JP2507686B2 - 複合型磁気ヘッド用コアおよびその製造方法 - Google Patents

複合型磁気ヘッド用コアおよびその製造方法

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JP2507686B2
JP2507686B2 JP19653190A JP19653190A JP2507686B2 JP 2507686 B2 JP2507686 B2 JP 2507686B2 JP 19653190 A JP19653190 A JP 19653190A JP 19653190 A JP19653190 A JP 19653190A JP 2507686 B2 JP2507686 B2 JP 2507686B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、複合型磁気ヘッド用コアの製造方法並びに
それによって得られた複合型磁気ヘッド用コアに係り、
特に記録・再生用コアと消去用コアからなる二つのコア
を組み合わせて形成される、例えばフロッピーヘッド
(FDD)用複合型磁気ヘッド用コアにおいて、その高記
録密度化に対処し得る構造並びにそのような構造を実現
するための方法に関するものである。
(背景技術) 従来から、磁気ヘッド用コアとして知られているフェ
ライトコアは、一般に、複数個のフェライト部材を接合
することによって構成されたリング形状を為すものであ
って、それにより、環状の磁路(磁気回路)が構成され
る一方、該環状磁路の周上の一箇所に、該磁路を横切る
方向に所定間隙の磁気ギャップが設けられており、この
磁気ギャップによって、該磁気ギャップの形成面上を摺
接せしめられる磁気テープや磁気ディスク等の磁気記録
媒体に対して、周知の如く、所定の記録や再生、或いは
消去が行なわれ得るようになっている。なお、かかる磁
気ヘッド用コアにおける環状磁路の中央部分には、空間
が形成されており、それがコイル巻線用乃至はギャップ
デプス規定用の孔とされている。
このような構造のコアにあっては、それが単独で使用
される場合の他、その二つを組み合わせて接合一体化し
た複合型の磁気ヘッド用コアとして用いられる場合があ
り、そしてその一つの形態として、記録・再生専用のコ
アと消去専用のコアとを組み合わせてなる複合型コアが
あり、FDD用等として用いられている。なお、そのよう
な複合型コアにおいては、よく知られているように、記
録・再生専用コアにて所定の情報を磁気記録媒体に書き
込む一方、その磁気記録媒体への書込み幅を、消去専用
コアによる両側部のトリミングによって規定するように
なっている。
ところで、近年における磁気記録媒体に対する記録密
度の高密度化に伴って、記録・再生(R/W)用コアと消
去(E)用コアとからなる複合型コアに要求される規格
が厳しくなり、それら二つのコアの磁気ギャップ間の距
離を更に短くすることが要求され、それによって、磁気
回路上において問題を生ずるに至ったのである。例え
ば、FDDにおける記録密度を2MB,4MB等と、高記録密度化
すると、その複合型コアのギャップ間距離は0.37mm以下
とする必要があるが、そうすると、磁気抵抗、漏れ磁
束、コアの信頼性等に問題が生じるようになるのであ
る。
すなわち、この種の複合型コアにおいては、通常、R/
W用コアとE用コアとが、それぞれのI字形状部材が背
中合わせとなるように、樹脂接着剤またはガラスから成
る接合層を介して接合せしめられることとなるが、例え
ば樹脂接着剤を用いてそれら二つのコアを接合せしめる
と、それら二つのコアの間に形成される接合層としての
樹脂接着層の厚さが1μm前後となるところから、E用
コア側の信号がR/W用コア側に入り込み、アシンメトリ
の特性が劣る問題が惹起されるのである。なお、このア
シンメトリ特性を改善するには、R/W用コアとE用コア
との接合層を5μm以上の厚さとする必要があるが、か
