JP3721609B2 - 地中掘削装置 - Google Patents
地中掘削装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3721609B2 JP3721609B2 JP23611495A JP23611495A JP3721609B2 JP 3721609 B2 JP3721609 B2 JP 3721609B2 JP 23611495 A JP23611495 A JP 23611495A JP 23611495 A JP23611495 A JP 23611495A JP 3721609 B2 JP3721609 B2 JP 3721609B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pipe
- cutter head
- propulsion
- shaft
- spreader
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、管の埋設装置に係り、特に下水用宅内桝と下水本管とを結ぶ下水枝管のように、比較的短い区間に管を埋設するのに好適な地中掘削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、家庭の宅内桝と下水本管とを接続する下水枝管の配管工事は、本管の工事の終了後、開削によって管を埋設していた。すなわち、図9に示したように、道路10に沿って開削溝を掘削して下水本管12を埋設するとともに、マンホール13を設置したのち、道路10を埋め戻す。そして、例えばA宅14の宅内桝16またはB宅18の宅内桝20と下水本管12とを結ぶ下水枝管22、24を埋設する場合、路上から開削工法によって埋設用の溝を掘削し、開削した溝に下水枝管22、24を配置し、開削した溝を埋め戻すようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、開削工法による下水枝管22、24の埋設工事は、塀26、28等の外構物が支障となり、これら外構物の一部撤去を伴うなど施工が困難となることが多い。また、溝を埋め戻して復旧する際に、撤去した床のタイルと同じ色のものを設置することができず、所有者からの苦情も多い。しかも、開削工法は、道路の舗装復旧などを必要とし、工程が多くなるばかりでなく、費用が高くなる。そして、下水本管12の埋設後に下水枝管22、24の施工をするため、工事期間も長くなる。さらに、開削工事を避けるために地中掘削装置を使用することが考えられるが、従来の地中掘削装置は、掘削装置を配設するためにかなり長い立坑が必要であったり、重量が大きく、また下水本管上に設置することができない。
【0004】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、管を削孔しつつ推進して埋設できるようにすることを目的としている。
【0005】
また、本発明は、掘削方向の修正を容易に行える地中掘削装置を提供することなどを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る地中掘削装置は、立坑内に固定されるベースと、このベース上に取り付けられ、水平面内で旋回可能な旋回テーブルと、前記ベースに設けられて前記旋回テーブルの旋回角度を検出する角度目盛と、前記旋回テーブル上に固定したレールに沿って移動するメインスライダと、このメインスライダに設けられて前面に埋設する管の後端が当接する推進スプレッダと、前記管の先端に装着した保護リングと、前記管の先端部に軸方向移動可能に配置されるカッタヘッドと、このカッタヘッドに設けられて前記管の内周面に摺接する振れ止め部材と、前記推進スプレッダの後方において前記メインスライダに対して移動可能に設けたサブスライダと、このサブスライダに搭載され、前記カッタヘッドを回転させる駆動源と、前記メインスライダに取り付けられ、前記駆動源を前記推進スプレッダに向けて進退させるスライドジャッキと、前記管の内部を通されて前記カッタヘッドと前記駆動源とを連結し、駆動源の発生した回転駆動力をカッタヘッドに伝達する回転軸と、前記カッタヘッドに取り付けられ、前記回転軸を介してカッタヘッドが前記埋設する管の内部に引き込まれたときに、前記保護リングに接触して前側に倒れる掘削刃と、テレスコピックに伸縮し、前記メインスライダを介して前記カッタヘッドと前記管とを同時に推進する推進ジャッキと、前記推進スプレッダと前記駆動源との間に着脱自在に設けられて前記回転軸を貫通させるとともに、前記駆動源を後退させるカム機構とを有する構成となっている。
【0010】
【作用】
