JP2509842Y2

JP2509842Y2 - エンジンの吸気装置

Info

Publication number: JP2509842Y2
Application number: JP1988099579U
Authority: JP
Inventors: 道信池田; 剛河野; 健次森
Original assignee: Mazda Motor Corp
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1988-07-27
Filing date: 1988-07-27
Publication date: 1996-09-04
Anticipated expiration: 2003-07-27
Also published as: JPH0220781U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案はエンジンの吸気装置に関し、詳しくはアイド
リング時にスロットルバルブをバイパスして吸気を供給
するようにしたものに関する。

（従来の技術）従来、この種のエンジンの吸気装置として、例えば実
開昭62-117245号公報に開示されるように、吸気通路に
スロットルバルブを設けるとともに、該スロットルバル
ブをバイパスするアイドル通路を吸気通路の下壁内部に
開口し、且つ該アイドル通路に制御弁を設けて、スロッ
トルバルブが全閉となるアイドリング時に、この制御弁
の開度を適宜調整することにより、アイドル回転数を所
定の回転数に制御するようにしたものが知られている。

（考案が解決しようとする課題）ところが、上記のようなエンジンの吸気装置では、吸
気通路には吸気中に含まれる水分や吸気通路に還流され
たブローバイガス中に含まれるオイルミストが液化して
溜まることから、これらの水やオイルが上記アイドル通
路に流入し、制御弁に付着してその作動を阻害するとい
う問題がある。

一方、一定の容量を持つ共鳴器を吸気通路に接続する
ことにより、特定の回転域で吸気慣性過給効果を得て吸
気充填効率を向上させる技術が知られている。

本考案はかかる点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、吸気通路に共鳴器を接続した吸気
装置の構造を利用し、吸気通路からはもともと水やオイ
ルが入り難い共鳴器を、吸気通路に溜った水やオイルが
更に共鳴器に流入するのを防ぐよう吸気通路に連通させ
た上で、この共鳴器からアイドル通路に吸気を供給して
制御弁の作動不具合を防止することにある。

（課題を解決するための手段）上記目的を達成するため、本考案では、アイドル通路
の上流側端部を、水分やオイルミストの入り難い共鳴器
に接続し、かつ該共鳴器を吸気通路に溜った水やオイル
が共鳴器に流入するのを阻止するよう該吸気通路に連通
させることである。

具体的に、本考案の講じた解決手段は、吸気通路にス
ロットルバルブを設けるとともに、該スロットルバルブ
よりも吸気上流側の吸気通路に、該吸気通路の一部を構
成する通路部と、一定の容積を持つ容積部と、該通路部
と容積部とを連通接続する連通部とからなる共鳴器を配
設したエンジンの吸気装置を前提とする。そして、上記
吸気通路のスロットルバルブの上下流を該スロットルバ
ルブをバイパスして連通するように吸気通路に接続さ
れ、少なくともアイドリング時に吸気をスロットルバル
ブをバイパスして供給するためのアイドル通路を設け
る。さらに、該アイドル通路の上流側端部を上記共鳴器
の容積部に接続し、かつ上記連通部の通路部への開口を
該通路部に溜った水やオイルが容積部に流入するのを阻
止する位置に設ける構成としたものである。

（作用）上記の構成により、本考案では、共鳴器により特定の
回転域で吸気慣性過給効果が得られて吸気充填効率が向
上するとともに吸気音の消音効果が得られる。

また、アイドル通路の流量制御などにより、アイドリ
ング時などにスロットルバルブをバイパスする吸気流量
が適宜調整されて、アイドル回転数の制御などが良好に
行われる。

