JP2503473B2 - 原子炉圧力容器の上蓋着脱方法 - Google Patents

原子炉圧力容器の上蓋着脱方法

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JP2503473B2
JP2503473B2 JP62013375A JP1337587A JP2503473B2 JP 2503473 B2 JP2503473 B2 JP 2503473B2 JP 62013375 A JP62013375 A JP 62013375A JP 1337587 A JP1337587 A JP 1337587A JP 2503473 B2 JP2503473 B2 JP 2503473B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、原子炉圧力容器の上蓋を、定期点検等のた
めに胴部から着脱する方法に関するものである。
「従来の技術」 一般に、沸騰水型原子炉における原子炉圧力容器の上
蓋は、連結手段としてスタッドボルトを使って胴部に固
定されている。
第11図は、前記原子炉圧力容器の従来例を示したもの
で、図中符号Bが原子炉圧力容器の胴部、Cが上蓋であ
り、Fがスタッドボルトである。
前記胴部Bおよび上蓋Cには、互いに前記スタッドボ
ルトFで結合するためのフランジ部D・Eが設けられ、
また、上蓋Cにおいては、その外表面の中腹に吊り上げ
用の金具(吊り金具)Caが突設されている。
前記スタッドボルトFは、第12図に示すように、下端
および上部寄りの位置にそれぞれねじ部Fa・Fbを形成す
るとともに、上端にスタッドテンショナ(スタッドボル
トの一端をつかむ装置)用の把持部Fcを形成したもの
で、下端のねじ部Faを胴部Bのフランジ部Dに螺合さ
せ、上部寄りのねじ部Fbに座金Hを介して螺合させたナ
ットGを締め付けることによって、上蓋Cを胴部Bに固
定する。このようなスタッドボルトFは、上蓋Cの全周
では、等間隔で92箇所に設けられている。
ところで、原子炉圧力容器の上蓋Cは、原子炉運転開
始後の燃料棒の交換あるいは定期点検時に、胴部Bから
外される。
このような場合の上蓋の着脱法としては、これまで、
例えば、第13図〜第15図に示すものが考えられている。
即ち、まず第13図に示すように、スタッドボルトFの
上部に螺合しているナットGおよび座金Hを外し、次い
でクレーン(図示略)を使って第14図に示すように上蓋
Cを吊り上げて、スタッドボルトFから抜き出すととも
に、該上蓋Cを所定の保管場所に移す。そして、次ぎ
に、第15図に示すように、胴部Bの上に突出しているス
タッドボルトFを抜き出して、上蓋Cと同様に所定の保
管場所に移し、胴部B上に余分なものが付属しない状態
にして、当初の燃料交換作業、あるいは点検作業を実施
する。
上蓋Cを取り付ける場合は、取り外す場合と逆の手順
で作業を行う。
ところで、上蓋Cの着脱作業に対しては、次の二つの
点を十分に検討しておくことが要求されている。
その一つは、前述の上蓋Cの着脱作業およびそれに伴
うスタッドボルトFやナットHの着脱作業が、総て放射
線管理区域内での作業となるため、作業の簡素化および
自動化を促進させて、工期の短縮、および作業員の被曝
低減を図ることであり、 また、他の一つは、原子炉圧力容器の胴部Bと上蓋C
との連結に使用しているスタッドボルトFやナットG
は、前述のように一つの上蓋全体では92組使用されてい
るが、締結性能に対する信頼性等をより確実にすること
から、使用している総てのねじ類は上蓋着脱作業前と同
じ組み合わせでしかも同じ箇所に使用すること、すなわ
ち、外したスタッドボルトFやナットGは必ず元の位置
に取り付けるということである。
これまで、出願人は、前者の要求事項に対しては、実
公昭58−17737号[スタッドボルトの着脱装置]及び特
公昭59−11433号[ナット着脱作業設備]を提案し、こ
れらの技術によってスタッドボルト及びナットの着脱作
業における省力化、工期の短縮、作業員の被曝低減を図
ってきた。
また、後者の要求に対しては、外したボルトやナット