上記のごとく構成した本発明は、埋設する管の先端に、この管より硬度の大きな保護リングを装着して管を保護するとともに、保護リングによってカッタヘッドを回転可能に支持し、カッタヘッドによって地山を掘削しつつ、カッタヘッドと埋設する管とを同時に推進することにより、削孔と管の推進とを同時に並行して行うことができ、塩化ビニール管のような管の埋設作業効率が大幅に向上し、工期の短縮とコストの低減とを図ることができる。そして、駆動源と推進機構とを旋回テーブルに設ければ、ベースの配置状態に関係なく掘削方向を選択することができる。さらに、カッタヘッドと回転軸とを埋設する管の軸方向に移動可能に配置するとともに、カッタヘッドに、カッタヘッドが管内に引き込まれたときに、保護リングと接触して前側に倒れる掘削刃を設ければ、カッタヘッドの回転方向の任意の位置において掘削刃を倒すことにより、掘削径を大きくしたり、小さくしたりすることが可能となって掘削方向の修正を容易に行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る地中掘削装置の好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
【0012】
図2は、本発明の実施の形態に係る地中掘削装置の本体を示す側面図であり、図3は平面図である。
これらの図において、掘削装置本体30は、発進立坑となる下水本管12を配置した掘削溝32内に設置されるベース34を有しており、このベース34の上に円形の旋回テーブル36が旋回自在に取り付けてある。そして、ベース34と旋回テーブル36との間には、例えばねじ止め機構のような図示しない固定機構が設けてあって、旋回テーブル36を任意の旋回位置でベース34に固定できるようにしてある。また、ベース34の上面には、旋回テーブル36の周縁に沿って角度目盛38が設けてある。そして、旋回テーブル36には、直径方向の両側縁部に一対の指標40、42が付してあって、旋回テーブル36の上面に固定したスライドレール44の旋回角度、すなわち掘削方向を検出することができるようにしてある。このスライドレール44は、実施例の場合、全長が1m程度に形成してあり、狭い掘削溝32内にも容易に配置できるようになっていて、図2に示してあるように、両端部が円弧状に形成してあって、掘削溝32内で容易、円滑に旋回できるようにしてある。
【0013】
ベース34の下面には、4つのシリンダブラケット46が固定してある(2つは図示せず)。これらのシリンダブラケット46は、ベース34の四隅に設けてあり、それぞれの先端側に本体固定ジャッキ48がロッド50を外側に向けて取り付けてある。そして、各本体固定ジャッキ48のロド50には、固定スプレッダ52が設けてあり、これらのスプレッダ52をジャッキ48によって掘削溝32の壁面に圧接することにより、掘削装置本体30を掘削溝32内に固定できるようにしてある。また、各シリンダブラケット46の後端側下部には、下水本管12の外周面に当接する円弧面を有する受け部54が取り付けてあって、この受け部54を介してベース34を下水本管12に安定して置けるようにしてある。さらに、受け部54は、例えばボルトなどによってシリンダブラケット46に取り付けてあって、下水本管12の外径に応じて交換できるようになっている。
【0014】
一方、スライドレール44の上部には、両側後端部(図3の右側端部)に推進ジャッキ56、58が設けてある。これらの推進ジャッキ56、58は、図2に示してあるように、一対ずつのジャッキ56a、56b、58a、58bが2段に重ねて配置してある。そして、下側の推進ジャッキ56b、58bは、ロッドがスライドレール44の後端側となっていて、これらのロッドの先端部がスライドレール44の上に固定したブラケット60にピン61を介して枢着してある。また、上側の推進ジャッキ56a、58aは、ロッドをスライドレール44の先端側に向けて推進ジャッキ56b、58bに固定してある。さらに、これらの推進ジャッキ56a、56b、58a、58bは、図2に2点鎖線で示したように、テレスコピックに伸縮する第1ロッド59aと第2ロッド59bとを有しており、シリンダ本体の長さに比較して大きなストロークが得られるようになっている。
【0015】
推進ジャッキ56、58の間には、スライドレール44の上面を図の左右方向に移動するメインスライダ62が配設してある(図3参照)。そして、メインスライダ62の前端部には、下水枝管となる塩化ビニール管64を推進するための推進スプレッダ部66が設けてある。推進スプレッダ部66は、塩化ビニール管64の後端が当接する管受け板68と、この管受け板68の背面に設けた押し板70とが一体化してあるとともに、これらの両側部に取付け板72が固定してあって、この取付け板72に設けたブラケット74を介して上側推進ジャッキ56a,58aの第2ロッド59bの先端部が枢着してある。従って、推進ジャッキ56、58を作動することにより、ブラケット74、推進スプレッダ部66を介してメインスライダ62をスライドレール44の長手方向に沿って往復移動できるようになっている。
【0016】