その場合、上記共鳴器には上記アイドリング時等以外
は吸気が流通しないので、吸気中の水分やオイルが入り
難い上に、上記共鳴器の連通部を通路部に溜った水やオ
イルが流入するのを阻止する位置で通路部に連通させて
いるので、吸気通路に溜った水やオイルが共鳴器に流入
することがない。このため、上記共鳴器に接続されたア
イドル通路には水やオイルが流入せず、アイドル通路に
設けられる制御弁などの作動不具合が確実に防止され
る。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案の実施例に係る吸気装置を備えた直列
４気筒エンジンを示す。該エンジンにおいて、１はエン
ジン本体であって、該エンジン本体１には４つのシリン
ダ2,2…が形成されている。そして、該各シリンダ2,2…
には吸気通路３が接続され、該吸気通路３はエアクリー
ナ４を介して大気に開放されている。すなわち、第１図
〜第３図に示すように、該吸気通路３は、吸気下流側か
ら順に、エンジン本体１に形成され各シリンダ2,2…に
連通する吸気ポート５と、該各吸気ポート５にそれぞれ
接続された独立吸気通路6,6…と、該各独立吸気通路6,6
…が接続されたサージタンク７と、該サージタンク７に
接続されたスロットルボディ８と、該スロットルボディ
８に接続された吸気管９と、該吸気管９に接続された共
鳴器10と、該共鳴器10と上記エアクリーナ４との間に設
けられたエアフローセンサ11とからなる。そして、上記
スロットルボディ８の通路には、吸気流量を調節するた
めのスロットルバルブ12が設けられている。

また、第３図〜第５図に示すように、上記共鳴器10
は、吸気通路３の一部を構成する通路部10aと、該通路
部10aを取り巻くように設けられ且つ一定の容積を持つ
容積部10bと、上記通路部10aに溜った水やオイルが容積
部10bに流入するのを阻止するよう通路部10aの側壁に設
けられ該通路部10aと容積部10bとを連通接続する連通部
10cとからなり、上記容積部10bにより、吸気通路５内で
発生する吸気の定在波の腹の部分を吸収して、いわゆる
吸気こもり音を減少させるとともに、通路部10aにおい
て吸気の圧力液を反転させてエンジンの特定回転域での
吸気慣性過給効果を高めるようにしている。

さらに、上記吸気通路３には、スロットルバルブ12を
バイパスするアイドル通路13が設けられている。該アイ
ドル通路13は、第１図〜第６図に示すように、吸気通路
３の下側に配設されており（第２図及び第３図参照）、
一端（上流側端部）が上記共鳴器10の容積部10bの側壁
に接続されているとともに、他端（下流側端部）が第１
アイドル通路13aと第２アイドル通路13bとの二つに分岐
してそれぞれサージタンク７に接続されている。そし
て、該第１アイドル通路13aにはISCバルブ14が、第２ア
イドル通路13bにはエアバルブ15がそれぞれ設けられて
いる。

上記ISCバルブ14はロータリバルブよりなり、第７図
および第８図に示すように、第１アイドル通路13aの通
路面積を弁体14aで可変にするものである。そして、こ
のISCバルブ14は、例えばスロットルバルブ12が全閉と
なるアイドリング時に、その開度が適宜調整され、この
ことによりアイドル回転数を所定の回転数に制御するな
どの機能が発揮される。

また、上記エアバルブ15は、第７図に示す冷却水導入
口15aから導入される冷却水の温度に応じてその開度が
調整され、このことによりアイドル通路13の吸気流量を
ある程度確保するようにしている。尚、第１図中、16は
一端がエンジン本体１のクランクケース（図示せず）に
接続され、他端が上記吸気管９の中途部に接続されたブ
ローバイガス通路16であって、クランクケースのブロー
バイガスを吸気通路３に還流するようにしている。

さらに、上記はISCバルブ14およびエアバルブ15は、
共鳴器10により吸気慣性過給効果が得られる特定回転域
で閉じるように制御されている。

したがって、上記実施例においては、共鳴器10により
特定の回転域で吸気慣性過給効果が得られて吸気充填効
率が向上するとともに吸気音の消音効果が得られる。

また、アイドル通路13a,13bの流量制御などにより、
アイドリング時などにスロットルバルブ12をバイパスす
る吸気流量が適宜調整されて、アイドル回転数の制御が
良好に行われる。

