JP3803754B2 - 地中掘進装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は小口径管の推進工法に係り、特に下水道用宅地内桝と下水本管とを結ぶ下水枝管や、電力、ガス、上水道、電話等の比較的短い区間の地中に管を布設するのに最適な地中掘進装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、家庭の宅内桝と下水道本管とを接続する下水枝管の配管工事は、本管の工事終了後、開削によって管を地中に埋設していた。すなわち、図15に示したように、道路10に沿って開削構を掘削して下水道本管12を埋設するとともにマンホール13を設置したのち、道路10を埋め戻す。そして、例えばA宅14の宅内桝16または、B宅18の宅内桝20と下水道本管12とを結ぶ下水枝管22、24を設置する場合、路上から開削工法によって埋設用の溝を掘削し、開削した溝に下水枝管22、24を配設したのち、開削した溝を埋め戻すようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、開削工法による下水枝管22、24の埋設工事は、塀26、28等の外構物が支障となり、これらの外構物の一部を撤去する工事を伴うなど施工が困難となることが多い。また、溝を埋め戻して復旧する場合、撤去した路面のタイルと同じ色のものを設置することができず、所有者からの苦情も多い。しかも開削工法は道路の舗装復旧などを必要とし、工程が多くなるばかりではなく、費用が高くなる。そして、下水道本管12の埋設後に下水枝管22、24の施工を行うため、工事期間も長くなる。
【0004】
さらに、開削工事を避けるために地中掘進装置を使用することが考えられるが、従来の地中掘進装置は、配設するための長さと幅の広い立坑が必要であったり、装置の重量が重く、また下水道本管上およびマンホール内に設置することがむずかしかった。しかも、従来の地中掘進装置による管の地中推進は、管を継ぎ足して推進する場合に管継手部でしばしば曲った状態で接続され、推進力の増大や管の歪曲、破損を生じたり、布設した管の勾配不足等による品質不良が発生するなどの問題があった。
【0005】
本発明は前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、地中をカッタ装置で掘削し同時に布設管を推進させて、管を地中布設できるようにすることを目的としている。
また、本発明は、推進方向および推進線形、例えば上下、左右等の修正を容易に行える地中推進装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る地中掘進装置は、地中を推進する管の先端に装着した管を保護するガイドリングに正逆回転可能に支持させたカッタ装置と、発進坑に配設されて前記管と前記カッタ装置とを同時に推進可能な推進機構と、この推進機構と相対移動可能に設けられ、前記カッタ装置を所定の周期で前後方向に移動可能なスライド機構と、このスライド機構に設けられ、前記カッタ装置に地山を掘削する回転力を与える回転出力軸を備えた駆動源とを有し、前記カッタ装置は起伏自在な可動カッタビットを有し、前記スライド機構は任意回転位置に取り付け可能なカム機構を有し、このカム機構により前記カッタ装置を所定の周期で前後移動させ、カッタ装置の後退時に前記可動カッタビットを前記ガイドリングに接触させて倒し、前記カッタ装置による地山掘削口径を小さくして前記ガイドリングの方向修正および推進する前記管の推進線形を修正可能にした構成となっている。また、推進機構は、本体の前側と後側とのそれぞれに、複数段に伸縮可能なシリンダ機構を有し、前記管の所定推進長を前記シリンダ機構の一行程で行うことができるようにするとよい。さらに、推進機構には、前記管を推進する元押しスプレッダを有するとともに、元押しスプレッダの前方に、前記回転出力軸と同軸に前記管を固定可能な可動支持台が配設され前記元押しスプレッダが前方に一定量推進した位置で一定間隔を保持しつつ前記可動支持台を同時に移動をするとともに、元押しスプレッダ部の初期位置への復帰にともなって、前記可動支持台を同時に復帰させる復帰機構を有するようにできる。
【0008】
【作用】
上記のごとく構成した本発明は、地中に布設する管の先端に、管の先端部を保護するガイドリングを装着してカッタ装置を正逆回転可能に支持し、カッタ装置によって地山を掘削しつつ、カッタ装置と地中布設管とを同時に推進することにより削孔と地中布設管の推進とを同時に並行して行うことができ、塩化ビニール管のような管の地中布設作業の効率を大幅に向上でき、工期の短縮とコストの低減、また、作業環境の改善を図ることができる。そして、駆動源と推進機構とを旋回テーブルに設ければ、ベースの配置状態に関係なく掘削方向と推進勾配とを設定することができる。
【0009】
カッタ装置を掘削する地山の土質に応じて任意の周期で前後方向に移動させつつ掘進すると、カッタ装置がスタックするのを避けることができ、円滑な削孔が可能となる。また、カッタ装置が掘削した土砂を管内に保持させつつ到達坑まで掘進したのち、カッタ装置の発進坑への回収時に、管内に保持させた掘削土砂を発進坑内に排出するようにすると、排土作業の簡素化が図れる。さらに、管の内部に管の内面を保護する挿抜自在な保護筒を配置し、カッタ装置の後部に排土機構を設けて発進坑側に連続的に排土しつつ到達坑まで掘進したのち、カッタ装置の発進坑への回収時に、管内に配置した保護筒を発進坑側に移動させて回収するようにすると、管の内面を疵付けることなく連続的な排土が可能となる。