メインスライダ62の中央部には、図3に示したように、サブスライダ76が配設してある。このサブスライダ76は、メインスライダ62と相対移動可能となっていて、メインスライダ62に対してスライドレール44の長手方向に沿って移動できるようにしてある。そして、サブスライダ76の上面には、減速機78を介してモータ90が搭載してある。また、減速機78には、図3に示してあるように、ブラケット92が設けてあって、このブラケット92にスライドジャッキ94のヘッド部が枢着してある。このスライドジャッキ94は、ロッドの先端部がメインスライダ62に固定したブラケット96に枢着してあって、ブラケット92、減速機78を介してサブスライダ76を図3の左右方向に往復移動させるようになっている。
【0017】
減速機78は、相互に噛み合った一対の傘歯車を有しており(図示せず)、モータ90の回転軸に直交した出力軸がスプライン軸98となっている。スプライン軸98は、詳細を後述するように掘削装置の先端掘削機構のカッタヘッドを回転させるもので、先端掘削機構に連結するための図示しないピン穴を有し、先端が推進スプレッダ部66に向いている。そして、スプライン軸98は、スライドジャッキ94によって軸方向に移動し、2点鎖線に示したように、推進スプレッダ部66に設けた図示しない貫通穴を介して推進スプレッダ部66の前側に突出可能となっている。
【0018】
なお、掘削装置本体30は、本体上部側と本体下部側とを容易に分解、組立できるようになっている。すなわち、推進ジャッキ56b、58bのロッドは、ピン61を引き抜くことによって容易にブラケット60から取り外すことができるようになっている。そして、推進ジャッキ56b、58bをブラケット60から取り外すことにより、スライドレール44、旋回テーブル36、ベース34および本体固定ジャッキ48などからなる本体下部と、推進ジャッキ56、58、メインスライダ62、モータ90等を含む本体上部とを容易に分離することができるようになっている。また、本体上部と本体下部とを組み立てる場合には、ピン61によって推進ジャッキ56b、58bのロッドをブラケット60に連結することにより、容易に行えるようにしてある。従って、装置本体30を分解することにより、人力によって運搬することができ、現場への搬入や保管等が容易に行える。
【0019】
先端掘削機構100は、図1に示したように円筒状のカッタ軸(回転軸)102を備えている。そして、カッタ軸102の先端側周面には、排土用のオーガ104が設けてある。また、カッタ軸102は、前記したスプライン軸98または後述する中継ジョイントシャフトのスプライン軸部を嵌入させる継手部106が後端に固定してあり、この継手部106に嵌入させたスプライン軸98と連結ピン108によって連結できるようになっている。さらに、カッタ軸102の先端には、カッタヘッド110を取付けるための継手部112が固定してある。
【0020】
カッタヘッド110は、軸部114の後端部にスプライン部が形成してあって、このスプライン部を継手部112に嵌入し、ピン116によってカッタ軸102に連結固定できるようにしてある。また、軸部114の先端には、フィッシュカッタ118が設けてある。そして、フィッシュカッタ118の後部には、軸部114に固定した、カッタヘッド110の振れ止め部材であるカッタリング120が配設してある。このカッタリング120は、図4に示してあるように、カッタリング120を軸部114に固定するための一対のリブ部122がフィッシュカッタ118と直交した直径方向に設けてある。
【0021】
リブ部122の前側には、スリットが設けてある。このスリットには、掘削刃であるメインカッタ124の基端部が挿入され、この基端部がピン125によってリブ部122に枢着してある。そして、メインカッタ124は、塩化ビニール管64を通されたカッタ軸102と一体に塩化ビニール管64に対して軸方向に移動可能となっていて、カッタヘッド110が塩化ビニール管64内に引き込まれたときに、ピン125を中心に矢印129のように回動し、図5に示したように、先端側が前方に倒れるようになっていて、掘削方向を修正する際などに、掘削外径を変えることができるようにしてある。
【0022】
塩化ビニール管64は、実施例の場合、約500mmと比較的短く形成してあって、小さな立坑からでも容易に推進できるようにしてある。そして、先端掘削機構100の周囲に配置される塩化ビニール管64は、例えば鋼などによって形成した円筒状保護リング126が先端に取り付けてある。この保護リング126は、塩化ビニール管64の先端部を保護するとともに、カッタヘッド110を回転可能に支持してカッタヘッド110の振れを防止するもので、先端側外周縁部が面取りされているとともに、後端面にリング状挿入溝が形成してあって、この挿入溝に塩化ビニール管64の先端部が挿入されるようになっている。また、保護リング126の内周面は、カッタリング120が摺接し、カッタヘッド110を回転可能に支持してカッタヘッド110の振れ止めの役割をなすとともに、カッタリング120の軸方向移動を案内するガイド面となっている。一方、塩化ビニール管64の後端部外周面には、後続の塩化ビニール管を接続するための継手130が接着固定してある。