かる樹脂接着層を5μm以上に厚くすると、それらの接
合強度が著しく低下し、また接合層部位での偏摩耗が生
じて、コアの信頼性に欠ける等、実用上問題となるので
ある。
また、かかる二つのコアをガラスを用いて接合せしめ
る場合にあっては、溶融させたガラスを二つのコアの接
合面間の間隙内に流し込み、そしてそれを冷却・固化さ
せることにより、それら二つのコアの接合を図るもので
あるところから、形成されるガラス接合層の厚さが厚
く、そのために、コアを構成するI字形状部材の厚さを
薄くする必要があるところから、当該コアのI字形状部
材部分における磁気抵抗が大となり、スイープトラック
イレーズ特性等の磁気ヘッド特性が低下する問題が惹起
される。なお、このスイープトラックイレーズ特性を改
善するには、R/W用コアとE用コアのガラス接合層を40
μm以下の厚さとする必要があるが、そのような接合層
を与える狭い隙間内の奥部まで溶融ガラスを流し込むに
は、加熱温度を高めて、溶融ガラスの粘性を著しく低下
させる必要があり、これによってコアを構成するフェラ
イト材料とガラスとの間の反応を高め、その反応層が増
加する問題を惹起する。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為
されたものであって、その課題とするところは、R/W用
コアとE用コアとを接合してなる複合型磁気ヘッド用コ
アにおいて、その高記録密度化に対処し得る新規な構造
の複合型磁気ヘッド用コアを提供すると共に、そのよう
な複合型コアにおいて、磁気抵抗を小さくして、スイー
プトラックイレーズ特性を改善し得、また漏れ磁束に影
響されるアシンメトリ特性を改善し得るコア接合構造を
実現し、更には、そのような高記録密度化に対処し得る
構造の複合型磁気ヘッド用コアを容易に製造することの
できる方法を実現することにある。
(解決手段) そして、本発明にあっては、かかる課題を解決するた
めに、記録・再生用コアと消去用コアとが所定厚さの接
合層を介して接合されることによって構成される一方、
該記録・再生用コアおよび消去用コアにおける磁気記録
媒体摺接面の磁気ギャップ形成部位に、それぞれ、接合
面側に向かって漸次深くなり、該接合面において所定深
さで開口する傾斜溝が形成されると共に、それらの傾斜
溝内にガラスが充填せしめられ、該傾斜溝にて前記磁気
ギャップ形成部位におけるトラック幅が規定されてなる
複合型磁気ヘッド用コアにおいて、前記記録・再生用コ
アと前記消去用コアとにおける、磁気記録媒体摺接面側
の接合面間を、前記傾斜溝内に充填されるガラスにて接
合する一方、該磁気記録媒体摺接面とは反対側の接合面
間に樹脂接着剤を充填することにより、それらガラスお
よび樹脂接着剤にて、前記接合層を構成せしめたのであ
る。
そして、このような構造とすることにより、前記記録
・再生用コアと消去用コアとを接合する接合層が、5〜
40μmの厚さで形成されてなる複合型磁気ヘッド用コア
が、有利に実現され得るのである。
また、本発明にあっては、上記の如き複合型磁気ヘッ
ド用コアを得るべく、記録再生用コアを与える第一のギ
ャップバーと消去用コアを与える第二のギャップバーと
を接合せしめ、その得られた接合体よりコアチップを切
り出すことによって、上述の如き構造の複合型磁気ヘッ
ド用コアを製造する方法であって、(a)それぞれ、複
数のフェライト部材を接合せしめることによって形成さ
れた、中央部にコイル巻線用孔を有すると共に、磁気記
録媒体摺動面を構成する部位に所定間隙の磁気ギャップ
が設けられてなる、前記第一のギャップバーおよび前記
第二のギャップバーを準備する工程と、(b)該第一の
ギャップバーおよび該第二のギャップバーにおける前記
磁気ギャップ形成部位に対して、それぞれ、それら第一
及び第二のギャップバーの接合面側に向かって漸次深く
なり、該接合面において所定深さで開口する傾斜溝を形
