JP4381995B2 - 管推進埋設装置 - Google Patents

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Description

本発明は、地表を開削することなく地中に管を推進して埋設する管推進埋設装置に関し、より詳しくは、パイロット管やオーガヘッド等を推進するときに推進機の回転駆動部に過大な推進反力が加わらないようにするとともに、パイロット管やオーガヘッド等を一体に推進するための推進力が不足しないように改良する技術に関する。
従来、地表を開削することなく上・下水道管や通信、電気用の管路を地中に埋設するために、立坑の内部から水平方向に管を推進して埋設する推進埋設工法が用いられている(例えば、下記特許文献1の図2を参照)。
このとき、いわゆる2工程方式の推進埋設工法においては、まず最初に、図5に示したように地表Gから掘削した発進坑Aの内部に推進機1を設置する。
この推進機1は、軸受2によって回転自在に支持されるとともに駆動モータ3および減速機4によって回転駆動される回転駆動部材5と、大径油圧シリンダ6によって図示左右方向に往復動される推進板7とを備えている。
また、軸受2、駆動モータ3,減速機4および回転駆動部材5と推進板7との間には小径油圧シリンダ8が介装され、回転駆動部材5に接続したパイロット管9等を一体に推進できるようになっている。
次に、推進機1の回転駆動部材5に1本目のパイロット管91を接続するとともに、駆動モータ3および減速機4よってこのパイロット管91を回転駆動しつつ、小径油圧シリンダ8によって回転駆動部材5を図示左方向に前進させ、このパイロット管91を地中に推進して埋設する。
そして、埋設したパイロット管91の後端に次のパイロット管92を接続して回転駆動しつつ推進する作業を繰り返すことにより、発進坑Aから到達坑Bに向かってパイロット管9を埋設することができる。
このとき、パイロット管9の先端部分に内蔵されているターゲット9aの位置を発進坑A内に設けたセオドライト等の測定手段(図示せず)によって測定し、パイロット管9の推進方向を確認する。
パイロット管9の先端に位置ずれが生じた場合には、パイロット管9の先端傾斜面9bが位置ずれ方向を向くように、推進機1の回転駆動部材5を回動させてパイロット管9の回転位相を調整する。
そして、この状態でパイロット管9を推進すると、パイロット管9の先端傾斜面9bが地中に食い込むことにより半径方向の矯正力が先端傾斜面9bに作用するので、パイロット管9の先端の位置ずれを修正することができる。
パイロット管9の埋設が完了すると、図6に示したように、埋設したパイロット管9の後端に軸受9cを介してオーガヘッド10およびオーガスクリュ11を接続するとともに、このオーガスクリュ11の後端を推進機1の回転駆動部材5に接続する。
そして、回転駆動部材5によってオーガヘッド10およびオーガスクリュ11を回転駆動しつつ、小径油圧シリンダ8によってパイロット管9、オーガヘッド10およびオーガスクリュ11を一体に推進し、先端カッタ10aによって地盤を掘削する。
同時に、オーガヘッド10の周囲に配置した先導管12、この先導管12に接続された掘削土を排出するためのケーシング13、および先導管12の後端に連続している埋設管14を、推進機1の推進板7および大径油圧シリンダ6によって一体に推進することにより、掘削土を排出しながら多数の埋設管14を順次埋設することができる。
特開2003−343194号公報
ところで、図5および図6に示した従来の管埋設推進装置15においては、パイロット管9、オーガヘッド10およびオーガスクリュ11をそれぞれ地中に推進するときに生じる推進反力を、推進機1の回転駆動部材5のみで受け止める構造となっている。
このため、図5および図6中に矢印Cで示したように地盤の強い締め付け力がパイロット管9に作用し、かつ先端カッタ10aが硬質地盤を掘削するときに生じる大きな掘削反力がオーガヘッド10に作用すると、大きな推進反力が回転駆動部材5に負荷され、回転駆動部材5の強度の問題が生じる。