【0010】
さらに、本発明の地中掘進装置によれば、カッタ装置を所定の周期で前後方向移動させるカム機構を設けるとともに、カッタ装置に可動カッタビットを設け、カッタ装置が管内側に引き込まれたときに、可動カッタビットをガイドリングに接触して前側に倒れる機構とすることにより、掘削径を設定口径より小さくすることが可能となって掘削方向および推進管の推進線形等の修正を容易に行うことができる。また、可動支持台を設けて管を回転出力軸と同軸に固定することにより、推進管の振れ防止をしながら、推進力が正確に掘進方向に伝達され、管の接続時における曲りを防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る地中推進装置の好ましい実施の形態を図面を添付図面に従って詳細に説明する。
【0012】
図3は本発明の実施形態に係る地中掘進装置の本体を示す側面図であり、図4はその平面図、図5は一部拡大平面図である。
これらの図において、掘進装置本体30は発進坑となる下水道本管12を配置した掘削溝内に設置されるベース32を有しており、このベース32の上に旋回テーブル34が旋回自在に取り付けてある。そして、ベース32と旋回テーブル34との間には、例えば固定ボルト36などの固定機構が設けてあって、旋回テーブル34を任意の旋回位置でベース32に固定できるようにしてある。また、ベース32の上面には、旋回テーブル34の円弧周縁に沿って角度目盛38が設けてある。そして、旋回テーブル34には、直径方向の両側縁部に一対の指標40、40が付してあって、旋回テーブル34の上面に固定したスライドレール42の旋回角度すなわち、掘削方向を設定することができるようにしてある。このスライドレール42は実施例の場合、全長が1m以内に形成してあり、狭い掘削溝内にも容易に配置できるようになっていて、掘削溝内で容易、円滑に旋回できるようにしてある。
【0013】
ベース32の四隅には、ブラケット43を介してレベルジャッキ44が配置してある。これらのレベルジャッキ44は、それぞれが単独で伸縮できるようになっていて、ベース32の水平度、俯仰角度を調節できるようにしてある。また、ベース32の四隅側面には固定ジャッキ46が設けてあり、これらの固定ジャッキ46の先端に設けた固定スプレッダ48を掘削溝の地山部に圧接することにより、掘進装置本体30を掘削溝内に固定できるようにしてある。
【0014】
一方、旋回テーブル34に固定したスライドレール42は、旋回テーブル34の両側に配設してある。これらのスライドレール42の上部には、後部側(図3の右側)にスライド機構を構成している推進ジャッキ50が設けてある。これらの推進ジャッキ50は、図3に示してあるように、一対のジャッキ50a、50bからなっていて、ピストンロッドが反対方向に伸縮する長ストローク機構となっている。推進ジャッキ50の下側ジャッキ50bのロッド先端は、スライドレール42の後端側の固定ブラケット52にピン54を介して枢着してある。また、推進ジャッキ50の上側ジャッキ50aは、スライドレール42に配設されたメインスライダ55の前部に設けた元押しスプレッダ56の両側に取り付けた固定ブラケット58にピン60を介して枢着してある。これらのジャッキ50a、50bは、図4に示したように、テレスコピックに伸縮する一段ロッド62と二段ロッド64とを有しており、構成シリンダ本体長に比較して大きなストローク長が得られるような構造にしてある。
【0015】
メインスライダ55は、図4の左右方向に滑動自在となっていて、前端部に、地中に布設する下水枝管である塩化ビニール管66を推進するための元押しスプレッダ56が取り付けてある。元押しスプレッダ56は上部が開放されていて、塩化ビニール管66の後端に嵌着したプレスリング68の下側半分と係合し、推進ジャッキ50の推力によりプレスリング68を介して塩化ビニール管66を推進するようになっている。すなわち、推進ジャッキ50を作動することにより、推進ジャッキブラケット58、元押しスプレッダ56を介して、メインスライダ55をスライドレール42の長手方向に沿って往復移動できるようになっているとともに、元押しスプレッダ56、プレスリング68を介して塩化ビニール管66を前進させることができるようになっている。また、元押しスプレッダ56は、後端側に張出し部57を有し、この張出し部57間の隙間から後述するように掘削土砂を発進立坑内に排出できるようにしてある。
【0016】
メインスライダ55には、図5に示したように、サブスライダ70が配設してある。このサブスライダ70は、メインスライダ55と相対移動可能となっていて、メインスライダ55に内接したスライドレールに沿って移動できる構造にしてある。そして、サブスライダ70の上部には、減速機72を介して、駆動源である駆動モータ74が配設してある。また、減速機72には、図5に示してあるように、メインスライダ55に搭載した一対のスライドジャッキ76のヘッド部が固着してある。このスライドジャッキ76は、ロッド先端のクレビス部がメインスライダ55に固定したブラケット78に枢着してあって、ブラケット78、減速機72を介してサブスライダ70を図4の左右方向に往復移動できるようになっている。