成する工程と、(c)かかる傾斜溝が形成された第一の
ギャップバーおよび第二のギャップバーを、該傾斜溝が
所定の位置関係をもって対向せしめられるように、それ
らの接合面を所定間隙を隔てて突き合わせる工程と、
(d)かかる突き合わされた第一のギャップバーおよび
第二のギャップバーにおける前記傾斜溝内に、それぞ
れ、溶融ガラスを充填すると共に、該溶融ガラスを、か
かる傾斜溝を通じて、それら第一及び第二のギャップバ
ーの接合面間に浸透せしめることにより、それら第一及
び第二のギャップバーを、磁気記録媒体摺動面を構成す
る側において一体的に接合する工程と、(e)かかる溶
融ガラスにて接合された第一のギャップバーと第二のギ
ャップバーとの接合面間における、磁気記録媒体摺動面
を構成する側とは反対側の部分に、所定の樹脂接着剤を
充填せしめることにより、それら第一及び第二のギャッ
プバーを補強接合する工程とを含むことをも、その特徴
とするものである。
(作用・効果) 従って、このような本発明に従う構造とされた複合型
磁気ヘッド用コアにあっては、R/W用コアとE用コアと
の接合面間を接合するガラスが、それら両コアの接合部
において、傾斜溝を通じて、磁気記録媒体摺接面側から
その奥部まで有利に浸透乃至は侵入せしめられる一方、
かかるガラスが浸透し得ない、磁気記録媒体摺接面とは
反対側の接合面間には、樹脂接着剤が充填されて、かか
る接合部が補強されるところから、それらガラスと樹脂
接着剤とから成る接合層によって、両コアの接合強度が
有利に高められ得るのである。そして、かかる構造の磁
気ヘッド用コアにおいては、傾斜溝によって、ガラスが
接合面間の奥部まで有利に浸透され得ると共に、該ガラ
スを磁気記録媒体摺接面とは反対側にまで浸透させる必
要がないことから、ガラスの加熱温度を著しく高めるこ
となく、R/W用コアとE用コアとの間隙(接合層の厚
さ)を充分に狭くすることが出来ることとなり、以てそ
の間隙を磁気回路上の問題を有利に回避し得る5〜40μ
mの範囲内のものとすることが容易に出来ることとなっ
たのである。
そして、かかる二つのコアを接合する接合層の厚さを
5〜40μmに設定せしめて成る、本発明に従う構造とさ
れた複合型磁気ヘッド用コアにあっては、磁気抵抗や漏
れ磁束の問題が改善されて、スイープトラックイレーズ
特性やアシンメトリ特性等の磁気ヘッド特性が効果的に
改善され、以て高記録密度化を有利に対処し得ることと
なるのである。
また、本発明に従う製造手法によれば、このように、
R/W用コアとE用コアとの接合面間を、ガラスと樹脂接
着剤とによって接合せしめてなる構造の複合型磁気ヘッ
ド用コアを、良好なる生産性をもって、有利に製造する
ことができるのである。
(実施例) 以下、図面に示された実施例を参照しつつ、本発明を
更に具体的に明らかにすることとする。なお、ここで
は、本発明手法の実施例を説明しつつ、本発明に従う複
合型磁気ヘッド用コアの構造を説明する。
先ず、第1図(a)において、2及び4は、それぞ
れ、R/W用コアを与える第一のギャップバー及びE用コ
アを与える第二のギャップバーであり、従来と同様にし
て、Mn−Znフェライト,Ni−Znフェライト等の材質から
なるC字形状のブロック2a,4aと、I字形状(板状)の
ブロック2b,4bとを接合一体化して、作製されたもので
ある。なお、それぞれのギャップバー2,4を構成する二
つのブロック2a,4a;2b,4bの間には、所定間隙の磁気ギ
ャップ2c,4c及びギャップデプスを規定するコイル巻線
用孔2d,4dが、それぞれ、長手方向に従来と同様に形成
されている。また、かかる第一及び第二のギャップバー
2,4の相互の接合面6,8が、それぞれ研磨されて、平滑な
面とされている。
そして、第1図(b)に示されているように、このよ
うなギャップバー2,4に対して、それぞれ、所定のトラ
ック加工(溝入れ加工)が、公知の手法に従って施され
