JP2507827B2 - 管の地中埋設方法 - Google Patents

管の地中埋設方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、地中に管路を形成するための管の地中埋設
方法に係るもので、詳しくは、軟弱地盤においての挿管
であっても、先導管から土砂の取り込み過剰による上部
の道路陥没や周辺家屋等の建造物沈下事故が防止できる
管の地中埋設方法に関する。
(従来の技術) 従来、地中に管路を形成するための工法は、第12図に
示すような挿管装置40を用いて行なうことが知られてお
り、推進機41により地中へ挿嵌する管42と、該管42の外
周を把持して回転させる旋回手段43と、前記管32を回転
手段(図示せず)により回転されるオーガ44と、該オー
ガ44の先端に取り付けた掘削ヘッド45とより構成される
もので、特に、地盤の掘削を行なう掘削ヘッド45は、例
えば、砂礫層においての掘削では、前記オーガ44の先端
において土砂の取入れ口を有する面板状に形成してあっ
て、その全面に所定配列で超硬等の付刃46を施したもの
である。
また、挿管時に生ずる孔曲がりを修正するために、前
記管42の先端には管先を斜めに切断した傾斜縁47を形成
してあるもので、掘削孔へ管42を圧入して、この管42に
より、地中へ上下水道、送電用、送信用、その他の管路
を形成させるものである。
(発明が解決しようとする課題) 前記した従来の地中挿管装置および工法を用いて、砂
礫層等の軟弱地盤の掘削を行なうときは、先堀り掘進を
行なうと前方の地盤の崩壊を生ずるため、掘削ヘッドを
管の先端より若干下げた状態、すなわち、管内に該ヘッ
ドを収容した状態で掘削および挿管を行なうものである
が、掘削中、その前方において硬質な地盤や、大きな玉
石混じりのルーズな地盤に遭遇した場合は、前記掘削ヘ
ッドを管内へ収納した状態ではこれら障害物の掘削がで
きないので、第13図に示すように、この掘削ヘッドを管
先端より繰り出した先掘り状態で行なわなければならな
いから、同図に示すように、その上部において地盤の崩
壊を来して地表部の落盤を発生させる。
また、挿管時に、例えば、管が上向きの孔曲がりを生
じたときは、前記旋回手段により該管を回転させて、第
13図に示すように、先端の傾斜縁を上向きに位置させる
ことで、管先端の下部尖鋭部が地盤へ食い込んで曲がり
を修正する作用を行なうが、この状態で挿管を続ける
と、砂礫層や滞水層等の軟弱地盤では、前記傾斜縁にお
ける上部が斜めに開放しているため、上からの土圧受部
を失って、該部分の土砂を過剰に取り込み前記同様に地
盤の沈下を起こす。
特に、この傾斜縁は、曲がり修正のために管を回転し
たときは、該回転により第13図において符号hで示す地
盤を掘削して移動するため、この掘削圧による抵抗が作
用してその回転が困難であると共に、曲がりを修正する
ときの回転に非常に大きな回転駆動力を必要とする。
また、前記した挿管中の地盤の崩壊を防止させる方法
として、慣用の薬液注入等の補助工法が知られている
が、この工法は該薬液が極めて高価であって必然的に施
工費の高騰を招くもので、しかも、その注入量も十分で
ないと直ちあるいは経年後当該地盤の沈下を起こす原因
となる。
等の様々な問題点を有するものであった。
本発明は前記した問題点を解決するためになされたも
ので、軟弱地盤においての挿管であっても、土砂の取り
込み過剰による上部の道路陥没や周辺家屋等の建造物沈
下事故が防止できる管の地中埋設方法を提供することを
目的としている。
(課題を解決するための手段) 前記した目的を達成するための本発明の手段は、 発進坑内に進退自在に載置した推進機と、該推進機の
押圧板に取り付けて地中へ埋入する管と、該管内に挿嵌
して管の長さ方向へ進退し、かつ、オーガ軸により回転
自在となるオーガと、このオーガの先端に取り付けて前
記管の内径に見合う外径の環体を付設し、かつ、その前
面に羽根および爪体を取り付け、また、その前面一部分
に土砂の取入れ孔を穿設した面板状のオーガビットから
なる掘削ヘッドとを備えさせた地中挿管装置にあって、 硬質地盤の挿管工事において、掘削ヘッドを前進させ