【0017】
減速機72には、正逆回転可能な回転出力軸80が突出して設けてある。この回転出力軸80は、詳細を後述するように、掘進装置の先端掘削機構を構成しているカッタ装置を回転させるためのもので、図1に示した先端カッタ装置82に連結できるようになっている。また、回転出力軸80は、スライドジャッキ76によって軸方向に移動ができるようになっていて、回転出力軸80の回転駆動力をカッタ装置82に伝動する中継排土軸84の後端ネジ部との螺合可能となっているとともに、後述する継ぎ足す中継排土軸間の着脱にも用いられる。
【0018】
なお、掘進装置本体30は、本体上部側と本体下部側とを容易に分解、組立ができる構成になっている。すなわち、推進ジャッキ50のロッドは、ピン54を引き抜くことによって容易にブラケット52から着脱することができる。そして、推進ジャッキ50をブラケット52から取り外すことにより、スライドレール42、旋回テーブル34、ベース32および本体固定用ジャッキ44、46などからなる本体下部と、推進ジャキ50、メインスライダ55、駆動モータ74などを含む本体上部とを容易に分離することができる。また、本体上部と本体下部とを組立てる場合には、ピン54によって推進ジャキ50のロッド先端部をブラケット52に連結することによって、容易に行えるようにしてある。したがって、推進装置本体30を分解することにより、人力によって運搬することができ、現場への搬入や保管等が容易に行える。
【0019】
先端カッタ装置82は、図1に示すように、カッタ前部86とカッタ後部88および中継排土軸84とによって構成されている。カッタ前部86には、センタカッタ90と中間カッタ92が円柱状のカッタ軸94に配備してある。また、カッタ後部88には、中継排土軸84に固着した円筒状カッタ軸96の基端部に可動カッタビット98が配備されている。カッタ前部86とカッタ後部88とは、カッタ軸94、96を螺合することによって一体化してある。そして、カッタ軸94、96の周囲には、後述するように、可動カッタビット98を図1の状態に復元し、固定するためのスライドスリーブ100が設けられている。先端側のカッタ軸94の後端面と、スライドスリーブ100の後端側の内面との間には、ばね102が配設してある。このばね102は、スライドスリーブ100を図1の右方向に付勢し、図2のように前方に倒れた可動カッタビット98を図1のように復帰させる。また、必要に応じてスライドスリーブ100の内部に圧縮空気または高圧水を注入し、可動カッタビット98を確実に復元させることができるようになっている。
【0020】
すなわち、カッタ軸96の中心部には貫通孔104が設けてあって、この貫通孔104に中空の中継排土軸84(図6参照)を介して圧縮空気または高圧水が供給されるようになっている。また、先端側のカッタ軸94の中心部にも流路106が形成してある。さらに、後部側カッタ軸96の先端部には、先端を流路106に挿入した側面視T字状のチェック弁108が軸方向移動自在に配置してある。このチェック弁108は、流路106内に配置したばね110によって後方側に付勢されていて、貫通孔104の先端部を閉鎖できるようになっている。そして、貫通孔104に供給された圧縮空気または高圧水が供給は、チェック弁108を前方に移動し、カッタ軸94、96の間からスライドスリーブ100の内部に供給され、スライドスリーブ100を後方に移動させて可動カッタビット98を復元させる。また、カッタ軸94には、中間カッタ92の前方に吐出孔112が半径方向に形成してあって、地山の土質に応じて圧縮空気または高圧水を地山に噴射できるようになっている。すなわち、カッタ軸94の内周面とチェック弁108の外周面との間には、図示しない通路が形成してあって、この通路を介して貫通孔104から流路106に供給された圧縮空気または高圧水を吐出孔112から地山に噴射し、中間カッタ92、可動カッタ98による地山の掘削を容易に行えるようにしている。
【0021】
また、中継排土軸84の後部には、図6に示したように、継手部114が設けてあり、この継手部114に回転出力軸80を螺着するようになっている。さらに、継手部114には、図7に示した継ぎ足される中継排土軸116の先端継手部118を螺合によって連結できるようになっている。この中継排土軸116の後端部にも後端継手部114が設けてあって、複数の中継排土軸116を順次連結できるようになっている。そして、中継排土軸84、116の外周面には、排土機構である排土羽根120が螺旋状に設けてある。また、それぞれのカッタなどの取付け角度は互に直交した直径方向に設けてある。ただし、可動カッタビット98は、布設する管の推進線形を修正できるようにするため、1つしか設けられていない。
【0022】