そこで、大きな推進反力にも耐え得るように回転駆動部材5の強度を高めようとすると、この回転駆動部材5は軸受2,駆動モータ3,および減速機4等の周辺部品と一体に組み込まれているため、回転駆動部材5が大型化すると周辺部品も大きくなり、推進機1が大がかりなものとなってしまう。
また、回転駆動部材5は小径油圧シリンダ8を介して推進板7に接続され、パイロット管9、オーガヘッド10およびオーガスクリュ11を一体に推進することができる。
ところが、この小径油圧シリンダ8は、その機構上、推進板7を推進する大径油圧シリンダ6に較べると小さいものであり、パイロット管9やオーガヘッド10およびオーガスクリュ11を一体に推進するための推進力が不足する場合があった。
そこで本発明の目的は、上述した従来技術が有する問題点を解消し、パイロット管やオーガヘッド等を推進するときに推進機の回転駆動部に過大な推進反力が加わらないようにするとともに、パイロット管やオーガヘッド等を一体に推進するための推進力が不足しないように改良された管推進埋設装置を提供することにある。
上記の課題を解決するための請求項1に記載した手段は、
地表に掘設した立坑内から地中にパイロット管を推進して埋設する管推進埋設装置であって、
前記パイロット管を回転駆動するための回転駆動部および前記パイロット管を地中に推進するための推進部を有した、前記立坑内に設置される推進機と、
前記パイロット管の後端に接続されて前記パイロット管と一体に回転駆動されかつ推進される接続部材と、
前記接続部材の前記推進部に対する相対回転を許容しつつ前記推進部からの推進力を前記接続部材に伝達する、前記接続部材と前記推進部との間に介装されたスラスト軸受と、
前記回転駆動部からの回転駆動力を前記接続部材に伝達する回転駆動力伝達手段と、
を備えることを特徴とする。
すなわち、請求項1に記載した管推進埋設装置においては、パイロット管を接続部材に接続した後、推進機の回転駆動部によって接続部材を回転駆動しつつ、推進機の推進部により接続部材を推進することにより、パイロット管を回転駆動しながら地中に推進することができる。
このとき、パイロット管から接続部材に作用する推進反力は、接続部材およびスラスト軸受を介して推進機の推進部によって受け止められるから、推進機の回転駆動部に過大な推進反力が作用することを防止できる。
また、推進機の推進部は回転駆動部とは別個に構成できるから、充分な強度および推進力を確保することができ、パイロット管を推進するための推進力が不足することはない。
さらに、従来の推進機に接続部材、スラスト軸受および回転駆動力伝達手段を追加する構造であるから、従来の推進機を改造することなくそのまま使用することができる。
また、請求項2に記載した手段は、請求項1に記載した管推進埋設装置において、
前記回転駆動力伝達手段は、その後端が前記回転駆動部に接続される出力軸であり、
前記接続部材はこの出力軸の前端に一体に固定されており、
前記スラスト軸受が前記接続部材に保持されていることを特徴とする。
すなわち、請求項2に記載した管推進埋設装置は、接続部材およびスラスト軸受を設けた出力軸を従来の推進機に着脱自在に取り付ける構造である。
このとき、この出力軸の後端を推進機の回転駆動部に係合させるとともに、スラスト軸受を推進機の推進板に取り付けることにより、この出力軸を推進機に容易に取り付けることができる。
そして、この出力軸の前端に、地中に推進する他のパイロット管の後端を接続する。
これにより、従来の推進機を改造することなく使用できるばかりでなく、パイロット管を順次地中に推進する作業を従来と同様に容易に行うことができる。
また、上記の課題を解決するための請求項3に記載した手段は、
地表に掘設した立坑内から地中に管を推進して埋設する管推進埋設装置であって、
前記立坑内に設置される推進機と、
前記推進機により地中に推進して埋設したパイロット管の後端に接続され、かつ前記推進機の回転駆動部により一体に回転駆動される、その先端にオーガヘッドを有したオーガスクリュと、