の元の組み合わせや取り付け位置が誤認されないよう
に、各ボルトやナット毎に保管位置を区画整理した保管
場所を確保すること等の対処をし、これによって外した
ボルトやナットが確実に元の位置に取り付けられるよう
に図ってきた。
「発明が解決しようとする問題点」 しかし、一般に、原子炉圧力容器の周囲は、広大な保
管場所を確保することが難しい。そして、保管場所への
搬送にかかる手間を軽減すること、搬送による放射性物
質の拡散を最小限に抑えること等を考えると、上蓋を着
脱する場合に、圧力容器から外したボルトやナットを保
管場所へ移す際の移動距離を一層低減させるとともに、
保管場所として必要なスペース自体の縮小を図ることが
必要で、これらを踏まえた上での上蓋着脱方法を開発す
ることが今後の研究課題として望まれる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、原子炉
圧力容器の上蓋着脱時に、スタッドボルトやナットの保
管・管理用として、特別に保管場所を確保する必要がな
く、しかも手間のかかる搬送作業が必要なく、搬送作業
によるスタッドボルトの損傷を防止することもでき、さ
らに放射性物質の拡散を最小限に抑制する上でも優れた
原子炉圧力容器の上蓋着脱方法を提供することを目的と
する。
「問題点を解決するための手段」 この発明に係る原子炉圧力容器の上蓋着脱方法は、原
子炉圧力容器の上蓋を胴部に対して着脱する技術とし
て、上蓋と胴部との相互の連結手段であるスタッドボル
トの下端のねじ部と胴部との係合を外した場合に、下端
のねじ部が上蓋のボルト挿通孔内に収容されるまでスタ
ッドボルトを引き上げて、上蓋の上面とスタッドボルト
に係合されるナットとの間にスペーサーを配してスタッ
ドボルトを上蓋に吊持させておき、この状態で上蓋の移
動を行う構成を採用している。
「作用」 この発明に係る原子炉圧力容器の上蓋着脱方法は、例
えば、上蓋を外すためにスタッドボルトの下端をねじ部
と原子炉圧力容器の胴部との係合を外した場合に、外し
たスタッドボルトはそのまま上蓋に吊持させ、この状態
のまま上蓋の移動を行うもので、例えば、取り外した上
蓋の保管場所としてオペレーティングフロアに用意した
上蓋載置スペースに上蓋を移すだけで、外したスタッド
ボルトの個別保管と保管場所への搬送が同時に行えたこ
とになり、多数のスタッドボルトを個々に搬送する必要
がなくなり、しかもスタッドボルト用として特別に保管
スペースを確保しておく必要もなくなる。
また、上蓋に吊持したスタッドボルトは、下端のねじ
部が上蓋に設けられているボルト挿通孔内に収容される
ため、上蓋搬送時に該スタッドボルトのねじ部が周囲の
構造物や器物に干渉して損傷を受けることもなく、安全
に保管することができる。
また、スタッドボルトと原子炉圧力容器の胴部との係
合を外した場合に、該スタッドボルトの上部のねじ部に
係合させた座金およびナットはそのままスタッドボルト
上に係合させた状態で残しておけば、単にスタッドボル
トだけでなく、ナットや座金に関しても、保管スペース
の削減と個別に搬送・保管する手間の削減を図ることが
でき、上蓋着脱作業全体としては、保管スペースを大幅
に削減することができ、かつ個別の搬送作業の削減によ
って作業性を大幅に改善することができ、さらには、ス
タッドボルトやナット等を個別に広い保管場所内で移動
させる必要がないから、放射性物質の拡散を最小限に抑
制する上でも優れた効果を得ることができる。
また、上蓋にスタッドボルトを吊持させる方法として
は、例えば実施例に示すように、スタッドボルトの上部
のねじ部に螺合するナットと上蓋のフランジ部との間に
スペーサーを介在させたり、あるいは、前記ナットの高
さ寸法をスタッドボルトの下端のねじ部の長さよりも大
きく設定しておいて、スタッドボルトを原子炉圧力容器
の胴部から外した後に、上部ねじ部の下にナットを落と
す等の簡単な対処で対応することができるから、該方法
によって上蓋着脱作業に要する費用が高価になることも
ない。
「実施例」 第1図は本発明の実施に使用する上蓋開閉装置の要部