その場合、共鳴器10には上記アイドリング時等以外は
吸気が流通しないので、この共鳴器10には吸気中に含ま
れる水分や吸気通路に還流されたブローバイガス中に含
まれるオイルミストが入り難い。さらに、共鳴器10にお
いて、連通部10cを通路部10aの側壁に開口するよう設け
たので、通路部10aに溜った水やオイルが容積部10bに流
入するのを防止できる。そのため、この共鳴器10に接続
されたアイドル通路13には水やオイルが流入せず、該ア
イドル通路13a,13bに設けられたISCバルブ14やエアバル
ブ15に水やオイルが付着せず、その作動不具合が確実に
防止される。

また、ブローバイガス通路16が、共鳴器10よりも吸気
下流側の吸気管９に接続されているので、このことによ
っても共鳴器10にオイルミストが入り難く、アイドル通
路13a,13bへのオイルの流入防止に寄与している。

さらに、共鳴器10により吸気慣性過給効果が得られる
特定回転域でISCバルブ14およびエアバルブ15を閉じる
ように制御したので、この特定回転域ではアイドル通路
13a,13bが連通せず、吸気慣性過給効果が確実に得られ
る。

また、アイドル通路13を吸気通路３の下側に配設した
ので、エンジンの上部から見た場合にアイドル通路13が
隠れることになり、見映えが良くなる。

（考案の効果）以上説明したように、本考案によれば、吸気通路にス
ロットルバルブを設けるとともに、該スロットルバルブ
よりも吸気上流側の吸気通路に、通路部と容積部とを連
通する連通部を有する共鳴器を配設したエンジンの吸気
装置において、上記吸気通路に上記スロットルバルブを
バイパスするように接続され、少なくともアイドリング
時にスロットルバルブをバイパスして吸気を供給するア
イドル通路を設けるとともに、該アイドル通路の上流側
端部を上記共鳴器の容積部に接続し、かつ上記連通部の
通路部への開口を該通路部に溜った水やオイルが容積部
に流入するのを阻止する位置に設けたので、吸気慣性過
給効果による吸気充填効率の向上および吸気音の消音効
果が得られるとともにアイドル回転数の制御などが良好
に行われながら、このアイドル回転数の制御においてア
イドル通路への水やオイルの流入がなく、アイドル通路
を設けられる制御弁などの作動不具合を確実に防止する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を例示し、第１図は全体概略構成
図、第２図は要部の平面図、第３図は要部の側面図、第
４図は共鳴器の正面図、第５図は共鳴器の側面図、第６
図はスロットルボディの正面図、第７図はISCバルブお
よびエアバルブの正面図、第８図はISCバルブおよびエ
アバルブの底面図である。３……吸気通路、10……共鳴器、10a……通路部、10b…
…容積部、10c……連通部、12……スロットルバルブ、1
3……アイドル通路。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者森健次広島県安芸郡府中町新地３番１号マツダ株式会社内 (56)参考文献実開昭64−19037（ＪＰ，Ｕ)

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】吸気通路にスロットルバルブを設けるとと
もに、該スロットルバルブよりも吸気上流側の吸気通路
に、該吸気通路の一部を構成する通路部と、一定の容積
を持つ容積部と、該通路部と容積部とを連通接続する連
通部とからなる共鳴器を配設したエンジンの吸気装置に
おいて、上記吸気通路のスロットルバルブの上下流を該スロット
ルバルブをバイパスして連通するように吸気通路に接続
され、少なくともアイドリング時に吸気をスロットルバ
ルブをバイパスして供給するためのアイドル通路を設
け、該アイドル通路の上流側端部を上記共鳴器の容積部に接
続し、かつ上記連通部の通路部への開口を該通路部に溜
った水やオイルが容積部に流入するのを阻止する位置に
設けた、ことを特徴とするエンジンの吸気装置。