JPH0519895Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、VTR等のテープデツキに使用され
る磁気テープカセツトの透視窓用ウインド部材に
関する。

〔従来の技術〕

VTRに使用される従来の磁気テープカセツト
では、供給及び巻取りリールを収納するカセツト
本体の上面に、磁気テープの巻回量を確認するた
めの透視窓が設けられている。

これを第３図により説明すると、VTR用の磁
気テープカセツト１は、上ハーフ２と下ハーフ３
とからなるカセツト本体４の内部に、磁気テープ
５を巻掛けする供給リール６と巻取りリール７と
の巻回リールが回転可能に収納され、該カセツト
本体４の前面には、両リール６，７から繰り出さ
れた磁気テープ５を覆う前蓋８が開閉可能に装着
されている。

上ハーフ２の上面には、ラベル貼着用の凹部２
ａの左右に、両リール６，７に巻回された磁気テ
ープ５の巻回量を視認するための透視窓９，９が
設けられており、該窓９は開口２ｂにウインド部
材１０を装着して構成される。

このウインド部材１０は、マスク部１０ａの外
周に薄肉のガイド縁１０ｂを設けて、このガイド
縁１０ｂに複数の溶着用突起１１を突設し、内面
１０ｃの一側に刻設される略半円形のマスキング
模様１２の中心を注入部となして、該注入部に成
形型に設けたホツトランナのゲートから、スチロ
ール等の透明の合成樹脂材料を注入して成形され
るもので、上ハーフ２へ組付ける前には、第４図
に示すようにホルダ１３内に多数枚積層して収納
され、該ホルダ１３の上部または下部からチヤツ
キングにより１個づつ取出し、上ハーフ２の開口
２ｂへ自動供給して超音波溶着される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上述のウインド部材１０では、
成形終了時に内面１０ｃの注入部に余分な小突起
１４が突出形成されることがあり、このウインド
部材１０をこのままホルダ１３内に積層した場合
には、小突起１４によつて隣接面にキズを付けた
り、ホルダ１３内で傾きが増幅されて取出しが困
難となり、チヤツキングミスを生じる原因となつ
ていた。

本考案は、かかる実情を背景にしてなされたも
ので、ホルダ収納時の傾きを防止して円滑な自動
供給を行なえるウインド部材を提供することを目
的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上述の目的に鑑みなされたもので、
磁気テープを収納するカセツト本体の開口に装着
され、且つ内外面のいずれか一方の面に合成樹脂
材料の注入部を設けた磁気テープカセツトの透視
窓用ウインド部材において、該ウインド部材の上
記一方の面の反対側面で、前記注入部と対向する
位置に凹部を形成したことを特徴とするものであ
る。

〔作用〕

上記の構成によれば、ウインド部材の注入部に
小突起が形成されていても、ホルダ内に多段積み
した際には、反対側面の凹部に小突起を収納でき
るのでウインド部材を傾きなく平らに収納でき、
カセツト本体開口への自動供給を円滑に行なうこ
とができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図及び第２図に
基づいて説明する。

ウインド部材２０は、外面側にカセツト本体４
の上ハーフ２の開口２ｂと同形の厚肉のマスク部
２０ａと、該マスク部２０ａの外周にこれよりも
薄肉のガイド縁２０ｂを有し、該ガイド縁２０ｂ
の上面に、上記開口２ｂの下面に超音波溶着され
るリブ２１が複数個設けられると共に、内面２０
ｃには、供給または巻取りリール６，７の中心部
を覆うマスキング模様２２が略半円形を多条に重
ねて形成されている。

ウインド部材２０は、上記従来例と同様にスチ
ロール樹脂等の透明な合成樹脂材料で成形される
もので、製品の注入部となるマスキング模様２２
の中心部には、成形終了時に形成された小突起２
３が突出すると共に、該突起２３と対向するマス
ク部２０ａの隅部には、円弧状の凹部２４が形成
されている。

この凹部２４は、反対側面の小突起２３の突出
高さよりも深く形成され、ウインド部材２０をホ
ルダ１３内に積層した際に、凹部２４内に小突起
２３を収納できるようになしたもので、本実施例
はこれにより、隣接するマスク部２０ａと内面２
０ｃとを重ねてウインド部材２０をホルダ１３内
に傾きなく多段積みできるから、ホルダ１３から
の取出しが容易となつてチヤツキングを確実に行
なえ、供給ミスをなくして組付け効率を向上する
ことができる。

また、上述のようにウインド部材２０を積層し
た際にも、小突起２３によつてマスク部２０ａの
表面にキズを付ける虞がなくなり、これによる不
良品の発生を防止して製品化率の向上が図れる。

尚本考案は、注入部に形成される小突起が内外
面のいずれの位置にあつても、これと対向する反
対側面の箇所に凹部を形成すれば、上記実施例と
同様に初期の目的を達成することができる。

〔考案の効果〕

本考案は以上説明したように、カセツト本体の
開口に装着される透視窓用ウインド部材の内外面
のいずれか一方の面に合成樹脂材料の注入部を設
け、該ウインド部材の上記一方の面の反対側の面
で、前記注入部と対向する位置に凹部を形成した
から、ウインド部材をホルダ内に積層した際に
は、注入部に形成された小突起を凹部内に収納す
るので、多数のウインド部材を傾きなく積層で
き、チヤツキングによる自動供給を安定して確実
に行なえ、組付け効率の向上を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示し、
第１図はウインド部材の斜視図、第２図はホルダ
内に積層したウインド部材の断面正面図、第３図
乃至第５図は従来例を示し、第３図は磁気テープ
カセツトの斜視図、第４図はホルダ内に積層した
ウインド部材の正面図、第５図はウインド部材の
斜視図である。 １……磁気テープカセツト、２……上ハーフ、
２ｂ……開口、４……カセツト本体、５……磁気
テープ、６……供給リール、７……巻取りリー
ル、９……透視窓、１０，２０……ウインド部
材、１３……ホルダ、２０ａ……マスク部、２０
ｂ……ガイド縁、２０ｃ……内面、２１……超音
波溶着されるリブ、２２……マスキング模様、２
３……成形終了時に形成される小突起、２４……
積層時に小突起２３を収納する凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気テープを収納するカセツト本体の開口に装
   着され、且つ内外面のいずれか一方の面に合成樹
   脂材料の注入部を設けた磁気テープカセツトの透
   視窓用ウインド部材において、該ウインド部材の
   上記一方の面の反対側の面で、前記注入部と対向
   する位置に凹部を形成したことを特徴とする磁気
   テープカセツトの透視窓用ウインド部材。