の斜視図、第2図は同上蓋開閉装置の正面図である。
本発明の一実施例となる上蓋着脱方法を説明する前
に、まず、前記上蓋開閉装置について簡単に説明してお
く。
第2図において、符号1が上蓋開閉装置である。
この上蓋開閉装置1は、原子炉圧力容器Aの上蓋Cを
胴部Bから着脱する場合に、上蓋Cと胴部Bとを連結し
ているスタッドボルトFやナットGや座金Hの着脱を自
動化したもので、上蓋Cに固定される固定スリング2
と、この固定スリング2に旋回可能に保持される旋回テ
ーブル3と、作業用の足場装置4を基本構成としてい
る。
前記固定スリング2の上蓋Cへの固定は、該固定スリ
ング2のフレーム2aの端部から垂下した脚2bを、上蓋C
の吊り金具CaにピンPによって連結することによってな
されている。
この固定スリング2のフレーム2aの中心部には、クレ
ーン(図示略)によって吊り上げるための吊り金具2cが
設けられている。この吊り金具2cおよび前記フレーム2a
等は、上蓋Cおよび旋回テーブル3の重量を支え得るだ
けの強度が与えてあり、上蓋Cを胴部Bから分離させて
おけば、前記吊り金具2cをクレーンで吊り上げることに
よって、上蓋開閉装置1と一緒に上蓋Cを移動すること
ができる。
前記旋回テーブル3は、その中心に前記固定スリング
2の吊り金具2cを挿通させる開口部が形成されたドーナ
ツ盤状を呈したもので、固定スリング2の上面に設置さ
れたローラ5の上に載置されている。この旋回テーブル
3の前記ローラ5と接触する部分には、接触面を平滑に
したレール部が形成されていて、これによって固定スリ
ング2に旋回自在に支持された格好になっている。
前記足場装置4は、上蓋Cの周囲に作業員が通行し得
る足場を提供するものであるが、上蓋Cを固定している
各スタッドボルトFの位置に対応して、ナットGや座金
Hに挿通させることのできるピン6が上向きに突設され
ており、これらのピン6に、上蓋Cから外したナットG
や座金Hを嵌め込むことによって、ナットGや座金Hの
保管場所としても利用できるように配慮されている。こ
の足場装置4は、全体としては、上蓋Cのフランジ部E
の外周を回るリング状をなしたもので、外周側の下面を
原子炉格納容器の構造部(バルクヘッド等)Tに載せる
ことによって支持されている。
また、前記固定スリング2には、前記旋回テーブル3
を旋回させる駆動部8と、旋回テーブル3の中心位置を
上蓋Cの中心位置に一致させるために旋回テーブル3を
水平面内で移動させる芯出し装置9とが設けられてい
る。
前記駆動部8は、駆動用のモータ10と、このモータ10
の出力軸に固定されたピニオン11と、前記旋回テーブル
3側に固定されるとともに前記ピニオン11にかみ合う歯
を持ったラック12とを備えた構成で、前記モータ10によ
ってピニオン11を回転させることによって、ピニオン11
の回転方向に旋回テーブル3を旋回させる。
前記芯出し装置9は、前記旋回テーブル3の内周面に
当接させたローラ15の位置を半径方向に進退させること
によって旋回テーブル3の位置を修正するもので、ロー
ラ15は、この実施例では4箇所に配備され、それぞれ半
径方向に伸縮可能なアーム16の先端に支持された構成に
なっている。なお、この芯出し装置9による旋回テーブ
ル3の位置修正動作は、後述の旋回テーブル3用の位置
検出装置の検出データによる。
以上の如き旋回テーブル3には、スタッドボルトFや
ナットGや座金H等の着脱や搬送をするための作業ユニ
ット19と、前記芯出し装置9の動作を設定するために旋
回テーブル3の位置を検出して、その検出データを、芯
出し装置9の制御部に送る位置検出装置20と、前記足場
装置4を上蓋Cに対して所定の位置にセットするまでの
間、該足場装置4を保持しておく足場保持装置21とが備
えられている。
前記作業ユニット19は、第1図にも示すように、旋回
テーブル3上に設置されたユニット昇降装置23と、この
昇降装置23によって昇降操作されるユニット台24と、こ
のユニット台24に装備された3つの作業装置とからな
る。この3つの作業装置の一つはスタッドテンショナ25