て、地中に挿入した管先端の前方へ環体を繰り出して、
該環体により管内への土砂の流入を抑えて上部地山の土
圧を受けながら上方の土砂の崩壊を防止しつつ、オーガ
ビットの羽根および爪体により地盤を掘削して、オーガ
ビットの取入れ孔から逐次土砂を管内に取り入れて挿管
する工程と、 軟弱地盤の挿管工事において、掘削ヘッドを後退させ
て、地中に挿入した管先端より内方へ環体を位置させ
て、前記面板状のオーガビットにより管内への土砂の流
入を抑えて管前方の土砂の崩壊を防止しつつ、オーガビ
ットの取入れ孔から逐次土砂を管内に取り入れて挿管す
る工程と、 を選択的に行なうことを特徴とする管の地中埋設方
法。
(作用) 前記のように構成される本発明は以下に述べる作用を
奏する。
管路を形成すべき砂礫層の地盤の発進坑側において、
地盤の切端に管を当て、オーガビットを管先端より繰り
出したいわゆる先掘り状態で、前記管を削進機により加
圧しつつ駆動手段によりオーガを回転させると、硬質な
地盤や玉石混じりのルーズな地盤が、前記オーガビット
により掘削されると共に、掘削された土砂や石をオーガ
によって後方へ移動して排出され挿管がなされる。
また、軟弱な砂礫層は地盤が安定してないもので、オ
ーガビットと管の先端とに空間を生ずると該部分上方の
崩壊を起こすことがあるが、オーガビットが前方へ繰り
出した状態であっても、該オーガビットの外周に付設し
た所定幅の環体により、管の先端と面板との間を閉塞さ
せてあるので、上方からの土圧をこれにより支承させて
該部分の崩壊を抑えるものである。
なお、前記した障害物を有しない地盤の場合は、オー
ガビットを管の端縁に合わせるか、あるいは、少し引っ
込め管内に収納した状態において、管の挿入とオーガの
回転により挿管するものである。
(実施例) 次に本発明に関する管の地中埋設方法の一実施例を図
面に基づいて説明する。
第1図においてAは地中挿管装置で、発進抗1内に進
退自在に載置した推進機2と、該推進機2の押圧板3に
取り付けて地中へ埋入する管4と、該管4内に挿嵌する
オーガ5とにより基本的に構成されるものである。
推進機2は、前記発進抗1内に敷設した水平ベッド6
上に油圧シリンダ7等により進退自在に係合させてあっ
て、前記オーガ5の軸8を回転させる油圧モータ等の駆
動手段Mを載置してある。
前記管4は、所定長さ、例えば、3000mmに形成した鋼
管を順次継ぎ合わせて、前記発進抗1から到達抗(図示
せず)までの地中に埋設し、上下水道やガス・電気・電
話線等の敷設用、あるいは、その他の管路を形成するも
のであり、内径約250〜800mmのもので、前記鋼管以外に
も塩化ビニル管またはヒューム管等が用いられる場合も
ある。
前記したオーガ5は、前記管4の内部に挿嵌して掘削
土を後方、すなわち、発進抗1へ排出するもので、オー
ガ軸8の周面に所定ピッチの螺旋9を溶着してあり、前
記した管3の長さに形成し、かつ該管3の接続に伴っ
て、オーガ軸8の両端部に設けた凹凸状の接合部材10,1
1により連結して延長するものである。
なお、このオーガ5は、軸方向に対して図示してない
繰出手段により、0〜300mm程度の範囲内において任意
に進退されるもので、後記する掘削ヘッドを前記管4の
外端より前方へ繰り出したり、あるいは、管4内へ収納
したりできるようにしてある。
第1〜2図および第4〜11図において12は前記オーガ
5の先端に取り付けた掘削ヘッドで、前記オーガ軸8と
略同径のヘッド軸13を設け、このヘッド軸13の外周に前
記オーガ5の螺旋9と連なる螺旋14を1ピッチ程度取り
付けて、該ヘッド軸13の外端には管3の内径より若干小
径の面板状のオーガビット15を支承させてあるもので、
このヘッド軸13の内端には、前記オーガ軸8の凸状接合
部材11に噛合する凹状接合部材16を設けてある。
そして、このオーガビット15の外側には土砂を掘削す
る羽根および爪体17,18を取り付けて、該羽根および爪
体17,18に相応して、土砂あるいは玉石の取入れ孔19を
一箇所または複数箇所設けてあって、オーガ5の回転に
伴って前記オーガビット15面に当接する地盤を掘削し、
前記取入れ孔19より順次、管4内へ排土させる。