る。即ち、第一のギャップバー2に対しては、R/W用コ
アを形成し得るように、また第二のギャップバー4に対
しては、E用コアを形成し得るように、それぞれトラッ
ク加工が施されるのである。より詳細には、かかるトラ
ック加工は、特願昭63−121583号等に開示されている如
き手法に従い、ギャップバー2,4に対して、それぞれ、
トラック幅を規定する傾斜溝10,12を、I字形状のブロ
ック2b,4b側から、該ギャップバー2,4の上部角部に斜行
した切込形態で、入れることによって、行なわれること
となる。
すなわち、かかるトラック加工にて形成された傾斜溝
10,12は、ギャップバー2,4の磁気ギャップ2c,4cが位置
する磁気記録媒体の摺動部に対して、該磁気ギャップ2
c,4cを挟む一方のブロック2a,4a側から他方のブロック2
b,4b側に延び、且つ該他方のブロック2b,4bに向って漸
次深さが深くなるように傾斜して形成されており、その
一端は、前記一方のブロック2a,4aの上面、換言すれば
磁気記録媒体摺接部の摺接面上に開口せしめられている
一方、その他端は、前記他方のブロック2b,4bの側面
(接合面6,8)に開口せしめられている。
そして、このようにして形成された傾斜溝10、12にて
幅が規定されることにより、かかる傾斜溝間に、それぞ
れ、I字形状のブロック2b,4bからC字形状のブロック2
a,4aに跨がって位置する所定長さのトラック14,16が形
成されることとなる。また、傾斜溝10,12は、それぞ
れ、磁気ギャップ2c,4c部分において、その深さより深
い溝深さを有し、コイル巻線用孔2d,4dにまで至るよう
に形成されている。
次いで、第1図(c)に示されているように、このよ
うなトラック加工が施された二つのギャップバー2,4
は、I字形状のブロック2b,4bが互いに背中合わせとな
り、それらの接合面6,8が対向するようにして、互いに
突き合わされて位置決めされることとなる。また、その
際、これら二つのギャップバー2,4に設けられた傾斜溝1
0,12が、所定の位置関係をもって対向して位置せしめら
れる。
また、このようにして突き合わされた二つのギャップ
バー2,4の突合せ面間距離、即ち接合面6,8の対向面間の
間隙寸法:tは、後の接合工程においてギャップバー2,4
の接合面6,8間に形成される接合層の厚さ、延いては得
られる複合型磁気ヘッド用コアにおけるR/W用コアとE
用コアとの接合層の厚さを規定するもであるところか
ら、優れた磁気ヘッド特性が実現され得るように目的と
する寸法に高精度に設定されることとなり、通常は、磁
気抵抗や漏れ磁束等の点を考慮して、5〜40μmに、そ
の寸法(t)が設定される。なお、かかるギャップバー
2,4の突合せは、通常、適当な治具を用いて行なわれる
こととなるが、図示されているように、それらギャップ
バー2,4の接合面6,8間に、目的とする間隙を形成し得る
適当なスペーサ18を挟んで突き合わせることにより、位
置決めすることが望ましく、それによって接合面6,8間
の間隙がより正確に規定され得ることとなる。また、か
かるスペーサ18としては、ガラスよりも軟化溶融温度の
高い材料、例えばフェライト材料の破片等が、有利に用
いられることとなる。
そして、このように突き合わせた第一及び第二のギャ
ップバー2,4は、磁気記録媒体との摺接面を上にして支
持せしめられると共に、それらの傾斜溝10、12の形成部
分の上に、塊状のガラスが載置され、更に、かかる第一
及び第二のギャップバー2,4を突合せ状態に保持せしめ
た状態下において、該ガラスをガラス転移点以上の温度
に加熱して、軟化、溶融せしめることにより、第1図
(d)に示されているように、それらギャップバー2,4
に形成された傾斜溝10,12内に対して、それぞれ、ガラ
ス20が同時に流し込まれて、充填せしめられる。また、
その際、傾斜溝10,12内に流し込まれたガラス20は、二
つのギャップバー2,4の接合面6,8間の間隙内にも侵入乃