で、他の一つはスタッドボルト着脱装置26で、他の一つ
はナット搬送装置27である。
前記スタッドテンショナ25は、スタッドボルトFの把
持部Fcを掴んで引き上げる機能と、ナットGを回してス
タッドボルトFから外す機能とを有したもので、具体的
な構成としては、特開昭60−141478号公報に準じてい
る。
前記スタッドボルト着脱装置26は、前記スタッドボル
トFの上端から中心軸線に沿って穿設されたスタッドボ
ルト旋回用の孔を利用して、該スタッドボルトFのねじ
込み、あるいは取り外しを行うもので、該装置26の具体
的な構成としては、実公昭58−17737号公報に準じてい
る。
前記ナット搬送装置27は、前記スタッドテンショナ25
によってスタッドボルトFから外したナットGや座金H
を把持ブラケット29(第2図参照)で把持して、スタッ
ドボルトFから足場装置4のピン6に移動したり、ある
いはピン6に保管しているナットGや座金Hを同様に把
持ブラケット29でスタッドボルトFに移す作業を行う。
前記把持ブラケット29は、上下方向への昇降機構と半径
方向への進退機構とを有してスタッドボルトFとピン6
との間を自在に移動し得るようにされている。また、こ
の把持ブラケット29の先端部は、ナットGや座金Hを把
持するに適した構造とされている。すなわち、把持ブラ
ケット29の先端は、スタッドボルトFを挿通させる溝を
有したフォーク状になっていて、ナットGの下側に該フ
ォーク状の部分を差し込んでブラケット29を上昇させれ
ば、ナットGをスタッドボルトFから抜き出すことがで
きる。また、ブラケット29のフォーク状の部分の下面に
は、磁石が埋設されていて、ナットGと座金Hとの間に
フォーク状の部分を差し込めば、座金Hは磁石によって
吸着することができる。
前記位置検出装置20は、前記旋回テーブル3の中心か
ら所定の半径の位置に、スタッドボルトFまでの距離を
検出するセンサSを設置して、検出した距離から旋回テ
ーブル3の上蓋Cに対する位置ずれを検出するものであ
る。前記センサSの取り付け半径Rは、前記スタッドボ
ルトFのピッチサークルの半径R1にスタッドボルトFの
半径rと基準にする離間距離δとを加えたもの、すなわ
ち、R=R1+r+δに設定している。
前記足場保持装置21は、原子炉格納容器Aの構造部T
の上に足場装置4を設置する作業が完了するまで、前記
足場装置4を支えておくもので、これには、不用な時に
は、取り外しができるように、例えば、チェーンブロッ
ク等の吊り上げ装置が利用されている。
さて、第1図において、符号30で示したものは、本発
明の実施に使用するスペーサーである。
このスペーサー30は、第3図に示すように、スタッド
ボルトFの縮径部Fd(上部寄りのねじ部Fbの下に形成さ
れる頚部)に外嵌する筒状の本体31と、この本体31の外
周に突設された取っ手32とから構成されている。
前記本体31は、第4図にも示すように、筒体を縦に二
つ割りした半割れ部材31a・31b相互の一側をヒンジ33に
よって連結して、開閉可能にしたものである(第4図に
一点鎖線で示したものは閉じた状態を示し、実線で示し
たものは開いた状態を示している)。該本体31の上端お
よび下端の外径は、上蓋Cのフランジ部Fに形成された
スタッドボルト挿通孔の径よりも大きく設定されてい
る。また、この本体31の高さ寸法は、スタッドボルトF
の下端のねじ部Faの長さよりも大きく設定されており、
スタッドボルトFと原子炉圧力容器の胴部Bとの係合を
外した場合に、該スペーサー30をスタッドボルトFに係
合しているナットGと上蓋Cの上面との間に装着して、
スタッドボルトFを前記本体31の高さ寸法の分だけ上昇
させると、スタッドボルトFの下端ねじ部Fa全体が、上
蓋Cのフランジ部Eのボルト挿通孔内に収容される。
一方、取っ手32は、それぞれの半割れ部材31a・31bに
取り付けられた一対の取っ手構成部材32a・32bからな
る。これらの取っ手構成部材32a・32bは、それぞれ線材
を折曲して形成したもので、取り付け金具34によって各
半割れ部材31a・31bに回転自在に支持されており、第4