また、この掘削ヘッド12は、オーガビット15の外周
に、前記管4の内径より小径で該オーガビット15より後
方へ向かう環体20を付設してあるもので、前記オーガ5
を繰り出してオーガビット15が管4の先端より外側すな
わち前方に位置したとき、この環体20が管4の先端と連
接されて、一連の軸受部状を形成するので、オーガビッ
ト15と管4との間に隙間を有することがなく、そのた
め、管4における前方の地盤の崩落が防止されて、軟弱
地盤の砂礫層にあって硬質な地盤や障害物に遭遇して
も、前記オーガビット15を繰り出して先掘り掘削ができ
る。
なお、この環体20は、前記オーガ5の繰出量に合わせ
て幅も0〜300mm程度に設定されるもので、図示してな
いが幅広のものから幅狭のものまで適宜形成される。
第4〜11図は前記した掘削ヘッド12の各例を示すもの
で、図において21は前記オーガビット15へ軸22により起
伏自在に取り付けた硬質地盤の掘削切刃で、掘削中に、
管の外径以上の硬質障害物例えば岩盤等が存在したとき
は、これを起立させて前記環体20の外周より突出させ、
オーガビット15の全面に植設した切刃23と共に破砕する
ことにより容易に挿管されるものであり、また、前側へ
起こしてオーガビット15面より突出させるとこの切刃に
より破砕されるものである。
各図において24は、前記地中埋設管4の先端に溶接等
により取り付けた先導管で、前記地中埋設管4と同径か
大径の外形を有し、該地中埋設管4の内径とその内径を
一致させて地中埋設管4へ連結した管体25の前端面部を
軸方向に対して直角に形成し、該前端部面に略半分づつ
一連的に設けて、削進機2の推進により地中に食い込む
外斜載部26と内斜載部27とを形成してあるもので、先頭
オーガ5に内設したターゲット28を削進機2後方のトラ
ンシット29により目視しながら挿管時の管曲がりを監視
し、その挿管方向に曲がりを生じたときは、発進坑1に
おける削進機2の前方において、前記水平ベッド6に固
着した旋回手段30により該管4の外周を把持して管4を
所定角度回転させ、その曲がり方向へ先導管24における
外斜載部26を位置させ、また、前記曲がり方向と反対側
へ先導管24における内斜載部27を位置させて、推進方向
を修正しながら挿管するものであって、該管4の先端は
軸方向に対して直角に形成してあるので、この管4の回
転時は、地山をほとんど掘削することがなくて、したが
って、端面に対して受ける土圧は軽微であるため、容易
に回転して前記旋回手段30の旋回トルクはわずかでよい
ものである。
第3図は管4の先頭部において孔曲がり修正のための
補助手段して施した変形例で、管4先端より1,000mm程
度の付近において一側へその全体を10〜20mm屈曲させて
あり、これにより孔曲がりの修正効果が助長される。
更に、オーガビット15と先導管24との取り付け状態の
各例を第4〜11図に示すもので、第4〜5図に示すタイ
プは、ローム層や礫質土等の普通土からなる地盤におい
て管4を推進する場合を示すもので、オーガビット15は
先導管24よりやや引き込んだ位置にセットし、掘削中は
切羽口の地山を痛めずに安定を図りながら施工でき、ま
た、先導管24の端部は掘削中に管4の沈下を防止しなが
ら施工する必要があるため、通常の挿管に当たっては、
外斜載部26を上部に位置させて行なう。
第6〜7図に示すタイプは滞水砂層や滞水砂礫層ある
いは玉石混じりの滞水砂礫層の地盤において管4を推進
する場合を示すもので、オーガビット15は先導管24先端
より相当引き込んだ位置にセットし、この場合も軟弱地
盤であるので、先導管24の端部は掘削中に管4の沈下を
防止しながら施工する必要があるため、通常の挿管に当
たっては外斜載部26を上部に位置させて行なう。
第8〜9図に示すタイプは、土丹層や軟岩層等の硬質
地盤やコンクリート塊等の地中障害物が混在している地
盤において管4を推進する場合を示すもので、オーガビ
ット15は、先導管24先端より少し前に出た状態にセット
して掘削するもので、この地盤においては挿管方向が安
定しにくいため、推進時は常に孔曲がりを監視して所定
の精度より推進軌道を逸脱したら、速やかに該管4を旋