カッタ後部88と排土羽根120の先端部に可動カッタビットブラケット122が取付けられ、このブラケット122の基端部にピン124によって可動カッタビット98が取け付けられている。そして、可動カッタビット98は、塩化ビニール管66を通された中継排土軸84と一体に塩化ビニール管66に対して軸方向に相対移動可能となっていて、カッタ装置82が塩化ビニール管66内に引き込まれたとき、可動カッタビット98の背面が塩化ビニール管66の先端に装着したガイドリング126の曲面部128と接触し、ピン124を中心に図1の反時計方向に回動し、図2に示したように、先端部が前方に倒れるようになっていて、掘削方向および推進管の推進線形の修正を行うときに掘削外径を変えることができるようにしてある。そして、塩化ビニール管66は実施例の場合、下水道本管部の開削幅に最適な長さである約580mmに形成してあって、小規模立坑からでも容易に掘進できるようにしてある。
【0023】
先端カッタ装置82の周囲に配置される塩化ビニール管66には、円筒状のガイドリング126が先端に取付けてある。このガイドリング126は、内リング130と外リング132とを螺着した構造となっていて、先端側内周部が曲面128に加工されているとともに、後端面にはリング状挿入溝134が形成してあって、この挿入溝134に塩化ビニール管66の先端部が挿入されるようになっている。そして、ガイドリング126は、塩化ビニール管66の先端部を推進による地山からの損傷を防護するとともに、内周面に排土羽根120の外径部が摺接し、排土羽根12を介してカッタ装置82を回転可能に支持してカッタ装置82の振れ防止が図られているとともに、内周面が中継排土軸84の軸方向移動を案内するガイド面となっている。
【0024】
また、先導中継排土軸84の後端継手部114と連結する前記中継排土軸116は図7のようになっている。すなわち中継排土軸116は、中継シャフト本体136と排土羽根120と先端継手部118および後端継手部114より構成されている。さらに、中継シャフト本体136は、中空軸を用いて地山への注水孔として利用するとともに軽量化を図っている。先端継手部118、後端継手部114には、他の中継排土軸116を連結するためにねじが設けてあり、各中継排土軸116を相互に螺着できるようにしている。
【0025】
なお、図7に示した符号138は、前記した先端の塩化ビニール管66に接続する後続の塩化ビニール管を示す。この塩化ビニール管138は、塩化ビニール管66と同様に長さが580mm程度に形成してあって、中継排土軸116が通されており、先端部が継手140の後部側に挿入されて接着固定されるようになっている。そして、継手140は、前部側を推進を完了した塩化ビニール管後部が挿入されて接着固定される。また、中継排土軸116は、中継排土軸84と同様に円筒状をないしていて、回転出力軸80に形成した貫通孔141(図6参照)を介して圧縮空気または高圧水が供給されるようになっている。さらに、減速機72の背面には、図8に示したように、回転出力軸80と同軸に管継手143が取り付けてあって、この管継手143に圧縮空気または高圧水の供給パイプを接続することにより、圧縮空気または高圧水を先端カッタ装置82に供給できるようになっている。
【0026】
また、次順に連結される塩化ビニール管138の連結と、塩化ビニール管138内に配置された中継排土軸116の連結とを容易にするために、図3に示したように、管サポート142をメインスライダ55の前方に配置し、メインスライダ55の先端部の元押しブラケット56の軸芯、すなわち回転出力軸80の軸芯と管サポート142の軸芯が同一軸芯になるように配設してある。管サポート142は、塩化ビニール管138を配置、固定する可動支持台144がスライドレール42に摺動自在に配置してある。また、可動支持台144の先端部には、管押え146が設けてある。この管押え146は、可動支持台144の一側に固定したブラケット148にピン150を介して枢着してあり、図3の紙面と直交した方向に回動できるようになっている。そして、管押え146は、ピン150を中心に回動させることにより、可動支持台144上に配置された塩化ビニール管138の上部を跨ぐように配置され、塩化ビニール管138を上方から可動支持台144に押圧し、先行させた塩化ビニール管66または塩化ビニール管138および回転出力軸80と同軸に固定する。これにより、中継用の塩化ビニール管138を管サポート142と元押しスプレッダ56部に配置することで、連結塩化ビニール管138の接合と連結作業がより容易に行うことができる。また、推進ジャッキ50の伸長にしたがって、メインスライダ55前端部の元押しスプレッダ56が管押え146に近接し、元押しスプレッダ56が一定量の推進をしたときに、スペーサなどによって元押しスプレッダ56と管押え146との距離を一定間隔を保持して地山方向に同時移動するようにしてある。さらに、管サポート142は、推進ジャッキ50が初期位置に後退すると、ばねなどによって構成した復帰機構により、当初位置に復帰するようになっている。
【0027】