図に2点鎖線で示したように、スペーサー30を取り扱う
ために取っ手を引き出した状態イと、取っ手を邪魔にな
らないように引っ込めた状態ロとに自由に変換すること
ができる。取っ手32を引き出した状態では、取っ手32を
把持するだけで、本体31を形成している半割れ部材31a
・31b相互を開いた状態にすることができ、また、取っ
手32を引っ込めた状態にすると、各半割れ部材31a・31b
に設けられた係止金具35によって各取っ手構成部材32a
・32bが係止された状態になる。スタッドボルトFに取
り付けた状態では、前記取っ手32は引っ込めた状態にし
ておく。
さて、以下、本発明に係る上蓋着脱方法の実施例を説
明する。
本発明は、原子炉圧力容器Aの上蓋Cを胴部Bに対し
て着脱する方法であって、第1図は、その一実施例の一
部の工程を示したものである。
最初に上蓋Cを取り外す場合について説明すると、ま
ずクレーン等を使って上蓋開閉装置1全体を吊り上げ
て、上蓋Cの上に据え付ける。
この開閉装置1の据え付けは、まず固定スリング2を
上蓋Cに固定し、次に旋回テーブル3の中心を上蓋Cの
中心に位置合わせする芯出し作業を行う。この芯出し作
業は、前述の芯出し装置9を使って行う。そして、芯出
し作業が完了したら、足場装置4を原子炉格納容器Aの
構造部Tに据え付ける。
足場装置4の据え付けが完了したら、足場保持装置21
は、その後の作業の邪魔にならないように、旋回テーブ
ル3から外しておく。
上蓋開閉装置1のセットが完了したら、次には、作業
ユニット19を動作させて、スタッドボルトFと原子炉圧
力容器Aの胴部Bとの係合を外す。
この場合の具体的な手順としては、まず、スタッドテ
ンショナ25によってスタッドボルトFの把持部Fcを引き
上げてナットGを緩める。ナットGを緩める場合に、ナ
ットGが完全に抜け出さないように注意しておく。次に
は、スタッドボルト着脱装置26によって、スタッドボル
トFと胴部Bとの係合を外す。そして、次には、スタッ
ドテンショナ25を使ってスタッドボルトFを適当量引き
上げ、上蓋Cのフランジ部Eの上に残されている座金H
とナットGとの間に、前記スペーサー30を装着する。こ
のスペーサー30の装着は、作業員の手作業によって行
う。
このスペーサー30の装着によって、スタッドボルトF
は、その下端のねじ部Faが上蓋Cのフランジ部Eのボル
ト挿通孔内に収容された状態で上蓋Cに吊持された状態
になる。
上蓋Cの固定に使用されている総てのスタッドボルト
Fにスペーサー30を装着し終わったら、前記上蓋開閉装
置1の固定スリング2をクレーン等で吊り上げて、上蓋
CとスタッドボルトFやナットGや座金Hを上蓋開閉装
置1と一緒に保管場所として確保しているオペレーショ
ンフロアに搬送する。
外した上蓋Cを取り付ける場合は、前述の手順を逆に
行う。
以上のような上蓋着脱方法では、上蓋Cを外すために
スタッドボルトFの下端をねじ部Faと原子炉圧力容器A
の胴部Bとの係合を外した場合に、外したスタッドボル
トFはそのまま上蓋Cに吊持させ、この状態のまま上蓋
Cの移動を行うから、取り外した上蓋Cの保管場所とし
てオペレーティングフロアに用意した上蓋載置スペース
に上蓋Cを移すだけで、胴部Bから外したスタッドボル
トFの個別保管と保管場所への搬送が同時に行えたこと
になり、多数のスタッドボルトFを個々に搬送する必要
がなくなり、しかもスタッドボルト用として特別に保管
スペースを確保しておく必要もなくなる。
また、上蓋Cに吊持したスタッドボルトFは、下端の
ねじ部Faが上蓋Cに設けられているボルト挿通孔内に収
容されるため、上蓋搬送時に該スタッドボルトFのねじ
部Faが周囲の構造物や器物に干渉して損傷を受けること
もなく、安全に搬送・保管することができる。
また、スタッドボルトFと原子炉圧力容器Aの胴部Fa
との係合を外した場合に、前記実施例のように、該スタ
ッドボルトFの上部のねじ部Fbに係合させた座金Hおよ
びナットGはそのままスタッドボルトF上に係合させた
状態で残しておけば、単にスタッドボルトFだけでな
く、ナットGや座金Hに関しても、保管スペースの削減