至は浸透せしめられて、所定厚さのガラス接合層22が形
成されることとなり、以て該ガラス接合層22にて接合面
6,8間が接合されて、第一及び第二のギャップバー2,4が
一体化せしめられる。
そこにおいて、かかるガラス接合層22を形成する溶融
ガラスは、傾斜溝10,12を通じて、接合面6,8間の間隙内
に浸透(導入)せしめられることとなるところから、か
かる間隙の寸法が、前述の如く5〜40μmと極めて狭く
ても、少なくとも接合面6,8における傾斜溝10,12の開口
部程度の深さまでは、有利に浸透され得るのであり、従
って溶融ガラスを著しく高温加熱する必要がなくなる。
それ故、前記ガラス接合層22は、少なくとも傾斜溝10、
12の深さ程度の幅をもって形成されるのであり、それに
よって該ガラス接合層22による第一及び第二のギャップ
バー2,4の接合強度が、安定して確保され得ると共に、
それらのギャップバー2,4とガラス接合層22との間にお
ける反応層の生成も有利に抑えられるのである。
次いで、このように第一及び第二のギャップバー2,4
が接合、一体化されて成る接合体24にあっては、第1図
(e)に示されているように、その磁気記録媒体との摺
接面上に付着した不要のガラスが、研磨されて除去され
る。
また、かかる接合体24は、第1図(f)に示されてい
るように、その磁気記録媒体との摺接面が下側となるよ
うに反転させられて、上記のガラス充填操作ではガラス
が充填され得なかった、前記ガラス接合層22が存在して
いない、二つのギャップバー2,4の接合面6,8間の間隙を
上方に向かって開口せしめた状態で、支持せしめられ
る。そして、かかる状態下において、接合面6,8間の間
隙内に、従来から用いられている如き樹脂接着剤25、例
えばエポキシ系樹脂とその硬化剤を含む低粘性の有機溶
剤溶液が流し込まれ、これによって、それら接合面6,8
間の間隙内に樹脂接合層が形成されて充填せしめられる
こととなる。
すなわち、かかる樹脂接合層26は、接合体24を構成す
る第一及び第二のギャップバー2,4における接合面6,8間
の間隙のうち、ガラスが充填されずに、前記ガラス接合
層22が形成されていない部分に充填されて、それら接合
面6,8を互いに接合することとなるのであり、該樹脂接
合層26の接着力によって、第一のギャップバー2と第二
のギャップバー4との接合強度が補強され、より大きな
接着力が発揮され得るのである。また、このことから明
らかなように、かかる接合体24にあっては、これらガラ
ス接合層22および樹脂接合層26によって、第一及び第二
のギャップバー2,4における接合面6,8間の間隙内に充填
されて、それらを接合する接合層28が、構成されている
のである。
そして、このようにして補強接合された接合体24にあ
っては、第1図(g)に示されているように、第一及び
第二のギャップバー2,4の表面に付着した不要の樹脂接
着剤が、研磨されて除去される。
さらに、かかる接合体24は、第1図(h)に示されて
いるように、従来と同様にして、例えば特願昭61−6436
6号に示されている如く、予め巻線したコイルを挿入し
得るように、それぞれのコアの後部の磁路部が切除せし
められることとなり、その後、該接合体24から、第2図
(a)及び(b)に示されている如き、目的とする複合
型磁気ヘッド用コアを与えるコアチップ30が順次切り出
されるのである。即ち、上述の如くして得られた接合体
24は、複数のコアチップ30を与える素材であり、かかる
接合体24を、長手方向に対して所定の角度で交差する切
断面をもって、長手方向に所定間隔で切断することによ
って、複数のコアチップ30が切り出されることとなる。
また、このようにして切り出されたコアチップ30に
は、従来と同様な加工が施され、以て目的とする、R/W
用コアとE用コアとが一体的に接合されて成る複合型磁
気ヘッド用コアが作製されるのである。