図9、図10は、推進ジャッキ50の具体例を示したもので、図9は作動油の流路を示しており、図10が下側ジャッキ50bの断面図であって、上側ジャッキ50aも同様に構成してある。これらの図において、推進ジャッキ50は、上側ジャッキ50aと下側ジャッキ50bとのシリンダチューブとなるジャッキ本体150が一体に形成してある。そして、上側ジャッキ50aには、ヘッド側部にヘッド側ポート152aが形成してある。このヘッド側ポート152aは、流路154を介して下側ジャッキ50bのヘッド側ポート152bに連通していて、推進ジャッキ50を伸長するときに、矢印154に示したように、ヘッド側ポート152aに作動油を供給するようになっている。また、下側ジャッキ50bの二段ロッド64bの端面には、ロッド側ポート158bが形成してあり(図10参照)、一段ロッド62、二段ロッド64をジャッキ本体150内に引き込むときに、図9の矢印160に示したように、ロッド側ポート158bに作動油を供給するようになっている。また、ロッド側ポート158bに供給された作動油は、図示しない流路を介して上側ジャッキ50aの二段ロッド64a内に流入するようになっている。さらに、ジャッキ本体150には、下側ジャッキ50bのロッド先端側に一段ロッド62bの外周面に形成した圧油室162b(図10参照)に通じるポート164bが設けてある。このポート164bは、流路166を介して上側ジャッキ50aの圧油室162aに作動油を供給するポート164aに連通している。
【0028】
一段ロッド62(62a、62b)は、図10に示したように円筒状となっていて、その内部に円筒状の二段ロッド64が挿入してある。そして、一段ロッド62のピストン部170には、流路172が軸方向に貫通して設けてあって、ポート152から流入した作動油を一段ロッド62の内部に流入させ、二段ロッド64のピストン部174後端面に油圧を作用させることができるようになっている。また、一段ロッド62の内周面と二段ロッド64の外周面との間には、二段ロッド64を引き込むための圧油室176が形成してある。この圧油室176は、二段ロッド64に形成した半径方向のポート178を介して二段ロッド64の中心孔180に連通している。さらに、中心孔180には、ジャッキ本体150のヘッド側に固定したロッド182が挿入してある。このロッド182は、中心部に流路184を有していて、一段ロッド62が伸長したときに、半径方向のポート186を介して流路184がヘッド側ポート152と連通するようになっている。
【0029】
上記のごとく構成した実施の形態による塩化ビニール管の地中布設は次のようにして行う。
まず、掘進装置本体30のスライドレール42を含む本体下部を下水道本管12を配置した発進立坑となる開削溝内に搬入する。そして、到達立坑となる宅内桝を設置するための穴に到達できるようにベース32の仰角と推進方向をレベルジャッキ44と旋回テーブル34をそれぞれ調整し、本体固定用ジャッキ46によって推進装置本体30の本体下部を掘削溝内に固定する。このとき、掘削方向が開削溝の長手方向と大きく斜交するような場合、旋回テーブル34を旋回させて、スライドレール42を目的の方向に再調整し、旋回テーブル34の固定用ボルト36によって旋回テーブル34をベース32に固定する。
【0030】
次に、推進ジャッキ50のロッド先端クレビス部をピン54を介してブラケット52に取り付けて、本体上部を本体下部に組み付ける。その後、元押しスプレッダ56の前側に塩化ビニール管66に通した先端カッタ装置82を配置するとともに、塩化ビニール管66の後端にプレスリング68を装着し、塩化ビニール管66を管サポート142に固定する。また、スライドジャッキ76を作動させて推進装置本体30の回転出力軸80を元押しスプレッダ56の前方に突出させ、先端カッタ装置82に接合した中継排土軸84の後端継手部114に螺着させ、両者を連結する。そして、両者を連結したならば、駆動モータ74を駆動させてカッタ装置82を回転駆動するとともに、推進ジャッキ50のヘッド側ポート152に作動油を供給して作動させ、カッタ装置82によって地山を削孔しながら、元押しスプレッダ56を前進させる。これにより、メインスライダ55が前進して元押しスプレッダ56がプレスリング68を介して塩化ビニール管66を推進し、カッタ装置82と塩化ビニール管66とが同時に掘進される。
【0031】
推進ジャッキ50のヘッド側ポート152aに供給された作動油は、一段ロッド62のピストン部170に形成した流路172を介して二段ロッド64のピストン部174の後端面に作用し、二段ロッド64をジャッキ本体150から押し出して伸長する。そして、二段ロッド64のピストン部174が一段ロッド62の先端部まで伸長すると、ピストン部174が一段ロッド62をジャッキ本体150から引き出す。また、一段ロッド62のピストン部170がポート186より前方に移動してポート186を開放するとともに、二段ロッド64のピストン部174がロッド182の前方に移動すると、流路172を介して一段ロッド62内に流入した作動油が流路184、ポート186を介してピストン部170の後端面側に戻され、一段ロッド62をさらに伸長する。
【0032】
塩化ビニール管66を所定量前進させたならば、推進ジャッキ50のロッド部を引き込んで先端カッタ装置82をやや後退させ、ネジ付回転出力軸80と中継排土軸84との連結を解除する。また、スライドジャッキ76を併用させて連結を解除してもよい。その後、推進ジャッキ50のロッド側ポート158とポート164とに作動油を供給してロッド62、64をさらに引き込み、先端カッタ装置82と塩化ビニール管66とを地山に置いたまま、推進装置本体30を初期位置まで後退させる。
【0033】