と個別に搬送・保管する手間の削減を図ることができ、
上蓋着脱作業全体としては、保管スペースを大幅に削減
することができ、かつ個別の搬送作業の削減によって作
業性を大幅に改善することができ、さらには、スタッド
ボルトFやナットG等を個別に広い保管場所内で移動さ
せる必要がないから、放射性物質の拡散を最小限に抑制
する上でも優れた効果を得ることができる。
また、上蓋CにスタッドボルトFを吊持させる方法と
しては、例えば実施例に示すように、スタッドボルトF
の上部のねじ部Fbに螺合するナットgと上蓋Cのフラン
ジ部Eとの間にスペーサー30を介在させる等の簡単な対
処で対応することができるから、該方法によって上蓋着
脱作業に要する費用が高価になることもない。
なお、前記一実施例では、スペーサー30がヒンジ33を
使用した開閉式のものであるが、第5図に示すスペーサ
ー37を使用するようにしても良い。
このスペーサー37は、円筒状のものを縦に二つ割りし
た半割れ部材37a・37bの相互の連結を、連結板38および
ねじ部材39を使用して行うもので、半割れ部材37a・37b
の上下端の径が上蓋Cのボルト挿通孔の径よりも大きく
設定される点、およびこれらの半割れ部材37a・37bら高
さ寸法がスタッドボルトFの下端ねじ部Faの長さよりも
大きく設定される点に関しては、スペーサー30の場合と
同様である。
第6図は、前記連結板38の詳細を示し、第7図はねじ
部材39の要部の詳細を示したものである。
前記連結板38は、一方の側にはねじ部材39用の挿通孔
38aを設け、他方の側にボルトを挿通し得る切り欠き38b
を設けたもので、ねじ部材39を完全に外さずに、緩める
だけで半割れ部材37a・37b相互の係脱をできるように配
慮されている。
前記ねじ部材39は、ねじの頭部となるビス39aと、こ
のビス39aに螺合する本体39bとからなる。前記本体39b
は、第7図に示す如く、一端に雌ねじ39cが形成され、
他端に雄ねじ39dが形成され、中間部に鍔部39eが形成さ
れたものである。
また、前述の実施例では、原子炉圧力容器Aの胴部B
から外したスタッドボルトFの下端のねじ部Faを上蓋C
のボルト挿通孔内に収容するために、スペーサー30、あ
るいはスペーサー37を使用することとしたが、スペーサ
ーを使用する代わりに、スタッドボルトFの上部のねじ
部Fbに螺合するナットGを利用するようにしても良い。
すなわち、第8図に示すように、ナットGの高さ寸法
L1を、スタッドボルトFの下端ねじ部Faの長さL2よりも
大きく設定しておき、スタッドボルトFを原子炉圧力容
器Aの胴部Bから外した後に、スタッドテンショナ25を
使用してナットGをスタッドボルトFの上部のねじ部Fb
の下に落とすことによって、第9図に示すように、スタ
ッドボルトFの下端ねじ部Faをボルト挿通孔内に収容す
ることができ、第10図に示すように、スペーサーを使用
せずとも上蓋Cと一緒にスタッドボルトFやナットGや
座金Hを搬送することが可能になる。このように、ナッ
トGの高さ寸法を増大させという対処を採れば、スペー
サーの分だけ部品点数を削減でき、上蓋着脱作業時の部
材管理が容易になる。
「発明の効果」 この発明に係る原子炉圧力容器の上蓋着脱方法は、例
えば、上蓋を外すためにスタッドボルトの下端をねじ部
と原子炉圧力容器の胴部との係合を外した場合に、外し
たスタッドボルトはそのまま上蓋に吊持させ、この状態
のまま上蓋の移動を行うもので、例えば、取り外した上
蓋の保管場所としてオペレーティングフロアに用意した
上蓋載置スペースに上蓋を移すだけで、外したスタッド
ボルトの個別保管と保管場所への搬送が同時に行えたこ
とになり、多数のスタッドボルトを個々に搬送する必要
がなくなり、しかもスタッドボルト用として特別に保管
スペースを確保しておく必要もなくなる。
また、上蓋に吊持したスタッドボルトは、下端のねじ
部が上蓋に設けられているボルト挿通孔内に収容される
ため、上蓋搬送時に該スタッドボルトのねじ部が周囲の
構造物や器物に干渉して損傷を受けることもなく、安全
に保管することができる。