前記オーガヘッドにより掘削された掘削土を排出するために前記オーガスクリュの周囲に同軸に配設され、かつ前記推進機の推進部によって推進される筒状のケーシングと、
このケーシングの先端に同軸に配置されるとともに、その後端に埋設管が連続する先導管と、
前記ケーシングあるいは前記先導管が前記推進機の推進部から受けた推進力を前記オーガヘッドに伝達しつつ、前記ケーシングおよび前記先導管に対する前記オーガヘッドの相対回転を許容する、前記ケーシングあるいは前記先導管と前記オーガヘッドとの間に介装されたスラスト軸受と、
を備えることを特徴としている。
すなわち、請求項3に記載した管推進埋設装置においては、ケーシングあるいは先導管とオーガヘッドとの間にスラスト軸受を介装したので、パイロット管、オーガヘッド、オーガスクリュ、ケーシング、先導管および埋設管の全てを推進機の推進部によって推進することができる。
そして、推進機の回転駆動部は、オーガヘッドおよびオーガスクリュを回転駆動する役割のみを果たす。
これにより、パイロット管やオーガヘッドおよびオーガスクリュを推進するときに生じる推進方向の過大な反力が推進機の回転駆動部に作用することはない。
また、推進機の推進部は回転駆動部とは別個に構成できるから、充分な強度および推進力を確保することができ、パイロット管、オーガヘッドおよびオーガスクリュを推進するための推進力が不足することはない。
また、請求項4に記載した手段は、請求項3に記載した管推進埋設装置において、
前記スラスト軸受が、前記オーガヘッド、前記ケーシングおよび前記先導管のいずれかによって保持されており、
かつ前記推進機の推進部と前記回転駆動部との間には、前記オーガヘッドを前記ケーシングに対して推進方向前方に突出させるための押動手段が介装されていることを特徴とする。
すなわち、請求項4に記載した管推進埋設装置においては、オーガヘッドにより地盤を掘削するときの必要に応じ、押動手段を用いてオーガヘッドの先端を先導管の先端から突出させてもスラスト軸受が脱落することがない。
そして、押動手段を用いてオーガヘッド先端を先導管内部に収納すれば、スラスト軸受を介してケーシングあるいは先導管からオーガヘッドに推進力を伝達する状態に戻すことができる。
本発明によれば、推進機の回転駆動部を構成する駆動モータ、減速機、軸受、回転駆動部材等に過大な推進反力が作用することを確実に防止できる。
また、推進機の推進部を構成する推進板や、接続部材、ケーシングの強度を高く取ることができ、さらには推進部を構成する油圧シリンダも強化できるから、その推進力を高く設定して長距離の推進を可能とすることができる。
また、既存の推進機にスラスト軸受、接続部材および回転駆動力伝達手段を追加し、またはオーガヘッド、ケーシングあるいは先導管を改造すれば良いから、既存の推進機を改造することなくそのまま活用することができる。
また、オーガヘッドの部分にスラスト軸受が設けられていても、地盤掘削時の必要に応じて従来装置と同様にオーガヘッドの先端を先導管の前端から突出させて、従来通りの推進作業を行うことができる。
以下、図1乃至図4を参照し、本発明に係る管推進埋設装置の各実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、前述した従来技術を含めて同一の部分には同一の符号を用いて重複した説明を省略する。
第1実施形態
まず最初に図1を参照し、前述した2工程方式管推進埋設工法の第1工程において用いる管推進埋設装置について説明する。
この管推進埋設装置20は、地表Gから掘削した発進坑Aから到達坑Bへとパイロット管9を推進して埋設するためのもので、従来から用いている推進機1に、パイロット管9の後端に接続されてパイロット管9と一体に回転駆動されかつ推進される接続部材21と、推進機1の推進板7に対する接続部材21の相対回転を許容しつつ推進板7からの推進力を接続部材21に伝達する、接続部材21と推進板7との間に介装されたスラスト軸受22と、推進機1の回転駆動部材5からの回転駆動力を接続部材21に伝達する回転駆動力伝達手段としての出力軸23とを追加したものである。