ロッド側ポート158に供給された作動油は、二段ロッド64の中心孔180とポート178を介して圧油室176に流入し、ピストン部174の前面側に圧力を作用させて二段ロッド64をジャッキ本体150内に押し込む。また、ポート164を介して圧油室162に供給された作動油は、ピストン部170の前面側に圧力を作用させて一段ロッド62をジャッキ本体150内に押し込む。そして、継ぎ足す塩化ビニール管138に通した中継排土軸116の前端継手部118を先端カッタ装置82の中継排土軸84の後端継手部114に結合するとともに、塩化ビニール管138を管サポート142に固定し、塩化ビニール管138の先端を地山に残した塩化ビニール管66の継手140に挿入して接着固定する。さらに、推進装置本体30の回転出力軸80を中継排土軸116の後端継手部114と連結し、前記と同様にして削孔を行いながら塩化ビニール管66、138をカッタ装置82とともに掘進させる。また、カッタ装置82によって掘削された土砂は、中継排土軸84、116に設けた排土羽根120によって順次後方に送られ、塩化ビニール管138の後端から発進立坑内に連続的に排出される。
【0034】
以下、上記と同様にして、中継排土軸116と塩化ビニール管138とを順次継ぎ足して到達立坑となる穴まで削孔を行う。そして先頭の塩化ビニール管66が穴に達したならば、中継排土軸84と先端カッタ装置82とを掘削溝内側に引戻し、推進布設した塩化ビニール管から継ぎ足した中継排土軸116の本数分をそれぞれの継手部114、118部で解螺して順次抜き取る。また、先端カッタ装置82を取り出したならば、塩化ビニール管66、138の中を清掃し、後端の塩化ビニール管138と下水道本管12を取付けパイプによって連結する。さらに、穴に宅内桝を配置し、塩化ビニール管66の先端を宅内桝に接続する。
【0035】
なお、中継排土軸を開削溝側に回収するときに先端カッタ装置82のカッタ前部86を取り外し、塩化ビニール管内の清掃用バフ等を取り付けてバフ等による清掃も行うこともできる。また、掘進を進めて行くうちに、推進中の塩化ビニール管に曲がりを生じたりして、掘削方向を修正する必要が生じた場合には、次のようにして掘削方向の修正を行う。
【0036】
カッタ装置82の回転方向において、曲げたい方向、例えば鉛直上方に曲げて掘削したい場合、この鉛直上方を含むその前後(左右両側)を上記と同様にして削孔する そして、曲げたい方向と反対側の鉛直下方を含むその前後を掘削する場合、スライドジャッキ76のロッドをやや引き込み、図2に示したようにカッタ装置82を後退させ、カッタ後部88を先端部ガイドリング126と接触させ、可動カッタビット98を前側に倒して掘削口径を小さくする。また、これらの中間を掘削する場合には、状況に応じてカッタ装置82の突出量を調整し、可動カッタビット98の角度を適宜に調整する。これにより、上側の掘削径が下側の掘削径より大きくなるとともに、塩化ビニール管66に作用する地山からの抵抗が下側より上側が小さくなって掘削方向が次第に曲がる。なお塩化ビニール管66に引き込んだカッタ装置82を塩化ビニール管66から押し出すと、可動カッタビット98は地山を掘削する際の反力とスライドスリーブ100によって引き起こされ、図1に示した状態に自動的に復帰させることができる。この際、ばね102のばね力によって可動カッタビット98を復帰させることができない場合には、カッタ装置82に圧縮空気または押圧水を供給し、スライドスリーブ100により大きな力を与えて可動カッタビット98を引き起こすことができる。
【0037】
なお、掘削する地山の土質によりカッタ装置82がスタックするような場合、スライドジャッキ76によりカッタ装置82を任意の周期で前後方向に移動させることにより、カッタ装置82のスタックを防止でき、円滑な削孔を行うことができる。また、土質によっては、前部カッタ86に設けた吐出孔112から高圧水や圧縮空気を噴射して掘削の円滑化を図ることができる。
【0038】
このように、実施の形態を用いた管の地中布設は、軟質な管を削孔と並行して推進することができ、塩化ビニール管の布設作業の効率を大幅に向上でき、布設工事の期間の短縮とコストの低減と建設公害に対する住民の苦情(騒音、振動、交通障害、地盤変状等)の解消等を図ることができる。しかも、下水道本管12を埋設する狭い掘削溝内に掘進装置本体30を配置し、中継排土軸116と塩化ビニール管138とを順次継ぎ足して地中を掘進して行くことで塀などの外構物があっても下水枝管の地中布設に支障をきたすことがない。また、埋め戻しなどの復旧作業が不要となり、工期を短縮することができるとともに、工費を低減させることができる。
【0039】
そして、下水枝管を地中布設するために開削を必要としないため、地元住民に与える影響を少なくすることができ、苦情などを減少させることができる。さらに、実施例においては、推進装置本体30がピン54の脱着により、推進ジャッキ50を含む本体上部とスライドレール42を含む本体下部とに容易に分解、組立が可能となっているため、人力による運搬が可能で現場への搬入などが容易となる。また、実施例においては、スライドレール42を旋回テーブル34に取り付けて、水平面内で旋回できるようにしてあるとともに、その旋回角度量をベース32上の目盛38から読み取れるため、推進装置本体30を目的の掘削方向に容易に設置することができる。さらに、実施例においては、塩化ビニール管66の先端にガイドリング126を装着してカッタ装置30の振れ止めとしているため、安定した削孔を行うことができ、曲がりなどの発生を抑制することができる。