また、スタッドボルトと原子炉圧力容器の胴部との係
合を外した場合に、該スタッドボルトの上部のねじ部に
係合させた座金およびナットはそのままスタッドボルト
上に係合させた状態で残しておけば、単にスタッドボル
トだけでなく、ナットや座金に関しても、保管スペース
の削減と個別に搬送・保管する手間の削減を図ることが
でき、上蓋着脱作業全体としては、保管スペースを大幅
に削減することができ、かつ個別の搬送作業の削減によ
って作業性を大幅に改善することができ、さらには、ス
タッドボルトやナット等を個別に広い保管場所内で移動
させる必要がないから、放射性物質の拡散を最小限に抑
制する上でも優れた効果を得ることができる。
また、上蓋にスタッドボルトを吊持させる方法として
は、例えば実施例に示すように、スタッドボルトの上部
のねじ部に螺合するナットと上蓋のフランジ部との間に
スペーサーを介在させたり、あるいは、前記ナットの高
さ寸法をスタッドボルトの下端のねじ部の長さよりも大
きく設定しておいて、スタッドボルトを原子炉圧力容器
の胴部から外した後に、上部ねじ部の下にナットを落と
す等の簡単な対処で対応することができるから、該方法
によって上蓋着脱作業に要する費用が高価になることも
ない。
加えて、胴部とねじ穴とスタッドボルトとの組み合わ
せを個々のスタッドボルトについて設定して、組み合わ
せを変化させないように管理することが容易になり、螺
合部分の環境変化の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施に使用する上蓋開閉装置の要部の
斜視図、第2図は前記上蓋開閉装置の正面図、第3図は
本発明の一実施例に使用するボルト保持器の側面図、第
4図は前記ボルト保持器の作用説明図、第5図は前記ボ
ルト保持器の他の実施例の平面図、第6図は第5図中に
示した係止金具の正面図、第7図は第5図中に示した係
止金具用のねじ部材の側面図、第8図〜第10図は本発明
の工程説明図、第11図は原子炉圧力容器の側断面図、第
12図は第11図中の要部の拡大図、第13図〜第15図は従来
の着脱方法の工程説明図である。 A……原子炉圧力容器、B……胴部、 C……上蓋、Ca……吊り金具、 E……フランジ部、F……スタッドボルト、Fa・Fb……
ねじ部、 Fc……把持部、G……ナット、 H……座金、1……上蓋開閉装置、 2……固定スリング、3……旋回テーブル、 4……足場装置、5……ローラ、 6……ピン、8……駆動部、 9……芯出し装置、10……モータ、 11……ピニオン、12……ラック、 15……ローラ、16……アーム、 19……作業ユニット、20……位置検出装置、 21……足場保持装置、23……ユニット昇降装置、24……
ユニット台、 25……スタッドテンショナ、 26……スタッドボルト着脱装置、 27……ナット搬送装置、29……把持ブラケット、30……
スペーサー、 31……本体、32……取っ手、 33……ヒンジ、34……取り付け金具、 35……係止金具、37……スペーサー、 38……連結板、39……ねじ部材。
フロントページの続き (72)発明者 大村 豊 横浜市磯子区新中原町1番地 石川島播 磨重工業株式会社横浜第一工場内 (56)参考文献 実開 昭56−104868(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉圧力容器(A)の上蓋(C)を胴部
    (B)に対して着脱する方法であって、上蓋と胴部との
    相互の連結手段であるスタッドボルト(F)の下端のね
    じ部(Fa)と胴部との係合を外した場合に、下端のねじ
    部が上蓋のボルト挿通孔内に収容されるまでスタッドボ
    ルトを引き上げて、上蓋の上面とスタッドボルトに係合
    されるナット(G)との間にスペーサー(30)を配して
    スタッドボルトを上蓋に吊持させておき、この状態で上
    蓋の移動を行うことを特徴とする原子炉圧力容器の上蓋
    着脱方法。
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