接続部材21は厚板円環状の部材であり、出力軸23の前端部分に外嵌されて溶接固定されるとともに、推進板7と対向する側の側面に円環状のスラスト軸受22が取り付けられている。
これにより、小径油圧シリンダ8の伸縮長を適切に設定した後、出力軸23の後端を推進機1の回転駆動部材5に取り付けるとともに、スラスト軸受22を推進板7に取り付けると、推進機1を用いてパイロット管9を推進する作業を開始できる状態となる。
本第1実施形態の管推進埋設装置20を用いてパイロット管9を推進し埋設する際には、大径油圧シリンダ6を短縮させて推進板7を一杯に後退させた後、出力軸23の前端23aに、最初に推進し埋設する1本目のパイロット管91の後端を係合させる。
そして、推進機1の駆動モータ3および減速機4によって回転駆動部材5を回転駆動し、1本目のパイロット管91を回転させる。
次いで、大径油圧シリンダ6を徐々に伸張させることにより、1本目のパイロット管91を地中に推進して埋設することができる。
1本目のパイロット管91の埋設が完了すると、大径油圧シリンダ6を短縮させて推進板7を一杯に後退させた後、2本目のパイロット管92の前端を1本目のパイロット管91の後端に係合させるとともに、この2本目のパイロット管92の後端を出力軸23の前端23aに係合させる。
そして、回転駆動部材5によりパイロット管91,92を一体に回転駆動しつつ、大径油圧シリンダ6を徐々に伸張させることにより、1本目および2本目のパイロット管91,92を一体に推進して地中に埋設する。
以下、この作業を繰り返すことにより、パイロット管93,94,95を順次地中に推進して埋設することができる。
なお、パイロット管9の先端に位置ずれが生じた場合には、パイロット管9の先端傾斜面9bが位置ずれ方向を向くように、回転駆動部材5を回動させてパイロット管9の回転位相を調整する。
そして、この状態で大径油圧シリンダ6を伸張させてパイロット管9を推進すると、パイロット管9の先端傾斜面9bが地中に食い込むことにより半径方向の矯正力が先端傾斜面9bに作用するので、パイロット管9の先端の位置ずれを修正することができる。
すなわち、本第1実施形態の管推進埋設装置20によれば、埋設するパイロット管9の後端を出力軸23に接続した後、推進機1の回転駆動部材5によってパイロット管9を回転駆動しつつ、推進機1の推進板7により接続部材21を押動することにより、パイロット管9を回転駆動しながら地中に推進し埋設することができる。
このとき、パイロット管9から出力軸23に作用する推進反力は、出力軸23に一体に溶接固定されている接続部材21およびスラスト軸受22を介して推進機1の推進板7によって受け止められるから、推進機1の回転駆動部材5に過大な推進反力が作用することはない。
また、推進機1の推進部を構成している大径油圧シリンダ6および推進板7や、接続部材21およびスラスト軸受22は、推進機1の回転駆動部を構成している軸受2、駆動モータ3,減速機4および回転駆動部材5とは別個に構成できるから、充分な強度および推進力を確保することができる。
これにより、パイロット管9を推進するための推進力が不足することはない。
さらに、本第1実施形態の管推進埋設装置20は、従来の推進機1に接続部材21、スラスト軸受22および出力軸23を追加した構造であるから、従来の推進機1を改造することなく使用することができる。
また、出力軸23の後端を推進機1の回転駆動部材5に係合させるとともに、接続部材21に保持されているスラスト軸受22を推進機1の推進板7に取り付けることにより、推進機1に対して容易に着脱することができる。
さらに、地中にパイロット管9を推進するときには、出力軸23の前端にパイロット管9の後端を係合させれば良いから、パイロット管9を順次地中に推進する作業を従来と同様に容易に行うことができる。