【0040】
前記実施例においては、塩化ビニール管からなる下水枝管の地中推進布設工事について説明したが、上水道管やガス管、電気、電話等の地中布設、鋼管等の地中布設にも適用することができる。また、前記実施例においては、下水道本管12の埋設時に下水道枝管を地中布設する場合について説明したが、下水道本管12の埋設終了後であっても、枝管と本管との接続部に小規模の立坑を掘削して、推進装置本体30を配置、固定することにより、上記と同様に枝管を容易に地中布設することができる。そして、前記実施例においては、推進装置本体30が推進ジャッキ50より上側と、スライドレール42より下側との2分割にできる場合について説明したが、必要に応じてさらに旋回テーブル34とベース32とを分解、組立が自在に構成し、運搬、保管の容易化を図ることもできる。
【0041】
図11は他の実施の形態の要部を示したものである。この実施の形態においては、推進装置本体30の元押しスプレッダ56の背面に端面カム190が設けてある。このカム190は凸部192と凹部194とを有しているとともに、中心部に駆動モータ74によって回転駆動させられる回転出力軸80を貫通させる穴を有するリング状に形成してある。そして、カム190は、取付け部196にボルトなどによって、元押しスプレッダ56に固定されており、取付け位置、すなわち、軸芯に対する凸部192の位置を任意に変えることができるようになっている。
【0042】
一方、回転出力軸80には、カムローラ取付け板198が固定してある。このカムローラ取り付け板198のカム190と対面する前面には、カム190の端面上を転動するローラ200が回転自在に取り付けてある。また、回転出力軸80の先端部近くにはカム190と元押しスプレッダ56とを先端カッタ装置82または中継排土軸84、116の継手部114と連結するためにねじ部が形成してある。そして、ローラ取付け板198は回転出力軸80にボルトなどで取り付けるようになっている。
【0043】
このように構成した本実施の形態においては、ローラ取付け板198に取り付けたカムローラ200が図12に示したようにカム190の凸部192を転動するとき、カッタ装置82が塩化ビニール管66内に引き込まれて可動カッタビット98が前側に倒れて掘削径が小さくなる。したがって、掘削方向をカム190の凸部192が配置してある側に曲げることができる。また、カム190の凹部194をカムローラ200が転動するときは、カッタ装置82が押し出されて初期設定の掘削径になるようになっている。さらに、カム凹部194をカムローラ200が転動するときに、設定掘削外径よりも大きく掘削することもできる。
【0044】
図13は、他のカム機構を示したものである。この実施形態においては、元押しスプレッダ56の背面に円筒カム202が着脱可能に取り付けてある。そして、回転出力軸80に設けたローラ取付け板198に取り付けたカムローラ204は、円筒カム202の周面に形成したカム溝206を転動するようになっている。
【0045】
図14は、他の実施の形態を示したものである。本実施の形態は、同図(1)に示したように、塩化ビニール管66の内側に保護筒210が配置してある。この保護筒210は、例えば金属やプラスチックなどの弾性を有する部材によって構成してあって、同図(2)に示してあるように、軸線に沿ったスリット212が設けてある。そして、保護筒210は、スリット212の幅を縮めることにより、塩化ビニール管66内に容易に挿入でき、その内面に密着させることができるようになっている。この保護筒210は、順次継ぎ足す塩化ビニール管138の内部にも配置してある。なお、保護筒210は、塩化ビニール管に疵を付けないように端部やスリット212の縁部などを面取りしておくことが望ましい。
【0046】
このように構成した本実施の形態においては、排土羽根120や、排土羽根120によって後方に移送されて連続的に排土される掘削土砂などによって塩化ビニール管66、138の内面に疵が付くのを防止することができる。そして、塩化ビニール管66の先端が到達立坑まで達したならば、カッタ装置82のカッタ前部86とガイドリング126とを取り外たのち、保護筒210を回収するためのリングや円板等をカッタ後部88に装着し、前記したように中継排土軸84を発進立坑側に引き抜くことによって保護筒210を回収する。
【0047】
なお、排土羽根120を、先端カッタ装置82を有する中継排土軸84にのみ設け、順次継ぎ足す中継排土軸116を図7(2)に示したように排土羽根120を有しないものとし、カッタ装置82の掘削した土砂を塩化ビニール管66、138内に保持させた状態で到達立坑まで掘削し、その後、カッタ装置82のカッタ前部86を取り外して排土用のブラシや円板などをカッタ装置82に取り付け、中継排土軸116、84を発進立坑に回収する際に、塩化ビニール管138、66内の掘削土砂を発進立坑内に排出するようにしてもよい。これにより、排土作業を容易に行うことができる。