【0023】
カッタ軸102の後端継手部106と連結する前記した中継ジョイントシャフトは、図6のようになっている。すなわち、中継ジョイントシャフト132は、軸本体134が中空円筒状となっていて軽量化が図られていて、軸本体134の先端に、継手部106に挿入するスプライン軸136が固定してある。そして、スプライン軸136には、ピン穴138が設けたあって、このピン穴138に連結ピン108を挿入することにより、継手部106に連結できるようにしてある。また、軸本体134の後端には、他の中継ジョイントシャフト132を連結するための継手部140が固定してある。この継手部140には、他の中継ジョイントシャフト132のスプライン軸部136を固定するためのピン穴142が形成してある。
【0024】
なお、図6に示した符号144は、前記した先端の塩化ビニール管64に接続する後続の塩化ビニール管を示す。この塩化ビニール管144は、塩化ビニール管64と同様に長さが50cm程度に形成してあって、中継ジョイントシャフト132が通され、先端部が塩化ビニール管64に固着した継手130に挿入されて接着固定されるようになっていて、後端部の外周面に後続の他の塩化ビニール管144を挿入して接着固定するための継手146が接着固定してある。
【0025】
上記のごとく構成した実施の形態による塩化ビニール管の埋設は、次のようにして行う。
まず、掘削装置本体30のスライドレール44を含む本体下部を下水本管12を配置した発進立坑となる掘削溝32内に搬入する。そして、図7(1)に示したように、到達立坑となる宅内桝を設置するための穴150に到達できるようにベース34の仰角を調整し、本体固定ジャッキ48によって本体下部を掘削溝32内に固定する。このとき、掘削方向が開削溝32の長手方向と斜交するような場合、旋回テーブル36を旋回させてスライドレール44を所望の方向に向け、図示しない固定機構によって旋回テーブル36をベース34に固定する。次に、推進ジャッキ56b、58bのロッドをピン61を介してブラケット60に取り付け、本体上部を本体下部に組み付ける。
【0026】
その後、推進スプレッダ部66の前側に、塩化ビニール管64に通した先端掘削機構100を配置する。また、スライドジャッキ94を駆動して掘削装置本体30のスプライン軸92を推進スプレッダ部66の前方に突出させ、先端掘削機構100の継手部106に嵌入させ、ピン108によって両者を連結する。そして、両者を連結したならば、モータ90を駆動してカッタヘッド110を回転駆動するとともに推進ジャッキ56、58を作動し、図7(1)の矢印152のように、カッタヘッド110によって削孔しながら推進スプレッダ部66を前進させる。これにより、メインスライダ62が前進してカッタヘッド110と塩化ビニール管64とが同時に推進される。
【0027】
塩化ビニール管64を所定量前進させたならば、推進ジャッキ56、58のロッドを引き込んで先端掘削機構100をやや後退させ、スプライン軸92と先端掘削機構100との連結を解除する。その後、推進ジャッキ56、58のロッドをさらに引き込み、図7(2)の矢印154に示したように、先端掘削機構100と塩化ビニール管64とを地山に置いたまま装置本体30を初期位置まで後退させる。そして、塩化ビニール管144に通した中継ジョイントシャフト132のスプライン軸部136を先端掘削機構100の継手部106に結合するとともに、塩化ビニール管144の先端部を地山に残した塩化ビニール管64の継手130に挿入して接着固定する。さらに、装置本体30のスプライン軸92を中継ジョイントシャフト132の後端継手部140と連結し、図7(3)の矢印156に示したように、前記と同様にして削孔を行いながら塩化ビニール管64、144をカッタヘッド110とともに推進する。
【0028】
以下、図7(4)に示したように、上記と同様にして中継ジョイントシャフト132と塩化ビニール管144と順次継ぎ足して穴150まで削孔を行う。そして、先頭の塩化ビニール管64の先端が穴150に達したならば、中継ショイントシャフト132と先端掘削機構100とを掘削溝32内に引戻し、埋設した塩化ビニール管から1本ずつ順次抜き取る。先端掘削機構100を取り出したならば、塩化ビニール管の中を清掃したのち、図7(5)に示したように、後端の塩化ビニール管144と下水本管12とを取付けパイプ158によって連結する。また、穴150に宅内桝160を配置し、塩化ビニール管64の先端を宅内桝160に接続する。
【0029】
なお、掘削を進めて行くうちに曲がりを生じたりして、掘削方向を修正する必要が生じた場合には、次のようにして掘削方向の修正を行う。
【0030】