なお、本第1実施形態の管推進埋設装置20においては、推進埋設するパイロット管9の後端を出力軸23の前端に接続する構造となっているが、推進埋設するパイロット管9の後端を接続部材21に直接接続する構造とすることもできる。
また、出力軸23として一本のパイロット管9を用いることにより、既存の部品を流用して本装置を容易に構成することができる。
第2実施形態
次に、図2〜図4を参照し、前述した2工程方式管推進埋設工事の第2工程において用いる管推進埋設装置について説明する。
この管推進埋設装置30は、発進坑Aから到達坑Bへのパイロット管9の推進埋設が完了した後に、パイロット管9をガイドとしつつ埋設管14を順次推進し埋設するためのもので、地表Gから掘削した発進坑A内に設置される推進機1に、オーガヘッド31,オーガスクリュ11,先導管32,先端ケーシング33およびスラスト軸受34を組み合わせたものである。
オーガヘッド31は、埋設が完了したパイロット管9の後端に軸受9cを介して接続されるとともに、その後端には多数のオーガスクリュ11が順次直列に接続される。
そして、互いに直列に接続されたオーガスクリュ11の後端は、推進機1の回転駆動部材5に接続される。
これにより、推進機1の駆動モータ3,減速機4および回転駆動部材5によってオーガスクリュ11およびオーガヘッド31を一体に回転駆動することができるが、軸受9cが介装されていることによりパイロット管9は回転しない。
オーガヘッド31の周囲には円筒状の先導管32が同軸に配置されている。
また、オーガスクリュ11の周囲にはオーガヘッド31の先端カッタ31aによって掘削された掘削土を排出するための円筒状の先端ケーシング33が同軸に配置されている。
さらに、先導管32と先端ケーシング33との間には図示されない方向修正シリンダが介装され、先導管32の推進方向を調整できるようになっている。
図2および図3に示した推進埋設作業の最初の状態においては、先導管32および先端ケーシング33の後端がそれぞれ推進機1の推進板7に当接し、大径油圧シリンダ6を伸張させることによって先導管32および先端ケーシング33を一体に推進することができる。
また、図4に示した推進埋設作業の途中の状態においては、先導管32の後端に連続する多数の埋設管14、および先端ケーシング33の後端に接続された多数のケーシング13の後端がそれぞれ推進機1の推進板7に当接し、大径油圧シリンダ6を伸張させることにより、先導管32、埋設管14,先端ケーシング33およびケーシング13を一体に推進するとができる。
このとき、図4に示したように、オーガヘッド31の後側外周部分に同軸に設けられた円環状の支持部材31bと先端ケーシング33の前端部分33aとの間に、スラスト軸受34が介装されている。
これにより、先端ケーシング33が推進機1の推進板7から受けた推進力は、スラスト軸受34を介してオーガヘッド31に伝達される。
同時に、オーガヘッド31は、推進板7からの推進力を受けつつ、先導管32および先端ケーシング33に対して相対回転することができる。
なお、このスラスト軸受34は、先端ケーシング33の前端部分33aによって保持されており、推進機1の小径油圧シリンダ8を短縮させてオーガヘッド31の先端カッタ31aを先導管32の前端から突出させても脱落しないようになっている。
次に図2〜図4を参照し、本第2実施形態の管推進埋設装置30を用いて埋設管14を推進し埋設する手順について説明する。
図2に示したように、埋設が完了したパイロット管9をガイドとして埋設管14を推進し埋設する際には、パイロット管9の後端に軸受9cを介してオーガヘッド31を接続するとともに、このオーガヘッド31の後端に最小単位のオーガスクリュ11を接続し、このオーガスクリュ11の後端を推進機1の回転駆動部材5に接続する。
これにより、推進機1の駆動モータ3,減速機4および回転駆動部材5により、オーガヘッド31およびオーガスクリュ11を一体に回転させることができる。
同時に、オーガヘッド31およびオーガスクリュ11の周囲に先導管32および先端ケーシング33を配置し、それらの後端を推進機1の推進板7にそれぞれ当接させる。
