、 (1) 耐食性元素、すなわちSn+Pbを0.005〜3%添
加する(特開昭60-251249号)、Pb+Ruを0.005〜3%添
加する(特開昭60-251250号)、Bを0.0005〜0.5%添加
する(特開昭60-251251号)、Ge+Siを0.005〜0.5%添
加する(特開昭60-251252号)方法、 (2) Mo等を特定量含有せしめ、これによる非金属介
在物を組織中に均一に分散させる方法(特開昭60-25595
4号)、 等が知られる。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記従来技術によると耐応力腐食割れ性が改善され、
応力腐食割れによるリード折損事故を解消することがで
きる。
しかるに、リードフレーム用合金として要求される他
の特性を考えた場合には満足できない点がある。
すなわち、前記従来技術はすべて耐応力腐食割れ性を
改善するために、何らかの元素を添加しているが、これ
ら元素の添加はめっき性、はんだ性を劣化させる要因と
なる。したがって、できればこのような元素を添加する
ことなく耐応力腐食割れ性を改善することが望ましい。
本発明は、以上の要請に応じ耐食性向上元素を添加す
ることなく、Fe-Ni合金の耐応力腐食割れ性を改善し、
応力腐食割れによるリード折損事故を解消するためにな
されたものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は種々検討した結果、合金中に内在する残留
歪を小さくすることにより耐応力腐食割れ性を改善し得
ることを知見した。すなわち、本発明は、合金組成が重
量%にてC 0.05%以下、Si 0.05〜0.5%、Mn 0.1〜2.0
%、Ni 35〜55%、残部実質的にFeよりなり、圧延面の
(311)結晶面のX線回折ピーク半価幅(以下(311)面
の半価幅という)が0.65〜0.85度であることを特徴とす
る耐応力腐食割れ性の優れたICリードフレーム用合金で
ある。
以下、本発明合金における圧延面の(311)結晶面の
X線回折ピーク半価幅および成分の限定理由について述
べる。
(311)面の半価幅は合金中に内在する残留歪の半定
量的指標になるものであるが、この値を小さくすること
により、つまり残留歪を小さくすることにより、応力腐
食割れに対する感受性を鈍化させることができる。半価
幅が0.85度を越えて大きくなると応力腐食割れが多くな
る。逆に半価幅が0.65度未満と小さくし過ぎると合金の
機械的強度が低下しICのリードとして不適となるため0.
65〜0.85度に限定した。
Cはあまり多く含有すると合金中に炭化物を形成し、
耐応力腐食割れ性を劣化させるため0.05%以下とした。
Siは合金溶解時の脱酸に必要な元素であるが、0.05%
未満では、脱酸の効果が十分でなく、0.5%を越えると
合金の加工性に悪影響を及ぼすため、0.05〜0.5%とし
た。
Mnは合金の熱間加工性向上に有効な元素であるが、0.
1%未満ではその効果が不十分であり、逆に2.0%を越え
ると本合金の基本的特性である熱膨張係数の増大をまね
くため、0.1〜2.0%に限定した。
Niは本合金の基本成分であり、Niが35%未満の場合ま
たは55%を越える場合には、合金の熱膨張係数が大きく
なり過ぎ、半導体素子、ガラスあるいはセラミックスと
の整合性が保てなくなる。このためNiは35〜55%とし
た。
なお、後述の実施例から理解されるように、Sおよび
Nの含有量を低減することは、いずれも本合金の耐応力
腐食割れ性向上のために有効であり、0.005%以下に限
定するのが望ましい。
〔実施例〕
以下本発明を実施例により説明する。
第1表に示す組成の合金を真空高周波誘導炉で溶解・
鋳造した後1000〜1100℃の温度で鍛造、熱間圧延を行な
い、さらに冷間圧延と軟化焼鈍を繰り返し、最終冷間圧
延率30%で厚さ0.10mmの板材に仕上げ、その後500〜900
℃の範囲内で歪取り焼鈍条件を変えて、圧延面の(31
1)面の半価幅を変動させた。しかる後、本材料から幅1
mm、長さ40mmの試料をフォトエッチングにより切り出
し、150〜200℃の温度にて第1図に示すような形に樹脂
封止を行なったものを121℃、2気圧、相対湿度100%の
条件下に500時間放置し、その時の試料の割れ発生頻度
を調査した。なお、試験は各合金毎にそれぞれ50個ずつ
の試料について行なった。結果を第1表に併せて示す。
(311)面の半価幅を小さくする(つまり残留歪を小
さくする)ことにより、さらには合金のS、N含有量を
下げることにより、割れ発生頻度が低下することがわか
る。特に残留歪の影響は大であり、(311)面の半価幅
を小さくすることにより、耐応力腐食割れ性の大幅な改
善が可能である。しかしながら、ICのリードフレームに
はある程度のリード強度が必要であり、少なくともビッ
カース硬さ170以上は必要とされるため、(311)面の半
価幅もあまり大幅に小さくすることはできない。Fe-42N
i合金の歪取り焼鈍温度と硬さおよび(311)面の半価幅
との関係の一例を第2図に示すが、ビッカース硬さ170
以上を確保するためには、(311)面の半価幅は0.65度
以上にする必要がある。
以上の結果から、(311)面の半価幅を0.65〜0.85に
管理し、さらに望ましくはSおよびNの含有量を0.005
%以下に抑えることにより、機械的強度を損なうことな
く耐応力腐食割れ性の改善が可能となる。
また、本発明では耐食性を改善するための合金元素の
添加を行なっていないため、はんだ性、めっき性を劣化
させることがない。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によればICリードフレー
ム用42合金のはんだ性、めっき性および機械的強度を損
なうことなく耐応力腐食割れ性を改善することができ、
半導体装置の高信頼化ひいてはエレクトロニクス製品の
高信頼化が図れ、工業上の効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、応力腐食割れ試験試料の斜視図、第2図は歪
取り焼鈍温度と硬さおよび(311)面半価幅との関係の
一例を示す図である。 1:Fe-Ni合金試料、2:封止樹脂

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合金組成が重量%にてC 0.05%以下、Si
    0.05〜0.5%、Mn 0.1〜2.0%、Ni 35〜55%、残部実質
    的にFeよりなり、ビッカース硬さが170HV以上かつ圧延
    面の(311)結晶面のX線回折ピーク半価幅が0.65〜0.8
    5度であることを特徴とする耐応力腐食割れ性の優れたI
    Cリードフレーム用合金。
  2. 【請求項2】合金中のSおよびNの含有量がそれぞれ0.
    005%以下、0.005%以下である特許請求の範囲第1項記
    載の耐応力腐食割れ性の優れたICリードフレーム用合
    金。
JP63080568A 1988-04-01 1988-04-01 耐応力腐食割れ性の優れたicリードフレーム用合金 Expired - Lifetime JP2825814B2 (ja)

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JPS5845353A (ja) * 1982-08-18 1983-03-16 Sumitomo Special Metals Co Ltd 耐応力腐食割れ性のすぐれた封着用又は集積回路リードフレーム用Fe―Ni合金
JP2510154B2 (ja) * 1986-01-10 1996-06-26 川崎製鉄株式会社 Fe−Ni系合金冷延板とその製造方法

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