カッタヘッド110の回転方向において、曲げたい方向、例えば鉛直上方に曲げて掘削したい場合、この鉛直上方を含むその前後(左右両側)を上記と同様にして削孔する。そして、曲げたい方向と反対側の鉛直下方を含むその前後を掘削する場合、スライドジャキ94のロッドをやや引き込み、図5に示したようにカッタヘッド110を後退させ、メインカッタ124を前側に倒して掘削径を小さくする。また、これらの中間を掘削する場合には、状況に応じてメインカッタ124の角度を適宜に調節する。これにより、上側の掘削径が下側の掘削径より大きくなるとともに、塩化ビニール管64に作用する地山からの抵抗が下側より上側が小さくなって掘削方向が次第に上側に曲がる。なお、塩化ビニール管64に引き込んだカッタヘッド110を塩化ビニール管64から押し出すと、メインカッタ124は、地山を掘削する際の反力によって起こされ、図1に示した状態に自動的に復帰する。
【0031】
このように、実施の形態を用いた管の埋設は、軟質な管を削孔と並行して推進することができ、塩化ビニール管の埋設作業の効率を大幅に向上でき、埋設埋設工事の期間の短縮とコストの低減とを図ることができる。しかも、下水本管12を埋設する狭い掘削溝32内に掘削装置本体30を配置し、中継ジョイントシャフト132と塩化ビニール管144と順次継ぎ足して地中を掘削して行くため、塀などの外構物があっても下水枝管の埋設に支障をきたすことがない。また、埋め戻しなどの復旧作業が不要となり、工期を短縮することができるとともに、工費を低減することができる。そして、下水枝管を埋設するための開削を必要としないため、地元住民に与える影響を小さくすることができ、苦情などを減少させることができる。
【0032】
さらに、実施例においては、掘削装置本体30がピン61の脱着により、推進ジャッキ56、58を含む本体上部と、スライドレール44を含む本体下部とに容易に分解、組立可能となっているため、人力による運搬ができ、現場への搬入等が容易となる。また、実施例においては、スライドレール44を旋回テーブル36に取り付けて水平面内で旋回できるようしてあるとともに、その旋回量を角度目盛38によって読み取れるため、装置本体30を所望の掘削方向に容易に向けて設置することができる。そして、実施例においては、塩化ビニール管64の先端に保護リング126を装着してカッタヘッド110の振れ止めとしているため、安定した削孔を行うことができ、曲がりなどの発生を抑制することができる。
【0033】
前記実施例においては、塩化ビニール管からなる下水枝管の埋設工事について説明したが、水道管やガス管等の埋設、鋼管等の埋設にも適用することができる。また、前記実施例においては、下水本管12の埋設時に下水枝管を埋設する場合について説明したが、下水本管12の埋設終了後であっても、枝管と本管との接続部に小さな立坑を掘削して装置本体30を配置、固定することにより、上記と同様に枝管を容易に埋設することができる。そして、前記実施例においては、装置本体30が推進ジャッキ56、58より上側とスライドレール44より下側との2分割できる場合について説明したが、必要に応じてさらに旋回テーブル34とベース34とを分解、組立自在に構成し、運搬、保管の容易化を図ってもよい。
【0034】
図8は、他の実施の形態の要部を示したものである。この実施の形態においては、掘削装置本体30の推進スプレッダ部66の背面に端面カム162が設けてある。このカム162は、高部164と低部166とを有しているとともに、中心部に、モータ90によって回転駆動させられるスプライン軸168を貫通させる穴(図示せず)が形成してある。そして、カム162は、取付け部170がボルト等によって推進スプレッダ部66に固定されていて、取付け位置、すなわち高部164の軸心に対する位置を任意に変えることができるようになっている。一方、スプライン軸168は、ローラ取付け板174の前面に固定してある。このローラ取付け板172のカム162と対面する前面には、カム162の端面を転動するローラ174が回転自在に取付けてある。また、スプライン軸168の先端部近くには、カム162と推進スプレッダ部66とを貫通して先端掘削機構100または中継ジョイントシャフト132の継手部106、140に連結するためのピン穴176が設けてある。そして、ローラ取付け板172の背面には、スプラインボス部178が設けてあり、このスプラインボス部178に減速機78に設けたスプライン軸98が嵌合するようになっている。
【0035】
このように構成した本実施の形態においては、ローラ取付け板172に取り付けたローラ174がカム162の低部166を転動するとき、カッタヘッド110が塩化ビニール管64から押し出されて掘削径が大きくなる。そして、ローラ174がカム162の高部164を転動するとき、地山からの反力によってカッタヘッドが塩化ビニール管64内に押し込まれ、メインカッタ124が前側に倒れて掘削径が小さくなる。従って、掘削方向をカム162の低部166が配置してある側に曲げることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、埋設する管の先端に、この管より硬度の大きな保護リングを装着して管を保護するとともに、保護リングによってカッタヘッドを回転可能に支持し、カッタヘッドによって地山を掘削しつつ、カッタヘッドと埋設する管とを同時に推進するため、削孔と管の推進とを同時に並行して行うことができ、塩化ビニール管のような管の埋設作業効率が大幅に向上し、工期の短縮とコストの低減とを図ることができる。