これにより、推進機1の大径油圧シリンダ6を伸張させて推進板7を押動すると、先導管32,先端ケーシング33、スラスト軸受34、オーガヘッド31およびオーガスクリュ11を一体に推進することができる。
オーガヘッド31の先端カッタ31aによって地盤を掘削しながら、オーガスクリュ11および先端ケーシング33によって掘削土を排出しつつ、先端ケーシング33,スラスト軸受34,オーガヘッド31,オーガスクリュ11、先導管32および埋設管14を一体に推進することにより、パイロット管9をガイドとして埋設管14を精度良く地中に埋設することができる。
次いで、大径油圧シリンダ6を短縮させて推進板7を後退させた後、オーガスクリュ11の後端に次のオーガスクリュの前端を接続するとともに、先端ケーシング33の後端に次のケーシング13を接続し、かつ先導管32の後端に埋設管14を連続させる。
そして、推進機1の回転駆動部材5によってオーガヘッド31およびオーガスクリュ11を一体に回転駆動しつつ、推進機1の推進板7によって先導管32,埋設管14,先端ケーシング33,ケーシング13,スラスト軸受34,オーガヘッド31およびオーガスクリュ11を一体に推進することにより、埋設管14を推進して埋設することができる。
埋設管14の推進埋設に伴って到達坑Bに押し出されたパイロット管9は、その先端部分91から順に分解して地上に取り出す。
これにより、パイロット管9をガイドとしつつ地盤を掘削し、埋設管14を精度良く順次埋設することができる。
オーガスクリュ31の先端カッタ31aによって地盤を掘削する際の必要に応じて、小径油圧シリンダ(押動手段)8を短縮させることにより、オーガヘッド31を先導管32から前方に突出させることができる。
このとき、スラスト軸受34は、先端ケーシング33の前端部分33aによって保持されているから、先導管32の内部に脱落することがない。
そして、小径油圧シリンダ8を伸張させて先端カッタ31aを再び先導管32の内部に収納すると、オーガヘッド31の支持部分31bがスラスト軸受34に再び密着するので、先端ケーシング33からオーガヘッド31への推進力の伝達が可能となる。
すなわち、本第2実施形態の管推進埋設装置30においては、オーガヘッド31と先端ケーシング33との間にスラスト軸受34を介装したので、パイロット管9、オーガヘッド31、オーガスクリュ11、先端ケーシング33、ケーシング13,先導管32および埋設管14の全てを、推進機1の推進板7および大径油圧シリンダ6によって推進することができる。
そして、推進機1の回転駆動部材5は、オーガヘッド31およびオーガスクリュ11を回転駆動する役割のみを果たす。
これにより、パイロット管9,オーガヘッド31,オーガスクリュ11を推進するときに生じる推進方向の過大な反力が、推進機1の回転駆動部材5に作用することはない。
また、推進機1の推進部を構成する大径油圧シリンダ6および推進板7は、推進機1の回転駆動部を構成する軸受2、駆動モータ3,減速機4および回転駆動部材5とは別個に構成できるから、充分な強度および推進力を確保することができる。
これにより、パイロット管9やオーガヘッド31およびオーガスクリュ11を推進するための推進力が不足することはない。
さらに、オーガヘッド31の先端カッタ31aにより地盤を掘削するときの必要に応じて、小径油圧シリンダ8を短縮させて先端カッタ31aを先導管32の先端から突出させても、スラスト軸受34が脱落することがない。
これにより、小径油圧シリンダ8を伸張させて先端カッタ31aを先導管32の内部に収納すれば、スラスト軸受34を介して先端ケーシング33からオーガヘッド31に推進力を伝達可能な状態に戻すことができる。
なお、本第2実施形態の管推進埋設装置30においては、オーガヘッド31と先端ケーシング33との間にスラスト軸受34を介装しているが、オーガヘッド31と先導管32との間にスラスト軸受34を介装しても同様の効果を得ることができる。