従って、上述の如き構造とされた複合型磁気ヘッド用
コアにあっては、R/W用コアとE用コアとの接合面間の
うち、磁気記録媒体摺動面側部分には、溶融ガラスが、
第一及び第二のギャップバー2,4に形成された傾斜溝10,
12によって有利に浸透され得ることから、接合面間寸法
が狭い場合でも、該溶融ガラスの加熱温度を著しく上げ
なくても、少なくとも該傾斜溝10,12の深さ程度までは
充填されて、ガラス接合層22が形成され得ると共に、か
かる溶融ガラスが浸透し得ない、磁気記録媒体摺動面と
は反対側部分には、樹脂接着剤が流入、充填されること
により、樹脂接合層26が形成されることとなるところか
ら、かかる接合面間寸法が狭い場合でも、ガラス接合層
22による接合強度を有効に且つ安定して得ることが出来
ると共に、該ガラス接合層22による接合が、樹脂接合層
26による接着力によって有利に補強され得て、より優れ
た接合強度が発揮され得ることとなるのである。
また、かかるR/W用コアとE用コアとを接合する接合
層22のうち、磁気記録媒体に対する摺動面側部分は、ガ
ラス接合層22とされていることから、該磁気記録媒体と
の摺接に起因する接合層22の偏摩耗の問題も、有利に防
止され得るのである。
そして、それ故に、このような複合型磁気ヘッド用コ
アにおいては、R/W用コアとE用コアとの接合面間寸法
を、従来技術では困難であった5〜40μmとすることが
極めて容易となり、これによって、磁気記録密度の高密
度化のために磁気ヘッド用コアに要請されているギャッ
プ間距離の縮小を可能ならしめつつ、アシンメトリやス
イープトラックイレーズ特性等の磁気ヘッド特性の劣化
の問題を、有利に回避し得ることとなったのである。
さらに、上述の如き製造手法に従えば、このような構
造の複合型磁気ヘッド用コアを製造するに際して、第一
及び第二のギャップバー2,4における傾斜溝10,12内への
ガラス20の充填と同時に、それらのギャップバー2,4の
接合面6,8間へガラスが浸透されて、ガラス接合層22が
形成され得ることから、該ガラス接合層22の形成が容易
に為され得ると共に、かかるガラス接合層22の形成後に
樹脂接合層26が形成されることから、該樹脂接合層26に
よる、ガラス接合層22が存在しない間隙の充填が、有利
に且つ容易に為され得るのであり、それによって、目的
とする接合層28が有利に形成され得、その接合強度が効
果的に発揮され得ることとなるのである。
また、かかる製造手法によれば、従来の複合型磁気ヘ
ッド用コアを製造する設備を用いて、その製造設備の大
幅な改善を必要とすることなく、目的とする複合型磁気
ヘッド用コアを優れた生産性をもって製造することがで
きるのである。
以上、本発明の具体例に基づいて、本発明を詳細に説
明してきたが、本発明は、かかる例示の具体例にのみ限
定して解釈されるものでは決してない。
例えば、本発明に係る複合型磁気ヘッド用コアは、例
示の如き製造手法によってのみ実現可能なものでは決し
てなく、また、そのトラックの形成形態や形成方式等の
具体的構造にあっても、公知のものが何れも採用可能で
ある。
また、例示の製造手法においては、接合体24からのコ
アチップの切り出しが、コア後部の磁路部を除去した後
に行なわれていたが、そのような切除操作を行なうこと
なく、コアチップを切り出すようにしても良いことは、
勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知
識に基づいて、種々なる修正、改良、変更等を加えた態
様において実施され得るものであり、また、そのような
実施態様のものが、本発明の主旨を逸脱しない限り、何
れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言
うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)乃至(h)は、本発明に従う複合型磁気ヘ