そして、駆動源と推進機構とを旋回テーブルに設けたことにより、ベースの配置状態に関係なく掘削方向を選択することができる。さらに、カッタヘッドと回転軸とを管の軸方向に移動可能に配置するとともに、カッタヘッドに、カッタヘッドが管内に引き込まれたときに、保護リングと接触して前側に倒れる掘削刃を設けたことにより、カッタヘッドの回転方向の任意の位置における掘削径を大きくしたり、小さくしたりすることが可能となり、掘削方向の修正を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る先端掘削機構の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る掘削装置本体の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る掘削装置本体の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るカッタヘッドの正面図である。
【図5】実施の形態に係るメインカッタの作用の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る中継ジョイントシャフトの断面図である。
【図7】実施の形態に係る掘削装置を用いた下水枝管の埋設方法の説明図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の要部の説明図である。
【図9】下水道管の埋設状態を示す平面図である。
【符号の説明】
30 掘削装置本体
32 立坑(掘削溝)
34 ベース
36 旋回テーブル
38 角度目盛
40、42 指標
44 スライドベース
48 本体固定ジャッキ
56、58、62、66 推進機構(推進ジャッキ、メインスライダ、推進スプレッダ部)
64、144 塩化ビニール管
76 サブスライダ
90 駆動源(モータ)
92、168 スプライン軸
94 スライドシリンダ
100 先端掘削機構
102 回転軸(カッタ軸)
106、140 継手部
110 カッタヘッド
118 フィッシュカッタ
120 振れ止め部材(カッタリング)
124 掘削刃(メインカッタ)
126 保護リング
132 中継ジョイントシャフト
162 カム
174 ローラ
Claims (1)
- 立坑内に固定されるベースと、このベース上に取り付けられ、水平面内で旋回可能な旋回テーブルと、前記ベースに設けられて前記旋回テーブルの旋回角度を検出する角度目盛と、前記旋回テーブル上に固定したレールに沿って移動するメインスライダと、このメインスライダに設けられて前面に埋設する管の後端が当接する推進スプレッダと、前記管の先端に装着した保護リングと、前記管の先端部に軸方向移動可能に配置されるカッタヘッドと、このカッタヘッドに設けられて前記管の内周面に摺接する振れ止め部材と、前記推進スプレッダの後方において前記メインスライダに対して移動可能に設けたサブスライダと、このサブスライダに搭載され、前記カッタヘッドを回転させる駆動源と、前記メインスライダに取り付けられ、前記駆動源を前記推進スプレッダに向けて進退させるスライドジャッキと、前記管の内部を通されて前記カッタヘッドと前記駆動源とを連結し、駆動源の発生した回転駆動力をカッタヘッドに伝達する回転軸と、前記カッタヘッドに取り付けられ、前記回転軸を介してカッタヘッドが前記埋設する管の内部に引き込まれたときに、前記保護リングに接触して前側に倒れる掘削刃と、テレスコピックに伸縮し、前記メインスライダを介して前記カッタヘッドと前記管とを同時に推進する推進ジャッキと、前記推進スプレッダと前記駆動源との間に着脱自在に設けられて前記回転軸を貫通させるとともに、前記駆動源を後退させるカム機構とを有することを特徴とする地中掘削装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23611495A JP3721609B2 (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | 地中掘削装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23611495A JP3721609B2 (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | 地中掘削装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0960475A JPH0960475A (ja) | 1997-03-04 |
JP3721609B2 true JP3721609B2 (ja) | 2005-11-30 |
Family