以上、本発明に係る管推進埋設装置の各実施形態について詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した各実施形態においてはスラスト軸受22,34としてボールベアリングを用いているが、コロ軸受やテーパローラベアリングに加えて滑り軸受を用いることもできる。
第1実施形態の管推進埋設装置によりパイロット管を推進埋設する状態を示す縦断面図。 パイロット管の後端に第2実施形態の管推進埋設装置を接続した状態を示す縦断面図。 図2の管推進埋設装置を拡大して示す図。 図2の管埋設推進装置により埋設管を推進埋設する状態を示す縦断面図。 従来の管埋設推進装置によりパイロット管を推進埋設する状態を示す縦断面図。 従来の管埋設推進装置により埋設管を推進埋設する状態を示す縦断面図。
符号の説明
1 推進機
2 軸受
3 駆動モータ(回転駆動部)
4 減速機(回転駆動部)
5 回転駆動部材(回転駆動部)
6 大径油圧シリンダ(推進部)
7 推進板(推進部)
8 小径油圧シリンダ(押動手段)
9 パイロット管
9a ターゲット
9b 先端傾斜面
9c 軸受
13 ケーシング
14 埋設管
15 従来の管推進埋設装置
20 第1実施形態の管推進埋設装置
21 接続部材
22 スラスト軸受
23 出力軸(回転駆動手段)
30 第2実施形態の管推進埋設装置
31 オーガヘッド
31a 先端カッタ
32 先導管
33 先端ケーシング
34 スラスト軸受

Claims (4)

  1. 地表に掘設した立坑内から地中にパイロット管を推進して埋設する管推進埋設装置であって、
    前記パイロット管を回転駆動するための回転駆動部および前記パイロット管を地中に推進するための推進部を有した、前記立坑内に設置される推進機と、
    前記パイロット管に接続されて前記パイロット管と一体に回転駆動されかつ推進される接続部材と、
    前記接続部材の前記推進部に対する相対回転を許容しつつ前記推進部からの推進力を前記接続部材に伝達する、前記接続部材と前記推進部との間に介装されたスラスト軸受と、
    前記回転駆動部からの回転駆動力を前記接続部材に伝達する回転駆動力伝達手段と、
    を備えることを特徴とする管推進埋設装置。
  2. 前記回転駆動力伝達手段は、その後端が前記回転駆動部に接続される出力軸であり、
    前記接続部材はこの出力軸の前端に一体に固定されており、
    前記スラスト軸受が前記接続部材に保持されていることを特徴とする請求項1に記載した管推進埋設装置。
  3. 地表に掘設した立坑内から地中に管を推進して埋設する管推進埋設装置であって、
    前記立坑内に設置される推進機と、
    前記推進機により地中に推進して埋設したパイロット管の後端に接続され、かつ前記推進機の回転駆動部により一体に回転駆動される、その先端にオーガヘッドを有したオーガスクリュと、
    前記オーガヘッドにより掘削された掘削土を排出するために前記オーガスクリュの周囲に同軸に配設され、かつ前記推進機の推進部によって推進される筒状のケーシングと、
    このケーシングの先端に同軸に配置されるとともに、その後端に埋設管が連続する先導管と、
    前記ケーシングあるいは前記先導管が前記推進機の推進部から受けた推進力を前記オーガヘッドに伝達しつつ、前記ケーシングおよび前記先導管に対する前記オーガヘッドの相対回転を許容する、前記ケーシングあるいは前記先導管と前記オーガヘッドとの間に介装されたスラスト軸受と、
    を備えることを特徴とする管推進埋設装置。
  4. 前記スラスト軸受が、前記オーガヘッド、前記ケーシングおよび前記先導管のいずれかによって保持されており、
    かつ前記推進機の推進部と前記回転駆動部との間には、前記オーガヘッドを前記ケーシングに対して推進方向前方に突出させるための押動手段が介装されていることを特徴とする請求項3に記載した管推進埋設装置。
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