回手段30により希望する方向へ回転させるものであっ
て、先導管24の端面位置は孔曲がりの修正と共に変位す
るのでその基本位置は持たない。
第10〜11図に示すタイプは、固結した砂礫層等の硬質
地盤において管4を推進する場合を示すもので、オーガ
ビット15は先導管24先端より少し前に出た、いわゆる、
先掘り状態にセットして掘削するものであるが、切羽口
地山部の安定も良い上に、オーガビット15の外周に設け
た環体20により上部地山の崩壊が防止される。
そして、掘進時の先導管24先端部の基本位置は、孔曲
がり修正時以外は、その外斜載部26を上部に内斜載部を
下部に位置させて掘削するものである。
(発明の効果) 前述のように本発明の地中挿管装置用掘削ヘッドは、
砂礫層等の軟弱地盤の挿管において、掘削中に硬質の地
盤や障害物に遭遇しても、オーガビットに設けた環体の
幅の範囲内において、このオーガビットを管の前端より
繰り出すことにより、オーガビットの前部に取り付けた
羽根および爪体により硬質地盤や障害物を掘削して除去
することができ、このとき、オーガビットと管の先端と
は該環体により隙間を閉塞させてあり、オーガビットの
前面部は面板状で環体内を閉塞してあるので、管の上方
の地盤や地山崩壊が防止できて、地表面の落盤を引き起
こすことがない。
本発明に係る工法は、先導管端部よりのオーガビット
の進退と、該先導管に設けた端面の形状との相乗効果に
より、従来懸案とされていた工事中あるいは工事後の当
該地盤の沈下や崩落等の問題点が解決され、高価であっ
て十分に利用することができない薬液注入等の補助工法
が全く必要がなくなって、簡単かつ安価に地中への挿管
工事が行なえるものである。
特有の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に関する管の地中埋設方法に採用した挿
管装置の一実施例を示す一部縦断正面図。第2図は同上
の管の先頭部分を示す断面図。第3図は同上の管の先頭
部分を折曲させた状態を示す一部縦断面図。第4〜11図
は管に挿嵌した掘削ヘッドの各例を示すもので、第4,6,
7,8,10,11図は縦断正面図、第5,9,11図は側面図、第12
図は従来の地中挿管装置を示す一部縦断正面図。第13図
は同上におけるオーガビットを繰り出した状態の一部を
示す縦断正面図である。 図において2は削進機.4は管.9は駆動手段.5はオーガ.1
5はオーガビット.28はターゲット.29はトランシット.24
は先導管.26は外斜載部.27は内斜載部.20は環体であ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発進坑内に進退自在に載置した推進機と、
    該推進機の押圧板に取り付けて地中へ埋入する管と、該
    管内に挿嵌して管の長さ方向へ進退し、かつ、オーガ軸
    により回転自在となるオーガと、このオーガの先端に取
    り付けて前記管の内径に見合う外径の環体を付設し、か
    つ、その前面に羽根および爪体を取り付け、また、その
    前面一部分に土砂の取入れ孔を穿設した面板状のオーガ
    ビットからなる掘削ヘッドとを備えさせた地中挿管装置
    にあって、 硬質地盤の挿管工事において、掘削ヘッドを前進させ
    て、地中に挿入した管先端の前方へ環体を繰り出して、
    該環体により管内への土砂の流入を抑えて上部地山の土
    圧を受けながら上方の土砂の崩壊を防止しつつ、オーガ
    ビットの羽根および爪体により地盤を掘削して、オーガ
    ビットの取入れ孔から逐次土砂を管内に取り入れて挿管
    する工程と、 軟弱地盤の挿管工事において、掘削ヘッドを後退させ
    て、地中に挿入した管先端より内方へ環体を位置させ
    て、前記面板状のオーガビットにより管内への土砂の流
    入を抑えて管前方の土砂の崩壊を防止しつつ、オーガビ
    ットの取入れ孔から逐次土砂を管内に取り入れて挿管す
    る工程とを選択的に行なうことを特徴とする管の地中埋
    設方法。
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