JP2503562Y2 - カセットハ―フ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、主として、VHS方式のビデオテープ用カセ
ットハーフに関する。

〔従来の技術〕 一般に、VHS方式のビデオテープレコーダに用いられ
るビデオテープを収納するカセットは、箱形状の樹脂製
の上ハーフ及び下ハーフと、これらのハーフの外縁部に
開閉自在に設けられたガードパネルとから構成されてい
る。

上記上ハーフは、第３図に示すように、左右一対の窓
部1,1が表面板部２に形成され、かつこの表面板部２の
外縁部に立縁部３（第４図参照）が形成されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、上記上ハーフにあっては、二色成形法によ
って、二種類の色彩の異なる樹脂を用いて射出成形する
ことが行われている。例えば、一対の窓部1,1と、これ
らの窓部1,1に連なる帯状の部分４の上側部とを透明の
樹脂で形成し、かつ該部分４の下側部と、帯状の部分４
以外の部分5,6とを有色の樹脂で形成するようにしてい
る。

この場合、まず、一対の窓部1,1と、これらの窓部1,1
に連なる帯状の部分４の上側部に相当する金型のキャビ
ティを閉塞した状態で、上記帯状の部分４の下側部と帯
状の部分４以外の部分5,6に相当するキャビティ内に有
色の樹脂を注入して一次成形を行い、次いで、一対の窓
部1,1と帯状の部分４の上側部に相当する金型のキャビ
ティ内に透明の樹脂を注入して二次成形を行って、二色
成形品を成形していた。

しかしながら、上述したようにして二色成形した場合
には、二次成形時に透明な樹脂の注入圧力によって、一
次成形樹脂部が押圧されて、第４図に示すように上ハー
フに反りが生じるという問題がある。なお、第４図にお
いて符号７は帯状の部分４の上側部（透明樹脂部）、８
は帯状の部分４の下側部（有色樹脂部）を示している。

本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、表面板部に反りが発生することを防
止し、良好な製品を成形することができるカセットハー
フを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、表面板部に窓
部を設けると共に、該窓部に連なる表面板部を一次成形
樹脂で形成された層と、該層と異なる種類の二次成形樹
脂で形成された層との二層で形成する一方、この二層で
形成した表面板部の外側を一次成形樹脂で形成された層
のみの一層で形成したカセットハーフにおいて、 上記二層で形成した表面板部の二次成形樹脂で形成さ
れた層の周縁に溝を形成したものである。

〔作用〕

本考案のカセットハーフにあっては、二層で形成した
表面板部の二次成形樹脂で形成された層の周縁、すなわ
ち、二層で形成した表面板部と、この表面板部の外側の
一層で形成した表面板部との間に形成された溝によっ
て、二次成形時の樹脂圧が一次成形樹脂部に加わるのを
抑制する。

〔実施例〕

以下、第１図と第２図に基づいて本考案の実施例を説
明する。

第１図は本考案の第１実施例を示すもので、この図に
おいては、帯状の部分４の上側部７の周縁、すなわち上
側部７と、帯状の部分４以外の部分5,6との間に、溝９
が形成されている。この溝９の深さは、上記上側部７の
厚さに等しく設定されている。

上記のように構成されたカセットハーフを一体成形す
る場合において、一次成形時には、上記帯状の部分４の
上側部７及び窓部１に相当する空間を可動キャビ型10に
よって閉塞した後に、固定型板11と可動型板12との間の
キャビティ内に一次成形樹脂（有色樹脂）を注入して、
帯状の部分４以外の部分5,6及び帯状の部分４の下側部
８を成形する。次いで、二次成形時には、上記可動キャ
ビ型10を移動させて、帯状の部分４の上側部７及び窓部
１に相当する空間を形成し、この空間内に二次成形樹脂
（透明樹脂）を注入して、帯状の部分４の上側部７及び
窓部１を成形する。

この場合、二次成形樹脂注入時に、固定型板11の、溝
９形成用の突起部13が二次成形樹脂圧を受けるから、樹
脂圧が一次成形樹脂部（帯状の部分４以外の部分5,6）
に加わるのを防止でき、従って、成形されたカセットハ
ーフに反りが生じることがない。

また、第２図は本考案の第２実施例を示すもので、こ
の図においては、溝９′の深さは、上側部７の厚さの略
1/2に設定されている。そして、この実施例において
は、二次成形時において、固定型板11の、溝９′形成用
の突起部13が二次成形樹脂圧を受けるから、樹脂圧が一
次成形樹脂部に加わるのを抑制できる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案は、表面板部に窓部を設
けると共に、該窓部に連なる表面板部を一次成形樹脂で
形成された層と、該層と異なる種類の二次成形樹脂で形
成された層との二層で形成する一方、この二層で形成し
た表面板部の外側を一次成形樹脂で形成された層のみの
一層で形成したカセットハーフにおいて、上記二層で形
成した表面板部の二次成形樹脂で形成された層の周縁に
溝を形成したものであるから、上記溝によって、二次成
形時の樹脂圧が一次成形樹脂部に加わるのを抑制するこ
とにより、表面板部に反りが発生するのを防止でき、良
好な製品を成形することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す断面図、第２図は本
考案の第２実施例に示す断面図、第３図は従来のカセッ
トハーフを示す平面図、第４図は第３図のIV-IV線に沿
う断面図である。 １……窓部、２……表面板部、３……立縁部、9,9′…
…溝。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】表面板部に窓部を設けると共に、該窓部に
   連なる表面板部を一次成形樹脂で形成された層と、該層
   と異なる種類の二次成形樹脂で形成された層との二層で
   形成する一方、この二層で形成した表面板部の外側を一
   次成形樹脂で形成された層のみの一層で形成したカセッ
   トハーフにおいて、 上記二層で形成した表面板部の二次成形樹脂で形成され
   た層の周縁に溝を形成したことを特徴とするカセットハ
   ーフ。