ID=16995952
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23611495A Expired - Lifetime JP3721609B2 (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | 地中掘削装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3721609B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4976054B2 (ja) * | 2006-05-23 | 2012-07-18 | 株式会社大林組 | 小口径管推進装置 |
JP4967103B2 (ja) * | 2006-11-17 | 2012-07-04 | 有限会社聖工業 | 合成樹脂管の地中敷設工法 |
-
1995
- 1995-08-22 JP JP23611495A patent/JP3721609B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0960475A (ja) | 1997-03-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9039330B1 (en) | Pipe boring shield | |
JPH0454797B2 (ja) | ||
JP3721609B2 (ja) | 地中掘削装置 | |
US5873421A (en) | Tool for installing a pipeline under a structure | |
JP3399514B2 (ja) | 掘削推進機の推進方向修正装置 | |
JP3830917B2 (ja) | 管路形成用トンネル掘削機 | |
JP2507827B2 (ja) | 管の地中埋設方法 | |
JP2004534167A (ja) | 地面に円穴を作る方法 | |
JP4381995B2 (ja) | 管推進埋設装置 | |
JP3830918B2 (ja) | 管路形成用トンネル掘削機 | |
JP2020139364A (ja) | 既設管路の改築工法 | |
JP3803754B2 (ja) | 地中掘進装置 | |
JP3680963B2 (ja) | 埋設管における本管および枝管の埋設方法 | |
KR20030005651A (ko) | 관체 매설장치 | |
JP2576561B2 (ja) | 管推進工法 | |
JP3004492B2 (ja) | オールケーシング掘削機 | |
JPH0526073B2 (ja) | ||
KR200281084Y1 (ko) | 자갈 및 전석층 지중에서의 소구경 터널 굴착장치 | |
JPH01121423A (ja) | 分岐管の埋設方法 | |
JPS61137998A (ja) | 管の推進工法並びにその装置 | |
JPH0694770B2 (ja) | 軟弱地盤に於けるマンホール用穴の掘削装置及びその装置を用いた掘削方法 | |
JPH02178496A (ja) | 既設管路の置き換え方法及び地中掘進装置 | |
JP2021173055A (ja) | 曲線状トンネル・地中梁又は先行支保を構築するための推進装置の発進設備 | |
JP2003097185A (ja) | 管埋設装置 | |
JP2003239685A (ja) | 二重管削進方式の管推進装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041028 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050214 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050406 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050513 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050628 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20050722 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050822 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050905 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110922 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120922 Year of fee payment: 7 |