ッド用コアの製造方法の一例を示す工程図である。ま
た、第2図は、第1図に示される製造工程に従って得ら
れたコアチップを示す要部拡大図であって、(a)は磁
気記録媒体摺接面側の平面部分図であり、(b)は正面
部分図である。 2:第一のギャップバー 4:第二のギャップバー 6,8:接合面、10,12:傾斜溝 20:ガラス、22:ガラス接合層 24:接合体、26:樹脂接合層 28:接合層、30:コアチップ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録・再生用コアと消去用コアとが所定厚
    さの接合層を介して接合されることによって構成される
    一方、該記録・再生用コアおよび消去用コアにおける磁
    気記録媒体摺接面の磁気ギャップ形成部位に、それぞ
    れ、接合面側に向かって漸次深くなり、該接合面におい
    て所定深さで開口する傾斜溝が形成されると共に、それ
    らの傾斜溝内にガラスが充填せしめられ、該傾斜溝にて
    前記磁気ギャップ形成部位におけるトラック幅が規定さ
    れてなる複合型磁気ヘッド用コアであって、 前記記録・再生用コアと前記消去用コアとにおける、磁
    気記録媒体摺接面側の接合面間を、前記傾斜溝内に充填
    されるガラスにて接合する一方、該磁気記録媒体摺接面
    とは反対側の接合面間に樹脂接着剤を充填することによ
    り、それらガラスおよび樹脂接着剤にて、前記接合層を
    構成したことを特徴とする複合型磁気ヘッド用コア。
  2. 【請求項2】前記記録・再生用コアと消去用コアとを接
    合する接合層が、5〜40μmの厚さにおいて形成されて
    いる請求項(1)記載の複合型磁気ヘッド用コア。
  3. 【請求項3】記録・再生用コアを与える第一のギャップ
    バーと消去用コアを与える第二のギャップバーとを接合
    せしめ、その得られた接合体よりコアチップを切り出す
    ことによって、複合型磁気ヘッド用コアを製造する方法
    であって、 それぞれ、複数のフェライト部材を接合せしめることに
    よって形成された、中央部にコイル巻線用孔を有すると
    共に、磁気記録媒体摺動面を構成する部位に所定間隙の
    磁気ギャップが設けられてなる、前記第一のギャップバ
    ーおよび前記第二のギャップバーを準備する工程と、 該第一のギャップバーおよび該第二のギャップバーにお
    ける前記磁気ギャップ形成部位に対して、それぞれ、そ
    れら第一及び第二のギャップバーの接合面側に向かって
    漸次深くなり、該接合面において所定深さで開口する傾
    斜溝を形成する工程と、 かかる傾斜溝が形成された第一のギャップバーおよび第
    二のギャップバーを、該傾斜溝が所定の位置関係をもっ
    て対向せしめられるように、それらの接合面を所定間隙
    を隔てて突き合わせる工程と、 かかる突き合わされた第一のギャップバーおよび第二の
    ギャップバーにおける前記傾斜溝内に、それぞれ、溶融
    ガラスを充填すると共に、該溶融ガラスを、かかる傾斜
    溝を通じて、それら第一及び第二のギャップバーの接合
    面間に浸透せしめることにより、それら第一及び第二の
    ギャップバーを、磁気記録媒体摺動面を構成する側にお
    いて一体的に接合する工程と、 かかる溶融ガラスにて接合された第一のギャップバーと
    第二のギャップバーとの接合面間における、磁気記録媒
    体摺動面を構成する側とは反対側の部分に、所定の樹脂
    接着剤を充填せしめることにより、それら第一及び第二
    のギャップバーを補強接合する工程とを、 含むことを特徴とする複合型磁気ヘッド用コアの製造方
    法。
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