【0048】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、地中に布設する管の先端に、管の先端部を保護するガイドリングを装着してカッタ装置を正逆回転可能に支持し、カッタ装置によって地山を掘削しつつ、カッタ装置と地中布設管とを同時に推進することにより削孔と地中布設管の推進とを同時に並行して行うため、塩化ビニール管のような管の地中布設作業の効率を大幅に向上でき、工期の短縮とコストの低減、また、作業環境の改善を図ることができる。
【0049】
さらに、カッタ装置を掘削する地山の土質に応じて任意の周期で前後方向に移動させつつ掘進するようにしたことにより、カッタ装置がスタックするのを避けることができ、円滑な削孔が可能となる。また、カッタ装置が掘削した土砂を管内に保持させつつ到達坑まで掘進したのち、カッタ装置の発進坑への回収時に、管内に保持させた掘削土砂を発進坑内に排出するようにしたことにより、排土作業の簡素化が図れる。さらに、管の内部に管の内面を保護する挿抜自在な保護筒を配置し、カッタ装置の後部に排土機構を設けて発進坑側に連続的に排土しつつ到達坑まで掘進したのち、カッタ装置の発進坑への回収時に、管内に配置した保護筒を発進坑側に移動させて回収するようにしているため、管の内面を疵付けることなく連続的な排土が可能となる。
【0050】
さらに、本発明の地中掘進装置によれば、カッタ装置を所定の周期で前後方向移動させるカム機構を設けるとともに、カッタ装置に可動カッタビットを設け、カッタ装置が管内側に引き込まれたときに、可動カッタビットをガイドリングに接触して前側に倒れる機構とすることにより、掘削径を設定口径より小さくすることが可能となって掘削方向および推進管の推進線形等の修正を容易に行うことができる。また、可動支持台を設けて管を回転出力軸と同軸に固定することにより、推進管の振れ防止をしながら、推進力が正確に掘進方向に伝達され、管の接続時における曲りを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る地中掘進装置の先端カッタ装置の説明図である。
【図2】実施の形態に係るカッタ装置の作用を説明する図である。
【図3】実施の形態に係る地中掘進装置の本体部の側面図である。
【図4】実施の形態に係る地中掘進装置の本体部の平面図である。
【図5】実施の形態に係る地中掘進装置の一部拡大平面図である。
【図6】実施の形態に係るカッタ装置の中継排土軸の断面図である。
【図7】実施の形態に係る継ぎ足す塩化ビニール管の断面図と継ぎ足す中継排土軸の断面図である。
【図8】実施の形態に係る減速機部の断面図である。
【図9】実施の形態に係る推進ジャッキの作動油の流路を示す図である。
【図10】実施の形態に係る推進ジャッキの下側ジャッキの一部断面図である。
【図11】実施の形態に係るカム機構の断面図である。
【図12】実施の形態に係るカム機構の作用を説明する図である。
【図13】実施の形態に係る他のカム機構の断面図である。
【図14】他の実施の形態の断面図と保護筒の説明図である。
【図15】従来の下水道枝管の布設方法を説明する図である。
【符号の説明】
12 下水道本管
30 掘進装置本体
32 旋回テーブル
42、50、55、56 推進機構(スライドレール、推進ジャッキ、
メインスライダ、元押しスプレッダ)
66、138 塩化ビニール管
68 プレスリング
70、76 スライド機構(サブスライダ、スライドジャッキ)
74 駆動モータ
80 回転出力軸
82 カッタ装置
98 可動カッタビット
84、116 中継排土軸
190 端面カム
200、204 カムローラ
210 保護筒
202 円筒カム

Claims (3)

  1. 地中を推進する管の先端に装着した管を保護するガイドリングに正逆回転可能に支持させたカッタ装置と、発進坑に配設されて前記管と前記カッタ装置とを同時に推進可能な推進機構と、この推進機構と相対移動可能に設けられ、前記カッタ装置を所定の周期で前後方向に移動可能なスライド機構と、このスライド機構に設けられ、前記カッタ装置に地山を掘削する回転力を与える回転出力軸を備えた駆動源とを有し、前記カッタ装置は起伏自在な可動カッタビットを有し、前記スライド機構は任意回転位置に取り付け可能なカム機構を有し、このカム機構により前記カッタ装置を所定の周期で前後移動させ、カッタ装置の後退時に前記可動カッタビットを前記ガイドリングに接触させて倒し、前記カッタ装置による地山掘削口径を小さくして前記ガイドリングの方向修正および推進する前記管の推進線形を修正可能にしたことを特徴とする地中掘進装置。
  2. 前記推進機構は、本体の前側と後側とのそれぞれに、複数段に伸縮可能なシリンダ機構を有し、前記管の所定推進長を前記シリンダ機構の一行程で行うことができることを特徴とする請求項に記載の地中掘進装置。
  3. 前記推進機構は、前記管を推進する元押しスプレッダを有するとともに、元押しスプレッダの前方に、前記回転出力軸と同軸に前記管を固定可能な可動支持台が配設され、前記元押しスプレッダが前方に一定量推進した位置で一定間隔を保持しつつ前記可動支持台を同時に移動をするとともに、前記元押しスプレッダ部の初期位置への復帰にともなって、前記可動支持台を同時に復帰させる復帰機構を有することを特徴とする請求項1または2に記載の地中掘進装置。
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